2007年1月〜12月
♪ 第243回 (2007年1月) ♪ 第244回 (2007年2月) ♪ 第245回 (2007年3月)
♪ 第246回 (2007年4月) ♪ 第247回 (2007年5月) ♪ 第248回 (2007年6月)
記入者: 松前 奏子
堀 恭子
固武 龍雄
西内 史
開催日時: 2007年12月20日(木) 14:00〜17:00
開催場所: ファイザー(株)会議室
配布資料: 参加者各自の検索結果
参加人数: 13名
内容: 「検索演習」
1.メソトレキサートをリウマチ投与(最大25mgまで)および癌へのメソトレキサート大量療法(HD-MTX 3000mg)でそれぞれ何mgで副作用の発現率が高くなるか。
【演題のポイント】
具体的な数値やmg等の単位の指定が難しいため演題に取り入れた。
【参加者の使用ツール】
・Google・医中誌Web・iyakuSearch・PubMED・MEDLILNE
【検索方法】
・医中誌Web, iyakuSearch等で具体的な数値を検索したものの、ヒットはなかった。
・メソトレキサートのインタビューフォームおよび添付文書に以下のような上限値の記載があるが引用文献の記載がみつからなかった。
* リウマトレックスのインタビューフォーム:
過剰投与の記述において、外国で週間総用量が20mgを超えると重篤な副作用の発生率が上昇するとある。
* メソトレセサートカプセル2mgの添付文書:
基本的注意の記述において、投与量を8mgまで増量すると副作用や臨床検査値異常等の発現の可能性が増加するとある。
【検索における疑問点】
メソトレキサート25mgおよび3000mgは1回の用量かまたは1週間当たりの用量かが演題からよめない。
【検索のポイント】
・日本人には思いつかないような単語が使われていることがあるので、safetyなどで広めにあたり検索すると良いものが見つかることがある。
【候補文献】
iyakuSearch
@治療 89(2)277-283(2007.2)
A病院薬学 26(1)116-122(2000.2)
PubMED
BArthritis Rheum. 2004
Feb;50(2):364-71.
【結論】
演題そのものに沿う結果は得られなかったが、近い情報は得ることができた。
2.「BERNARD FISHER先生が乳癌は全身疾患だと唱えたオリジナル論文 1980年ぐらい」
参加者が様々な手法を用いてオリジナル文献の特定を試み、複数の論文が候補として提示された。
【特定のための手法】
・Web調査:Webの検索エンジンを使って、フィッシャー理論を解説している論文を検索。→引用文献を確認。
・文献データベースの検索:
@海外データベースにて「Bernard
Fisher×全身病」で検索。→MEDLINEではヒットせず、EMBASEでヒット。
A国内データベースにてFisherの乳癌全身病説について書かれた日本語文献を検索。→文献を入手して、引用文献を確認。
・書籍で調査:定評のある専門書で典拠を確認。
【候補論文】
1.N Engl J Med 320:822-828,1989
2.World Journal of Surgery 9:655-66, 1985
3.New Engl J Med, 312: 665-73, 1985
4.New Engl J Med, 312: 674-681, 1985
5.Breast Cancer Res Treat 1:17-26, 1981
6.Cancer 46:1009-25, 1980
7.Cancer Res 40:3863-3874, 1980
8.Cancer 40:574-587, 1977
何をもってオリジナル論文と判断するかいまだ議論の余地はあるが、今回の発表の中では、おそらく以下の論文が「乳癌全身病説」のオリジナル文献ではないかと推測された。
【特定された論文】
6番目の論文
Fisher B, Redmond C, et al : The
contribution of recent NSABP clinical trials of primary breast cancer therapy to
an understanding of tumor biology-an overview of findings. Cancer 46:1009-25,
1980
【根拠】
・定評のある専門書に記載。『臨床腫瘍学』(日本臨床腫瘍学会編、癌と化学療法社、2003年)
・無作為化比較試験に基づいて「全身病モデル」を提唱。
・指定年代に該当。
8番目の文献から、Bernard
