OUG ライフサイエンス分科会 過去の活動 2003年度

第213回 ライフサイエンス分科会
記入者: 設楽 真理子
開催日時: 2004年3月18日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「Introducing Ovid LinkSolver」等
参加人数: 10名

内 容:「次世代リンクシステム – Ovid LinkSolverの紹介」
Ovid Technologies, Inc. 設楽 真理子

昨今の図書館サービスの課題として、図書館は電子媒体のフルテキスト・コンテンツ (電子ジャーナル)の購入に注力しているが、実際にそれらを利用するエンド・ユーザーの 望むほど、簡単で効率の良い提供形態をつくれないでいる、という現状を挙げることができます。 さまざまな所在(出版社のサーバ or アグリゲータのサーバ or 自分の図書館 or 他所の図書館) にある多種多様なフルテキスト・コンテンツや、インターネット上に存在する無料かつ有用な 情報源から、状況に応じて最適な資料へエンド・ユーザーを誘導していくことは、今後の図書館の 使命と言えます。ユニヴァーサル・リンク・リゾルバーは、その達成に大きく貢献できる新しい リンクシステムです(ユニヴァーサル・リンク・リゾルバーの発展の経緯、技術的な背景については、 参考文献1、2をご覧下さい)。

Ovid LinkSolverは、Ovid Technologies社が開発した、ユニヴァーサル・リンク・リゾルバーです。 従来のリンクシステムと異なり、リンク元がOvidのデータベースに固定されることはありません。 Open URL対応のApplicationであれば、どこからどこへでもリンクをかけることができます。 他のリゾルバー製品と比較して、①サーバを自機関にもつ必要がないこと、②Import/Exportを含む 管理・設定機能の使いやすいこと、③比較的廉価でコンソーシア対応の価格モデルがあること、 などが評価され、米国・オーストラリア・ドイツ・フランスなどで相当数の導入実績があります。 今回は、Ovid LinkSolverが、どのようにして安定したリンクを供給するか、エンド・ユーザーの Appropriate Copyへの誘導をどのようにおこなうかについて、管理者画面のデモを中心に紹介 しました。

なお、今回の紹介は 2003年11月の第5回図書館総合展におけるOvid Technologies社 Diana Bittern女史のフォーラム発表をもとにしています。発表概要は参考文献3として 入手できます。さらにCrossRefに関する補足資料として、当日出席の時実さんから参考文献4を ご提供いただきました。あわせてご参照ください。

参考文献:
尾城 孝一: CrossRefをめぐる動向、カレントアウエアネス、No. 274、CA-1481 (2002)
増田 豊: OpenURLとS・F・X、カレントアウエアネス、No.274、CA-1482 (2002)
Diana Bittern & William A. Clintworth: Linking Across the Digital Landscape: Issues Confronting Ovid Technologies and Other Vendors、 The Journal of Electronic Resources in Medical Libraries、1(1)、35-44 (2004)
時実 象一: 引用文献リンクプロジェクトCrossRef -「情報検索」から「情報リンク」へ、  情報管理 47(7)、 615-624 (2000)
参照URL:http://linksolver.ovid.com/
当日の配布資料をご希望の方は、設楽 (MShitara@Ovid.com)まで請求してください。


第212回 ライフサイエンス分科会
記入者: 渡辺 正彦
開催日時: 2004年2月15日(木) 14:00~17:00
開催場所: (財)国際医学情報センター 3階会議室
配布資料: 「SELIMIC-WEBについて」、「慶應義塾大学医学メディアセンター」等
参加人数: 12名

内 容:「国際医学情報センターと慶應義塾大学医学メディアセンター訪問」

1.医中誌Web ver.3の紹介とデモ
医学中央雑誌刊行会 松田 真美氏

昨年9月にリリースしたver.3の現状と今後の予定について説明があった。
①公開中のバージョンの整理
・現在、ver.1から3まで並行稼動しているが、ver.2を3月末にクローズする。Ver.1は未定。
②データ更新とデータの作成
・3月からデータ更新(Pre医中誌を含む)を原則として1、16日の月2回に増やす。
・収録までのタイムラグを短縮するために、本年も約34万件程度のデータを作成する。
③レスポンスの改善
・ver.3についてインデックスを最適化しレスポンスを改善する予定。
④今後のバージョンアップ
・検索履歴の保存期能を追加する予定。
・一次情報へのリンクも検討。

配布資料 ⇒ OUG_ichu.pdf

2.SELIMICwebの紹介とデモ
国際医学情報センター 大淵 直子氏

SELIMICwebは、IMICが所蔵している国内雑誌約1,300誌、学会抄録、プログラムから収集した、 国内で発生した医薬品による副作用情報をWebで検索できるようにしたサービスです。
特徴としては以下のようになります。
IMIC賛助会員に限定した無料サービス。
1994年11月から約170,000件のデータを収録。毎月更新 (1,500~2,000/月)。
医薬品ごとにデータを作成。
商品名、投与経路、副作用名、併用薬、書誌事項、 記事区分(症例報告、原著論文、解説・総説、学会抄録、学会プログラム、その他)を収録
重篤と記載されている副作用には * を付与
原因となる医薬品が特定されていない場合は、併用薬全てを対象
医薬品名について一般名、商品名で検索可能。
3.慶應義塾大学医学メディアセンター(北里記念医学図書館)の紹介と見学
慶應義塾大学医学メディアセンター 酒井 由紀子氏

