OUG ライフサイエンス分科会 過去の活動 2009年度

第277回 ライフサイエンス分科会
記入者:シュプリンガー・ジャパン(株) 田邉 可奈絵氏
開催日時: 2010年3月18日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室B(文京シビックセンター4階)
配布資料:「Springer社データベース」その他リーフレット
参加人数:7名

内 容: 「シュプリンガー社データベース」

発表者:シュプリンガー・ジャパン(株) 田邉 可奈絵氏

SpringerProtocols, SpringerImages, SpringerMaterials及びシュプリンガーの無料ツールについて紹介を行った。
SpringerProtocols (シュプリンガー・プロトコル)
SpringerProtocolsとは
生物学・分子医学・バイオテクノロジー分野の実験プロトコルを2万件以上収録したオンライン・データベース
SpringerProtocolsウェブサイト:http://www.springerprotocols.com

ヒューマナプレス社のブックシリーズ、Methods in Molecular Biology, Methods in Molecular Medicineなどから、プロトコルを15分野に分けて提供
コメントのアップロードなど、Web 2.0の機能も含む
契約が無くても抄録までは無料で閲覧可能

分野からのブラウジング、キーワード検索、自作プロトコルのアップロード機能などをデモ

SpringerImages (シュプリンガー・イメージ)
SpringerImagesとは
200万件以上の画像を検索できるオンライン・データベース
SpringerImages ウェブサイト: http://www.springerimages.com

図表の中まで検索することにより、研究者が探している情報をよりはやく、簡単に見つけることを可能にする
全分野を網羅。うち60%は医学・ライフサイエンス分野
画像はパワーポイントやPDFに簡単にエクスポートでき、講義、プレゼンテーション、研究など、個人利用を目的に利用可能

キーワード検索、絞込み、検索結果、画像詳細画面、論文本文へのリンク機能などをデモ

SpringerMaterials (シュプリンガー・マテリアルズ)
SpringerMaterialsとは
ランドルト・ベルンシュタインのオンライン・データベース。 1883年から続くブックシリーズであるランドルト・ベルンシュタインを元に、物理学・工学、化学分野において、厳しい評価を経て選択された体系的かつ包括的なファクトデータを提供する世界最大のプラットフォーム
SpringerMaterials ウェブサイト: http://www.springermaterials.com

全世界1,000人以上の科学者が8,000誌以上のJournalから信頼性のあるデータのみ抽出
1961年開始のNew Series(約400巻)を全て収録
新素材の研究開発、最適材料の選択や実験データの評価・検証が可能

キーワード検索、詳細検索画面での物質、化学式、CAS番号からの検索及び周期表からの検索をデモ

シュプリンガーの無料ツール
AuthorMapper (オーサーマッパー)
論文の著者情報を元に、著者が所属する組織を地図上に表示するサービス
AuthorMapper ウェブサイト:http://www.authormapper.com

国別、年別に、研究分野のトレンドも表示
契約があれば論文本文まで閲覧可能

Exemplar (エグゼンプラー)
用語が学術論文の中でどのように表現されているか表示するサービス
Exemplar ウェブサイト:http://www.springerexemplar.com

シュプリンガーの1,900誌のJournalから、検索した用語を含むセンテンスを表示
英語を母国語としない研究者の英語での論文執筆を支援
契約があれば論文本文まで閲覧可能


第276回 ライフサイエンス分科会
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子
開催日時: 2010年2月18日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階会議室A
配布資料:「医薬品と対応疾患名データベースについて」「医薬品情報ナビ」その他リーフレット
参加人数:11名

内 容: 「医薬品と対応疾患名データベースについて」「医薬品情報ナビ」

発表者:(財)日本医療情報センター 宇賀神 正代氏
蓼沼 宏昭氏

医薬品と対応疾患名データベース
病名から医薬品を選択する際の支援、カルテの電子化支援、統計処理の精度向上・迅速化、レセプト請求時の病名と医薬品の確認などに利用できる検索システムについてご紹介いただいた。
データ作成作業フロー
バージョンの変遷
Web版、LAN版サービス開始について
Web版の使用方法
データベースの特徴
今後の展開について

医薬品情報ナビ
財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)のホームページ上にある、医療用医薬品の医薬品名(商品名)からその製造・販売または発売会社のホームページの参照、JAPIC提供の医薬文献データベース「iyakuSearch」の検索・結果参照、添付文書PDFの参照ができるリンク集について、ご紹介いただいた。
現在、無料で利用可能である。