Fisherが1970年代から「乳癌の全身病説」を唱えていることが判明した。無作為化比較試験の結果に基づき、Fisherらが「全身病モデル」を提唱した論文が、今回オリジナル文献と推定されたCancer
46:1009-25, 1980と推測される。なお、2番目の文献に対して、MEDLINEでは、Historical Artcle(歴史的文献)という索引が付与されていた。
3.動物の脳より得たガラニン・レセプターの精製に関する外国文献。(日本文献を除くというような処理は不要)。(ガラニン:galanin)
DialogのMEDLINEやEMBASEでは、phraseになっているMeSHタームなどは切り出して、その1部分のwordでもMeSHタームとして検索できるようになっている。
BrainのようなMeSHタームはBrainを含むphraseになっているMeSHタームが多いので、ノイズを防ぐためには/DEではなく/DFを使う方が良い。しかし皆さんの検索例ではBrainをMeSHタームとせず、単にフリーターム扱いで検索する人が多く、これは肩透かしになってしまった(STNやPubMedではこうなっていない)。
またReceptors,galaninと精製のSubheadingであるIP(Isolation &
purification)をリンクすると0件となってしまう。得られた該当文献でもIPはリンクされていなかった。この理由についてはReceptors,galaninは2004年になってMeSHタームになったもので、それ以前の文献にはこのMeSHタームを遡及して付与しても、Subheadingとリンクさせることまではやっていないのであろう。2004年になってMeSHタームになったという指摘をした人あり。いつからMeSHタームになったかを確かめることは大事なことなのだが、ついなおざりになってしまう。
IPのSubheadingを使用してもリンクとはせず、単にANDとしていた人もいた。またMEDLINEやPubMedを使用してもSubheadingのIPを使わない人も多かった。
この演題に限らず、今月の検索では質問中のフリータームをそのまま(または若干の同義語も含めて)論理積として終わりというような面白味のない検索が多かった。データベースの特性に応じて、シソーラス、サブヘディング、分類、ロールなどのサーチャーの知識を動員しての味のある検索をもっと見たかった。
4.「ビタミンB6 大量投与によって起こる横紋筋融解症」ただし合剤ではなくB6単独製剤であること。
【検索の背景】
ビタミンB6の製剤によって引き起こされたと確認できる文献がなかなかヒットしない。薬剤と副作用の因果関係がはっきりした文献の効率的な探し方を知りたかった。
【検索のポイント】
ビタミンはたくさん合剤があると考え単独製剤と注記した。
ビタミンB6の製剤としてリン酸ピリドキサールカルシウム、ピリドキシン塩酸塩がある。West症候群、点頭てんかんの治療法としてビタミンB6の大量投与がある。
使用したデータベースは日本語は、医中誌Web、JAPICDOC、J-MedPlus。海外は、MEDLINE、EMBASE、ToxFile、SEDBASEで検索した。
【検索の結果】
基本的な検索式は、「ビタミンB6」×「横紋筋融解症」。
B6の単剤、単独投与に制限した検索例もあった。
JAPICDOCには、「大量投与」のサブヘディングがある。
EMBASEには、CB(Drug Combination)というサブヘディングがあるが、この中には単独製剤も含まれている。
MeSHはrabdomyolysis(横紋筋融解症)のサブヘディングchemically
inducedがあるが、当該文献に付与されていないものもあった。[Pyridoxine/adverse effectsは付与]
記入者:栗本達児
開催日時: 2007年11月8日(木)(木)14:00〜17:00
配布資料: 発表用PPTのハンドアウト資料(3分割)⇒ 資料1、資料2、資料3
参加人数: 20名
内容:
「JDreamU関連の最新情報 ――各種データベース・新機能紹介など」
栗本達児
1. JDreamU概要
@)文献検索システムとしては国内最多の利用がある
A)文献データの構成、特徴
大別すると書誌情報、要約、索引に分かれる。 海外文献も要約・索引は和訳して掲載
B)主要データベースの収録情報
JSTPlusは国内外の科学技術情報。JMEDPlusは国内の医学・薬学系情報を収録
C)収録データの国内・海外別構成比、国内・海外別分野別収録件数
昨年度収録分では国内文献(57%)、累積(1981〜2006年)では海外文献比率が高い(57%)
ライフサイエンス分野での収録件数は国内文献の方が海外文献より多い、等
D)JSTPlus・JMEDPlusファイルについて
