専門部会「分類/シソーラス/Indexing部会


原則として毎月、研究会を開催し、以下の分野について研究しています。

1.設立のいきさつ
 当部会は,1987 年12 月の準備会を経て,1988 年4 月より20 名のメンバーでスタートした。スタートに先立ち,きっかけがある。それは,故中村幸雄元INFOSTA 会長が生前,中村塾と言われる「私塾」のような勉強会を開いていて,そこでインデクシングやシソーラスについて情報専門家を集めて親しく教えていただいた。当部会は,中村元会長が唱えておられた「分類・シソーラス・件名標目などを別々に考えるのでなく,インデクシングを総合的にとらえる」という主張を受け継いで活動してきた。
 そのような背景のもと,原則として毎月,研究会を開催し,2008 年に20 周年を迎え,2009 年12 月には,のべ回数250 回を数えた。また,毎月の研究会のほか,特別のテーマを決めて議論する場としての合宿も14 回開催した。
 2008 年には,その成果が認められ,「分類・シソーラス・Indexing は,今日でも情報の蓄積や検索に関わる最も基本的で重要な問題である。永年にわたり着実に研究活動を推進し,その成果を会誌やINFOPRO シンポジウム等において多数発表し,当協会にとって多くの貴重な財産と活動実績を残した。協会への多大な貢献とSIG 活動の模範となる活動実績は高く評価できる」との理由で,「協会事業功労賞」を受賞した。

2.目的・趣旨
 情報をなんらかの形で蓄積し,後日,効率的かつ効果的に利用するためには,情報や資料に,その内容を端的に表現するなんらかのインデクスを付与して,検索に備えておく必要がある。こうした機能を保証する作業としてインデクシングがある。文献データベース(文章情報によるデータベースといってもよい)は,このようにして構成・構築されるものである。また,インデクシングは,文献データベースの検索性能に直接の影響を与えるものなので,サーチャーにとっても重要な関心事となることだろう。さらに,図書館における分類・件名作業(広くは「整理業務」)も,図書に対するインデクシング作業であると言える。さらに,インターネットによる情報発信は,インデクスを欠いているものが多いため,効果的な情報検索を実現する上で困難をきたしていると思われる。こうした問題意識から,当部会は,データベース作成者,図書館員,サーチャー,研究者,情報産業従事者,情報利用者などが集まって,各自の実務的経験や知識をもとに議論して,研究・勉強を進めている。この20年間に参加されたメンバーは60 数名におよび,現在は17名のメンバーで構成されている。

3.今までの主な活動
・各メンバーによる研究成果,所属機関における情報活動,社内シソーラス作成経験・問題点などの紹介・発表と討論を行った。
・全文検索システムについて関心を持ち,われわれとしてこうしたシステムをどう評価すべきかを議論するとともに,システム作成者との討論の機会を持った。
・インデクサーやサーチャーの仕事の本質がどのようなことであり,それはどこまでコンピュータによって代行可能なものかを理解するために,サーチングプロセスやインデクシングプロセスの検討を行った。そして,「インデクサーの頭の中」「サーチングプロセス」としてまとめた。
・海外の著名な先駆者による研究書・論文・規格などを数多く輪読した。例えば,
1) Bliss 著Bibliographic Classification
2) Hemalata Iyer 著Classification Structures--Concepts(Relations and Representation)
3) ANSI/NISO Z39. 19 Guidelines for the Construction.Format and Management of Monolingual Thesauri
4) F.W.Lancaster 著Indexing and Abstracting in Theoryand Practice 2003.
特に,4)は,2004年5月に輪読を開始し,2008年4月,4年余の歳月をかけて読破した。
・各自が関心を持つテーマを含むブックレビュー。2008-09年度は,自分たちの専門分野はじめ情報論一般,言語学など幅広い分野におよぶ20 数冊を取り上げレビューした。
・2009年12月には,合宿を持ち,ワインバーガー著『インターネットはいかに知の秩序を変えるか?-- デジタルの無秩序がもつ力』をテキストに討論を行った。その記録を会誌2010年5月号に発表したので、ご関心ある方はご参照いただきたい。

4.現在の活動
 2009 年度後半からは,「分類」に焦点をあてて,最近のJournal of Documentation,Knowledge Organization 誌他からの有益な海外論文を取り上げ,みんなで読んでいる。
 
 以上,簡単ではあるが,当部会の活動を紹介した。この会は,「全員が平等の立場で議論に参加する」「他人の人格攻撃は絶対にしない」というモットーで始めたのだが,会のメンバーは全員紳士淑女であり,こんな取り決めはまったく必要なかった。メンバーのみんなが相互の立場に敬意と思いやりをもって,活発に討論しながら活動を進めてきたことは,この会が誇ることのできる最大の財産だと思う。
現在,8月を除く毎月の第3金曜日の夜18:30-20:30,文京区シビックセンター会議室を使って開催している。インデクシングに関心を持ち,この会の運営方針に賛同される方がおられたら,喜んで部会員としてお迎えしたい。


参 考 文 献
1) 分類/シソーラス/Indexing部会.集中討論「統制語は生き残れるか」(特集=統制語に未来はあるか?).情報の科学と技術.1996,vol.46,no.11,p.632-640.
2) 座談会:分類 /シソーラス /Indexing部会 5年の歩み.(特集=インデクシングを考える).情報の科学と技術. 1993,vol.43, no.9,p.798-809.
3) 井上孝他.現場におけるインデクシングの諸問題--討議記録からの問題抽出の試み(特集=インデックスを考える).情報の科学と技術. 1993,vol.43,no.9,p.810-815.
4) 光富健一他.情報組織化の基盤としてのファセット分類法 --BC2を例として(特集=インデクシングを考える).情報の科学と技術. 1993,vol.43,no.9,p.816-823.
5) 山崎久道他.ユーザーの視点からみたシソーラス評価の可能性(特集=インデクシングを考える).情報の科学と技術. 1993,vol.43,no.9,p.824-842.
6) 光富健一. Jean Aitchison「シソーラスの情報源としての分類法」(資料紹介)(特集=インデクシングを考える).情報の科学と技術. 1993,vol.43,no.9,p.843-845.
7) 山本昭.情報検索から見た情報要求の類型化の試み. 1998INFOPROシンポジウムにて発表および情報の科学と技術.1998,vol.48,no.10,p.571.
8) 座談会:分類を考える.情報の科学と技術. 2005,vol.55, no.3,p.132-140.
9) 山崎久道.第 33回情報科学技術協会賞(協会事業功労賞)を受賞して.情報の科学と技術. 2008,vol.58,no.9,p.470-471.



入会のお問い合わせ先
 INFOSTA事務局鈴木宛(E-mail
suzuki@infosta.or.jp)にお願いします。

また、会の内容についてのご質問は、コアパースンである山ア 久道(中央大学)(E-mail hyama@tamacc.chuo-u.ac.jp)宛お願いします。

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