OUG ライフサイエンス分科会 過去の活動 2007年度

第256回 ライフサイエンス分科会 日本オンライン情報検索ユーザー会分科会 開催報告記録

記入者:戸上 康弘
開催日時:2008年3月13日(木) 14:00~16:30
開催場所:ファイザー(株) 会議室
配布資料:「Pharamaprojects Version 5.2 Webの案内」(ハンドアウト)、
「Wolters Kluwer Health|Adis Company Profile」、「AdisInsightのご紹介」( 資料1、サンプル 1、 2、 3、 4、 5、 6 )
参加人数:17名

内 容: 「Pharmaprojects誌の紹介」、「AdisInsight(R&D Insight とCliniacal Trial Insight)の紹介」

Ⅰ.Pharmaprojects

(株)資料研究所 平田 敏一郎氏
長尾  明彦氏

会社概要:「Pharmaprojects」は、英国informa healthcare社作成によるもので、(株)資料研究所が日本での販売総代理店である。世界の医薬品業界、規制情報ニュースの「SCRIP」などを提供している。
Pharmaprojectsの経緯:1980年創刊。1990年データベース提供開始。現在40000薬のレコードを収載。
提供媒体は、Web版、CD-ROM版、Print版。(ただしCDは継続契約のみを対象)。

1.データの構成と内容:
更 新:Web版は日本時間で毎週日曜日。
レコード数:40,300件。(開発中 約9000、中止約28,700、上市済約2,600)
内 容:製品名、開発会社、開発段階、開発国、薬理・薬効、適応症、投与経路、作用機序、薬物動態、特許、国別開発段階、新規性、詳細情報(臨床情報、市場情報)。
特 徴:  ①SCRIP(ニュース)、Citeline(臨床試験情報)、ERA News・RAJ・GCP Journal(規制、GCP情報)などの豊富な情報源を最大限に活用してレコードを更新。
②細分化した薬効・薬理の分類、および適応症や投与経路の厳密な索引で、精度の高い検索が可能。
③特許情報も収録。ただし特許は網羅的に収集していない。ライセンシング情報も充実。

2.検索
Webからログイン。(専用ソフトのインストール要。)
(1)「Drug Profile Search」:「薬名」、「薬効」、「対象疾患・領域」、「企業名」、「国」、「開発段階」などがディレクトリー形式で検索候補語が出るので該当のものを選択して検索実行。複数の検索語を選択し、「AND」「OR」「NOT」の演算子や「括弧()」を指定して掛け合わせ検索もできる。
(2)構造式検索:CASDrawを使用。MDL ISIS/DrawやChemDrawで作成した構造式の読み込み検索可。
(3)「Standard Search」:「会社名」「薬効分類」「最新更新情報に限定」「新規登録された薬」の検索対象を限定して、出てくる候補語を指定して検索する。
(4)「Quick Search」テキスト検索。思いついた言葉を入力して全文検索をする。
3.出力
DrugProfileの全文表示、「Report Table」検索結果の一覧表表示、結果のグラフ表示が可能。
一覧表やグラフ(棒、円、折れ線表示)はファイル出力もできる。

4.その他の機能
(1)「Company Profile Search」(会社概要検索)
(2)データ分析とグラフ出力機能を活用してプレゼン資料に活用できる。
(3)アラート(SDI)機能:検索条件を設定してメール配信するサービスはない。「Standard Search」の中に更新情報を確認する「Alert」ボタンがあるので毎週確認あるいは過去に遡って確認ができる。

Q: 特許は何を基準に収録しているか?
A: 説明で伝えたように網羅的に収載していないが、米国Orange Bookに収録している特許は最低収載するようにしていることとinfarma社提携の特許データベースを情報源として収録している。なおPharmaprojects中の特許のリンクは特許データベース「Micaropatent」(契約要)のデータにリンクしているので詳細情報が確認できる。
Q: Web版、CD-ROM版の料金は?
A: Web版は1ユーザーあたり約150万円/年(消費税込み2008年3月時点)。CD-ROM版は継続希望のユーザーのみに提供。(新規契約はしていない。)

Ⅱ.「ADIS Insights(R&D Insight とCliniacal Trial Insight)」

エイディスインターナショナル 大久保雅幸氏
会社概要:「ADIS International」はWalters KluwerHealthグループの1つの会社で、新薬の総説で定評の「Drugs」誌の出版、リプリントの販売、ADIS Insightsなどのデータベースの提供などを行なっている。「ADIS Insights」は「ADIS R&D Insight(RDI)」(開発品情報)と「Clinical Trials Insight(CTI)」(臨床試験情報)の2つのデータベースからなる。

R&D Insight
1.「R&D Insights」のデータ構成
更 新:毎週月曜日。
レコード数:2007年末、23273件収録(うち開発の動きがあるもの43.8%、ないもの56.2%)。
内 容:データは、薬物ごとのレコードで、薬名と同義語、起源・開発会社、開発段階、開発状況(各国、適応症)、開発経緯が盛り込まれている。
特 徴:「ADIS Evaluation」の項目で臨床試験デザイン(100点満点)と試験の新規性(3段階)で評価をしている。また、副作用や臨床の内容はリンクになっていて出典が分かる。特に臨床試験内容は「CTI」のレコードにリンクして、試験デザインや試験結果などを一覧表で見られる。

2.検索
(1)基本検索:Webでログイン。検索画面で、まず検索したい検索語を入力してブラウジング機能を利用して候補語の中から検索語を選択する。さらに選択した検索語を「AND」「OR」「NOT」の演算子でつないで検索を実行する。
検索項目は、「Organization」(組織名)、「Development」(適応症、開発段階、国名)などがある。
(2)全文検索:検索項目で「Full Text」を選択すると、直接、検索語を入力して検索できる。
(3)化学構造式検索:対応していない。

3.出力
(1)モノグラフは、印刷、HTMLファイル出力可能。
(2)検索結果一覧の作表機能(「BizInt WebChart」のインストールが必要。)
EXL,Word、HTML、CSV、txt形式で出力可。①化学構造式の読み込み可。②薬名から本文レコードへのリンク設定が可能でリンクを契約団体内で自由に活用できる。③出力項目はカスタマイズできる。

4.その他の機能
(1)「Company Profiles」:200社以上の製薬企業の会社概要が見られる。
(2)「Push Mail」:毎週月曜日に更新情報をE-Mailで配信。今年から複数の配信先指定が可能になった。

Clinical Trials Insight
1.データの概要と構成
情報源:雑誌で公表された臨床試験論文、学会、メディアリリース
領 域:全26領域。( Oncologyなど広範囲なものから、Anxiety Disorderなど狭い範囲のものなど様々)別個に契約が必要。
内 容:薬名と対象疾患(試験名があれば併記)をタイトルとしてレコードがまとめられている。試験目的、試験デザイン、フェーズ、参加施設の国名、エンドポイント、被験者   情報、試験結果、副作用、関連文献など
特 徴:投与量、期間、経路などは表で可視化。試験デザインと新規性をADISで独自に評価して表示。関連文献は、「Best Evidence」「Supporting Evidence」「citation」「Ongoing Trial」に分類。

2.検索
検索語の分類から対象の分類を選んでから、思いつく言葉を入れてBrowseボタン候補語を選び候補語を指定して検索実行。複数の検索語の選択と掛け合わせは「R&D Insight」と同様。
分類は、薬名、薬効名、対象疾患、情報源、薬物動態、全文、非薬物療法、被験者、試験、評価の10種の大分類になっている。

3.結果の表示
臨床試験のサマリー表示と検索結果一覧の作表が可能。ファイル保存も可能。


第255回 ライフサイエンス分科会

記入者:山田 知弘

開催日時: 2008年2月21日(木) 14:00~16:30

開催場所: ファイザー(株) 会議室

配布資料: 「シソーラス改訂について」、「シソーラス改訂に伴う登録式移行と3月のユーザSDI配信」、「JDreamⅡのメンテナンスについて 1) 、2) 」

参加人数: 25名

 