ライフサイエンス分科会の活動について:
「情報の科学と技術」への掲載用論文について、最終校正を参加メンバー全員で行った。


第275回 ライフサイエンス分科会
記入者:記入者:固武技術士事務所 固武 龍雄
大正製薬(株) 藤島 嘉幸
(財)国際医学情報センター 牧之内 有香
開催日時:2010年1月21日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階会議室A
配布資料:「検索演習各自の解答」
参加人数:11名

内 容:「検索演習」
演題1:カプトプリルの副作用を認めなかった事例について精度の高い検索をしたい
(単に副作用の記載がないというのではなく、なかったという記載のあるもの)。

この問題は1999年のサーチャー試験1級の問題である
(但し、カッコ内の記載は無く、これは今回の出題者の加筆したもの)。
一般論で言えば、抄録中に副作用がなかったという記述、即ち、英文データベースなら:
(NO+“NOT”)(4N)(adverse(W)effect?+side(W)effect?)  のような検索式、
日本語のデータベースなら:副作用なし、副作用はなかった、副作用は認められなかった
などがあるかという検索をすることになるだろう。
しかし、医薬品関係データベースの中味をもっと良く知っていれば,更に次のようなことが
頭に浮かんでくる筈である。
Derwent Drug File(DDF)には、Side-Effect-Absent というディスクリプタが
設けられている(これは1988年以降のものに付けられている)。かつDDFの特徴である
LINK(ANDではなく)を用いれば、同じ文献中の他の薬剤でのノイズも防げて、精度の高い
検索結果となる。これだと先にあげた検索式では得られない no adverse events
のような文献も得られた。
日本語のデータベースではJAPICDOC(iyakuSearchも含む)には
「副作用なし」というキーワードが設けられているので、これを用いると良い。しかし
JAPICDOCではLINKは使えず、ANDの使用となるので、他の薬剤とのノイズ
を防ぐことはできない。
当日の出席者の検索例を見ると、大部分は副作用がないという記述のある文献を求めて
いるが、DDFでside-effect-absentを用いた人と、JAPICDOC(実際には
iyakuSearchを使用)の「副作用なし」を用いた人、各1名がいた。

演題2:新型インフルエンザ(A/H1N1)の米国内でのタミフル耐性化状況の文献
【演題のポイント】
新型インフルエンザとは何か。概念を明確にする。
新型インフルエンザの流行が始まったのは2009年の春先なので、文献の発行年は2009年以降に限定する。
米国に限定する方法。

【使用データベース】
MEDLINEを利用する。

【検索方法】
ここでいう新型インフルエンザとは、インフルエンザウイルスA型H1N1亜型のうち、2009年4月に「豚インフルエンザ」としてメキシコで発生が確認されたインフルエンザウイルスを指す。比較的新しい概念であるため、正確に概念を表現するMESH用語はないので、フリーワード検索することも検討する必要がある。 フリーワード検索の例:(swine or novel or new or pandemic or outbreak) and (flu or influenza) and H1N1
本ウイルスの発生が確認された時期を考慮すると、発行年月が2009年4月以前の文献は除外してよい。
米国を表現する統制語はそれぞれのDBにあるが(MESHの場合は「United States」)、インデクシングが不十分であるため、タイトルや著者所属機関名に「USA」「United States」「U.S.」「america」などがあるものを論理和する。

【結果】
上記の文献検索の結果、該当文献は2報見つかった(North Carolinaの2例の報告、Washingtonの2例の報告)。
米国内での感染症の疫学情報なので、CDCのホームページで現状を把握してから、文献調査する方法も有効であると思われた。

演題3:抗癌剤における経口投与とポンプを使った静脈内投与との比較で、ポンプを使った静脈内投与の方が優れているという文献
<ポイント>
ポンプ静注と経口の比較
静注の優位
抗癌剤の投与方法