医学メディアセンターは医学分野の専門図書館で、北里柴三郎博士の功績をたたえて1937年に 設立された図書館を起源とし、1993年に現在の名称に改称されました。 創立当初から広く医療に従事する学外の人たちにも開放しています。
現在のサービス概要は以下のようになります。
蔵書数は35万冊(内、図書が10万冊、製本雑誌が25万冊)。
雑誌タイトル数は3,400誌で、電子ジャーナルが2,500誌(2002年度)。
データベースとしては、医中誌Web、JDream、ISI Web of Science、Ovid Medline/Evidence Based Medicine等を提供している。 UpToDate、今日の診療はCD-ROMで提供している。
利用者教育に力を入れており、学生や新任職員に対するオリエンテーションや授業に加えて、 研究者向けの「電子リソース活用講座」も開催している。
今後の課題として、安定した蔵書構築のための電子リソースへの投資や書庫狭隘への対応があります。
医学メディアセンターの詳細については、ホームページを参照してください。


第211回 ライフサイエンス分科会
記入者: 宮崎 佐智子
開催日時: 2004年1月22日(木) 14:00~17:00
開催場所: (社)化学情報協会 6階講習会室
配布資料: 「STN ライフサイエンス系DB の変更点」、「STN BIOSIS ファイルの強化」
参加人数: 14名

内 容:「STN のライフサイエンス系DB の変更点」
(社)化学情報協会 宮崎 佐智子

昨年4月以降のライフサイエンス系DB の変更点や強化点についてデモを交えて紹介しました。特に昨年実施されました BIOSIS ファイルのリロードについて、少し踏み込んで説明しました。概要は以下のとおりです。

1. STN のライフサイエンス系DB の変更点

強化の変遷
2003.4  CAplus/CA ファイル - 第6累積索引期間の索引作業終了、引用情報の追加
DGENE ファイル - 表示形式の強化
IPA ファイル - アラート実行頻度のオプションが追加
MEDLINE/LMEDLINE ファイル - リロード
PCTGEN ファイル - クラスターに追加
REGISTRY/ZREGISTRY ファイル - 新フィールド (ENTE)、医薬品の同義名、物性値
アラート PACKAGE 機能 - マルチファイルアラートの回答を一括送付する機能が登場
2003.5  PHAR ファイル - リロードと強化
PHARMAML ファイル - クラスターに追加ANALYZE、TABULATE コマンド - STNotes 17 の改訂
2003.6  CAplus/CA ファイル - 第5累積索引期間の索引付与作業終了
CBNB ファイル - 後方・中間一致検索が利用可能
CHEMLIST ファイル - 化審法・既存化学物質リスト関連情報の追加
DGENE ファイル - 特許出願人コード (PACO) のシソーラスが利用可能に
FSTA ファイル - 2003 年版シソーラスが利用可能に
HSDB ファイル - リロード、検索・表示フィールドの新設
RTECS ファイル - データ更新
2003.7  CAplus/CA ファイル - DR (削除された CAS 登録番号) の索引変更、第4累積索引期間の索引付与作業終了
FROSTI ファイル - 中間一致・後方一致検索が利用可能に
KOSMET ファイル - 中間一致・後方一致検索が利用可能に
PASCAL ファイル - 中間一致・後方一致検索が利用可能に
2003.8  CAplus/CA ファイル - 第3累積索引期間の索引付与作業終了
2003.9  CAplus/CA ファイル - 第1、第2累積索引期間の索引付与作業終了
CHEMLIST ファイル - TSCA 台帳が 2003.7 版に更新、Swiss Giftliste 1 (List of Toxic Substances 1) が 2003.7 分まで更新
2003.10  BEILSTEIN ファイル - データの追加
BIOSIS ファイル - リロード
CHEMLIST ファイル - フィリピン台帳の更新
DISSABS ファイル - 新規ファイル
2003.11  DISSABS ファイル - クラスターに追加
MSDS-CCOHS ファイル - リロード
2003.12  BEILSTEIN ファイル - データの追加
BIOTECHNO ファイル - 更新終了
CAplus/CA ファイル - 1907 年以前のデータが追加、ED 表示フィールドの新設
CABA ファイル - リロード
CROPU ファイル - 更新終了
DGENE ファイル - 法的状況データが表示可能に
DRUGLAUNCH ファイル - ファイル名変更
DRUGNL ファイル - ファイル名変更
DRUGPAT ファイル - ファイル名変更
DRUGUPDATES ファイル - ファイル名変更
FSTA ファイル - 2004 年版収録源リスト
IMSPROFILES ファイル - ファイル名変更
PHARMASEARCH ファイル - ファイル名変更
REGISTRY ファイル - ED 表示フィールドの新設、CA 由来の実測物性値の追加
BLAST 検索機能つき STN Express - 無料メンテナンスファイル(6.01c)のリリース
STN on the Web - BLAST の強化
2004.1  STN on the Web - 検索ガイドの改訂

