2005年度 情報検索能力試験 合格者の声
情報検索能力試験 1級に合格して 
             中村文胤さん (日本新薬(株))
nakamura san
 これから1級を目指す方に少しでも参考になればと思い『具体的に!』をモットーに,つたない勉強法ですが1次試験対策を紹介したいと思います。

 まずは英語です。携帯用ゲーム機で「えいご漬け」と言いたいところですが,やはり専門性の高い英文に触れることが一番効率的。サマリーシートやブルーシートの英語版に目を通す,GoogleやPubMedのヘルプ,使用条件など検索関連の英文に慣れることを日々心がけました。
 つぎにIT関連の問題。通信・セキュリティ関連は「IT通信用語辞典e-word」(http://e-words.jp/)を利用して単語帳を作りガリ勉君。肌身離さず持ち歩き暇をみては眺めました。またネット上にあるe-ラーニングコンテントもフル活用。警視庁@police(http://www.cyberpolice.go.jp/)や,科学技術振興機構のwebラーニングプラザ(http://weblearningplaza.jst.go.jp/)には無料とは思えない,わかりやすい教材が登録されています。Webによる情報発信は,INFOSTAから発行されている「実践!図書館・情報部門のホームページ作成」や,科学技術振興機構の「情報の電子化技術〜入門から応用まで(情報管理別冊XII)」が内容的にピッタリです。赤青黄色のマーカーでお化粧し,付箋をペタペタ。試験前には素敵にカラフルな本へみんごと変身していました。
 そして専門問題。これは日々の実践が問われる問題です。どんな設問が待っているか想像もつかず,何から手を付けようかと悩みました。思いついたのは実際の調査依頼の見直しです。過去の依頼テーマをノート見開き半面に書き込み,残る半面に先輩スーパーサーチャーの調査内容を参考に自分なりの回答を書き込みました。「手作り問題集」の完成です。この作業の中で自分に不足している部分を洗い出し整理しました。またINFOSTAのOUG活動報告に収録されている「検索演習」も格好の例題として利用させていただきました。

 以上,1次試験突破への勉強法を紹介しました。しかし今回合格できた最大の要因,それは沢山のことを社内外の先輩サーチャーの皆さんから教えていただけたことに尽きます。自分1人の勉強では,とてもとても合格はおぼつかなかったと感謝の念でいっぱいです。検索は孤独な作業。しかし独り相撲の日々では,なかなか技術は向上しません。これからも人とのつながりを大切にし,1級の名が泣かないように情報検索の世界を広げて行きたいと思っています。


情報検索能力試験 1級に合格して 
             柳下加寿子
              ((財)日本特許情報機構  特許情報活用支援アドバイザー )
yagisita san
 このたび2回目の挑戦で1級試験に合格することができました。個人的な体験談ですが,なにかしら,今後受験される皆様の参考になれば幸いです。

 前職では,研究を3年勤めた後,特許検索を主に行う職場へと異動しました。そのとき,サーチャーという職があること,サーチャー試験という試験があることを知り,ぜひ自身のスキルアップのためにも受けてみたいと思いました。
 基礎試験とサーチャー試験2級を同時に受けました。私はそれまで理系の勉強しかしてこなかったため,図書館学など,ちょっととまどうものもありましたが,INFOSTAのホームページ等で紹介されている参考書を端から勉強して望み,なんとか合格することができました。その後,出産・育児等でなかなか受験のチャンスがなく,数年後,1級試験に臨みましたが,準備不足は否めず,みごと落ちてしまいました。
 その際,日々最新の情報に常に敏感になること,基礎となる用語の知識は万全にしておくこと,を痛感いたしました。それ以降,情報検索業務にかかわる情報はもちろんのこと,インターネット,ホームページ作成にかかわる知識を取得するよう努めました。また,英語になれるため,dialogなどのデータベースのマニュアル,広報誌などを英語で読むようにしました。
  2回目の受験に当たっては,上記以外に過去問を解くこと,「情報の科学と技術」の記事に目を通すこと,通常の業務内容を見つめなおし整理することを心がけました。
 一次試験は記述問題が多かったので,とにかく必死に鉛筆を走らせたという感じでしたが,通常の業務内容をまとめる癖をつけておいたのが役に立ったかな?という気がします。
 二次試験のプレゼンは,時間内にわかりやすくまとめるのが大変でした。直前まで時計片手に発表練習を繰り返しました。面接においては,試験問題の見直しをしたほかは,いまさらあがいてもどうしようもないと腹をくくり,日頃考えていることについて,率直にお話させていただきました。私は特許分野を選択しましたが,それぞれの分野に長じている方々が面接官となってくださっているので,非常にためになりました。
 
