OUGライフサイエンス分科会
☆☆ 今までの活動内容 ☆☆

2013年1月~12月


第308回(2013年1月)  第309回(2013年2月)   第310回(2013年3月)   第311回(2013年4月)  第312回(2013年5月)  第313回 (2013年6月)  第314回(2013年7月)  第315回(2013年9月)  第316回(2013年10月)  第317回(2013年11月)  第318回(2013年12月) 


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2013年12月度(第318回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年12月19日(木)14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター(3階)障害者会館  会議室A
参加人数:8名
記入者:(一財)国際医学情報センター 原 千延

内容:1.検索演題(情報検索能力試験20131級の問題より)

ある体内挿入型の医療器具について、次のような問い合わせがあった。「初回の挿入から6年を迎えたため、器具の交換を行ったところ、交換挿入では見られないはずの作用が現れた。交換後に起こる作用について知見が欲しい」  
これについて、以下の各問に答えなさい。なお、この医療器具は次のような特徴がある。
 ①この医療器具の効果を持続させるには、挿入から6年以内に新しいものと交換する必要がある。
 ②この医療器具は20年前に外国各国で承認を受け、日本で承認されたのは7年前である。

(1)求められる知見を提供するための調査を行う際、ポイントとなる点を3つ挙げなさい。
・国内での承認時期と器具の交換時期を考慮し、海外の情報も調査する ・患者に生じた作用は何か
・患者情報の収集(服薬、既往・現病と治療内容・・・など)
・医療器具の情報収集(名称、商品名、規格、型番、添付文書や説明書・・・など)
・文献データベースだけでなく、器具の承認情報や関連通知なども調査する などの回答があった。
また、この問題は調査を始める前の下調べのポイントが問われているとの意見もあった。
⇒ヒアリングの際のポイント
1)誰が、どのような状況、理由で求めているのか。情報入手の目的を把握する。
2)提供のニーズ(期限、整理した情報か、集めた情報全てか、網羅的か、主要な情報のみか)を確認する。
3)その上で、調査対象とする情報源や情報提供方法を定める。

(2)相談者が医師の場合または患者の場合で、知見を提供する際にそれぞれどのような配慮が必要か述べなさい。
医師の場合
・エビデンスの高い情報を優先
・見つかったすべての情報(判断するのは医師)
・医師の経験や知識を考慮する
・情報を整理して渡す/スピード重視で得られたものから渡す、いずれか希望を確認する。
・早急な処置が必要か確認

患者の場合
・不安をあおらない
・分かりやすい情報を選択する
・医療機関との信頼関係に配慮する
・提供しない(医師に確認するよう案内する)
患者に対しては、専門家でないことや医療機関との関係性を考慮した上で提供する意見と、「なりすまし」や誤解に基づくトラブルを考慮して原則として一切提供しないという意見があり、興味深い議論となった。

  2.リンク集の見直し

前回の続き「4.役立つ機関」「5.EBM」「6.電子ジャーナル」と、全体の見直しを行った。今回の見直し作業はこれで終了し、分科会後にEBM部分の加筆と最終確認で完了とする事とした。


   3.情報交換

PubMedに、検索結果のソート順「Relevance」が加わったことと、「PubMed Commons」を確認した。
2013年11月度(第317回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年11月21日(木)14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター(5階)  会議室A
参加人数:12名

内容:1.剽窃(盗用)の現状と問題解決 –Crossrefで採用されたCrosscheckを中心としたiThenticateの紹介」           (記入者:iGroup Japan 渡邉正樹)

講演者 笠間和喜(iGroup Japan) ,Laurie Mcarthur, Sami Hobson(iParadigms)

概要
日本での研究不正と剽窃(盗用)、世界の剽窃の状況を踏まえ、それらに対応するためのサービス、iThenticateを紹介する。
 本サービスは、企業においては、研究品質の維持、研究助成金のチェック、社内刊行物のチェック、研究者には、出版前の引用や参考文献のチェック及び、共著者の作業部分の確認等で活用されると考える。
iThenticateの機能を、デモを交えて紹介する。

1)研究論文における不正行為の状況
 Nature掲載論文の実験の7割は再現できないという報告や、Pubmedの撤回論文の分析や、JSTによる研究不正分析から、論文不正のここ数年の増加状況、不正の内容を紹介。一度不正が見つかると長い期間にわたり記憶され、著者の研究に対する信用を激しく毀損することになり、著者にも組織にもダメージとなる。