配布資料 ⇒ LIFE_STN.pdf

2. STN BIOSIS の強化
2003 年 10 月、STN の BIOSIS ファイルがリロードされ以下のように強化されました。
Biosystematic Code が再構築され、1969 年以降の全年代のレコードに一貫した方針で再付与されました。これに伴い、240 の Biosystematic Code (特にウイルス関連) が変更されました。変更されたコードのリストはBIOSISのサイトで確認できます。
/CO (機関名)、/NTE (訂正ノート)、/NA (人名))、および /SL (抄録言語)フィールドが削除されました。このうち CO と NA フィールドの情報は、/IT フィールド (Miscellaneous Descriptors サブフィールド) で検索できるようになりました。
1969-1992 年のレコードについても、1993 年以降のレコードと同様に索引が強化されました。全年代のレコードに BC (Biosystematic Code)、CC (Concept Code)、ORGN (Oraganism)、およびIT (Major Conceptsサブフィールド) フィールドが収録されました。
Biosystematic Code とそのテキストが /ORGN または /BC フィールドで検索できるようになりました。
1998 年以降のレコードについては、IT フィールド (Diseasesサブフィールド) に (該当するものがあれば) BIOSIS の索引語に対応する MeSH タームが収録されました。また、MeSH Tree Number が /CT で検索できるようになりました。
新規検索フィールドとして Email Address (/EML) と、その他の収録源 (/OS) フィールドが追加されました。OS フィールドには GenBank やその他の配列データベースのレコード番号が収録されます。
/BC、/CT、/GT、/ORGN フィールドのオンラインシソーラスがリロードされました。
/AB フィールドで後方一致・中間一致検索が利用できるようになりました。
新規表示フィールドとしてED フィールドが追加されました。このフィールドには、レコードの入力日および更新日のデータが収録されています。
/CC フィールドのオンラインシソーラスが利用できるようになりました。
配布資料 ⇒ BIOSIS_STN.pdf


第210回 ライフサイエンス分科会
記入者: 渡辺 正彦
開催日時: 2003年12月18日(木) 14:00~17:00
開催場所: (株)サンメディア
配布資料: 会社概要、Neoplanetsの概要、RefWorks等製品パンフレット等
参加人数: 12名

内 容: サンメディア社見学

来年(2004年)創業40年を迎える(株)サンメディアを訪問し、施設見学や業務内容や製品の紹介を受けました。
(株)サンメディアは1964年に写真撮影による学術文献の複写提供から業務を開始し、情報技術の進展に合わせて、海外(BLDSC、UMI社等)からの文献入手、インターネット商品の提供と業務を拡大してきました。現在の主要な業務は、①ドキュメントデリバリーサービス、②代行検索サービス、③インターネットで利用できる学術データベースや電子商品の提供になっています。最近では、4つめの柱として、著作権処理サービス(CCS:Copyright Compliance Service)が育ちつつあります。
代行検索サービスは、DialogによるMEDLINE等の検索と冊子体の医中誌のマニュアル調査を1982年から開始しました。ユーザーの多様な検索要求に応えるために、コミュニケーション(プレサーチインタビュー、事後連絡)を基本として、コミュニケーションが十分に取れない場合は、コメントを丁寧に記載する等の工夫をしているとのことです。また、検索結果について、ユーザーと情報交換や社内での共有化を行っているとのことです。インターネットの浸透によるユーザーの意識の変化と依頼内容の多様化への対応が今後の課題のようです。
インターネット関連商品としてNeoplanetsとRefWorksについて簡単な紹介がありました。
Neoplanets
サンメディア社が開発したWebオーダーシステムで、検索結果からの文献オーダー機能やモバイルアラート機能等が付加されたユーザーフレンドリーなシステムです。雑誌の著作権情報を確認する機能もあります。施設の状況に合わせてカスタマイズも可能です。
RefWorks
インターネットで利用する文献管理ソフトで、英語と日本語の両方を利用できます。PubMedや医中誌Webの検索結果やEndNoteに保存しているデータを簡単に取り込むことができます。また、データを機関内で共有化することも可能です。詳細はサンメディアのe-portを参照してください。
山下社長からサンメディアの前身である太陽写真工業(株)として開業した当時の暗室時代から、ほぼ10年単位で文献入手方法や業務が変化していった経緯を説明していただき、説明を受けた会議室には当時使用していた文献接写用のカメラシステムや昔の国立国会図書館の写真も展示されていて、文献複写の歴史を垣間見ました。


第209回 ライフサイエンス分科会
記入者: 固武 龍雄、渡辺 正彦
開催日時: 2003年11月19日(水) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 参加者各位の検索結果
参加人数: 9名