両ファイルの特徴について、更新頻度や収録レコードの言語比率
重複データの範囲について
国内の医学関連分野(会議録は除く)文献は両ファイルに含まれる
重複データを見ない方法
@マルチファイル検索
AJMED上で絞り込みを行う
2. JSTPatMとは
@)概要、サービス開始の経緯について
特許と文献の統合検索
「知的財産戦略について(総合科学技術会議2006.5)」
「知的財産推進計画2006(知的財産戦略本部2006.6)」などに基づいて開始
A)利用画面紹介
データベース選択、検索画面、得られるデータ画面
B)検索事例紹介
2007年のポリペプチドに関する情報について
特許情報、文献情報別収録件数
特許出願の多い機関では発表文献が少なかったことを紹介
C)料金について
特許と文献では表示料金が異なる(特許の詳細情報表示は40円/件)
D)JST系マルチファイル(JSTPlus + JMEDPlus)との機能差
頻度分析が利用可
複写サービスへは連携していない 等
3. JSTChinaとは
@)概要
中国総合研究センターの取り組みの一つ
同センターのHPでも無料公開
A)資料の収集基準
中国で複数の公的機関から選定された資料等、約740誌を選定
B)収録データ例
著者所属機関の地域名(省や市)、和文資料名を含む
C)利用画面紹介
データベース選択、検索フィールド指定、頻度分析、検索結果 等
4. 医学・薬学予稿集とは
@)概要
医学・薬学系学会より許諾を受けた予稿集を全文PDF化、検索機能を付与
A)利用方法
予稿検索、予稿集検索の仕方
B)検索語入力時の注意点
予稿検査、予稿集検索それぞれでの検索対象範囲について
一つの入力ボックスには一つの語を入力
C)JSTキーワードとは
JST文献データのシソーラス用語、準シソーラス用語、化学物質名、日化辞番号が対応
2000年発行分以降のものに付与
D)ディレクトリ検索
特定の学会の予稿集をまとめて検索するもの
学会名が分からない場合は一覧から調べることが可能
E)JDreamUとのリンク
既契約の方はJDreamUの検索結果画面から予稿本文を閲覧可能
Z)料金他
更新のタイミングについてなど
更新情報はJDreamUトップページ、「データベース更新情報」
5. 2007年度追加機能
@)OLDMEDLINEの追加
MEDLINEファイルに1965年以前の古い索引に基づく文献を収録
A)Your Collectionリンク先設定数増加
設定数を1から3に増やし、複数の情報サービスとのリンクを可能に
B)内訳表示からの異表記確認機能
検索結果の内訳表示画面より、検索語の異表記を確認可能に
C)日本語異表記辞書ブラウザ
語を入力して検索し、その語の異表記語、同義語を確認可能に
v)選択アップロード機能
従来のアップロード検索ではできなかった、テキストファイル中の任意の式を選択して検索を行うことが可能に
vi)機関名ブラウザ
機関名の複数の表記(○○株式会社と○○(株)など)を一括表示、検索に反映させることが可能(一部漏れがあります)
vii)シソーラスブラウザ機能上位語対応
シソーラスブラウザの同義語表示欄に、関係のある化学物質名を表示
6. JDream今後の予定
@)研究者マトリックス
JSTの文献情報データベースを使った調査サービス
A)AnVi seers
情報を解析し、ビジュアル化するサービス。スタンダード型とリクエスト型。
[Q&A]
・ 機関名ブラウザのヒストリ情報にはいつの名称変更が反映されているか?
→ 2003年1月〜2006年6月分です。帝国データバンクの履歴情報を元にしています。
・ JSTChinaファイルの分野別収録情報は?
→ 以下の通りです(2007年11月現在)
分野 | 件数 | 分野 | 件数 |
---|---|---|---|
科学技術一般領域 | 1971 | 電気工学 | 6355 |
物理学 | 21152 | 熱工学・応用熱力学 | 1822 |
基礎化学 | 23709 | 機械工学 | 3275 |
宇宙・地球の化学 | 8167 | 建設工学 | 3989 |
生物科学 | 11819 | 環境工学 | 8508 |
農林水産 | 8483 | 運輸交通工学 | 253 |
医学 | 11186 | 鉱山工学 | 3380 |
工学一般領域 | 2417 | 金属工学 | 20848 |
システム・制御工学 | 2394 | 化学工学 | 3699 |
情報工学 | 6990 | 化学工業 | 11345 |
経営工学 | 1588 | その他の工業 | 80 |
エネルギー工学 | 439 | 人文・社会科学 | 95 |
原子力工学 | 428 |
・ IPCの下位語検索の仕方は?