2)剽窃はどこにでもある
 剽窃が疑われる例をいくつか挙げ、なぜ剽窃行為が発生するのかについて、技術的な進歩と罪の意識の希薄さ、西洋と東洋の価値観の違いなどの可能性を指摘。
 剽窃の定義、剽窃のパターンを紹介するとともに、剽窃防止のために学術界が採用しているソフトウェアCrosscheck/ iThenticateを紹介した。実際に投稿論文を取り扱う出版社で、Crosscheck/iThenticateを使用して類似度判定が論文採否の一つの指標として使われている状況。博士論文のオープンアクセス化により、論文不正を早期に発見する手段を備えることが今後ますます重要になるであろう状況についても紹介した。

3)iThenticateの取り組み
 現在世界では700万人以上の研究者が25千強のジャーナルへの掲載を競っており、撤回論文の3分の2は不正によるものと言われている。撤回論文の数は年々増えているが、不正があっても公表されないこともあり実際の数を把握するのは困難である。論文不正が発覚すると個人レベル、組織レベルでも様々な不都合が発生し、それが大きなコストとなる。
 いかに早期に不正を発見するかは学術界でも重要な課題であり、アメリカの出版倫理委員会(COPE)では、不正に対する対応フローチャートを作成し、メンバーに共有するなどをして対応している。
 iThenticateの紹介。iThenticateは提出された論文を膨大なデータベースと比較し、剽窃の有無をチェックすることができるソフトウェアである。400億ページ以上のウェブページ、3億以上の学生レポート、13千万件以上の文献情報がデータベースに含まれ、特にインパクトファクター上位50080%の学術雑誌が比較対象になっている。

4)iThenticateの画面を動画で紹介
 ・論文をアップロードし、オリジナリティチェックをする方法、チェック結果を表示する画面、一致パーセンテージと一致文献の確認方法などを紹介した。

関連リンク

iThenticate   
 http://www.ithenticate.com/

Turnitin
 http://turnitin.com/ja/

plagiarism.org
 http://www.plagiarism.org/
 


  2.リンク集の更新作業          (記入者:鳥居薬品㈱ 西内 史)

 10月より引き続き、確認と修正を行った。

 3.検索システムと4.役立つ機関の途中までを更新した。3.検索システムについては、検索システムとデータベース提供機関に分けて、表示することになったが、内容が被る部分もあり、コメント欄で情報を補足した。
 12月の会では4.役立つ機関から6.電子ジャーナルまで引き続き作業を行い更新作業を完了する予定。(11月までの更新ファイルはリンク集サイトに掲載している。)


2013年10月度(第316回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年10月17日(木)14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター(5階)  会議室A
参加人数:11名

記入者:SLAアジアン・チャプター2010年代表
Kokos Consulting
佐藤京子

内容:「SLA 2013 Annual Conference & INFO-EXPOのトピックス」

      講演者:SLA アジアン・チャプター 佐藤京子

 米国専門図書館協会(SLASpecial Libraries Association )の年会SLA2013 Annual Conference & INFO-EXPOのプログラムの中から、Pharmaceutical & Health Technology Divisionのトピックス講演を紹介した。


1.バイオメディカルビジネス:最近の動向、製品の諸課題と将来展望について

最近の状況:

パラダイム・シフト(重大な変化)が融資/資金提供、臨床研究開発、薬価、薬事行政の分野で起きてきている。

今後のバイオメディカル産業の世界市場予測は、2016年に 1.2兆ドル(120兆円:1ドル100円レート)、その内4,300億ドル(43兆円)がジェネッリク医薬品で形成されるという。

国別の市場占有率では、USA201134%、2016年は31%シェアとなり、Pharmerging(医薬品新興国市場:BRICs(ブラジル、ロシア、中国、インド)にトルコ、メキシコ、韓国を加えた新興国7カ国)が2016年には30%になると予想される* 

* 当日の発表でPharmergingを製薬企業とバイオの合併企業と訳して説明しましたが、上記が正しい訳でした。)

バイオメディカル産業の傾向:

Ø 特許切れ問題やジェネリック医薬品等によって、米国製薬企業の研究開発ROI(投資利益率)は悪くなってきている

Ø 製薬大手(ビッグファーマ)は、バイオ製品と特殊専門分野に特化してきている

Ø 2012年に新医薬品が多く承認されたのは、良いニュースである(過去50年間でベスト3に入る)

Ø バイオテク企業の新規株式公開後の業績はそれほど悪くない

Ø ライフサイエンス分野への投資は、IT分野と同じぐらいの投資利回りを出している

 

将来展望:

FDAは医薬品の承認を早くし、ブレイクスルー薬(画期的な薬)はフェーズ1で承認されるようになる

米国では、人材が製薬大手からCRO, CMOに移動し、地域的にも雇用の移動がおこる

製薬企業が協力するようになって、前競争的共同研究を増やすようになる(例:TransCelerate BioPharm Inc.

すでに、米国のヘルスケアが変化してきている

The Patient Protection and Affordable Care ActPPCAC、患者保護並びに医療費負担適正化法, いわゆる「オバマケア」)によって、色々な変化が起きてきている。———医薬品の購入決定権がドクターから、病院の役員会や第三者組織(保険支払機関など)に変わる。患者や医療費支払い機関はエビデンスに基づいた価値、すなわち明らかに差が分かる効果を求める、など。

新テクノロジーによって、高額な臨床検査がもっと安く手軽なものに変わるだろう

 

以上のことから、バイオメディカル産業には今後下記の点が求められる。

有効性・安全性に優れた新規もしくは改良型製品を出す(画期的な製品が求められるが、少なくとも差別化できるような製品)

開発と生産性を効率化して、安価な製品を提供する

投資家にとっては、投資効率の良い産業になる

 

2.バイオビジネスのホットトピックス

インフォプロは、永続的に変化する景色に、どのように機敏かつ柔軟についていくか?

Ø 顧客が価値を認める製品・サービスを提供する

Ø ユーザーのニーズを良く聞く(「PubMed, Googleを使うな」と言うのではなく、なぜそれらをユーザーは使うのか?ユーザーが真に求めている物は何かを聞く)

Ø 「イエス」と答える(依頼事、プロジェクトへの参加などを求められたら、何でも「イエス」と必ず言う)

Ø Lの先を考える。(”L” ibrarianの仕事の先を考える。市場調査、分析、管理職、ナレッジマネジメント、文書管理など、ライブラリアンはこれらを行う能力を持っているのでチャレンジする)。

Ø そして、自分が理想とする仕事を作り出す。

当日使用しましたプレゼンテーションスライドは、SLA年会参加者のみに開示されている為、著作権など取り扱いに注意が必要です。必要な場合は佐藤までお知らせください。日本語注釈付きのものを、個別にお渡しします。

「リンク集の更新」

OUGライフサイエンス部会の「ライフサイエンス リンク集」更新作業について、配布資料を基に区分13について、下記の通り削除/更新確認、コメント追加確認を行った。現時点での改訂途中ファイルは、「ライフサイエンス リンク集」ウェブサイトにエクセルファイルで置いてある。

1.総合的な便利サイト

2.検索テーマ別サイト

医薬品

ニュース

学会

行政

統計

 

3.検索システム

今回から検索システムとデータベース提供機関に分けて、表示することになった。

なお、10月分科会後にJAPIC,IMIC参加者からの追加情報を頂いたものは、上記には記載していないがウェブサイトに掲載した更新ファイルに反映済みである。

11月の分科会で続きの更新を行う予定。


2013年9月度(第315回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年9月19日(木)14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター(3階)障害者会館  会議室C

参加人数:16名

記入者:NPO医学中央雑誌刊行会  黒沢俊典

「専門図書館における著作権とは」 講師:愛知大学 時実象一氏

著作権に関して、概説から具体的な権利の範囲等についてご説明いただいた。

■著作権概説

・著作権は知的財産権の一つで、他に産業財産がある。

・著作権は、著作者の権利と著作隣接権に分かれる。なお、著作者の権利には、著作権(財産権)と著作者人格権があり、著作者人格権はさらに公表権、氏名表示権、同一性保持権に分かれる。

・著作隣接権とは、著作物を伝達する人の権利である。例えば、ある著作物を演奏している演奏家などがそれにあたる。著作隣接権は拡大解釈され、レコード会社や放送局が持っていることもある。