内 容: 検索演習
問 1. SARSの疫学についての文献。なるべく最近のものまで欲しい。
MEDLINEではSevere Acute Respiratory Syndromeという語がMeSHタームとなっている。これは2003年3月に急遽MeSHタームとされたもので、冊子体MeSHの2003年版には収載されていない。このことはAIDSのAcquired Immunodeficiency Syndromeが1983年の途中からMeSHタームに採用されたことを思い出させる。
Severe~がMeSHタームになっているので、疫学のサブヘディングのEPとリンクさせることになるが、MeSHタームになる前の文献はどうしたらよいか。また最近のものまで欲しいということなので、NLMで処理中のIn Processのものも検索すべきである。これらはSevere~をフリータームとして検索することになる。これらのことを考慮に入れることを狙いとして出題した。サブヘディングとしてEPを使うほかに、TM(Transmission)も用いた方が、よりもれは少ないかもしれない。
SARSという略語でも検索すべきかどうかは議論の分かれるところかもしれない。出題者はノイズが多いのでやらなかった。
データベースとしてJMEDPLUSを使用した人もいた。この場合、疫学関係の検索をするのに、疫学という語のほかに患者数?、患者調査?、罹患?、死亡?なども用いた方がよいという話もあった。
なるべく最近のものまで欲しいというのなら、MEDLINE、EMBASE、JMEDなどのデータベースの他に、インターネットを用いて国立感染症研究所 感染症情報センター、厚生労働省、WHO、CDCなどのホームページも見た方がよい。
問 2. 実験動物としてのブタ(含 ミニブタ)の品種改良。主として外国の文献が欲しい。
ブタとして英語のデータベースでPIGを用いれば、Guinea pig(モルモット)の文献がノイズとして多量に入ってくる。これを防ぐためには近接演算子の(NOTA)(STNの場合)とか(NOT N)(DIALOGの場合)を用いるのがよい。これを使ってもらうためにはBIOSISのようにブタの統制語のないデータベースを使用して欲しかったが、データベースの指定はしなかった。MEDLINEならMeSHタームとしてSwineとなっている。JMEDPlusではブタで、下位にミニブタがある(以前のシソーラスでは下位にミニブタがなかった)。
BIOSISを使うなら(STNでの例でいうと)PIG#(NOTA)GUINEA とConcept Codeの 26506/CC (動物生産―品種と品種改良)を用いたが、これだけでは食用ブタの品種改良が主として検索されてきてしまうと思われるので、これに更にLaboratory animal#とかAnimal model# をかけたが、あまり品種改良に主論点のある文献はないようであった。
ミニブタはmini-pigとかminiature pigであれば切り出されてPIGで検索されるが、minipigとなっていればPIGで検索されない。そこで別にMINIPIG#でも検索したが、この場合は実験動物であることはわかっているので、Laboratory animialなどの語は用いなかった。この検索では求めるものがいくらかあったようである。
BIOSISでもSWINEも使った方がいいかもしれないが、サーチガイドを見るとPIGの方が断然件数が多いので、出題者は使用しなかった。
実験動物の資料については、日本クレア(株)や日本チャールス・リバー(株)等に問い合わせると入手可能との情報もあった。
問 3. 東京大学・鶴尾隆先生が書かれた SDZ PSC-833 についての報告。JMEDPlusでできる限り網羅的に検索したい。
NewJOISではSTNと類似の検索システムを採用していますが、検索フィールドによって切り出し処理が微妙に異なるため、近接演算では注意が必要になります。たとえば、和文標題・抄録と英文標題では区切り記号(ハイフン:-や括弧:( )など)の扱いが異なり、和文標題では1語としてカウントするのに対して、英文標題ではカウントしません。したがって、英文標題の「SDZ PSC-833」は「SDZ(w)PSC(w)833」で検索できますが、和文標題や抄録では、「SDZ(w)PSC(1w)833」で検索する必要があります。
同じ執筆者であっても治験薬の記載方法が文献ごとに異なる場合もあります。ハイフンやスペースを考慮していろいろな組合せで検索をする必要があります。特に、準ディスクリプタでは、フルフレーズでも収録されますので、ハイフンやスペースを含めた検索式を試みたほうがいいことになります。
本問題の場合、JCHEMからの渡り検索だけでは、漏れが多くなります。上記のポイントを考慮して、検索式を立てる必要があります。
東京大学の鶴尾隆先生は、AU.AでExpandします。東京大学での主要な所属が2つありますが、研究所の名称が変更になったためで両方選択します(研究所のHPで確認)。先生の経歴を調べて検索された方もいましたが、見習うべきだと思いました。


第208回 ライフサイエンス分科会
記入者: 佐藤 京子、渡辺 正彦
開催日時: 2003年10月16日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「全文検索可能なサイト」ほか
参加人数: 10名

内 容: 勉強会「フルテキスト検索可能なサイト研究と新TMIC見学」

1.新東京メディカルインフォメーションセンター見学
佐藤 京子

ファイザー㈱の本社情報センターが本社移転後にリニューアルした為、過去の経緯とともに現在の状況、サーチャーの職場である「情報センター」としての機能、工夫点などを紹介した。
ファイザー社、ファイザー(株)の概要
メディカル部門、 KMリソース部の紹介
東京メディカルインフォメーションセンター概要と設立まで
フロア-のリニューアル
情報活用促進
フロア紹介+Q&A

2.フルテキスト検索可能なサイト研究
渡辺 正彦

出版社やアグリゲーターのサイトとして、HighWire Press、Synergy、InterScience、Nature.com、Cell Pressを取り上げ、特徴と検索方法を紹介した。