<使用データベース>
JMEDPlus、医中誌Web、iyakuSearchPlus、Ovid MEDLINE(R)、Ovid EMBASE

<検索内容>
iyakuSearchPlus、Ovid EMBASEでは投与経路の一覧やサブへディングを使用して検索。
Ovid MEDLINE(R)では臨床試験と比較試験で絞り込み。
ポンプの検索ではノイズあり。(プロトンポンプ、PPIなど)
抗癌剤ではヒットが少ないため癌領域に広げて検索してみたが結果は同じ。
抗癌剤ではない比較でヒットあり。
国内外でそれぞれ2件ほど絞り込まれたが、ポイントを全て含む結果とは言い切れなかった。

<意見>
ポンプを使った静注とはどんなものか。
経口と静注の両方を選択できる上で、あえて静注を選ぶ文献がほしかった。
医療機器メーカーからの依頼のため、試験を行っているデータがないのではないか。
薬剤のレジメで投与方法を示しているものもある(静注のFOLFOXなど)が、ここまで調べて検索をするのは大変。
難しい。

ライフサイエンス分科会の活動について:
1.「情報の科学と技術」への掲載時に、コメントを寄せていただいたメンバーや著者の所属について、どこまで記載しても良いのか、検閲が必要になることは内科など、社内規定が無いかを各自確認いただくことになりました。


第274回 ライフサイエンス分科会
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子
開催日時: 2009年12月17日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京区民センター
配布資料:「Ovid Medline 1950-Daily Update」、「OvidSPバージョンアップの変遷」、その他リーフレット等
参加人数:11名

内 容: 「OvidSP」

発表者:株式会社 ウォルターズ・クルワー・ヘルス・ジャパン
設楽真理子氏

OvidSPとは、Ovid Technologiesが提供するMEDLINEをWEB検索するためのプラットホームである。Ovidが提供するMEDLINEの変遷とOvidSPの概要、バージョンアップ情報などをご紹介いただいた。
Advanced Ovid Search
MeSH用語を自動参照できる検索モード。2単語以上入力した場合でも、自動的にフレーズ検索となるので、精度の高い結果が得られる。シソーラスへのMap機能は、on/off選択が可能で、チェックボックスを選択することにより、MeSHの選択やFocus(PubMedにおけるMajor Topic headings)の選択が視覚的にできる。

Basic Search
Natural Language Processingにより、文章のまま質問を入力することで検索が可能なモード。関連性の高さによって絞り込んだり、ソートでき、関連語を追加した幅広い検索が、ワン・クリックでおこなえるため、エンドユーザーにも簡単に検索がおこなうことができる。

その他の機能
Advanced、Basicいずれの検索モードでも、基本画面はSearch Boxひとつのシンプルな表示を基本としている。Limits、Historyなどの機能もデフォルトでは、折りたたまれているが、ワン・クリックで表示される。PubMedで設定されているLimitsよりもさらに幅広くOvid独自の項目が設定されている。

ライフサイエンス分科会の活動について:
「情報の科学と技術」 60巻5号にライフサイエンス分科会の活動紹介を投稿することが決定しました。これに伴い、メンバーに分科会へのコメントを寄せてもらい(1月18日締め切り)、次回1月の分科会で進捗確認をおこなうことになりました。


第273回 ライフサイエンス分科会
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子
開催日時: 2009年10月22日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京区民センター
配布資料:「EMBASE.comのリニューアルについて」、「illumin8 PUTTING SOLUTIONS INTO CONTEXT」、その他リーフレット等
参加人数:10名

内 容: 「EMBASE.com」― 最近のエンハンスについて
「illumin8(イルミネイト)」― 2009年4月リリースの新製品について

発表者:エルゼビア・ジャパン株式会社 田中早苗氏
中村健史氏
EMBASE.com
EMBASEとMEDLINEのレコードを統合し、重複除去済みのレコードとして検索可能な プラットフォーム「EMBASE.com」についてご紹介いただきました。
EMBASE.comの概要
EMBASE.comの利用方法
今後の機能強化内容

illumin8
セマンティックテクノロジーの利用により、膨大な情報からイノベーションを加速するための解決策を見出すツールillumin8についてご紹介いただきました。
illumin8の概要
illumin8の利用方法
illumin8の活用事例

ライフサイエンス分科会の今後の運営について:
主査は鳥居薬品(株)西内史氏が就任予定。任期は2010年5月まで。
前回議事録で報告したとおり、主査は1年交代制でINFOSTAとの連絡など事務的なことを執り行う。企画、下記の運営は幹事が協力分担して行う。
幹事は5-6人体制で会の企画や運営を行う。
今後の分科会の運営は、さらに業務を簡素化し、役職者だけに負担がかからないように全員参加できるように改善していく。