・人格権は権利者から権利が移ることはないが、財産権は死後であっても譲渡できる。

・以下の場合は、著作権者の許諾を必要としない

  ・保護の対象外

    創作性がないもの/アイデア・思想・感情/判決文 など

    ※記事・論文等の数値データ自体には著作権が発生しない。ただし、グラフや表については創意工夫があるので、そのまま使用せず作り直したほうがベター。

    ※新聞の見出しには著作権はない。著作権を認めない判例も存在する。しかし、それで商売を行うと不正競争防止法に抵触する恐れがある。また、新聞社は見出しにも著作権があると主張している。

  ・保護機関満了

    個人=死後50年/団体=公表後50年/映画=公表後70年 など

   ・権利制限規定に該当

    私的利用や図書館等における複製/引用/非営利・無料の貸与/行政・立法・裁判等のための複製/授業での利用/障害者のための複製 など

    ※アメリカでは、連邦政府職員の書いた文書には著作権がない。そのため、例えば、NIH職員が執筆した学術論文には著作権がない。

    ※障害者のための複製についてはかなり自由になってきている。

  ・著作権者が自由利用を認めている -- クリエイティブ・コモンズ/GNU など

・複写サービスを行う場合の著作権処理は、著作権管理団体(JCOPY/JRRC/JACなど)と包括的に行われることが多い。

 

・許諾を得ようとしても著作権者が見つからなかった場合、一定の要件を満たせば、文化庁長官より該当著作物の利用が認められる。

 Q&A

以下の図書を使用し、著作権に関する具体的なQ&Aについて説明をいただいた。 

使用図書: 専門図書館と著作権Q&A 2012 専門図書館協議会;2012.




2013年7月度(第314回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年7月18日(木)14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階 会議室A
配布資料:「生命科学DB統合のためのNBDCサービスの紹介(最近1年間の変更を中心に)」
      「新しい日本語Webコンテンツ,「新着論文レビュー」と「領域融合レビュー」」
      「生命科学分野の文献を利用したサービス」

参加人数:13名


記入者:あすか製薬 佐々木享子

「バイオサイエンスデータベースセンター最近1年間の変更」

1.生命科学DB統合のためのNBDCサービスの紹介(最近1年間の変更を中心に)
          バイオサイエンスデータベースセンター 三橋信孝
(1)Integbioデータベースカタログ
  ・国内外の生命科学系DBの所在情報、説明や生物種などの基本情報を提供するカタログ
    収録DB数:1200件以上(国内800件以上)
  ・DB名、URL、運用機関名、生物種など16種類の記述項目がある
  ・DBをキーワード検索やカテゴリから探すことができる
  ・カタログの全データをダウンロード可能
    複製、改変などが可能なCC0ライセンスのもと配布

(2)生命科学データベース横断検索
  ・分子DBの中を文献や特許情報とあわせて一括検索できる
    検索対象DB数:約400件
  ・検索キーワードの日英相互翻訳
    日英の辞書(京都大学 ライフサイエンス辞書)を搭載
  ・検索結果の絞込み機能
    DBのカテゴリ、ヒト遺伝子名称
  ・類似キーワードの表示

(3)生命科学データベースアーカイブ
  ・国内で作成されたDBを丸ごとダウンロードできるサービス
    収録DB数:約60件
  ・CSVやRDF形式でデータをダウンロード可能
  ・DBやデータについての説明(メタデータ)
  ・データはCCライセンスで配布


2.新しい日本語Webコンテンツ、「新着論文レビュー」と「領域融合レビュー」
          ライフサイエンス統合データベースセンター 飯田啓介
(1)新着論文レビュー
  ・Nature、Scienceなどのトップジャーナルに掲載された日本人を著者とする生命科学分野の論文について、論文の著者自身の執筆による日本語のレビューをWeb上で無料で公開。
  ・コンテンツの自由な引用・転載・再利用が可能。
  ・これまで、400以上のレビューを公開。
  ・論文の出版から1か月以内の公開を目標とし、遅くとも2か月以内には公開。
  ・毎月平均12本以上、年間で150本以上の公開を目標としている。