HighWire Press (http://highwire.stanford.edu/)
Stanford大学が運営しているサイトで、米国の学協会系の雑誌を中心に344誌を収録しています(2003/10/17現在)。ライフサイエンス分野のインパクトファクターの高い雑誌が多く、臨床医学雑誌が充実しています。一部の雑誌は一定期間後無料で全文参照できます。
検索にはQuick とAdvanced の2種類の検索画面が用意されています。全文検索が可能な時期は雑誌によって異なり、1993年から検索可能な雑誌もあります。検索を補助する機能が充実していて、PubMedとの同時検索や引用文献の引用関係表示、関連文献検索、クラスタリング等が活用できます。検索結果をEndNoteに保存することもできます。

Synergy (http://www.blackwell-synergy.com/)
Blackwellの電子ジャーナルサイトで、681誌(医学関係:250誌)を収録しています。Top pageで検索できる他、Simple とAdvanced の2種類の検索画面も用意されています。全文検索が可能な時期は1998年以降が多いようです。検索結果をEndNoteに保存できます

InterScience (http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/home)
Wiley社の電子ジャーナルサイトで、460誌(医学関係:80誌)を収録しています。全文検索の開始時期は2000年や2001年が多いようです。一部本文を検索できない雑誌もあります。検索結果をEndNoteに保存できません。

Nature.com (http://www.nature.com/)
Nature Publishing Groupが出版するNatureやNature関連誌等48誌を収録しています。Top pageで検索できる他、Advanced 検索画面が用意されています。全文検索の開始時期はNatureが1997年で、Nature関連誌は1998年、他の雑誌は1997年以降が多いようです。検索や結果の表示は他のサイトに比べて制限されます。検索結果を保存できません。

Cell Press (http://www.cellpress.com/)
Cell、Immunity等9誌を収録しています。検索はStandard Searchのみで、全文検索開始時期は1996年以降が多いようです。検索結果の保存に特徴があり、一端PubMedに遷移し、PubMedのレコードとして保存することになります。

J-Stage (http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
科学技術振興機構 (JST) が運用している電子ジャーナルサイトで、国内の学協会が出版する 120誌 (欧文:75、和文:45)を収録しています。9月末より全雑誌の横断検索が可能となりました。日本語、英語とも検索可能で、全文検索開始時期は2000年以降になります。検索結果を保存することができません。
各サイトの特徴や検索ルールをまとめた一覧はこちらを参照してください。なお、エルゼビア社の3サイトとLWW online、Ingenta selectも掲載しています。

今回紹介したサイトの簡易操作マニュアルをご希望の方は渡辺 (masahikow@kirin.co.jp)までメールください。Zipファイルで2M程度です。


第207回 ライフサイエンス分科会
記入者: 渡辺 正彦
開催日時: 2003年9月18日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「エルゼビアの製品紹介 ライフサイエンスを中心に」ほか
参加人数: 12名

内 容: 勉強会「エルゼビア社のライフサイエンス関連サービス」

エルゼビア・ジャパン(株)の清水毅志氏、恒吉有紀氏から、エルゼビア社の歴史や商標の意味、エルゼビア社が関与してきた電子ジャーナルの歴史も含めて、ライフサイエンス関連製品の最新情報を紹介していただきました。

1.ScienceDirect ( http://www.sciencedirect.com/)

Elsevireグループの1,700誌の電子ジャーナルを収録するサイトで、全世界の2,500施設、約900万人が利用しています。5年分のデータについて全文検索が可能です。オプションとして、MEDLINEやEMBASE等の書誌データベース、レファレンスワーク、バックファイル(1995年~1998年)が用意されています。バックファイルについては、有機化学や数学等9分野で創刊号から収録するコレクションがあります。また、CrossRef等を利用した他社電子ジャーナルとの相互リンク、ファクトデータベースへのリンク、音声データや動画データの表示、冊子体発刊前に電子的にデータを公開するサービス(Article in Press)も可能になっています。
ScienceDirectの解説はエルゼビア・ジャパン(株)の製品紹介サイトを参照してください。サポート情報でクイックレファレンスガイドをダウンロードできます。

2.EMBASE.com

EMBASEとMEDLINEを合わせた6,000誌、1,500万レコードが検索できるシステムです。重複レコードについては、EMBASEを優先して収録しています。EMTREEへのmapping 機能やMeSHのEMTREEへの紐付けによりエンドユーザーが専門知識なしに検索できるしくみもあります。Drug検索では、投与経路やリンク語を選択した検索もできます。電子ジャーナルやシークエンスデータへのリンクもあります。

《EMBASE.com についての質問》
1) 投与経路などの情報を使ってMIDLINEデータも検索可能か?
MeSHにそのTermが含まれている場合に限り、検索は可能ですが、MeSHには多くの場合含まれていないケースの方が多いので、実際はEMBASE由来のレコードのみが検索結果となることが予想されます。

2) MeSHからEMTREEへのマッピングのロジックは?
同じ単語がない場合、上位にマッピングします。 MEDLINE由来のデータに関しましては、PubMedでの検索と同程度の検索結果となることが予想されます。