 1級を取得したと同時に,4月からあらたな職場で働くこととなりました。今後は自らのスキルを高めることはもちろんですが,それ以上に,これから検索をやってみようとする方々,サーチャーを目指す方々のためにお役に立てるようになりたいと思っています。
 情報があふれている昨今,必要な情報を探し出す能力はますます必要になってくると思います。より多くの方がサーチャーという仕事に興味を持ち,そして,スキルアップの一助として本試験を大いに利用していただけたらと思います。

情報検索能力試験 2級に合格して 
             加藤 真 さん (大阪ガス(株))
kato san 
 私は入社以来,計測技術の開発に従事してきました。
開発途上で特許出願を行う際に,社内の知財部署と協力して,関連分野の既出願特許の調査(検索・読み込み・分析)業務を行っていました。

 キーワードと分類コードから抽出される数百件,数千件もの特許公報の中には,ノイズも多く含まれていて,大量の公報から研究テーマに関連する特許を,いかに効率よく,かつ調査漏れがないよう確実に拾い出すか,いつも苦心していました。
 数年を経ていつしか習熟し,キーワードを組み合わせて特許情報データベースにアクセスしたり,特許電子図書館を利用してより詳しい特許情報を自力でも得られるようになったりすると,調査が面白くなってきました。
 やがて,チームの「特許委員」に任命され,チームメンバーの特許出願・調査に協力するうち,メンバー全体の出願・調査能力が日に日に向上していくことに喜びを感じるようになりました。 日々の「特許委員」業務に従事するにつれ,この業務スキルを何らかの形にしたいという気持ちが強くなり,受験の意思を固めました。

 まずは,『情報検索の基礎知識』や過去問での学習に着手しましたが,各種学術データベースの名称,検索の詳細なコマンド等,それまでの業務で馴染みがない分野も多く,試験勉強に難航したため,初年度(2004)は,まず「情報検索基礎能力試験」から挑戦することとし,合格することができました。
 2年目(2005)は,上位の「情報検索応用能力試験2級」に挑戦しました。
 受験直前の追い込みの時期に十分な勉強時間を確保できず,当日は,前年に基礎試験のために学習した記憶を一生懸命に思い出し,また,日常業務で習得した経験・ノウハウを駆使して答案を作成しました。
 今回無事合格できましたが,試験合格がゴールとは考えず,スタートだと肝に銘じ,今後とも情報検索の能力向上に努めていきたいと考えています。

 昨今,世間には大量の情報が氾濫している一方,インターネットの検索サイトの充実に伴い,多くの人々が職場で,さらには個人生活の場においても「情報検索」を気軽に,かつ日常的に行っている状況が見受けられます。
 検索業務に従事するサーチャーや,研究者・技術者のみならず,全てのビジネスパーソンが,所望の情報に効率よくたどり着くための情報検索能力を習得することが必要な時代が到来していると感じます。
 そのための手段の一つとして,多くの人々に「情報検索能力試験」が認知され,多くの人々が受験し,多くのサーチャーが世の中に誕生することを願って止みません。


情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して 
             石塚 雅之さん (日本大学文理学部)