(2)領域融合レビュー
  ・日本分子生物学会、日本蛋白質科学会、日本細胞生物学会、日本植物生理学会との協力のもと、発信・公開される日本語コンテンツ。
  ・ある学問分野・領域を広く総合的にとりあげる比較的長いレビューを公開・出版する。
  ・執筆者・執筆テーマの選定は、それぞれの学会から推薦された編集委員により構成される編集委員会において行う。
  ・用字・用語の統一や、生命科学専門の編集者の視点からの修正を行う。


3.生命科学分野の文献を利用したサービス
          ライフサイエンス統合データベースセンター 山本泰智
(1)Allie
  ・生命科学分野において利用されている略語とその展開形を検索するサービス。
  ・MEDLINEに収録されている文献のタイトル及び抄録を対象とし、略語と展開形を検索。
  ・検索結果の略語又は展開形をタイトルか抄録に含むPubMed/MEDLINEの書誌情報や、共起する他の略語が得られる。

(2)inMeXes
  ・be associated に続く前置詞として相応しいものは何か? といった問いに対応できるように作成された。
  ・PubMed/MEDLINEに収録されている文献のタイトル及び抄録に10回以上出現する2語以上から成る表現を逐次的に検索。
  ・結果はPubMed/MEDLINE中での出現頻度と共に表示される。

(3)TogoDoc
  ・PubMed IDのリストを登録することで、興味がある関連文献の取得や、整理ができる。PubMed検索結果の書誌情報の登録や、RIS形式ファイルのアップロードでも可能。
  ・ダウンロードした論文のPDFファイルを効率よく整理できるフリーの文献管理ソフトTogoDoc Clientと連携して文献情報を管理できる。
  ・TogoDocMobileをiPhoneやiPadなどのiOS搭載端末にインストールしておけば、TogoDocに登録した文献の新着お薦め文献を簡単にチェックできる。



2013年6月度(第313回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年6月20日(木) 14:00~17:00
開催場所:化学情報協会 メリノ六義園ビル 3 階会議室
配布資料:「SciFinder (Web 版) 最近の強化について:2012 年 4 月~ 2013 年 4 月のバージョ ンアップ内容」
       「STN 医薬系データベースの強化 2012 年 6 月 ~ 2013 年 5 月分」
参加人数:10名


記入者:記入者:化学技術協会 渡辺麻未、橋永麻緒

SciFinder (Web 版) 最近の強化について:2012 年 4 月~ 2013 年 4 月のバージョンアップ内容

1.情報の強化
 (1) 反応情報の実験項収録 (Springer 社雑誌,Thieme 社雑誌,SORD 由来情報など)
 (2) NMR スペクトル情報の追加
 (3) 特許の代表図面追加 (米国,韓国,日本)

2.物質検索機能の強化
 (1) 物性値検索 (Experimental,Predicted) など

3.反応検索の強化
 (1) 反応タイプ別のグルーピング機能
 (2) 反応の役割 (ロール) 初期設定を変更

4.その他の強化
 (1) 文献・物質情報のクイックビュー機能
 (2) ログインの簡略化 (Remember Me 機能)
 (3) ページ番号切り替え機能の改善
 (4) 日本語ヘルプの搭載 など

5.最新バージョンは 6 月末にリリース予定.ユーザーがより効率的に検索できるような画面配置の刷新を行う予定.

6.SciFinder と PubMed のキーワード検索の違い


STN 医薬系データベースの強化 2012 年 6 月 ~ 2013 年 5 月分

1.MEDLINE ファイル
・UNII コード:収録開始
・ePub Ahead-of-Print の強化 (EPUB PMID WITHDRAWN 収録)
・検索例:バイアグラに関する副作用文献を網羅的に調査する

2.EMBASE / EMBAL ファイル
・会議抄録・会議総説情報:収録開始 (EMBASE)
・EMTREE 語:オンライシソーラス更新
・Article-in-Press :収録開始 (EMBAL)
・アルゴリズム付与の EMTREE 語索引追加 (EMBAL)
・検索例:中心静脈カテーテルを幼児に対して使用した際に発生する血栓症について調べる

3.IMSPATENTS ファイル
・リロード

4.SciSearch ファイル
・助成金情報:収録開始
・検索例:乳がん診断に関する助成金提供機関の解析

5.USGENE ファイル
・NCBI,EMBL オリジナルデータへのリンク


2013年5月度(第312回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年5月16日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階 会議室A
参加人数:19名