3) MEDLINE由来のデータが先に搭載され、後にEMBASEに同じデータが搭載されたときの重複削除のロジックは?またE-mail alertはどうなる?
MEDLINEに搭載され、かつ、翌週以降にEMBASEに搭載されたときには、残念ながら重複して搭載されます。したがいまして、E-mail alertも重複して2通来ます。しかしながら、MEDLINEとEMBASEの収載時期を調査したところ、MEDLINEに先に搭載されるデータは1-2%と非常に稀なケースになるそうです。尚、このようなケースで重複登録されたデータについては、バージョンアップなどのタイミングで一括見直しの後、除去作業を行なっています。
3.BioMedNet (http://www.bmn.com/)

Elsevier Science Londonが運営するライフサイエンス研究者のためのポータルサイトです。 一部の機能を除き無料で利用できますが、メンバー登録が必要です。 Journal Collection、Review、Research Tools、Research Update等7種類のサイトで構成されています。
Journal Collectionでは、CellやBBAを含めた370誌についてフルテキスト検索ができます。
Reviewsでは、TrendsやCurrent Opinionをはじめとした180誌以上の雑誌に掲載された3万件以上の総説を検索することができます。全文の参照は有料で、研究者の人数により料金が異なります。
Research Toolsでは、MEDLINEやMouse Knockout & Mutation Database (MKMD)を検索できます。MKMDはノックアウトマウスに関する論文情報を情報テーブルという形式でコンパクトにまとめたデータを提供するデータベースです。3,000件以上の遺伝子について、8,000件以上の情報テーブルが収録されています。検索は無料ですが、情報テーブルの参照は有料で、研究者の人数により料金が異なります。
《MKMDについての質問》
Coverしているタイトル誌の数?
主要17タイトルを中心に レビューされ、かつ著者の要望などがあった場合なども追加搭載しています。
4.Scirus (http://www.scirus.com/)

科学技術に特化したユニークな検索エンジンです。大学や企業、科学者のサイト、MEDLINEやBeilstein、ScienceDirect等をまとめて無料で検索することができます。SimpleとAdvancedの検索画面があり、ブール演算や検索サイトの制限も可能です。


第206回 ライフサイエンス分科会
記入者: 固武 龍雄
開催日時: 2003年7月17日(木) 14:00~17:00
開催場所: 文京シビックセンター 5階 中小企業振興センター会議室
配布資料: 各人の作成資料
参加人数: 8名

内 容: 勉強会「サーチャー失敗学」

最近“失敗学”なるものができたといわれている。これについては畑村洋太郎著の「失敗学のすすめ」(講談社)に詳しい。失敗を反省してみることは大事で、自分の今後の検索に役立てるのは勿論だが、他人にも伝えて組織全体の検索技術の向上にも役立てなければならない。しかし失敗は恥ずかしいということもあってなかなか発表されず、伝えられることが難しい。
そこで今回は自分の失敗も知人の失敗ということにしてもよいからご披露くださいということで発表しあうことにしてみた。

各人からいろいろな失敗談、注意点が紹介され、その他にもインデクサーのキーワードの付与ミスなど多岐にわたる話があり、有益な会合であった。たとえば、以下のような例が紹介された。
JMEDPlusファイルやPATOLIS特許ファイルでの化合物塩検索
DialogとSTNシステムでのS番号 と L番号の取り違え
STNファイルの検索語料
MEDLINEファイルのMeSH用語使用開始前後での付与方法の違い
MEDLINEファイルのsubheading付与の誤解
EMBASEファイルでの医薬品名の付与漏れ
JMEDPlusファイルでの英文タイトルとその他での近接演算の違い
失敗談以外でもこのような意見交換の場も時には必要ではないかという印象をもった。


第205回 ライフサイエンス分科会
記入者: 渡辺 正彦
開催日時: 2003年6月19日(木) 14:00~17:00
開催場所: トムソンコーポレーション(株) 研修室
配布資料: 「Derwent Discovery Version3」ほか
参加人数: 10名

内 容: 勉強会「Derwentのライフサイエンス関連データベース」
トムソンダウエント CLSサービス マネジャー 梶田 次朗氏

トムソンコーポーレーション(株)を訪問し、トムソンダウエントの梶田さんよりDiscovery、Biotechnology Resource、GENESEQを中心にライフサイエンス分野の製品の概要と最近の強化点、R&Dにおけるダウエント製品の活用方法、ライフサイエンス分野における特許の傾向について紹介していただきました。

1.Derwent Discovery

Derwent World Drug Alert Plus (WDA) とDerwent Drug File (DDF) をインターネットで検索するシステムで、データベースごとに検索インターフェースが用意されています。2種類のデータベースを個別に検索するシステムですが、両者ともに書誌事項やテキスト、構造式の検索が可能です。
WDAは、特許(主要7ヶ国)や学会、学術雑誌 (1,200誌) で報告された最新の創薬や診断に関する情報を収録したデータベースです。Patent Preview、World Drug Alert、Conference Fast-Trackの情報源から構成されています。データは毎週更新され、速報性を重視して報告から1~3週間で収録しています。検索結果は会社・組織名が最初に表示されるようになっています。特許情報については、Thomson Patent Storeへのリンクにより明細書をPDFで入手可能です。
DDFでは、階層構造を持ったシソーラスを参照して検索できます。最近の機能強化点としては、Gene therapy、Monoclonal Antibodyの収録内容の拡張とPharmacoeconomics、New Potential Drug Targetsの新分野の追加が挙げられます。