 『サーチャー』という言葉を初めて聞いたのは,大学4年生の時,司書科目「図書館学特別演習」での授業でした。その授業では,当時のNACSIS-IR(現在は,GeNiiの一部)やDialogの検索概要について学んでいました。YahooやGoogleなどの無料検索エンジンをずっと使っていた私にとって,このようなデータベースがあることに非常に驚き,さらに他のデータベースについても知りたいという興味を持つようになりました。最初,情報検索応用能力試験2級と両方受けようと考えましたが,情報検索に関して,あまり知識がなかったので,基礎能力試験一本に絞りました。

 私の勉強方法は,ひたすら過去問を解くことでした。約5年分解きました。過去問は,『情報の科学と技術』の毎年3月号に掲載され,さらに,情報科学技術協会のホームページには,解答を含めた最近の3年分の過去問が掲載されています。これらを活用し,過去問を解くことで,出題パターンを知ることができ,試験の全体像を掴むことができます。出題された問題に該当する分野に関して,参考書である『情報検索の基礎知識』を使い,一つ一つの事項を確認しながら勉強しました。あまり理解できない,あるいは,もう少し詳しく知りたい分野・事柄に関しては,司書課程の授業で使ったテキスト,『図書館用語集 三訂版』や『最新図書館用語大辞典』などを活用して確認しました。そして,それらをノートにまとめました。試験1週間前からは,まとめたノートを使いながら,今までに解いた5年分の過去問を1日1年分,古い年度から解き直す作業をしました。私は,過去問を解く上で,二次情報の図書とデータベースについて問う問題に注意しました。具体的に,図書に関しては,実際,図書館へ行き,それらを手に取って使ってみました。また,データベースについては,データベース提供機関のホームページへアクセスして,そのデータベースの詳しい概要を調べました。また,各大学の図書館のホームページには,学内の教員・学生を対象にした様々な電子ジャーナルが提供されています。商用データベースで有名な『Dialog』では,無料で検索練習ができる『ONTAP データベース』もあります。これらをうまく活用することにより,それぞれのデータベースの特性をより深く理解できると思います。

 今後,情報検索基礎能力試験で学習した知識・技術を生かして,上位の情報検索応用能力試験2級に挑戦したいと考えています。この学習を通して,感じていることは,図書館,特に,『大学図書館』の見方が大きく変わったことです。図書等の閲覧・貸し出し・複写・レファレンスサービスの他に,電子ジャーナルを提供している図書館も沢山あります。電子ジャーナルの利点は,文献調査の際に,論文をすぐにその場(学内限定がほとんど,一部例外あり)でダウンロードできる点です。つまり,図書館が『知の宝庫』であることが分かると思います。もう一度,自分の大学が開設している図書館ホームページを見ることをお勧めします。新たな発見があるかもしれません。日常生活はもとより,レポート・卒業論文の作成の時など,自分が欲しい情報を効率的に取得するための手助けになると思います。今年4月から,私は,大学図書館に勤務しております。この試験で学習した知識を活用して,利用者にサービスを還元したいと思います。最後に,大学1年生,2年生の皆さん,そして,図書館,情報検索に興味を持たれた皆さん,ぜひ受験してみて下さい。


情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して
              滝澤 圭子 さん ((株)富士通ラーニングメディア )