内 容: JSTシソーラスの改訂について

山田 知弘氏

 

JSTシソーラスとは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が作成している約40,000語にのぼる科学技術分野の検索用語集です。                      このシソーラスの用語の中からJDreamⅡに搭載されているJSTPlusやJMEDPlusの各記事に原文献の主題を表す言葉を「シソーラス用語」として付与しています。    シソーラス用語は階層構造を持っており、その用語の下位概念の用語も含めて検索しますので、ノイズを抑えながら網羅性の高めた検索が可能です。
前回の改訂が1999年にありましたが、時代の変遷により階層構造の変更や用語の言い換え等が発生し、更には科学技術の進歩により新たな概念が生まれている事から、2008年に9年ぶりとなる改訂をおこなう事になりました。
今回は、旧シソーラスから新シソーラスへの移行をスムーズに行って頂く為に改訂の概要と作業及びスケジュールについての紹介をしました。(最後に新サービスも簡単に紹介しました。)

<概要>
1.改訂の概要
改訂の必要性、基本方針から用語及び階層の変更点等を説明しました。詳細は、「シソーラス改訂について」を参照下さい。


第254回 ライフサイエンス分科会

記入者:田中 早苗

開催日時: 2008年1月24日(木) 14:00~16:30

開催場所: ファイザー(株) 会議室

配布資料: 「Dialog UPDATE 2007」テキスト、各データベースの特徴のまとめ

参加人数: 12名

 

内 容:Dialog Update2007
「オンライン情報源での学会要旨&ポスター発表の検索-バイオメディカルサーチャーにとって重要な情報源の調査-」

田中 早苗氏

 

2007年10月開催Dialog UPDATEセミナーでのB. Snowさんの講演を日本語でご紹介しました。

学会発表は、しばしば研究調査結果や臨床診療の新しい成果に関する詳細データの、最初の公式発表となります。
一般的にこのような重要な情報が、医学系の査読雑誌として出版されるまでには、2-3年の期間を要します。
また残念ながら、その公表率は残念ながらあまり高いものではありません。
そのような状況故、学会発表やポスタープレゼンテーションの情報は、オンライン調査における課題として注目されています。
しかし残念ながらこの問題についての結論を得ることは困難です。
実際にはどのデータベースが個々の学会発表について、最もタイムリーで実用的な情報を収録しているでしょうか?
このセッションでは、「Dialog/Datastar」で利用可能な情報源を比較するとともに、Web上から得られる補完的な情報源にもハイライトしてご紹介しました。

<概要>

1.背景
このセミナーでは背景として、何故そのような状況が生じているかといった要因について説明しました。
主な要因としては以下のような項目が挙げられます。

・著者の時間的制約・異動
・研究結果がポジティブなものであるか否か etc.

また、学会発表内容がオンラインデータベースに収録されにくい原因として、以下のような事項があります。

・出版に関する因子:学会発表内容の有用性、コスト的問題、著作権による制約 etc.
・産業的因子:企業の競争力弱体化、法的脆弱性、規制による制限、知的財産保護 etc.

2.主要なバイオメディカルデータベースにおける学会情報の収録状況と検索方法
MEDLINE、EMBASE、BIOSISなどのデータベースについてご紹介しました。詳細は「各データベースの特徴まとめ」を参照ください。

3.最新の学会発表情報のモニタリングに適した情報源
最新情報はニュースレター、プレスリリースなどの媒体で公表されます。そのような情報を収録する情報源として以下の3種のデータベースをご紹介しました。

・Prous Daily Essentials
・Adis Clinical Trials Insight
・PROMT

各データベースの収録の特徴、速報性、検索方法については配付資料「各データベースの特徴のまとめ」を参照ください。

その他に学会情報を提供している、無料のWebサイトを数箇所ご紹介しました。


第253回 ライフサイエンス分科会

記入者: 松前 奏子
堀  恭子
固武 龍雄
西内   史

開催日時: 2007年12月20日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株)会議室
配布資料: 参加者各自の検索結果
参加人数: 13名

内容: 「検索演習」

1.メソトレキサートをリウマチ投与(最大25mgまで)および癌へのメソトレキサート大量療法(HD-MTX 3000mg)でそれぞれ何mgで副作用の発現率が高くなるか。

【演題のポイント】
具体的な数値やmg等の単位の指定が難しいため演題に取り入れた。
【参加者の使用ツール】
・Google・医中誌Web・iyakuSearch・PubMED・MEDLILNE
【検索方法】
・医中誌Web, iyakuSearch等で具体的な数値を検索したものの、ヒットはなかった。
・メソトレキサートのインタビューフォームおよび添付文書に以下のような上限値の記載があるが引用文献の記載がみつからなかった。
* リウマトレックスのインタビューフォーム:
過剰投与の記述において、外国で週間総用量が20mgを超えると重篤な副作用の発生率が上昇するとある。
* メソトレセサートカプセル2mgの添付文書:
基本的注意の記述において、投与量を8mgまで増量すると副作用や臨床検査値異常等の発現の可能性が増加するとある。
【検索における疑問点】
メソトレキサート25mgおよび3000mgは1回の用量かまたは1週間当たりの用量かが演題からよめない。
【検索のポイント】
・日本人には思いつかないような単語が使われていることがあるので、safetyなどで広めにあたり検索すると良いものが見つかることがある。
【候補文献】
iyakuSearch
①治療 89(2)277-283(2007.2)
②病院薬学 26(1)116-122(2000.2)
PubMED
③Arthritis Rheum. 2004 Feb;50(2):364-71.
【結論】
演題そのものに沿う結果は得られなかったが、近い情報は得ることができた。

2.「BERNARD FISHER先生が乳癌は全身疾患だと唱えたオリジナル論文 1980年ぐらい」

参加者が様々な手法を用いてオリジナル文献の特定を試み、複数の論文が候補として提示された。
【特定のための手法】
・Web調査:Webの検索エンジンを使って、フィッシャー理論を解説している論文を検索。→引用文献を確認。
・文献データベースの検索:
①海外データベースにて「Bernard Fisher×全身病」で検索。→MEDLINEではヒットせず、EMBASEでヒット。
②国内データベースにてFisherの乳癌全身病説について書かれた日本語文献を検索。→文献を入手して、引用文献を確認。
・書籍で調査:定評のある専門書で典拠を確認。

【候補論文】
1.N Engl J Med 320:822-828,1989
2.World Journal of Surgery 9:655-66, 1985
3.New Engl J Med, 312: 665-73, 1985
4.New Engl J Med, 312: 674-681, 1985
5.Breast Cancer Res Treat 1:17-26, 1981
6.Cancer 46:1009-25, 1980
7.Cancer Res 40:3863-3874, 1980
8.Cancer 40:574-587, 1977

何をもってオリジナル論文と判断するかいまだ議論の余地はあるが、今回の発表の中では、おそらく以下の論文が「乳癌全身病説」のオリジナル文献ではないかと推測された。

【特定された論文】
6番目の論文
Fisher B, Redmond C, et al : The contribution of recent NSABP clinical trials of primary breast cancer therapy to an understanding of tumor biology-an overview of findings. Cancer 46:1009-25, 1980

【根拠】
・定評のある専門書に記載。『臨床腫瘍学』(日本臨床腫瘍学会編、癌と化学療法社、2003年)
・無作為化比較試験に基づいて「全身病モデル」を提唱。
・指定年代に該当。