→ @検索対象フィールドで、「準シソーラス用語/IPC, FI, Fターム(*)」を選択します。
A検索条件入力欄に「IPC=C01B31?」のように入力し、前方一致検索を行います。
・ 予稿集にデータが収録されるのは、雑誌の発行から何日後か?
→ 雑誌により異なります。発行されてからJSTに届くまでの日数がまちまちであるためです。JSTに雑誌が届いてからその情報が収録されるまでの期間は、およそ1ヶ月が目安です。
[その他の意見、要望]
1. JSTPatMファイルの特許レコードは、公開のみの収録で公表と再公表の分は対象外となっている。検索画面に明記するなど、特許に不慣れな利用者のために、この点は注意を呼びかけていただきたい。
2. JSTPatMファイルでコマンドモードのオプションもあれば使いやすい。
3. JSTPatMファイルで、特許レコードにJICSTシソーラス用語を索引して、全レコードに対してシソーラスからの検索ができれば非常に価値がある。IPCコードも同様。
4.
「JMed+JAPICDOC」ファイルで、現在、検索結果で重複除去ができないので、できるように改良して欲しい。
記入者: 山下 幸侍
開催日時: 2007年10月18日(木)14:00〜17:00
配布資料: ProQuest CSA Illustrataサービス概要、その他Illumina商品紹介
参加人数: 16名
内容: 「ProQuest社文献画像検索データベース CSA-Illustrata(イラストラータ)の概要」
山下 幸侍、石田 一郎、武智 則之
1. ProQuest会社紹介
1) 2007年にProQuest Information and
Learning社とCSA社が合併し、新たに「ProQuest社」が発足。
2) サービスブランドとして,ProQuest, CSA-Illumina, Chadwyck-Healey,
UMI, SerialsSolutions, COS, Urlichなど
3) ProQuestの親会社でもあるCIG傘下には、姉妹会社としてRefWorksやBowkerなどがある。
4) ProQuest社企業理念
研究者が必要とする良質な研究情報の構築と、それらを探索、管理、活用、そして発信するための支援ツールを開発し、研究者の学術的発見“Discovery”の拡大と
促進に寄与するサービスを提供することを使命とする。
5) 「CSA Illumina(イルミナ)」ProQuset社が出版・提供する文献情報データベースプラットフォーム
独自出版するものから他のパートナー出版社が作成する約100種類の文献情報データベースを搭載
Aquatic Sciences & Fisheries Abstracts(ASFA)
CSA Biological Sciences Database
CSA High Technology Research Database with AEROSPACE
CSA Materials Research Database with METADEX
CSA Sociological Abstracts
CSA Linguistics and Language Behavior Abstracts
CSA Environmental Sciences & Pollution Management Database
PsycINFO, ECONLIT, MEDLINE, Zoological Record, CINDAS …. 等 自然科学、工学、人文科学、社会科学が中心
6) 「COS」研究者コミュニティサービス紹介
I.
COS Scholar Universe 北米を中心とした約130万人の現役研究者プロファイル、ならびに研究情報を収録
II.
COS Funding Opportunities 総額330万ドル以上の助成金募集情報を収録
III.
Papers Invited
世界中の学会・学術会議開催情報、論文募集要項を収録
2. 文献画像検索データベースCSA-Illustrata(イラストラータ)
1) CSA-Illustrata(イラストラータ)とは
「DEEP
INDEXING」学術文献検索への新たなアプローチ。学術論文に掲載されている写真、図表、チャートなどを書誌情報と共に収録し、細かい索引付をすることにより、研究者や検索者へより多くの判断材料を提供する学術出版業界における初の試み。これにより写真や図表から論文を検索することも可能となる。 近日中には米国CCC(Copyright
Clearing Center)との連携により、オンラインで写真や図の著作権許諾が可能となる。
●開発理由
●研究者の反応
2) 画像に索引付を行う
I.