【Discoveryの最近の機能強化点】
①Current Drugs社との連携: IDdbの検索結果にWDAやDDFの結果を表示し、それぞれの詳細データを表示する機能が追加されました。
②MDL社のDiscoveryGateとの連携: DiscoveryGateの検索結果にDDFやWDAの結果を表示し、それぞれの詳細データに遷移する機能を追加する予定です。 (2003年Q3)
③その他: ExcelやReference Managerへの結果のエクスポートや検索結果のソート等の機能更新を予定。 (2003年Q3)

2.Biotechnology Resourceの機能強化点

冊子体、オンライン製品に加えて、Web製品がリリースされました。機能強化点としては、①Bioinformatics、genomics、proteomicsの分類システムの追加、②シソーラスの拡充、③著者抄録の付与、④特許の収録範囲の拡張、⑤バイオテクノロジーに特化した抄録の追加等が挙げられます。

3.GENESEQの機能強化点

GENESEQは、特許から10塩基以上の核酸配列、4残基以上のアミノ酸配列とPCRプライマーとプローブの配列を収録したデータベースです。公共データベースとの比較では、60%の核酸、80%のアミノ酸配列が独自との報告があります。
2002年度は、①Web製品のリリース、②コンテンツの品質管理 (起源生物のフィールドの標準化、出願人情報の訂正)等が行われました。2003年度は新しい開発システムの導入を予定しています。

説明会時に使用した「製品開発の最新情報」のPPTをご要望の方は、INFOSTA OUG事務局までご連絡ください。

ダウエントのライフサイエンスの概要についてはトムソンダウエントの製品紹介のサイトを参照してください。
R&Dにおけるダウエント製品の活用方法とライフサイエンス分野の特許傾向については、過去のセミナー情報が参考になります。


第204回 ライフサイエンス分科会
記入者: 固武 龍雄
開催日時: 2003年5月15日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー製薬(株) 会議室
配布資料: 各人の検索結果
参加人数: 9名

内 容: 検索演習
New JOISの研修ファイルKENSHU-JMEDまたはKENSHU-Jファイルを用いて次の3問を検索して腕ならしをする。
1.プロプラノロールを片頭痛の予防・治療に用いた文献
2.防衛医大の渡辺和彦先生の発表論文
3.魚油の摂取による肥満の軽減

1.プロプラノロールを片頭痛の予防・治療に用いた文献
この問題の要点はプロプラノロールだけでなく、塩酸プロプラノロールでも検索しなければならない点である。塩酸プロプラノロールからプロプラノロールが切り出されていないので、プロプラノロールだけで検索するともれを生ずる。JCHEMファイルより渡り検索するとしても同じである。どう切り出されているかを見るにはhttp://pr.jst.go.jp/より検索補助機能を用いてチェックしてみる手がある。
また expand してみると、”プロプラノロール10” などというものもある。これも選ぶか、プロプラノロールの前方一致にしなければならない。
それではプロプラノロールを検索するときに、塩酸プロプラノロールも用いなければならないというのをどうやって知るか。プロプラノロールに詳しい人ならばすぐに思いつくが、一般のサーチャーはどうしたらよいか。JCHEMファイルから渡り検索をするのなら、ここでプロプラノロールのほかに有名商品名のインデラルでも検索すると(インデラルは塩酸塩)塩酸塩も含んで検索できる。または ”Propranolol? ”と横文字で前方一致にすれば ”Propranolol hydrochloride” も得られる。また以前、JSTから配布された「物質慣用名 JSTシソーラス機能上位語リスト」という冊子体のものを調べて塩酸塩があることを見つける手もある。
JST発行の「データベース活用ガイドJMEDPlus」の120頁に ”E LEFT プロフェン/CN” の例がある。JCHEMで ”E LEFT”を行えばよかったと思い、JCHEMファイルで ”E LEFT プロプラノロール/CN” としたところ、
「コマンドは中断されました。Expandコマンドで索引を表示するためのファイルが一時的に使えなくなっています。数分後にやり直してみてください。このメッセージが繰り返し表示されるときは、ヘルプデスクまでご連絡ください。」
とでた。これを後に何回やっても同じであった。いずれヘルプデスクに相談してみるつもりである。
2.防衛医大の渡辺和彦先生の発表論文
この先生が防衛医大に勤務する前または後に他の機関に所属していたかどうかは調べなけれ ばわからないが、ここでは防衛医大に勤務していた期間の発表ということにする。
”所属機関名 AND 著者名” で検索するということも考えるかもしれないが、これではノイズを生ずることになる。ここではNew JOISで使える著者名と所属機関名のペア検索 ”/AU.A ”を使いたい。固有名詞はいろいろと注意すべき点があるので、まずは ”E 渡辺和彦/AU.A ” とexpandしてチェックしてみたい。すると、渡辺和彦の所属機関名が防衛医大というもののほかに防衛医大 病院というのもあった。
著者名と所属機関名(前方一致)とのANDではノイズを生ずることがあるが、このとき AND ではなく、(P) または (L) を用いればよい。
渡辺のほかに渡邊、渡邉、渡べ、渡なべ などがあるかと検索してみたが、本ファイルでも存在しなかった。統制されているのか。
欧文誌での発表であれば WATANABE K でも同様に検索しなければならない。これを忘れた人もいた。他のシステムではないことである。
問題には論文とあるので、「会議録などを除く」と深読みした人もいたが、出題者はそこまでは考えてはいなかった。
3.魚油の摂取による肥満の軽減
このような内容の検索ではJMEDのほかにJSTPlusファイルをも用いた方がよく、この際、両方のファイルにある文献を重複して打ち出してはつまらないので、JMEDファイルでは検索結果に JCME/ST をANDにして両方に重複している文献を除く事をする。
これらのほかに、STNにはないものとして、JMEDファイルでは和文タイトルのストリング・サーチがある。ストリング・サーチの有用な効果的な具体例を2,3の方から後日提供していただく事になった。