8番目の文献から、Bernard Fisherが1970年代から「乳癌の全身病説」を唱えていることが判明した。無作為化比較試験の結果に基づき、Fisherらが「全身病モデル」を提唱した論文が、今回オリジナル文献と推定されたCancer 46:1009-25, 1980と推測される。なお、2番目の文献に対して、MEDLINEでは、Historical Artcle(歴史的文献)という索引が付与されていた。

3.動物の脳より得たガラニン・レセプターの精製に関する外国文献。(日本文献を除くというような処理は不要)。(ガラニン:galanin)

DialogのMEDLINEやEMBASEでは、phraseになっているMeSHタームなどは切り出して、その1部分のwordでもMeSHタームとして検索できるようになっている。
BrainのようなMeSHタームはBrainを含むphraseになっているMeSHタームが多いので、ノイズを防ぐためには/DEではなく/DFを使う方が良い。しかし皆さんの検索例ではBrainをMeSHタームとせず、単にフリーターム扱いで検索する人が多く、これは肩透かしになってしまった(STNやPubMedではこうなっていない)。
またReceptors,galaninと精製のSubheadingであるIP(Isolation & purification)をリンクすると0件となってしまう。得られた該当文献でもIPはリンクされていなかった。この理由についてはReceptors,galaninは2004年になってMeSHタームになったもので、それ以前の文献にはこのMeSHタームを遡及して付与しても、Subheadingとリンクさせることまではやっていないのであろう。2004年になってMeSHタームになったという指摘をした人あり。いつからMeSHタームになったかを確かめることは大事なことなのだが、ついなおざりになってしまう。
IPのSubheadingを使用してもリンクとはせず、単にANDとしていた人もいた。またMEDLINEやPubMedを使用してもSubheadingのIPを使わない人も多かった。

この演題に限らず、今月の検索では質問中のフリータームをそのまま(または若干の同義語も含めて)論理積として終わりというような面白味のない検索が多かった。データベースの特性に応じて、シソーラス、サブヘディング、分類、ロールなどのサーチャーの知識を動員しての味のある検索をもっと見たかった。

4.「ビタミンB6 大量投与によって起こる横紋筋融解症」ただし合剤ではなくB6単独製剤であること。

【検索の背景】
ビタミンB6の製剤によって引き起こされたと確認できる文献がなかなかヒットしない。薬剤と副作用の因果関係がはっきりした文献の効率的な探し方を知りたかった。
【検索のポイント】
ビタミンはたくさん合剤があると考え単独製剤と注記した。
ビタミンB6の製剤としてリン酸ピリドキサールカルシウム、ピリドキシン塩酸塩がある。West症候群、点頭てんかんの治療法としてビタミンB6の大量投与がある。
使用したデータベースは日本語は、医中誌Web、JAPICDOC、J-MedPlus。海外は、MEDLINE、EMBASE、ToxFile、SEDBASEで検索した。
【検索の結果】
基本的な検索式は、「ビタミンB6」×「横紋筋融解症」。
B6の単剤、単独投与に制限した検索例もあった。
JAPICDOCには、「大量投与」のサブヘディングがある。
EMBASEには、CB(Drug Combination)というサブヘディングがあるが、この中には単独製剤も含まれている。
MeSHはrabdomyolysis(横紋筋融解症)のサブヘディングchemically inducedがあるが、当該文献に付与されていないものもあった。[Pyridoxine/adverse effectsは付与]

 


第252回 ライフサイエンス分科会

記入者:栗本達児

開催日時:  2007年11月8日(木)(木)14:00~17:00
配布資料:  発表用PPTのハンドアウト資料(3分割)⇒ 資料1、資料2、資料3
参加人数:  20名

内容: 「JDreamⅡ関連の最新情報 ――各種データベース・新機能紹介など」

栗本達児

1. JDreamⅡ概要
ⅰ)文献検索システムとしては国内最多の利用がある
ⅱ)文献データの構成、特徴
大別すると書誌情報、要約、索引に分かれる。 海外文献も要約・索引は和訳して掲載
ⅲ)主要データベースの収録情報
JSTPlusは国内外の科学技術情報。JMEDPlusは国内の医学・薬学系情報を収録
ⅳ)収録データの国内・海外別構成比、国内・海外別分野別収録件数
昨年度収録分では国内文献(57%)、累積(1981~2006年)では海外文献比率が高い(57%)
ライフサイエンス分野での収録件数は国内文献の方が海外文献より多い、等
ⅴ)JSTPlus・JMEDPlusファイルについて
両ファイルの特徴について、更新頻度や収録レコードの言語比率
重複データの範囲について
国内の医学関連分野(会議録は除く)文献は両ファイルに含まれる
重複データを見ない方法
①マルチファイル検索
②JMED上で絞り込みを行う

2. JSTPatMとは
ⅰ)概要、サービス開始の経緯について
特許と文献の統合検索
「知的財産戦略について(総合科学技術会議2006.5)」
「知的財産推進計画2006(知的財産戦略本部2006.6)」などに基づいて開始
ⅱ)利用画面紹介
データベース選択、検索画面、得られるデータ画面
ⅲ)検索事例紹介
2007年のポリペプチドに関する情報について
特許情報、文献情報別収録件数
特許出願の多い機関では発表文献が少なかったことを紹介
ⅳ)料金について
特許と文献では表示料金が異なる(特許の詳細情報表示は40円/件)
ⅴ)JST系マルチファイル(JSTPlus + JMEDPlus)との機能差
頻度分析が利用可
複写サービスへは連携していない 等

3. JSTChinaとは
ⅰ)概要
中国総合研究センターの取り組みの一つ
同センターのHPでも無料公開
ⅱ)資料の収集基準
中国で複数の公的機関から選定された資料等、約740誌を選定
ⅲ)収録データ例
著者所属機関の地域名(省や市)、和文資料名を含む
ⅳ)利用画面紹介
データベース選択、検索フィールド指定、頻度分析、検索結果 等

4. 医学・薬学予稿集とは
ⅰ)概要
医学・薬学系学会より許諾を受けた予稿集を全文PDF化、検索機能を付与
ⅱ)利用方法
予稿検索、予稿集検索の仕方
ⅲ)検索語入力時の注意点
予稿検査、予稿集検索それぞれでの検索対象範囲について
一つの入力ボックスには一つの語を入力
ⅳ)JSTキーワードとは
JST文献データのシソーラス用語、準シソーラス用語、化学物質名、日化辞番号が対応
2000年発行分以降のものに付与
ⅴ)ディレクトリ検索
特定の学会の予稿集をまとめて検索するもの
学会名が分からない場合は一覧から調べることが可能
ⅵ)JDreamⅡとのリンク
既契約の方はJDreamⅡの検索結果画面から予稿本文を閲覧可能
Ⅶ)料金他
更新のタイミングについてなど
更新情報はJDreamⅡトップページ、「データベース更新情報」

5. 2007年度追加機能
ⅰ)OLDMEDLINEの追加
MEDLINEファイルに1965年以前の古い索引に基づく文献を収録
ⅱ)Your Collectionリンク先設定数増加
設定数を1から3に増やし、複数の情報サービスとのリンクを可能に
ⅲ)内訳表示からの異表記確認機能
検索結果の内訳表示画面より、検索語の異表記を確認可能に
ⅳ)日本語異表記辞書ブラウザ
語を入力して検索し、その語の異表記語、同義語を確認可能に
v)選択アップロード機能
従来のアップロード検索ではできなかった、テキストファイル中の任意の式を選択して検索を行うことが可能に
vi)機関名ブラウザ
機関名の複数の表記(○○株式会社と○○(株)など)を一括表示、検索に反映させることが可能(一部漏れがあります)
vii)シソーラスブラウザ機能上位語対応
シソーラスブラウザの同義語表示欄に、関係のある化学物質名を表示

6. JDream今後の予定
ⅰ)研究者マトリックス
JSTの文献情報データベースを使った調査サービス
ⅱ)AnVi seers
情報を解析し、ビジュアル化するサービス。スタンダード型とリクエスト型。

[Q&A]
・ 機関名ブラウザのヒストリ情報にはいつの名称変更が反映されているか?
→ 2003年1月~2006年6月分です。帝国データバンクの履歴情報を元にしています。

・ JSTChinaファイルの分野別収録情報は?