 私は今,サーチャーへの入口の扉を開けることができ,なんとも言えない達成感に浸っています。
 昨年の夏に何か資格を取得したいと思い,思案していたところ,ふと社内で「サーチャー」の入門講座が開催されることを知りました。 「インターネットや商用データベースを使って必要な情報を効率良く探したい」方を対象とするという講座内容に興味を持ちました。 普段からインターネットで疑問に思っていることや自分が知らない事柄などを調べたりするのが好きなので,必要な情報を効率よく探したいと日頃から思っていたからです。ただ,日常業務では異なる仕事をしているので,講座の内容を理解できるのか不安でした。
 入門講座では,サーチャーの業務に携わっている方々ばかりで,何ひとつ経験のない私にとってこれは大変なことになってしまったと少し後悔をしました。
 しかし,入門講座とは別に設けられた「データベース検索実習セミナー」で初めて商用データベースというものを見ました。検索操作方法を聞いているうちにより興味を持ち,「情報検索能力試験 基礎能力試験」を受験しようと決意しました。
 『情報検索の基礎知識』を行き帰りの電車や帰宅後に繰り返し読みました。 特に難しかったのは,第6章「情報の整理と加工」で,今まで司書課程の勉強をしたことがない私の頭には全く入っていきませんでした。
 なんでもスラスラ覚えることができた学生時代を恨めしく思いつつ,キーワードとなる語を全てノートに書き出し,ただ覚えるのではなく,覚えるだけなら次に情報検索能力試験2級を受験する時にとても苦労すると思い,キーワードを1つ1つ理解しながら勉強していきました。また過去問題にも挑戦し,初めは間違いばかりで合格できないのではと不安を抱えつつ,間違った箇所を見直し,そのことが記述してある部分を再度読み直し,また正解ではなかった選択肢の意味も確認しました。このようにして過去問題を繰り返し解いているうちに段々と理解が深まりました。

 年末に合格通知が届き,同封されていた「合格を祝う会」には驚きました。試験に合格した方々で集うなんて素晴らしい,今までの苦労を分かち合えると思う反面,基礎に受かっただけなので参加を躊躇しましたが,思い切って参加しました。「合格を祝う会」では先輩サーチャーのお話を聞くことができ,今後の自分の方向性にとても参考になりました。また懇親会では皆さんの合格への道のりのお話しを聞き,皆,頑張ってる,1人ではないととても心強く感じました。
 同じ志を持つもの同士が出会い,語り合える「合格を祝う会」に合格をされた方はぜひ参加されることをお勧めします。
 この試験で最後まであきらめないという大切さと努力することの大切さを再認識でき,さらにステップアップを試みたいと思っています。

情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して
              奥野 智亮 さん
okuno san 
 大学の文学部を卒業後,就職が決まらずにいました。そこで,本に関わる仕事をしたいと,以前から思っていましたので,昨年,図書館司書の資格を取りに,別の大学へ司書講習を受けに行きました。その講習に「情報検索演習」という,有料DBやCD-ROM等々を使った情報の検索の行い方をならう授業がありました。その中にサーチャーの先生がおり,教えていただきました。私はその時に,サーチャーという仕事があることを初めて知りました。当時,私は,図書館の仕事の中で,レファレンスサービス(図書館の利用者のあらゆる質問に対して,主に,資料を使って答えて行くサービス)に関心を持っており,似たようなところのあるサーチャーにも興味を持ち,目指してみようと決心しました。

 そのためには,まず授業の中で紹介されていた,「情報検索能力試験」に合格することだと思い,インターネットを使っていろいろと調べました。最初,基礎と2級を同時に受けようと考えていたのですが,過去問を見て,少し難しいと思ったことと,試験の1ヶ月前に,行政書士の試験があり,3ヶ月で,同時にこなすには,時間がたりないと思い,基礎だけを申し込みました。 情報検索については,インターネットで,YahooやGoogle等の無料検索サイトしか使ったことがなく,司書講習で,はじめて有料DBやCD-ROM等々触った程度の,素人に近い状態でした。

 そんな私の勉強方法は,時間が少々足りなかったため,まず最初に,選択問題の絞込みから行いました。私の場合,司書講習を受講していたため,当然Aコースを選び,Bコースについては捨てるつもりで勉強しませんでした。次にテキストの読み込みを行いました。サーチャーやパソコン関係はもちろんのこと,Aコース対策のため,講習の教科書を読み返したりもしました。その後,過去問を解いたり,無料のおためし期間のついている特許関係の有料DBを使用したりしておりました。結果,見事に情報検索基礎能力試験に合格することができました。(行政書士はダメでしたが)
 今後,2級の合格を目指しつつ,サーチャーとして働ける職場を見つけて,経験を積んで行きたいです。


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