第203回 ライフサイエンス分科会
記入者: 渡辺 正彦
開催日時: 2003年4月17日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー製薬(株) 会議室
配布資料: 「医中誌Web (Ver.3) バージョンアップ概要」ほか
参加人数: 12名

内 容: 勉強会「医中誌Web ver.3」
医学中央雑誌刊行会 松田 真美氏、佐久間 せつ子氏

近日リーリス予定の「医中誌Web ver.3」の機能強化点について、開発機でのデモを交えて説明していただきました。また、本年から利用を開始した「医学用語シソーラス第5版」の変更点やディスクリプタの付与方針について、インデクサーの立場から説明していただきました。
今回のバージョンアップでは、データベースマネジメントシステム(DBMS)を変更することにより、全文検索システムを維持しながら、検索性能(レスポンス、検索対象)の向上を実現しています。また、シソーラス下位語を含む検索やアルファベット大文字・小文字の同一視も可能となり、網羅的な検索がやり易くなります。

1.医中誌Web ver.3の機能強化点概要

①下位語を含む検索
統制語による検索は下位語を含めた検索になります。Mapping機能で選択された統制語も同様に下位語を含めた検索になります。また、適切な統制語がなく、統制語の組み合わせで表現されている概念については、組み合わせにMappingするようになります。
例)MRSA ⇒ メチシリン耐性 + Staphylococcus aureus にMapping
②シソーラス閲覧機能
統制語と階層構造を参照できるようになります(現行の候補語検索の機能拡張)。参照した統制語を検索式に反映することもできます。結果は1画面で表示されますので、参照が容易になります。
③アルファベットの大文字、小文字の同一視
大文字、小文字の区別がなくなります。全角、半角も同一視されます。
④検索レスポンスの向上と検索対象範囲の拡大
DBMSを見直すことにより、レスポンスを向上させました。1983年以降の全レコードを一括検索することも可能になりました。全文検索は維持されます。
⑤検索対象年変更時の履歴の自動更新
途中で検索対象年を変更した場合、検索履歴も変更した対象年で再検索できるようになります。
⑥Pre医中誌のリリース
医中誌に登録される前のレコードが収録されます。毎月更新され、レコード内容はデータの作成状況に応じて変化していきます。タイムラグは雑誌入手から1ヶ月程度です。
⑦研究デザインによる絞込み
メタアナリシス、ランダム化比較試験、比較臨床試験、比較研究について絞込みができます。
「比較研究」は、ヒトを対象とした比較試験に付与され、前向き、後ろ向きを問わず、ヒストリカルコントロールを対照としている研究も含まれます。
メタアナリシス、ランダム化比較試験、比較臨床試験については、JHES(日本ハンドサーチ・エレクトロニックサーチ研究会)の調査結果も、2000年7月以降の原著論文に反映されます(1,200誌対象)。
配布資料 ⇒ ichuver3.pdf

2.シソーラスの変更点

本年から第5版を使用することになりました。特徴は以下のようになります。

①MeSH 2001年版に対応
MeSH 2001年版を参考に用語の選択や階層構造の構築を行っています。MeSH新設語約1,200語を含め、約3,400語が新設されました。
②医薬品名の充実
約1,400語が追加されました。「JAPIC辞書」を参照し、日本で使用されている医薬品について国際一般名(INN)のあるものを収録しました。
③薬効別カテゴリーの導入
MeSHのPharmacologic Actionを参考に薬効別カテゴリーを導入し、下位に医薬品を分類しました。薬効別カテゴリーにより関連する医薬品について網羅的に検索できるようになります。一方で、複数の薬効を示す医薬品については、検索対象以外の薬効についてのレコードも含まれることになります。
④医中誌独自用語の充実
フリーキーワードの内、使用頻度の高いものをディスクリプタに昇格させました。また、看護や介護用語も充実させました。
1レコードあたりのシソーラス用語数と医中誌フリーキーワード数はそれぞれ10個以内に制限されますが、医薬品名をできる限り収録する方針とのことで、医薬品名による検索が向上します。