第272回 ライフサイエンス分科会
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子
開催日時: 2009年9月17日(木) 14:00~17:00

開催場所: 国立保健医療科学院
配布資料: 「国立保健医療科学院図書館利用案内」、「国立保健医療科学院の研究情報(図書館)サービス」
参加人数: 11名
内 容:「国立保健医療科学院図書館の見学」
「国立保健医療科学院の研究情報(図書館)サービス」

発表者:国立保健医療科学院 研究情報センター 泉 峰子氏
磯野 威氏

・国立保健医療科学院事業概要
・厚生労働科学研究成果データベース
システム概要
公開までの流れ
年間スケジュール
利用画面
研究分野一覧
研究事業変遷
検索トップおよび検索結果
シソーラス
管理画面
システム変遷
現行システムの課題

ライフサイエンス分科会の今後の運営について:

主査の立候補を募ったが今回もいなかったので、OUG理事の小河氏とINFOSTA事務局に報告相談することになった。
また分科会運営の労力軽減のため、今後以下のように改善していくことになった。

1.主査は年度ごとの1年交代にする。任期は5月~翌年4月で、2-3月に次期担当者を決定する。

2.主査の職務は、INFOSTA事務局とのやりとりなどの事務的な事だけにとどめ極力負担のかからないようにする。

3.幹事を複数人(3人位)お願いして、年単位でスケジュールを立て、月当番制でその会の運営をする。

4.議事録は項目だけの記述として簡素化、あるいは年度報告だけにする。

5.会場の確保と開催案内をINFOSTA事務局にお願いする。


第271回 ライフサイエンス分科会
記入者:(財)国際医学情報センター 戸本 堅固
開催日時: 2009年7月16日(木) 14:00~17:00

開催場所: 社団法人 化学情報協会 4 階講習会室
配布資料: 「STN ライフサイエンス系ファイルの強化」冊子、「STN2009年8月リフレッシュセミナーのお知らせ」と「STN Express V8.4」のリーフレット
参加人数: 8名
内 容:「STN ライフサイエンス系ファイルの強化」 2008 年 8 月~現在までの変更・改善点を中心に発表。

発表者:(社)化学情報協会 邉 玲美氏
項目

ライフサイエンス系ファイルの強化
・ MEDLINE ファイル
・ EMBASE ファイル
・ IMSPATENTS ファイル
・ PHIN ファイル

配列データベースの強化
・ DGENE/USGENE/PCTGEN ファイル

STN 全般の強化

CAplus/CA ファイルの強化

ライフサイエンス次期主査について

ファイザー株式会社 石井恵子氏がライフサイエンス(LS)分科会の主査を退任することになり、次期主査の立候補を募った。
立候補者がいないため、主査決定は次回以降に持越しとなった。
今後、主査は任期1年間の交代制とし、主査とは別に幹事を決め持ち回りでLS分科会を運営することなどが提起された。
また、主査・副主査に負担がかかり過ぎないように業務分担の調整をする方向となった。


第270回 ライフサイエンス分科会
記入者:(独)科学技術振興機構(JST) 岩島 真理
開催日時: 2009年6月18日(木) 14:00~17:00

開催場所: (独)科学技術振興機構(JST) 東京本部 地下1階 研修室
配布資料: 「JMEDPlusファイルの索引と検索」「サブヘディング名・コード一覧」「JMEDPlusに関する質問と回答」「JDream検索ガイド2008版」各種データベースリーフレット
参加人数: 25名
内 容:「JMEDPlusファイルの索引と検索」

1.JMEDPlusファイルの索引と検索
発表者:岩島 真理

(1)概要
JMEDPlus:国内医学系文献データベース。約500万件収録 (2009.6.17現在)。

(2)構成
総合科学技術文献データベースJSTPlusとの重複データ+JMEDPlus独自のデータ。

(3)索引
索引は7種類あり、キーワード索引はメインヘディングとサブヘディングからなる。
今回は資料に基づきサブヘディングの索引について解説。特にTU(治療利用)、DC(多剤併用)、EN(内因性)に着目。

(4)検索
「サブヘディングによる検索」、「主題語検索」、「EBM関連検索」、「(シソーラス)上位語による検索」、「近接演算子NOTAによる検索」、
通常の検索で見落としがちな点について解説。