内容:新JDreamIII関連の話題

記入者:(株)ジー・サーチ 川原 綾

1.JDreamⅢの概要

 2013年4月に始まったJDreamⅢについて、その概要とJDreamⅡからの変更点を中心にご紹介した。JDreamⅢは独立行政法人科学技術振興機構が作成するデータを、ジー・サーチが提供するサービスで、クイックサーチとアドバンスドサーチという二つのモードでご利用いただける科学技術文献検索サービスである。

1)JDreamⅢの概要
  事業仕分けを経て、ジー・サーチがサービスを開始するまでの経緯
  クイックサーチとアドバンスドサーチの特徴
  クイックサーチとアドバンスドサーチの検索方法

2)JDreamⅡからの変更点
  サービスに関する変更点:搭載ファイル等
  検索に関する変更点:レコード全体(/QS)の登場による検索対象範囲の違い等

3)関連サービス
  海外文献のPDF複写:Mobile Library
  企業情報、新聞雑誌記事横断検索:G-Searchデータベース


2.デモンストレーション

  各検索画面および個々の機能を実際にご覧いただき、ご要望をお伺いした。


2013年4月度(第311回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年4月18日(木) 14:00~17:00
開催場所:印刷博物館(東京都文京区水道1-3-3トッパン小石川ビル)
参加人数:11名

内容:印刷博物館見学会

記入者:鳥居薬品(株) 西内 史/旭化成ファーマ(株) 廣谷 映子

見学内容は次の5部構成である。
1.プロローグ展示ゾーン見学: 印刷文化の流れを一望する大壁面に約100点の展示物
2.VRシアター視聴: 3台のプロジェクターがスクリーンに映し出す、臨場感あるマチュピチュの空撮映像(地上からの撮影を元に計算によりCGで作成されたもの)
3.総合展示ゾーン見学: 『解体新書』、『ターヘルアナトミア』、グーテンベルク『42行聖書』(原葉)等の貴重書や版画等を映像と音声による解説で理解する。
4.ライブラリー見学: 印刷に関する書籍のほか、社史も多い。資料は閉架だが一般にも公開されている。一般のほか博物館学芸員にもよく利用されている。
また、OPACはweb公開あり。
5.印刷工房にて活版印刷体験: 活字を用い「版」を組み手動印刷機で印刷を体験する

感想
 印刷博物館は、単に印刷や印刷物の紹介だけではない。古来より文字や絵を記すことにより情報、芸術、政治、宗教、文化が伝承されてきたわけであるが、効率的な伝承に大きく貢献したのが複製し伝えるという「手法」であり、それがすなわち印刷技術なのである。文字や絵、映像の複製・記録によって、私たちの社会、文化がいかに発展して来たのかがわかる。印刷を主軸にした「知」の伝達・伝承の歴史を知ることができる。
 展示の主観が、文字、絵などの物理的な可視化物ではなく、印刷という「手法」であることも面白く感じた。それは、情報を検索する我々の仕事にも似ている気がした。情報を収集、整理、利用する我々インフォプロの仕事の意義にも通じるところがあり、大いに刺激を受けた。
 また、現代ではデジタル技術の発展により印刷物をはじめとする可視化物がデータに依存している。過去には書籍なり図版なり実体のある可視化物が「知」の伝達・伝承に貢献してきたが、データは再生機能が無ければ実体が見えない。情報を扱う者として将来を見据えたアーカイブ技術の課題についても考えさせられた。
 丁寧にご説明頂いた印刷博物館のスタッフの加藤様、山崎様、小浦様に感謝を述べたい。


2013年3月度(第310回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年3月21日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター
参加人数:10名

内容:検索演題

記入者:廣谷映子、原千延

問題1 ガイドラインについて

(その1)2011年サーチャー1級試験問題より

ある疾患Aの診療ガイドラインが改訂されることになり、貴方はガイドライン作成団体に対して、最近5年間に出された、疾患Aを含む関連領域の海外の診療ガイドラインを網羅的に収集して情報提供することになった。

(1)調査すべきガイドライン情報サイトを3つ述べなさい。

(2)ガイドライン情報サイト以外で調査すべき情報源を2つ挙げ、その情報源を効率的に検索するための方法を具体的に述べなさい。

(3)収集した情報が大量になった場合の提供時の留意点を2つ述べなさい。

 