論文中の図や表には、研究成果の本質的な情報が含まれている 生データに最も近い存在である
II.
しかしながら、今日現在、これらのオブジェクト情報は索引からは対象外となっている
III.
これらの情報は従来の文献情報の中では潜在的なものとして存在している
IV.
これらオブジェクトに対して索引付けを行い 顕在化することにより、 論文探索において価値の高い研究ツールを提供することができる
3) 「DEEP INDEXING」の意味するもの
I.
学術論文の中に含まれる“Tables & Figures” (イメージ画像、図表、グラフ、地図など) を認識、識別すること
II.
図表を論文から抽出し、その周辺情報を含めた情報に索引付けを行うこと
a) 図表のイメージ情報
b) フル・キャプション
c) 図表を含んでいる論文の抄録を含む書誌情報
d) 分類 (グラフ, 衛星写真, 地図, 化学構造図等)
e) ディスクリプタの独立変数 従属変数
f ) 単位
g) 主題 分類用語 地理的条件
h) 統計情報
i) 付与
j) フルテキストへのリンク
4) 索引付の工程
出版社からのデータ・論文入手からインデクシングまで
5) マーケットリサーチ
欧米の主要大学と研究機関よりライフサイエンスを中心とした60名の研究者が商品テストに参加
3. 研究者にとっての画像検索の意義
1) 情報探索における正確性、関連性を高めることができる
2) 従来の文献データベースや電子ジャーナルが提供する情報から漏れていた研究資料を探し出すことができる
3) 研究テーマに最も即した論文の在り処が検索でき、時間を節約し研究の効率性を高めることができる。
4) オブジェクトの分類を閲覧することができる (例: 特定の変数を含むグラフ;特定の要素を列挙している表、など)
5) 学会発表や講義に使用する視覚的資料を簡単に入手することができる
4. 参加出版社 (その他協議進行中の出版社多数)
Blackwell
American Meteorological Society
BioMed Central
BioOne
Cambridge University Press
Geological Society of America
Hindawi Publishing Corp.
IOS Press
National Research Council of Canada
Oxford University Press
Public Library of Science
PubMedなど
5. 収録数と今後の予定
1) 現在自然科学分野140万件の画像を収録しており、2009年には300万件を予定
2) 2008年には理工学など他分野をリリース予定
関連リンク:
1. ProQuest本社ページ:
www.proquest.com
2. CSAブランドページ: www.csa.com
3. CSA Illumina(イルミナ)収録データベース一覧:
http://www.csa.com/e_products/databases-collections.php
4. CSA Illustrata(イラストラータ)情報ページ:
http://info.csa.com/csaillustrata/
5. ハワイ大学Peter Jasco先生によるレビュー:http://www.resourceshelf.com/2007/02/16/reference-review-jacso-looks-at-csa-illustrata/
開催日時: 2007年9月20日(木) 14:00〜17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「SLA参加報告」「SLA2007
Lubuto Library
Project」「IMICOrder[PubMedを検索して申し込む]画面サンプル」、「IMICOrder[IMICの検索式を利用する]検索式一覧」
参加人数: 13名
内容:「SLA2007参加報告」「「IMICOrder」内でのPubMed検索」
記入者:前田 亜寿香
開催日時:2007年7月19日(木)14:00〜17:00
配布資料:Serials Solutions
電子リソースの有効活用
RefWorks 学術情報の共有とWeb管理ツール RefWorksのご紹介
参加人数:16名
内容:「Serials
SolutionsとRefWorksの概要」
今月は、Serials Solutions(リンクリゾルバ)の新ブランド「Serials
Solutions360」と、RefWorks(ダイレクトインポート対応文献管理ツール)の概要について、取扱代理店である(株)サンメディア担当者よりご説明いただきました。