(5)その他
NII-ELSへの全文リンクサービス開始(2009.6.21)について紹介。

2.「JMEDPlusに関する質問と回答
発表者:岩島、中村

事前にOUGライフサイエンス分科会より提出された質問・意見についての回答

3.質疑応答
発表者:岩島、中村

Q1:サブヘディングがついていないのは2006年以前のデータだけか。
A1:2006年以降のデータでもJSTPlusからの抽出データについてはついていない。またJMEDPlusだけに収録されるデータでも、索引者がサブヘディングの索引基準に該当しないと判断したものについては索引されていない。

Q2:(印刷形式で)ダウンロードすると、ダウンロードした検索結果に関係ない途中の検索式や、0件の検索式が出力されない。検索過程を把握したいのでそのセッションの全ての検索式を出力するようにして欲しい。
A2:現在のシステムは、検索結果に関わる検索式だけを表示する仕様になっている。全式の表示の要望がある旨はシステム担当者に伝える。

Q3:回答表示でハイライトの位置が正しくない。きちんと表示して欲しい。
A3:問題点として認識している。今後の検討課題としたい。

Q4:索引方針として「患者」などが索引された場合「ヒト」も索引する、としているが索引されていないものが多数ある。ヒトに関する文献を検索する時に、 「ヒト」だけでなく、「職種別従事者」や「人間」の下位語など、関連すると思われる全ての用語をいれないといけないのか。(補足資料あり)
A4:索引されていないデータについて2パターンある。(1)医学系以外の分野ではこの索引方針で索引していないため、医学系以外の雑誌に掲載された文献に関するデータについては「ヒト」が索引されていないものもある。(2)索引漏れ。(2)については作業者の指導を行っていきたい。

Q5:シソーラスの「職種別従事者」の下位語に「図書館員」があるのに「サーチャー」がないのは、データベース提供機関としてどうなのか。また、「超高齢者」が80歳以上というのは、現実に即していない。90歳以上にすべきでないか。
A5:今後の検討課題としたい。

Q6(JSTから):図表による検索希望というのはあるか。
A6:かなりある。引用文献として利用するのに図や表がのっているものが欲しい、という依頼は結構ある。データとして持っているのだから活用すべき。

Q7:「事例研究」はどういう場合に索引しているのか。看護や介護の「事例報告」に「症例報告」は索引するか。
A7:「事例研究」は看護や介護の「事例報告」に索引することが多い。ただし、「症例報告」と明確に切り分けていない。看護、介護の文献でも著者が「症例報告」と記載していれば「症例報告」を索引していることが多い。懸案事項の1つである。

Q8:副作用としてサブヘディングの”AE”が索引された場合、シソーラス用語の「副作用」も必ず索引されていると思っていたが索引されておらず、「副作用」で検索していて検索漏れがおきていて困った。
A8:”AE”は副作用だけでなく、手術や生物名にも索引でき、中毒などの事象に関しても索引する。副作用の場合には”AE”を索引するとともに「副作用」も索引する方針になっているが、人手作業のため漏れることがある。作業者の指導をしていきたい。副作用を検索する場合は「副作用」と”AE”の両方を利用していただきたい。

Q10:サブヘディングが1つのメインヘディングに対して9個というのはどういう根拠からか。
A10:システム的に対応できるという範囲。実際に9個索引されているものは少ない。9個というのはユーザーから見て多いか少ないか。
ReA10:9個は多いと思う。サブヘディングで限定する意味がない。

Q11:JMEDPlusとJAPICDOCの抄録や索引が違うというのはわかるが、同じ文献について二度出力するのは料金的にたまらない。せめて表示順を変えて同じものは上下に並べるなどして、選べるようにしてくれないか。今の表示では大変不便。
A11:今後の検討課題としたい。


第269回 ライフサイエンス分科会
記入者: 戸上 康弘
開催日時: 2009年5月21日(木) 14:00~17:00

開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「リンク集リスト」
参加人数: 13名
内 容:「お役立ちホームページの情報交換」

コメント提供者: 固武 龍雄、堀 恭子、石井 恵子、西内 史、石神 祥子

土屋 恵子、北川 晶子、岩島 真理、戸上 康弘

今月は、調査や検索によく利用している無料のホームページ、サイトを持ち寄って、互いに紹介し内容を検討した。全115サイトのうち、発表者に主なサイトのコメントを記述いただいたので以下に分類別に記す。今回検討したサイトは、今後の分科会で再度カテゴリー分類作業をして選択したものをライフサイエンス分科会HPのリンク集の更新に反映する予定。