→ 以下の通りです(2007年11月現在)

分野 件数 分野 件数
科学技術一般領域 1971 電気工学 6355
物理学 21152 熱工学・応用熱力学 1822
基礎化学 23709 機械工学 3275
宇宙・地球の化学 8167 建設工学 3989
生物科学 11819 環境工学 8508
農林水産 8483 運輸交通工学 253
医学 11186 鉱山工学 3380
工学一般領域 2417 金属工学 20848
システム・制御工学 2394 化学工学 3699
情報工学 6990 化学工業 11345
経営工学 1588 その他の工業 80
エネルギー工学 439 人文・社会科学 95
原子力工学 428

JSTChina分野別収録情報

・ IPCの下位語検索の仕方は?
→ ①検索対象フィールドで、「準シソーラス用語/IPC, FI, Fターム(*)」を選択します。
②検索条件入力欄に「IPC=C01B31?」のように入力し、前方一致検索を行います。

・ 予稿集にデータが収録されるのは、雑誌の発行から何日後か?
→ 雑誌により異なります。発行されてからJSTに届くまでの日数がまちまちであるためです。JSTに雑誌が届いてからその情報が収録されるまでの期間は、およそ1ヶ月が目安です。

[その他の意見、要望]
1.  JSTPatMファイルの特許レコードは、公開のみの収録で公表と再公表の分は対象外となっている。検索画面に明記するなど、特許に不慣れな利用者のために、この点は注意を呼びかけていただきたい。
2. JSTPatMファイルでコマンドモードのオプションもあれば使いやすい。
3. JSTPatMファイルで、特許レコードにJICSTシソーラス用語を索引して、全レコードに対してシソーラスからの検索ができれば非常に価値がある。IPCコードも同様。
4. 「JMed+JAPICDOC」ファイルで、現在、検索結果で重複除去ができないので、できるように改良して欲しい。


第251回 ライフサイエンス分科会

記入者: 山下  幸侍

開催日時:  2007年10月18日(木)14:00~17:00
配布資料:  ProQuest CSA Illustrataサービス概要、その他Illumina商品紹介
参加人数:  16名

内容: 「ProQuest社文献画像検索データベース CSA-Illustrata(イラストラータ)の概要」

山下  幸侍、石田 一郎、武智 則之

1. ProQuest会社紹介
1) 2007年にProQuest Information and Learning社とCSA社が合併し、新たに「ProQuest社」が発足。
2) サービスブランドとして,ProQuest, CSA-Illumina, Chadwyck-Healey, UMI, SerialsSolutions, COS, Urlichなど
3) ProQuestの親会社でもあるCIG傘下には、姉妹会社としてRefWorksやBowkerなどがある。
4) ProQuest社企業理念
研究者が必要とする良質な研究情報の構築と、それらを探索、管理、活用、そして発信するための支援ツールを開発し、研究者の学術的発見“Discovery”の拡大と    促進に寄与するサービスを提供することを使命とする。
5) 「CSA Illumina(イルミナ)」ProQuset社が出版・提供する文献情報データベースプラットフォーム
独自出版するものから他のパートナー出版社が作成する約100種類の文献情報データベースを搭載
Aquatic Sciences & Fisheries Abstracts(ASFA)
CSA Biological Sciences Database
CSA High Technology Research Database with AEROSPACE
CSA Materials Research Database with METADEX
CSA Sociological Abstracts
CSA Linguistics and Language Behavior Abstracts
CSA Environmental Sciences & Pollution Management Database
PsycINFO, ECONLIT, MEDLINE, Zoological Record, CINDAS …. 等 自然科学、工学、人文科学、社会科学が中心

6) 「COS」研究者コミュニティサービス紹介
I.     COS Scholar Universe 北米を中心とした約130万人の現役研究者プロファイル、ならびに研究情報を収録
II.     COS Funding Opportunities 総額330万ドル以上の助成金募集情報を収録
III.     Papers Invited
世界中の学会・学術会議開催情報、論文募集要項を収録

2. 文献画像検索データベースCSA-Illustrata(イラストラータ)
1) CSA-Illustrata(イラストラータ)とは
「DEEP INDEXING」学術文献検索への新たなアプローチ。学術論文に掲載されている写真、図表、チャートなどを書誌情報と共に収録し、細かい索引付をすることにより、研究者や検索者へより多くの判断材料を提供する学術出版業界における初の試み。これにより写真や図表から論文を検索することも可能となる。 近日中には米国CCC(Copyright Clearing Center)との連携により、オンラインで写真や図の著作権許諾が可能となる。
●開発理由
●研究者の反応
2) 画像に索引付を行う
I. 論文中の図や表には、研究成果の本質的な情報が含まれている 生データに最も近い存在である
II. しかしながら、今日現在、これらのオブジェクト情報は索引からは対象外となっている
III. これらの情報は従来の文献情報の中では潜在的なものとして存在している
IV. これらオブジェクトに対して索引付けを行い 顕在化することにより、 論文探索において価値の高い研究ツールを提供することができる
3) 「DEEP INDEXING」の意味するもの
I. 学術論文の中に含まれる“Tables & Figures” (イメージ画像、図表、グラフ、地図など) を認識、識別すること
II. 図表を論文から抽出し、その周辺情報を含めた情報に索引付けを行うこと
a) 図表のイメージ情報
b) フル・キャプション
c) 図表を含んでいる論文の抄録を含む書誌情報
d) 分類 (グラフ, 衛星写真, 地図, 化学構造図等)
e) ディスクリプタの独立変数 従属変数
f ) 単位
g) 主題 分類用語 地理的条件
h) 統計情報
i) 付与
j) フルテキストへのリンク
4) 索引付の工程
出版社からのデータ・論文入手からインデクシングまで
5) マーケットリサーチ
欧米の主要大学と研究機関よりライフサイエンスを中心とした60名の研究者が商品テストに参加

3. 研究者にとっての画像検索の意義

1) 情報探索における正確性、関連性を高めることができる
2) 従来の文献データベースや電子ジャーナルが提供する情報から漏れていた研究資料を探し出すことができる
3) 研究テーマに最も即した論文の在り処が検索でき、時間を節約し研究の効率性を高めることができる。
4) オブジェクトの分類を閲覧することができる (例: 特定の変数を含むグラフ;特定の要素を列挙している表、など)
5) 学会発表や講義に使用する視覚的資料を簡単に入手することができる

4. 参加出版社 (その他協議進行中の出版社多数)
Blackwell
American Meteorological Society
BioMed Central
BioOne
Cambridge University Press
Geological Society of America
Hindawi Publishing Corp.
IOS Press
National Research Council of Canada
Oxford University Press
Public Library of Science
PubMedなど
5. 収録数と今後の予定
1) 現在自然科学分野140万件の画像を収録しており、2009年には300万件を予定
2) 2008年には理工学など他分野をリリース予定

関連リンク:
1. ProQuest本社ページ: www.proquest.com
2. CSAブランドページ: www.csa.com
3. CSA Illumina(イルミナ)収録データベース一覧: http://www.csa.com/e_products/databases-collections.php
4. CSA Illustrata(イラストラータ)情報ページ: http://info.csa.com/csaillustrata/
5. ハワイ大学Peter Jasco先生によるレビュー:http://www.resourceshelf.com/2007/02/16/reference-review-jacso-looks-at-csa-illustrata/