(1)調査すべきガイドライン情報サイトを3つ述べなさい。

National Guideline ClearinghouseAHRQ;米)

http://guideline.gov/

NICE Clinical guidelines(英)

http://guidance.nice.org.uk/CG  または

http://guidance.nice.org.uk/Date・・・/Dateの方は、日付順で定期的なチェックに有用。

New Zealand Guidelines Group(ニュージーランド)

http://www.health.govt.nz/about-ministry/ministry-health-websites/new-zealand-guidelines-group

National Health and Medical Research Council(オーストラリア)

http://www.clinicalguidelines.gov.au/

などが挙げられた。この他、Minds http://minds.jcqhc.or.jp/n/ も参考として挙がった。

 

(2)ガイドライン情報サイト以外で調査すべき情報源を2つ挙げ、その情報源を効率的に検索するための方法を具体的に述べなさい。

○医中誌のガイドライン情報  疾患群別に掲載された論文情報を確認できる

http://www.jamas.or.jp/user/database/guideline.html

○文献データベース検索で「ガイドライン」関係の属性による絞り込みを行う

○関係する学会のWebサイトを探す

CochraneLibraryもエビデンスレベルが高いことから、調査対象として挙がった。

○この他、出版社によってはガイドラインの書籍をまとめてWeb掲載している例がある

(金原出版の例)http://www.kanehara-shuppan.co.jp/series/index.html?code=041

 

(3)収集した情報が大量になった場合の提供時の留意点を2つ述べなさい。

・情報をカテゴリ別に分ける:疾患群や診療科、作成目的(診断・治療・患者向け)など

・情報ソース別に提供する:学会、研究会、厚生労働省DB、文献情報、書籍情報 など

 

(その2)ガイドライン掲載サイトに関する意見交換

○医中誌のガイドライン情報掲載サイト(論文情報)と東邦大学医学メディアセンターのサイト(書籍情報中心)を閲覧しながらガイドライン情報の調査について意見交換をした。

 

問題2 点滴バック内に誤った薬液を混入させてしまった場合の対処方法について 書かれた文献

医中誌WebJMED-Plusでの検索事例が発表された。「点滴×混入×対処」や「誤投与×対応、対処」といった掛け合わせでのヒットから、該当する文献を目視で探していた。

混入の予防に関する文献のヒットが多く、混入させた後の事例が書かれた文献をどのように検索するかが問題であり、下のような提案があった。

・誤投与した症例報告を探す

・悪影響が起きている可能性があるので、点滴のシソーラス用語と有害作用のサブヘディングを組み合わせる

・「ヒヤリハット」はアクシデント発生前なので、今回のキーワードには不適切

・「ヒューマンエラー」や「突然死」などを使ってみてはどうか

 

問題3 腎障害、肝障害の方に対する薬剤投与

「腎障害」または「肝障害」と「薬物投与」を単純にAND検索すると、件数が多く、有害事象のノイズ文献を拾うことが問題点である。

検索事例発表は次の通り。

(1)Google検索事例

①日本腎臓病薬物療法学会のサイトで「腎機能低下時に最も必要な薬剤投与量一覧」が掲載されている。②ヒット文献の"Pharmacokinetics and dosage adjustment in patients with hepatic dysfunction", (Eur J Clin Pharmacol (2008) 64:11471161)の引用情報から関連文献を探す。

(2)「iyakuSearch」を用いての検索事例

「薬物動態」の関連語、「薬物療法」、「総説」のAND検索を用いて絞り込みを行い、件数を少なくして標題からヒット文献を探す。

発表後の検討で次の方法が結論として得られた。

  投与する薬剤や薬効、投与薬の対象疾患が具体的に分かっていればこれをAND検索することによりノイズは減少する。

  総説のヒット文献をまず見つけ、そこから引用文献を調べる、またはその文献レコードの索引語を見て該当キーワードで再検索する。



2013年2月度(第309回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年2月22日(金) 14:00~17:00
開催場所:文京区民センター
参加人数:14名

内容:AdisInsightのご紹介

記入者:(株)シュプリンガー・ジャパン株式会社
財津 与美、大久保 雅幸


シュプリンガー/シュプリンガー・ヘルスケアのデータベース製品、AdisInsightのご紹介をさせて頂きました。
1.Adisについて

2.AdisInsightデータベースの背景
・AdisInsihgtデータベースの背景として、医薬品の臨床系情報に主にフォーカスしたAdisジャーナルや自社名義の医薬品総説論文について説明し、これがAdisInsight のデータベースとしての特徴ともなっており、化学、生物学的な基礎分野の情報よりも臨床成績などに重点をおいていることを紹介。