【辞書、事典】
1. 「exite翻訳」: http://www.excite.co.jp/world/
英、中、韓、仏、独、伊、西、葡の各国語の翻訳ができる。
2. 「Google翻訳」: http://translate.google.co.jp/#
44ヶ国語の翻訳に対応。
3. 「怒涛の翻訳例辞書」: http://trans.glova.jp/index.php
英語表記を探す時に便利。単語の同義・類義語を見つけられる。
4. 「ライフサイエンス辞書プロジェクト」: http://lsd.pharm.kyoto-u.ac.jp/ja/index.html
「Entrez」 のリンクをクリックしたときに表示される画面の中の「PubMed : biomedical literature citations…」 のリンクをクリックすると自動的に検索が実行される.
5. 「ChemFinder」: http://chembiofinder.cambridgesoft.com/chembiofinder/SimpleSearch.aspx
一般的物性 (分子量や融点,沸点),名称,CAS 登録番号や分子構造から検索可能.
6. 「日本化学物質辞書Web」: http://nikkajiweb.jst.go.jp/nikkaji_web/pages/top.html
薬名検索の検索式作成の際にCAS番号、薬名(治験番号など)を調べるのに便利。

【ジャーナル】
1. 「BioMed Central」: http://www.biomedcentral.com/info/about/whatis_jp
生物医学系オープンアクセスジャーナル。無料アクセスすることを目的とする独立系出版社が 主催。
2. 「Chemistry Central」: http://www.chemistrycentral.com/
化学分野系オープンアクセスジャーナル 無料アクセスすることを目的とする独立系出版社が運営。
3. 「Phys Math Central」: http://www.physmathcentral.com/
物理学分野系オープンアクセスジャーナル 無料アクセスすることを目的とする独立系出版社が運営。
4. 「Free Medical Journals」: http://www.freemedicaljournals.com/
無料公開されている医学生命科学系雑誌サイト(公開期間限定を含む)
5. 「PubMed Central (PMC)」: http://www.pubmedcentral.nih.gov/
NLMが運営するオープンアクセスのデジタルアーカイブス(公開期間限定を含む)

【ガイドライン】
1. 「NGC(National Guideline Clearinghouse)」: http://clinicaltrials.gov/ct/gui
米国以外のガイドラインも探せる。フルテキストへのリンク先はHTML、PDF、雑誌など。
検索語のハイライト機能あり。句での検索は” “でくくる。
2. 「循環器トライアルデータベース」: http://circ.ebm-library.jp/trial/index_top.html
米国等海外の循環器系(高血圧、心不全)のガイドラインの閲覧も可能。

【文献検索、相互リンクリソース】
1. 「Cancer Literature in PubMed」: http://www.cancer.gov/search/cancer_literature/
MEDLINEで部位がんの検索式を作成する際に参考にする。
2. 「PrimateLit」:  http://primatelit.library.wisc.edu/
霊長類の文献を収集している。実験動物を用いた有害事象や生理学の文献も検索できる。
3. 「医療経済研究論文の検索」: http://www.ihep.jp/kensaku_main.html
医療経済文献を検索する際に、医中誌での検索式作成の参考にする。
4. 「J-GLOBAL」: http://jglobal.jst.go.jp/
JSTのデータベースを中心に、研究開発に有用な多数のデータベースを関連づけ、情報を提供している。

【臨床試験登録サイト】
<国内>
近年、臨床試験登録サイトが整備され、臨床試験情報の登録が促進されている背景には、2004年9月、 ICMJE(医学雑誌編集者国際委員会)の共同声明(論文掲載には、公的な登録システムへの臨床試験の登録が必須)にある。ICMJEはWHO Primary Registry(PR)を投稿資格サイトとして声明を発表。
1. 「JAPIC CTI」: http://www.clinicaltrials.jp/)
WHO PR認定サイト。IFPMA, 国立保健医療科学院のポータルにも対応。
2. 「UMIN-CTR」: http://www.umin.ac.jp/ctr/
3. 「日本医師会臨床試験情報登録システム」: https://dbcentre3.jmacct.med.or.jp/jmactr/