第250回 ライフサイエンス分科会

記入者: 塚本 晶子
開催日時: 2007年9月20日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「SLA参加報告」「SLA2007 Lubuto Library Project」「IMICOrder[PubMedを検索して申し込む]画面サンプル」、「IMICOrder[IMICの検索式を利用する]検索式一覧」
参加人数: 13名

内容:「SLA2007参加報告」「「IMICOrder」内でのPubMed検索」

SLA2007参加報告
佐藤 京子、葉山 和美

6月にデンバーで開催されたSLAの年次総会について、その概要、セッションの内容、製品の紹介、ルブト・ライブラリー・プロジェクトの紹介を行った。

概要今回は400以上の出展と5000人以上のConference参加があった。地理的な影響もあって昨年より参加が少なかった。
次回はワシントン州シアトルにて開催。

セッションの内容
OpeningとClosing
オープニングはKey Note Personの元副大統領のアル・ゴア氏、クロージングはニューヨークタイムズなどにマンガを連載しているスコット・アダムズ氏による講演で、いずれも盛況であった。
Toxicology Roundtable:Invisible Environmental toxicant(s)
「Montana州Libby鉱山のアスベスト被害訴訟におけるNational Enforcement Investigations Centerの取り組みについて」と「有事における情報の必要性といかにして情報を収集し提供するかについて」の報告。
Copyright Answers -for the information professional-
CCC(Copyright Clearance Center)による著作権に関するセッション。著作権対応の必要性、コンプライアンスポリシーの必要条件などが提示された。

製品の紹介
以下について紹介した。Dailoglink5は新製品ではないが、XMLデータから簡単にレポートを作成できる機能について報告した。
Merck Index 14th ed
Dialoglink5
The British Library: Turning The Pages – “Bringing our Treasures” to Life Through Technology

ルブト・ライブラリー・プロジェクトの紹介
Dow Jones Leadership Awardを受賞したJane Kinney Mayersの活動について紹介した。ルブト・ライブラリー・プロジェクトはアフリカHIV/AIDS感染地域のホームレス孤児(AIDS孤児)のための公共図書館を作るプロジェクトでザンビア共和国周辺に今後10年で100の公共図書館を作ろうとしている。

参加者からの質問
Q1. セッションの内容について。今年の傾向は?
A1. 新しい技術の紹介よりも、コンセプト的な内容が多かった。
Q2. Asian Chapterのミーティングで、日本が求められる役割としてどんなものが挙げられたか。
A2. 英語力という問題もあり、中心となっているのはインド、パキスタン、シンガポール、フィリピンなどで、特に日本が何らかの役割を果たすことは特に求められていないように感じられた。SLAに参加する目的のひとつとして、会議(イベント)の運営方法や新しい知識を学ぶことができるということがある(特に、職員が1名もしくは極少数の場合には機会が少ない)。

「IMICOrder内」でのPubMed検索
朝倉 耕
2007年4月にVer.2としてリニューアルした「IMICOrder」についての紹介を行った。

「IMICOrder」とは
文献コピーオーダーをWeb上で行うシステム
リニューアルに伴い、日本語インターフェースでのPubMed検索機能などが搭載された。

日本語インターフェースでのPubMed検索
利用頻度の高いデータベースであるPubMedでの検索・文献収集をサポート

書誌入力、検索結果貼り付け、PubMed検索の3パターンから複写オーダーが可能に
「文献名を入力して申し込む」
書誌情報を直接入力し、オーダーする方法。
雑誌を特定することにより著作権情報(団体名・料金)が表示される。

「テキストデータを貼り付けて申し込む」
国内外の主要なデータベースの結果からオーダーする方法。

「PubMedを検索して申し込む」
PubMedの検索・複写オーダーする方法。
検索結果から複写オーダーまで一連の作業で完了

申込み内容の一次保存機能
申し込み予定の書誌事項一覧の一次保存が可能

申込み履歴を確認する機能
過去のお申込みの内容が「IMICOrder」から確認可能、詳細を見ることや再申込が可能な場合申込手続きも出来ます

お知らせメール機能
お申込み後受付確認をメールでお知らせ、ご希望により納品発送や手配先変更のお知らせも受けられる

「IMICOrder」内でのPubMed検索機能について
PubMedの「Limits」機能を簡便化
PubMedに設定されている項目から、より利用頻度の高い項目を選別し採用。

IMIC作成の検索式
IMICで作成した検索式を利用して検索する機能を実装
検索式は未索引のデータもヒットするように作成
初心者の利用度が高い項目を設定

その他の機能
利用した検索式の保存
検索結果とは別ウィンドウでのPubMed抄録表示
複数行表示可能な検索ボックス

参加者からの質問
Q1.PubMedで使える機能(MeSH Databaseなど)を載せないのか?
A1.初心者をターゲットにしているため、現時点では複雑な機能は搭載していない。要望が多いようであれば、今後検討。


第249回 ライフサイエンス分科会
記入者:前田 亜寿香

開催日時:2007年7月19日(木)14:00~17:00
配布資料:Serials Solutions 電子リソースの有効活用
RefWorks 学術情報の共有とWeb管理ツール RefWorksのご紹介
参加人数:16名

内容:「Serials SolutionsとRefWorksの概要」

今月は、Serials Solutions(リンクリゾルバ)の新ブランド「Serials Solutions360」と、RefWorks(ダイレクトインポート対応文献管理ツール)の概要について、取扱代理店である(株)サンメディア担当者よりご説明いただきました。
馬淵 沙織氏
横川奈美子氏

Serials Solutions
(1)Serials Solutionsとは?
OpenURL対応のリンクリゾルバ。ワシントン大学の司書が、2万タイトルを超える電子ジャーナルの管理に苦戦し、 2000年に起業。国内外あわせて、1,000機関以上 で 採用されている。日本の企業も採用している。

(2)Serials Solutions5つのサービス
A.M.S(Access and Management Suite) -ポータルサイト作成サービス
360 LINK -論文レベルのリンクサービス
360 SEARCH -統合検索サービス
360 MARC UPDATE -フルマークレコードの作成
360 RESOURCE MANAGER -契約情報管理ツール
*A.M.S、360 LINK がOpenURL対応のリンクリゾルバ。

(3)リンクリゾルバを導入するとどうなる?
二次情報データベース、OPAC、Google等のリンク元から、電子ジャーナル、冊子体、複写申込、等のターゲットに案内。余すことなく、電子リソースを活用できる。

(4)OpenURLとは?
論文の所在情報をURL化する方法。ベースURL+書誌を特定する情報で、成り立つ。

(5)Serials Solutionsの特徴
・ 日本独特のパッケージも出版社からタイトルを入手するため、チェック一つでパッケージの登録が可能
・ CiNii、J-STAGEの登録が可能
・ 利用統計(ジャーナル単位)
・ 利用統計・重複統計
・ ASP型サービスのためメンテナンス不要
・ 管理者機能を使って簡単にカスタマイズが可能
・ 業界最高水準のリンク情報(Knowledge base)

(6)利用方法
・ 価格は年間固定料金(管理する電子リソースのURL数によって決定)
・ カスタマイズ(デザイン、リンク等)、初期タイトル登録は費用に含まれる

【質問】
Q:社内データベースからOpenURLで情報を飛ばしているが、たまにうまくフルテキストまで開かないことがある。書誌事項の書き方がリンク先のターゲットと一致しないから?
A:書誌情報が必要な情報を満たさない場合は開かない。NISOの基準はあるが、データベースごとに必要なものが違う。また、雑誌のSuppl.はOpenURLに対応しきれていない現状もある。

Q:他のリンクリゾルバ商品と比較して、Serials Solutionsの利点は何か?
A:業界最高水準のリンク情報を有していることである。
Knowledge base(様々な提供元からの雑誌タイトル、リンク先等の情報)は、専門チームが毎日アップデートしている(Serials Solutions以外のリンクリゾルバ商品は、更新頻度が少ない等Knowledge baseを管理できていない場合もある)。
その他、デザインカスタマイズが自由自在である。