第248回 ライフサイエンス分科会
開催日時: 2007年6月21日(木) 14:00〜17:00
開催場所: 社団法人 化学情報協会 会議室
配布資料: 「STNライフサイエンス系ファイルの強化 2006年5月〜2007年5月分」
参加人数: 19名
内容:「STN ライフサイエンス系ファイルの強化」
開催日時: 2007年5月17日(木) 14:00〜17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: JAPICDOCとiyakuSearch
参加人数: 25名
内容:「JAPICDOCとiyakuSearch」
開催日時: 2007年4月19日(木) 14:00〜16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料:
内容:「医中誌Web Update」
今月は、医学中央雑誌刊行会の3氏より、医学用語シソーラス第6版の改訂概要と医中誌Web
Ver.4のバージョンアップについて説明していただきました。
1.医学用語シソーラス第6版について
(1)概要
2007年1月発行。MeSH2005に準拠して改訂を行った。作成は、第5版とMeSH2005を翻訳したものをマッチング後、検討を加え完成した。全ディスクリプタのうち約9割がMeSH由来で残り1割は医中誌Web独自で設定したものである。
今回MeSHを採用しなかったものは、「実験的(Experimental)」のつくもの、「注入と注射」("Injections,
Intravenous","Infusions,
Intravenous"→静脈内投与としてまとめて登録など)、米国医療制度関連用語、州名などであった。また、MeSHにない医中誌独自のディスクリプタとして、医薬品(INN)、生薬、地名、日本独自の制度・機関を加えた。新設語をカテゴリー別に見ると、B(生物)とD(化学物質と薬物)の分野が大幅に増加した。次回の改定は4年後の予定。
(2)主な改訂内容
@MeSH2005でカテゴリー階層変更、用語の変更があったものはこれに従った。
例)A1-120皮膚→A19 外皮系、糖尿病-インスリン依存型→糖尿病-1型
A厚労省や学会などの名称変更によるもの
例)痴呆→認知症、老年者→高齢者 など
Bより適切な訳語を選定し変更したもの
例)倦怠感→退屈、脳血管発作→脳卒中、比較臨床試験→準ランダム化比較試験 など
(3)カテゴリー別
@ Cカテゴリー
(疾患)
内容:「検索演習」
1.5-FUまたはカペシタビンを先行投与して、その後タキサン系薬剤を投与して手足症候群が発症した例(国内・海外
※抗癌剤の投与の順番が大事です。逆のパターンは不要。
【依頼の背景】薬剤の投与の順番を指定して、ある副作用が発現した報告を調査するテーマである。通常、タキサン系薬剤を投与した後に、5-FUまたはカペシタビンを投与することが多いようだが、今回はその逆の順番で投与した症例を探したい。手足症候群は、「抗悪性腫瘍剤の副作用としてみられる皮膚症状で、カペシタビン、UFT、5-FU、TS-1、ドセタキセル、レボホリナートなどの各種の抗悪性腫瘍剤で起こり得るが、特に手術不能又は再発乳癌の治療薬であるカペシタビンに多い」(ウィキペディア)とあるが、5-FUまたはカペシタビン投与後、タキサン系薬剤を投与したことがトリガーとなって副作用が発症した症例を求めている。
【検索のポイント】商用データベースにおいては通常、薬剤投与の順番を索引づけることは行なわれていないため、文献検索で2つの薬剤の投与順を指定することは難しく、「薬剤A×薬剤B×副作用」という組み立てで検索をして、あとは結果を見るしかない。
【検索結果】「タキサン系薬剤×(5-FU+カペシタビン)×手足症候群」掛け合わせの結果、国内は該当が見つけられなかった。海外はMEDLINEで見つからなかったが、EMBASE、DDF(Derwent
Drug File)で検索したところ、DDFで見つかった(Isr.Med.Assoc.J., 2, No. 10, 786,
2000)。データベースの選択は、網羅的に検索するならばMEDLINEのみでは不十分で、EMBASEやDDFまで検索を行う必要がある。DDFの会員制のファイル(Dialogファイル912,913)は拡張抄録まで検索対象となるので、非会員制のファイルよりも網羅的な検索が可能である。なお、同文献はMEDLINEでも収録されていたが、抄録が収録されていなかった。
2.造影検査に、造影剤の種類を変えずに毎回同じ造影剤を続けて投与(国内)
※造影剤の種類を変えない場合と変えた場合とを比較したい。