<米国>
1. 「Clinical Trial.gov(米国)」: http://clinicaltrials.gov/
FDA Modernization Actに基づいて、NIHがFDAとともに開発したサイト。
2009年5月現在、登録数は 73,462 (167ヶ国)。「Study Results」タブに試験結果が掲載されている場合もある。2007年FDA改正法により結果公表が義務化。
<世界>
1. 「IFPMA臨床試験ポータルサイト」: http://clinicaltrials.ifpma.org/index.php?id=4&L=1
国際製薬団体連合会(IFPMA)が運営する世界各国の臨床情報を集めたポータルサイト。日本語のTOPページ有り

【臨床試験結果収録サイト】
<国内>
1. 「循環器トライアルデータベース」: http://circ.ebm-library.jp/trial/index_top.html
<米国>
1. 「Clinical Trial Results」: http://www.clinicaltrialresults.org/
2.「Clinical Study Results.org」: http://www.clinicalstudyresults.org/

【安全性情報】
1. 「Health Canada」: http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/databasdon/search-recherche-eng.php#1
カナダ保健省のサイト.公共機関からの安全性 (副作用) 情報を収集・公開している.
副作用検索ページでは,製品名や成分名から年齢・性別,Outcome などの条件も含めて検索できる.
2. 「健康食品の安全性・有効性情報」: http://hfnet.nih.go.jp/                                                                                 (独)健康・栄養研究所提供の食品・健康食品・食品成分に関する情報、物資の性質、作用、安 全情報、健康被害など。参考文献も紹介されている。

【その他】
1. 「抗菌薬インターネットブック」: http://www.antibiotic-books.jp/
薬剤名、薬剤特性、菌名検索の3種類があり、現在使用されている主要なものが収録されている。
2. 「JADA(日本アンチドーピング機構)」:  http://www.anti-doping.or.jp/index.html#SlideFrame_1
3  「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン-文部科学省 平成18年12月27日
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/05/07051421.htm
4. 「吉川医薬経済レポート」: http://www.medmk.com/mm/
PHARMSKSのホームページ中にあり。世界の医薬分野の動きがわかる。登録しておけば発行の度に配信される。
5. 「健康日本21 関連データ集」: http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/database/index.html
厚生労働省諸統計のポータルサイトとして利用する。


第268回 ライフサイエンス分科会
記入者: 戸上 康弘
開催日時: 2009年4月16日(木) 14:00~17:00

開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「医中誌Webのバージョンアップ、今後のサービス展開について」、「医中誌Web収録誌についてその収集と管理」
参加人数: 21名
内 容:「医中誌Webのバージョンアップ、今後のサービス展開について」