RefWorks
(1)RefWorksとは?
データベースの検索結果、ホームページ上の情報、テキストデータ等をインポートし、
・ 利用者自身のWeb上のデータベースとして
・ 参考文献作成ツールとして
・ 情報発信ツールとして
利用できるWeb上のツールである。
社内、自宅等を問わず、インターネットアクセスがあればどこからでもアクセスできる、インストールやアップグレードの手間が不要、といった利点がある。

(2)サーチャーの方への利用提案
・ 様々なデータベースの検索結果を、自動的に同一表示に統一。検索結果を見やすく表示。
・ 検索結果の一件一件に、独自のコメントを付与できる。結果を受け取った側も同様にコメントを付与でき、相互に確認が可能。
・ 依頼者への結果の送付はRefShareで。作成したURLを連絡するのみで構わない。

(3)インポート
以下のインポート方法がある。
・データベースからダイレクトにインポート
・テキストファイルからインポート
・RefWorks内でPubMedを検索し、インポート
・手入力でデータを作成
・RSSで受信したデータをインポート
・RefGrab-Itを利用し、Webページ上の文献情報をインポート

(4)ファイルストレージ機能
ファイル(PDF、Word等)の蓄積・管理も可能。

(5)参考文献リストの作成
700誌以上のジャーナルの出力フォーマットに対応。自動で参考文献リストを作成できる。
Write-N-Citeを利用すれば、引用や参考文献の作成も容易になる。

(6)レコードの編集・管理・エクスポート
インポートしたレコードは、編集、フォルダによる管理、検索、様々な形式でのエクスポートが可能。

(7)リンクリゾルバからフルテキスト閲覧
RefWorksからSerials Solutions等のOpenURL対応のリンクリゾルバを経由し、フルテキストを閲覧可能。

(8)RefShare
利用者自身のデータベースをRefWorks契約者以外にも公開できる。RSS配信や、コメントの受付も可能。

(9)契約について
・機関単位で契約
・金額は年間固定制で、構成員数などで異なる
・各ユーザーごとにID/PWを作成し、利用
・インストール、アップフレードの手間は不要
・同時アクセス数やアカウント数の制限はない

【質問】
Q:RefShareは誰でも閲覧できるのか?制限はかかってないか?
A:制限はかかっていないので、誰でも閲覧できる。

Q: RefShare内にある文章(キーワード)で、検索エンジンでヒットしてしまわないのか?
A:検索ロボットでヒットしないような制限がかかっている(JavaScriptで記述)。

Q:検索結果にコメントを付与できる機能はいいと思うが、結果をもらってすぐにはコメントはできず、時間が経つと、コメントするヒマもなくなる。
2、3週間後に、「コメントを下さい」といったメッセージを送れるようなプッシュ機能はあるか?
A:ありません。ちなみに、コメントが付与されたら、メールで受信できる機能はある。

Q:医中誌Webのダイレクトエクスポートが開始されるが、著作権はどうなっているか?
A: RefWorksだけでなくEndNoteなどの書誌管理ツールへのデータベース検索結果のインポートとその際の著作権は、個々のデータベースプロデューサーと利用者との契約事項により制限されます。
従いまして、RefWorksへのインポートの際にどのような契約や条件が必要かについては個々のデータベースプロデューサーに確認していただく必要があります。
多くのデータベースプロデューサーは、データベースベンダーにRefWorksへのダイレクトエクスポート機能の搭載を認めているので、基本的には企業内の利用者でもインポートされた検索結果の利用が個々の研究者(利用者)の利用だけに限られる場合は、とくに制限を設けない傾向にあるようです。国内では、医学中央雑誌刊行会やJSTが利用規定の変更を検討しており、RefWorksやEndNoteへのインポートに際しては特別な許諾を必要としない方向に進むようです。

Q:ファイルストレージ機能について。社内文書等を保存することもあると思うが、セキュリティはどうなっているか?
A:RefWorksのサーバーそのもののセキュリティについては、RefWorks社が管理をし外部からのアタックと不正利用を防止している。

Q:同一部署内のみ閲覧可、といった閲覧の制限をかけられるか?
A:RefShareについては制限はかけられない。しかしYahoo,GoogleなどではURLそのものは検索にヒットしないためURLを知っている人のみが閲覧できるサイトとなる。RefWorksの個人アカウントのID/PWを他の人に教えることでRefWorks内のデータベースは閲覧できる状態になる。

Q:ID/PWについて。シングルパスワードへの対応はあるか?
A:ATHENSに準拠している。Shibboleth(Windowsのシングルサインオンに近いシステム)にも対応している。Windowsのシングルサインオンにはまだ対応していない。


第248回 ライフサイエンス分科会
記入者: 塚本 晶子
大久保 舞子
開催日時: 2007年6月21日(木) 14:00~17:00
開催場所: 社団法人 化学情報協会 会議室
配布資料: 「STNライフサイエンス系ファイルの強化 2006年5月~2007年5月分」
参加人数: 19名

内容:「STN ライフサイエンス系ファイルの強化」

田澤 綾子氏

今月は、社団法人化学情報協会がご提供されているデータベースの中からライフサイエンス系ファイルを対象に、今年度強化された点についてご解説いただきました。
ライフサイエンスファイルの強化
MEDLINE ファイル
リロード
2007年2月にAnnual Reloadを完了し、全レコードが2007年版MeSHに対応した形となった。これに伴い、練習用ファイルの LMEDLINEやTOXCENTERファイルのMEDLINEセグメントもリロードされた。
新規ディスクリプタ494個、新しい用語に変更となったディスクリプタ99個、削除されたディスクリプタ22個で、特に生物[カテゴリーB (Organisms)]、化学物質および薬物[カテゴリーD (Chemicals and Drugs)]が大きく変更された。

検索機能の強化
臨床試験番号フィールドの追加(/NCT)
無料の表示形式である FREE 表示形式の追加(表示内容はTRIAL表示形式と同じ)

検索機能の変更点
下記のMeSH タームの検索フィールドが従来の統制語 (/CT) フィールドから資料種類 (/DT) フィールドに変更された。
COMPARATIVE STUDY
ENGLISH ABSTRACT
IN VITRO
RESEARCH SUPPORT N I H EXTRAMURAL
RESEARCH SUPPORT N I H INTRAMURAL
RESEARCH SUPPORT NON U S GOV T
RESEARCH SUPPORT U S GOV T NON P H S
RESEARCH SUPPORT U S GOV T P H S

ADISCTI ファイル
リロード
2006年8月に実施された。

収録内容の強化
収録源が拡大され、1,700を超える雑誌の書誌情報と要約が収録。
進行中の臨床試験情報が収録。
レコードが4タイプ(CITATION ONLY、BEST EVIDENCE、SUPPORTING EVIDENCE、ONGOING TRIAL)に分けられ、/DT (資料種類) フィールドで限定可能になった。

検索機能の強化
検索フィールド・表示形式が追加。
ED(入力日) 、UP(更新日) フィールドが表示可能に
会議情報と国際標準資料番号(ISSN)を収録(/SO、/ISN)
基本索引(/BI)、表題(/TI)フィールドで中間一致・後方一致検索が可能に

ADISINSIGHT ファイル
医薬品の研究開発に関するレポートを収載しているADISINSIGHTファイルであり、レコードは化学物質単位。対応する化学物資の臨床文献はADISCTIファイルで入手可能。
ADISCTIのリロードにより両ファイルをリンクしているフィールドが増え、従来のADISINSIGHTファイルの「その他の収録源(OS)」とADISCTIファイルの「資料番号(DN)」の他、ADISINSIGHTファイルの「レコード番号(AN)」とADISCTIファイルの「その他の収録源(OS)」での検索も可能となった。両フィールドを検索することで網羅性が向上する。