【依頼の背景】定期検査などで造影剤を使った検査を行なう場合、造影剤の種類を変えない方がいいのか変えた方がいいのか知りたい。
【検索のポイント】キーワードが確定しているのは「造影剤」だけで、それ以外はどのキーワードを用いて検索すればいいのか試行錯誤する必要がある。その場合、どのデータベースを第一選択とするのがいいか考える必要がある。医中誌Webは検索するごとに結果が表示されるので好都合であるが、的確なキーワードに行き当たらなければ、ノイズを含む膨大な結果のチェックに時間を費やすことになりかねない。その点、JMEDPlusは近接演算子が使用できるので、サーチャーのイメージに近い検索を実現しやすいというメリットがある。ただし、従量課金の場合、回答表示するごとに料金が発生するので注意が必要である。
【検索結果】試行錯誤の結果、同じ造影剤(同一造影剤)を繰り返し使用することで副作用が発症したという報告が見つかった。「反復投与」「頻回投与」などの表現でも見つかる可能性はあるが、いずれにせよ、タイトル・抄録を確認する作業が必要である。
医中誌Web、JMEDPlusいずれでも同じ結果にたどりつくことができた。MEDPlus使用者は、近接演算子を使った検索を行い、タイトル出力によって内容を判断した。医中誌Web使用者からは、近接演算子を使えないことにストレスを感じたという感想があった。
医中誌WebでヒットしてJMEDPlusでヒットしなかった文献は、医中誌Webは抄録中に「同一造影剤」があったが、JMEDPlusにはその表現がなく「反復投与」と表現されていた。JMEDPlusでヒットして医中誌Webでヒットしなかった文献は、医中誌Webに記事が収録されていなかった。医中誌WebとJMEDPlusは相互補完的に使用できると考えられる。
3.抗ウイルス薬を用いてインフルエンザを治療する場合を、薬剤経済学的に論じた文献(ワクチンを除く)。
最近、薬剤経済学とか医療経済学とかに関心が払われるようになってきた。当OUG分科会ではこのような問題は今までやったことがないので、やってみることにした。
どんな語を用いればよいか。フリータームとしては医療経済、薬剤経済学、医薬品経済学、経済学などいろいろ考えられるが、JMEDPlusの場合は「費用効果分析」というJSTシソーラスのディスクリプタがある。MEDLINE(含 PubMed)を用いるのなら、Economics
(EC)というサブヘディングが1978年よりあるのを忘れてはいけない。これは疾病にも薬剤にもリンクできるサブヘディングである。
ワクチンを除くということで、検索結果から NOT ワクチン とした人もいるが、この場合、普通の抗ウイルス薬とワクチンの両方について記述している文献は除かれるということを承知の上で使うことだ。
厚生労働省関係の報告書は必ず検索して出すように心がけているという人もいた。
4.合成着色料「食用赤色3号(エリスロシン)」を薄層クロマトグラフィーを用いて他の着色料と同時に分析した事例
ライフサイエンス分科会といっても、医薬・医学に関する検索が殆どなので、今回は食品関係をやってみることにした。
赤色3号をどんな風に検索するかであるが、JDreamを使うのならJCHEMファイルより渡り検索をする、STNを使うのならRegistryファイルからというのが普通かもしれない。しかし筆者はGoogleで赤色3号とはどんなものか調べているうちに、CASのRegistry No.や日化辞番号を自然と目にしたので、これをそのまま入力して検索した。
薄層クロマトグラフィーについてはフリータームなら略号のTLCをも加えて検索した方が良いだろうが、JSTシソーラスでは薄層クロマトグラフィーがディスクリプタとしてあるので、主要なものがくれば良いというのなら、このディスクリプタのみでもよいだろう。
同時に分析ということに絞るには、同時とか同時分析(JSTのディスクリプタ)を用いることも考えられるが、このような語を用いると、もれが多いと思われる。件数が多くなければこれらの語は使わずに抄録をチェックするのがよいだろう。
参加者の使用したデータベースはJSTPlusの他に、BIOSIS,CAPlus、Agricola,ANABSTR(Analytical Abstracts)などであった。分析化学なのでAnalytical Abstractsのデータベースは用いてみるのも良いと思われるが、筆者はこれを失念していた。このデータベースは分析対象物質とそれを含む媒体(尿、血液など)とを区別して検索できる特長がある。食品ということでFSTAなどを使う人もいるかと思ったが、今回はいなかった。
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