会長挨拶

年頭のごあいさつ

一般社団法人 情報科学技術協会
会長 清田 陽司(きよた ようじ)

新春を迎え、皆さまに謹んでご挨拶を申し上げます。 旧年中は、一般社団法人 情報科学技術協会(INFOSTA)の活動に対し、格別のご支援とご協力を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。

昨年は、INFOSTAにとって大きな節目の年となりました。おかげさまで、創立75周年記念式典および関連事業を、多くの皆さまのご支援のもと無事に挙行することができました。本協会が1950年のUDC協会としての創立以来、75年にわたり歩みを続けられたのは、情報専門職として社会の課題に向き合い続けてこられた会員の皆さま、そしてともに発展を支えてくださった関係機関の皆さまのお力の賜物です。この場を借りて、あらためて深く感謝申し上げます。

また昨年のINFOPROシンポジウムでは、落合陽一氏による特別講演「計算機自然における情報の生成論」などを通じて、生成AIが単なる便利なツールにとどまらず、私たちの認識や創造のプロセスそのものを変えつつあることを深く共有する機会となりました。落合氏は、AIが人間の感性や審美眼とどのように関係し、社会環境をいかにデザインし直していくべきかを示唆されました。情報の生成と受容のあり方が根底から揺れ動く今、情報専門職が果たす役割の重要性をあらためて強く実感したところです。

こうした環境変化においてINFOSTAが果たすべき使命は明確です。それは、「問いをつくり、探し、読み解き、見極める力」を社会に広く届けるための学びと実践の場であり続けることです。そこの理念のもと、40周年を迎えた「検索技術者検定」のリブランディングを進めています。生成AIの普及により “検索” の意味が変容する中、検定として何を評価し、どのような価値を提示すべきかを丁寧に議論しています。検索技術者検定の訴求方法についても、AI時代の情報を扱う力をいかに表現するかを軸に、慎重に検討を進めております。

昨年は、協会事業の基盤整備も着実に進展しました。著作権委員会では、2025年12月から継続的に開催されるワークショップシリーズが立ち上がり、AI時代の著作権・情報倫理について多様な立場の参加者が交流し学び合うコミュニティ形成が始まりました。INFOSTAの強みである実務性と多様性を活かした新たな知の共創の場を育んでいきたいと考えております。

また、多様な方々が安心して協会活動に参加できるよう、新たに行動指針を制定しました。包摂性と信頼性を大切にしたこの指針は、将来にわたる健全な協会運営の基盤となるものです。

加えて、国際的な取り組みとして特筆すべきは、標準化事業における進展です。ISO/TC 37(言語及び専門用語)において、2025年6月に高松で年次総会を開催するという重要な役割を担いました。国内外の専門家が一堂に会するこの総会を日本で実施できたことは、わが国の情報専門職コミュニティの国際的存在感を高める大きな機会となり、INFOSTAとしてもその成功に貢献できたことを誇りに思います。

生成AIと人が共創しながら知をつくる時代が本格的に始まりました。この大きな変化の中でINFOSTAは、情報専門職の実践コミュニティとして、また社会に開かれた学びの基盤として、これからも皆さまとともに次の一歩を踏み出していく所存です。 本年も、協会活動への変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆さまにとって健やかで実り多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

2026年元旦