CAS FILES の強化
CAplus/CAファイル
索引関連の強化
CAS登録番号に接尾辞 P の遡及付与
CAS登録番号に製造のCASロール遡及付与
CA Lexicon 機能の強化

その他の強化
会社名(/CO)シソーラスを更新
1906年以前のレコードの追加
中間一致、後方一致検索機能の強化

REGISTRY ファイル
CA 索引名(CAS化合物命名法)の変更、物性情報の追加、収録源情報(SR)に収録源のデータベース名を収録、アミノ酸コード(ピロリシン、イソロイシンまたはロイシンを表すあいまいコード)の追加が行われた。

システムの強化
LOG H のセッション保持時間を 60分から120 分に延長
SET NOTICE SEARCH コマンドで REGISTRY ファイルからのクロスオーバー検索料金の警告を表示

インターフェースの強化
複写申し込み画面の変更
構造検索用プラグインのリリース
STN on the WebのFree Search PreviewからCASRNSクラスターが削除

参加者からの質問
Q1.ADISCTI ファイルの ONGOING TRIAL の収録源は何か?
A1. NIH の ClinicalTrials.govに収録されているものが最も多いようです。詳細については閲覧可能な臨床試験登録サイトのリストをご参照下さい。

Q2.MEDLINE ファイルに臨床試験番号が収録されたが,遡及するのか?
A2.STN のデータは NLM から提供されたものを搭載しているため、臨床試験番号に関する詳細についてはNLM へお問い合わせいただくか、下記のページに臨床試験番号に関する記事が載っておりますのでご参照ください。
http://www.nlm.nih.gov/bsd/policy/clin_trials.html
http://www.nlm.nih.gov/pubs/techbull/mj05/mj05_ct.html

Q3.STN on the WebのFree Search Previewでは演算子の使用やフィールドの指定が可能か?
A3.できます。しかしながら一行に入力できる文字数に制限があります。


第247回 ライフサイエンス分科会
記入者: 塚本 晶子
大久保 舞子
開催日時: 2007年5月17日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: JAPICDOCとiyakuSearch
参加人数: 25名

内容:「JAPICDOCとiyakuSearch」

越久村 浩司氏

今月は、財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)がご提供されているデータベースの中から、医薬文献情報データベースJAPICDOCと医薬品情報データベースiyakuSearchを中心にご説明いただきました。

1.JAPICDOCとiyakuSearch
(1)概要
JAPICDOCは国内・海外の医学・薬学関連文献から医薬品に関する情報を蓄積したデータベースで、日本電子計算株式会社(JIP)と科学技術情報機構(JST)のwebページから提供されている。iyakuSearchも国内外の医薬品情報に関するデータベースであるが、医薬文献情報、学会演題情報、医療用医薬品添付文書情報、一般用医薬品添付文書情報、臨床試験情報、新薬承認審査報告書情報など提供されている情報は多岐にわたる。
JAPICDOC JIP、JAPICDOC JST、iyakuSearch医薬文献情報の概要は、下記の通りである。

構成内容は書誌事項、キーワード、抄録の3つ
抄録は第三者抄録で、最大1200文字
更新頻度は月1回、iyakuSearchが最も早い
2007年度採択氏は418誌
データ件数はJAPICDOC JIPは約36万件、JAPICDOC JSTとiyakuSearch医薬文献情報は約32万件
JAPICDOC JIP、JAPICDOC JSTは項目と全文検索が可能であるが、iyakuSearchは全文検索のみ
JAPICDOC JIP、JAPICDOC JSTは他のデータベースと横断検索もできる
JAPICDOC JIPとiyakuSearch医薬文献情報は検索結果が1行表示であるが、JAPICDOC JSTでは改行されているなど出力時のレイアウトに違いがある
JAPICDOC JIPとJAPICDOC JSTでは結果のダウンロードが可能であるが、iyakuSearchでは不可
検索料金はJAPICDOC JIPとJAPICDOC JSTはユーザー登録が必要で有料である。iyakuSearchはインターネットで無料公開されているが、抄録部を見るには登録料が必要(JAPIC会員会社団体、個人会員は無料。)
検索式の登録はJAPICDOC JIP 50件、JAPICDOC JST 800件であるが、iyakuSearchでは履歴を30件のみ登録できる
JAPICDOC JIPでは検索結果画面から複写依頼できないが、JAPICDOC JSTとiyakuSearchからは複写依頼(有料)が可能
(2)キーワード
JAPICDOCではキーワード検索が可能であるが、従来からのキーワードに加え、2007年度収載分から新たにキーワードが追加された。

【従来からのキーワード】
対象(男、女、小児、高齢者、乳児、新生児、未熟児、胎児、健常人、ラット、イヌ、ウサギ、in-vitroなど)
安全性に関するもの(安全性、副作用、相互作用、品質、感染症)
ヒトに関するもの(臨床、症例報告)
試験に関するもの(第Ⅰ~Ⅳ相試験、比較試験、毒性試験など)
薬物動態に関するもの(血中濃度、蛋白結合性、尿中排泄など)
製剤に関するもの(配合変化、構造・物理化学的性状、安定性など)
薬理に関するもの(薬効薬理、抗癌剤感受性試験、抗菌力など)
用法・用量に関するもの(長期投与、短期投与、大量投与など)
その他(麻酔、移植、化学療法、透析など)

【新設キーワード】

医療経済、後ろ向き研究、オープン試験、クロスオーバー試験、授乳婦、多施設共同研究、パイロット試験、前向き研究、無効(文献中でメインとなっている薬剤について)、無作為化試験、有効性欠如(十分にデザインされた試験で結論づけられている場合)

2.その他のデータベース
(1)日本の新薬(iyakuSearch)
1998年1月以降に公開された新薬承認審査報告書の全文データベース
無料
何も入れないで検索すると全件表示
公開できない部分は伏字「□□□」に置換されている
医薬品医療機器総合機構のwebサイトに掲載されてから約3週間後に収載
(2)臨床試験情報(iyakuSearch)
企業より提供された医薬品(試験薬剤)を用いた臨床試験(治験および非治験)情報を登録したデータベース
無料
中間一致検索(大文字、小文字区別あり)
会社名、試験薬剤名、疾患名、薬効分類、JAPIC ID、言語で検索が可能
(3)添付文書情報(iyakuSearch)
医薬品名(商品名、一般名)、会社名(製造、輸入、販売、発売会社)から検索可能
添付文書PDFを閲覧できる
月2回更新(医療用)、随時更新(一般用)
無料
(4)ADVISE(JIP)
医薬品(治験薬を含む)による副作用の記述のあった文献のデータベース
副作用症例報告と、副作用が主題ではないが文献中に副作用の記述のあったものも含む
医薬品と副作用症状がリンク
1995年以降の国内外のデータ約10万件を収載
基本語(統制語) と慣用語による検索が可能
(5)SOCIE(JIP)
国内で開催される医薬関連学会(地方会を含む)で発表される演題の中から、
医薬品の有効性や安全性に関する情報を蓄積したデータベース
収集学会数は、年間約4,300学会、学会報告の採択誌は413誌で、1993年4月以降のデータを収載
書誌事項、キーワード、著者全員の所属機関を掲載
(6)NewPINS(JIP)
医療用医薬品添付文書のデータを収載
添付文書に記載されている、グラフ・化学構造式などの図形以外の全ての項目について検索可能
(7)学会開催情報(JAPIC webサイト)
日本国内で開催される医学・薬学関連の学会、地方会、シンポジウム、国際会議等の開催情報を蓄積したもの
JAPIC附属図書館で所蔵の雑誌や、業界紙、学会のHPなどから収集
無料
3.参加者からの質問、要望など
JAPICDOC(JIP)ではand、or、notの検索に#などの記号しか使用できないのは、初心者が使用しにくいのではないか
履歴検索ができるとよいのではないか
JAPICDOCキーワードの「適応症外使用」は、各薬剤の適応症を調べた上で付与されているか(論文中に適応症外使用の記載があった場合のみ)
NewPINSと医薬品医療機器総合機構のwebサイトとのタイムラグはどのくらいか(機構のサイト上で情報がアップされてから2~4週間後)
NewPINSで販売中止後の薬剤についての情報は収載されているか (薬価が掲載されている間は収載されている)