NPO 医学中央雑誌刊行会 松田      真美 氏
黒沢      俊典 氏
佐久間 せつ子 氏

(1)医中誌Webのバージョンアップ-最近のリリース内容を中心に
① 電子ジャーナルへのリンク 7つの文献サービスwebシステム(CiNii, Crossref, J-STAGE, MedicalFinder,         MedicalOnline, PierOnline, PubMed)へのリンクを設定。全レコードの約2割に全文へのリンク。
今後のリンク設定は、JST提供の「journal@archive」(5-6月)や他の出版社、学会にも拡大して行く予定。機関リポジトリーへのアクセスは昨年10月から可能になった。
② 機関ごとのOPACやリンクリゾルバーへのリンクができるようになった。(設定要)
設定機関は増加傾向にある。
③ WebcatPlusへのリンク。WebCATで雑誌の大学図書館所蔵情報の確認が可能。
④ ダイレクトエクスポート機能: 検索結果の中から選択した文献レコード(書誌事項など)を一度に電子転送できるシステム
・ 大正製薬(株)と東京医大図書館の活用事例では、機関内の文献複写文献オーダーシステムと連動して検索結果から効率的に文献オーダーができる事例が紹介された。(詳細情報→ http://www.jamas.or.jp/about/news/news_vol6.html )
・ 文献管理ソフトの「RefWorks」、「EndNote」と「EndNote web」にも対応。
⑤ 医中誌LinkService
出版社提供のメタデータを医中誌で加工し、参考文献情報にPubMed、CrossRef等へのリンク情報を付加。出版社は、医中誌サーバから該当の参考文献情報を呼び出し、自サイト内で表示することが可能。また、医中誌Web内で参考文献情報を表示する機能も予定。
⑥ その他機能を追加、増強
クリップボード機能(検索結果を一時的に保存する機能。操作を繰り返しても保存したいデータは遂次累積して保存できる。)、書誌確認画面、検索履歴の部分削除、筆頭著者名と最終著者名での検索、収載誌の発行と収録対象情報、ダウンロードデータへの検索式出力の改善、収載誌の詳細情報へのリンク、収載誌の詳細情報へのリンク、発行元検索、「メジャー統制語」検索(MEDLINEのMajor Descriptorと同様に主題検索ができる。検索結果で、シソーラス語の前に「*(アスタリスク)」が表示されている。2003年以降の付与。)検索速度の高速化。
Q: 「メジャー」の定義:
A: 論文中の重要なテーマについて索引している。
※ホームページの「索引マニュアル」の「主要キーワード編」より http://www.jamas.or.jp/user/database/manual.html#a-6
1. 原則的に主題を表すキーワードを選択します。
2. キーワード5つまで選択できます。
3. データ収集、調査方法、研究デザイン、統計的分析方法などは、それが中心に述べられている時以外は選択しません。
4. 地名、人名は選択しません。
Q: シソーラス用語の付与数。
A:  索引システムの変更により、2007年からシソーラス用語を20ケまで入れられるようにした。
Q: チェックタグ「症例報告除く」の限定をして検索結果を見ると除外できない文献がある。上手く取り除く検索テクニックはないか?
A :索引では、論文内容を確認して「症例報告」を付与している。論文の中に、「○○の例、症例」などと論文タイトルになっていても単なる症例報告の論文ではないものもあるが、そういう場合は付与していない。また看護学の雑誌の場合、「症例報告」を付与しない。このため単純に取り除ける検索方法はないので内容を見て取り除くのが望ましいましいのではないかと思われる。

(2)医中誌Webの今後のリリースについて
具体的なサービス内容やスケジュールについては7月のユーザー会でリリース予定。現段階での構想などを話していただいた。
① 「医中誌webユーザー」への最適化
「医学」データベースとしての特徴を高め、様々なユーザー層向けの最適化
②  ユーザーインターフェースの改良
「BASIC MODE」と「ADAVANCED MODE」の統合を検討。
③  文献検索のサポート
引用文献リンク、全文入手可能なものに絞り込む機能、サジェスション機能(例えばキーワードランキングを載せて検索語の選択を)
④パーソナライズ
検索式の保存。SDIシステムの創設。
⑤外部リソースとの連携強化
従来の文献提供サービス単位だけではなく出版元との全文ダイレクトリンクを推進。

(3)医中誌ホームページでの新たな情報提供
分かりやすいデザインに変更。RSS配信
① 「NLM PubMed最新情報」 野添先生の日本語訳で情報を照会→RSS登録すると便利
② 「サービスFAQ」の充実
③ 「診療ガイドライン」 雑誌で発表されたガイドライン本文を公開。
④ 「収載誌検索」の創設
⑤ 索引マニュアルをホームページで公開。
⑥ 編集方針に関する案内。「撤回論文」の扱いなどを明示。
⑦ 収録対象誌の案内と収集協力依頼

(4)医中誌Web収録誌についてその収集と管理
のべ5023誌を収録(但し、廃刊・休刊・改題を含む)。
① 収集方針と収集方法
網羅的に収集。定期刊行物およびMookを対象。
② 収録基準
海外発行誌、翻訳誌などは不採択。
③ 登録手順
登録誌と不採択・保留誌に分ける。新登録が決まった場合、発行元に3年間のバックナンバー送付依頼と著者抄録の利用許諾の依頼をする。
④ 登録情報
雑誌毎に、誌名、ISSN、発行元、発行頻度、入手方法、収集開始と履歴などのデータを登録し管理している。

⑤ 収録誌管理とサービスの課題
・ 誌名が複数ある場合(たとえば、英文表記と日本語表記)は、「NACSIS Webcat」とNDLの表記を参考に登録誌名を決めている。
・ 略誌名も登録しているが、医中誌基準で作成したものと雑誌そのものの略誌名とが異なる場合がある。
・ 欠号情報、雑誌分類、雑誌の全論文採択か選択か、新規採択誌などの情報をホームページで掲載していきたい。
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