第246回 ライフサイエンス分科会

記入者:戸上   康弘
開催日時: 2007年4月19日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料:

医学用語シソーラス第6版改訂概要  医中誌Web(Ver.4)バージョンアップについて
参加人数: 24名
内容:「医中誌Web Update」

濱田 雅美氏
松田 真美氏
黒沢 俊典氏
今月は、医学中央雑誌刊行会の3氏より、医学用語シソーラス第6版の改訂概要と医中誌Web Ver.4のバージョンアップについて説明していただきました。

1.医学用語シソーラス第6版について
(1)概要
2007年1月発行。MeSH2005に準拠して改訂を行った。作成は、第5版とMeSH2005を翻訳したものをマッチング後、検討を加え完成した。全ディスクリプタのうち約9割がMeSH由来で残り1割は医中誌Web独自で設定したものである。
今回MeSHを採用しなかったものは、「実験的(Experimental)」のつくもの、「注入と注射」(“Injections, Intravenous”,”Infusions, Intravenous”→静脈内投与としてまとめて登録など)、米国医療制度関連用語、州名などであった。また、MeSHにない医中誌独自のディスクリプタとして、医薬品(INN)、生薬、地名、日本独自の制度・機関を加えた。新設語をカテゴリー別に見ると、B(生物)とD(化学物質と薬物)の分野が大幅に増加した。次回の改定は4年後の予定。

(2)主な改訂内容
①MeSH2005でカテゴリー階層変更、用語の変更があったものはこれに従った。
例)A1-120皮膚→A19 外皮系、糖尿病-インスリン依存型→糖尿病-1型
②厚労省や学会などの名称変更によるもの
例)痴呆→認知症、老年者→高齢者 など
③より適切な訳語を選定し変更したもの
例)倦怠感→退屈、脳血管発作→脳卒中、比較臨床試験→準ランダム化比較試験 など

(3)カテゴリー別
① Cカテゴリー (疾患)
「身体各部位疾患」を廃止し、「器官部位名」と「疾患名」に分けてディスクリプタを付与するように索引方針を変更した。
例)下肢浮腫→「下肢」+「浮腫」、下肢骨腫瘍→「下肢骨」+「骨腫瘍」
「盲腸腫瘍」を「大腸腫瘍」の下位語に位置づけた。
副作用関連用語を削除。副標目の「/(毒性・副作用)」と「/有害作用」をディスクリプタにつけて表現することに索引方針を変更した。また副標目を検索用語として単独使用できるようになった。 例)「薬物副作用」→「薬物名/毒性・副作用」または「薬物/毒性・副作用」
② Dカテゴリー(化学物質および薬物)
化学名のついた薬効名の削除
例)”Aminoglycoside Antibiotics” → ”Aminoglycoside”+”抗細菌剤”,
“ステロイド系抗炎症剤”    → ”Steroids”+”抗炎症剤”
各医薬品名をMeSH”Pharmacologic Actions”を基に薬効別カテゴリーの下位語に。
国際一般名(INN)を持つ医薬品でMeSHに登録されていないものは、「日本標準商品分類」の薬効を上位語に付与。
MeSHで同義扱いのINNは、医中誌では別々に索引。
例)MeSH:「Ofloxacin」→医中誌:「Ofloxacin」と「Levofloxacin」は別個に索引
生薬名を由来植物名の下位語にも位置づけて索引
③ Eカテゴリー(分析、診断、治療の技術と機器)
臨床試験で”Clinical Controlled Trials”は「準ランダム化比較試験」を付与する。「準ランダム化比較試験」と「ランダム化比較試験」は上位下位の関係から並列に。研究デザインタグも「比較臨床試験」から「準ランダム化比較試験」に変更。
「多施設共同研究」は「臨床試験」の下位語から外れた。実際に臨床試験にあたるものは「臨床試験」も索引する。
「前向き研究」と「後向き研究」のカテゴリーを見直した。

(4)副標目とチェックタグ
副標目「異常」「悪性」を廃止、「欠損・欠乏」を新設。
副標目「欠損・欠乏」は化学物質および薬物のDカテゴリーのディスクリプタに付与。生体内・生体外物質で正常の必要量に比べ欠乏または減少している時に適用。
副標目「毒性・副作用」「治療的利用」の付与可能カテゴリーにB5(真菌)、J2(食品と飲料)、「有害作用」の付与可能カテゴリーにH(自然科学)を新たに追加。
チェックタグ「鳥類」「魚類」「植物」「In Vitro」を廃止。
チェックタグ「妊娠」「症例報告」を動物対象の文献にも付与。
2.医中誌Web(Ver.4)バージョンアップについて
Ver.4は2006年2月から開始し、数回にわたりバージョンアップを行ない現在も進行中。
(1)主なバージョンアップ内容
オンラインジャーナル等へのリンク強化:「PubMED」,「CrossRef」,「Medical Online」,「Pier Online」に加え、新たに「CiNii」へリンク。(「CiNii」検索結果からも「医中誌Web」へ相互リンクをはる。)
OPAC連携機能を付加して所蔵リストへのリンクを可能にした。
過去の検索履歴番号の呼び出しが可能:(検索番号「#○」表示部をクリックすることで、履歴番号呼び出し検索ができる。)
シソーラス検索で完全一致が可能:従来の部分一致検索での候補語のノイズを省ける。→ 検索する語を大括弧の中に入れる。例)[ICU]
「書誌確認用画面」を新たに新設:アクセスは「書誌確認」タブ(検索画面の上部に表示)をクリック。雑誌名、論文タイトル名の他に、ISSN、発行年、巻・号・ページの数値検索が可能で、書誌事項を確認する時に便利になった。
論文種類の追加:「座談会」「Q&A」「レター」「症例検討会」を追加
筆頭著者名、最終著者名の検索が可能
副標目の一括検索が可能:「診断すべて」「治療すべて」のチェックボックスを新設。→チェックを入れると関連する副標目が自動的にすべて選択される。
副標目の直接検索が可能:従来は絞込みまたはキーワードとの組み合わせ検索だったが単独で直接検索できるようになった。→ 例)SH=リハビリテーション
(2)今後のリリース内容
クリップボード:文献検索結果から、必要な文献にチェックをして、一時的に「クリップボード」に保存。さらに検索を繰り返し、保存を累積し、最後にまとめて印刷やダウンロードが可能。原文の複写依頼の際に便利。
ダイレクトエクスポート:検索結果のテキスト情報を、その機関の管理システム(複写申し込みシステム、文献管理データベースなど)に取り込む機能。取り込みプログラムは別途必要。「RefWorks web版」「EndNote desktop版」対応プログラムは予め設置。

* 講演後、出席者より医中誌Webへの意見や要望が寄せられた。主なものは次の通り。
検索結果で、検索入力語およびオートマッピングでヒットした語へのハイライト。
検索語入力ボックスを拡大。(現在は1行分のみ表示)
検索履歴番号を削除した後にその後の番号を自動的に連番に変換。→検討中
PubMEDのように、再アクセス時に検索履歴の再生または記憶機能。
OVID、PubMEDのような検索候補語選択の際の用語解説。
近接演算→現在は検討していない。