3.AdisInsightとは? ・各コンポ―ネントの概要をご紹介し、製薬企業の幅広い業務分野、また証券・金融、コンサルティング企業などでもご利用頂けるDBであることを紹介。
① Clinical Trials Insight (臨床試験情報を収載)
② R&D Insight (開発医薬品情報)
③ Pharmacovigilance Insight (副作用情報)

4. AdisInsight・具体的な使い方
・次に、実際にデータベースに接続し、主にR&D Insightを使って、基本的なインターフェース、検索方法、便利機能について紹介。
・どのコンポーネントも同じインターフェースで使える、専門のサーチャーとしての技能がなくても、エンドユーザーでも利用可能なわかりやすいDB。
・便利な機能として、情報の共有に有効な、データの出力方法、チャーティング機能、アラート機能について

5.ご契約形態
・契約期間:2013年1~12月 もしくは、2013年4月~2014年3月の年間購読契約。
・認証:IPアドレス認証(同時アクセス無制限) OR 個別のID/PW認証
・価格:ご利用の認証方法(IP認証 もしくは、ID/PW認証)により価格算出が異なる。
 例えば、IP認証の場合、同一期間総研究者数(FTR: Full Time Researches)によるTiering。

6.トライアルのご案内
・ OUG/ライフサイエンス部会用にAdisInsightの全ての機能をお試し頂けるトライアルアカウントを設定し、アクセス方法をご紹介いたしました。


2013年1月度(第308回)ライフサイエンス分科会

開催日時: 2013年1月24日(木) 14:00~17:00
開催場所:文京シビックセンター4F シルバーセンター 会議室B
参加人数:18名

内容:Medtrack バージョンアップについて

記入者:データモニター 小幡 稔充


Medtrack配布資料とプレゼンPPTを用いて、データベースの概要とバージョンアップの機能をご紹介させて頂きました。

<Medtrackについて>
世界中のバイオ製薬市場の企業情報、CI(競合情報)、開発製品、提携・契約、ドラッグデリバリー、特許などをワンストップで検索、調査が可能な包括的データベースです。最近では機能がバージョンアップしました結果、直感的かつ優れた検索フィルターと複数検索機能を備えており、ご業務の効率を大幅に上げることが可能となります。

Medtrackをご活用頂くことによって、例えば以下の情報を調査、検索することが可能です。
*ご注力領域を含め様々な領域に関します製品、化合物の開発状況(全てのphase)、
 競合企業情報、APIの情報、特許情報、DDT技術、共同開発、提携等のディール情報。
*ご開発領域のStop/Goのご判断やライセンシング機会の調査の為、他社開発状況、
 パイプラインの収集など。

<機能の紹介>
当日は以下の機能をご紹介しました。
*Basic Search, Advanced Search, Epidemiology report Tabを用いた市場調査検索
*Deal情報、DrugDeliveryTechnologyを用いた競合解析検索
*Patent情報、地域ごとの開発状況の調査

<まとめ>
*Medtrackは幅広く客観的なパイプライン関連情報を網羅している世界でも有数の情報サービス
*新バージョンはコンテンツインターフエイス及び直感的な検索機能に優れています
*欧州、米国、アジアを中心に多くのお客様からご支持を頂いております。



内容:Thomson Reutersライフサイエンスプラットフォーム Cortellisの紹介(薬事情報ウエブポータルを中心に)

記入者:トムソン・ロイター 吉富 志保


Cortellisは、弊社の科学技術情報デリバリープラットフォームです。弊社が提供するライフサイエンスコンテンツのみならず、第三者データをホストすることも可能です。また、ウエブポータルからのアクセスに加え、API(Application Programming Interface)にも対応し、よりワークフローに沿ったデータの活用・分析を可能にします。

2013年1月現在、弊社の薬事情報データベースIDRACと、医薬品競合情報データベースThomson Reuters Pharmaのコンテンツが、各々Cortellis上のウエブポータルCortellis for Regulatory Intelligence、Cortellis for Competitive Intelligenceとして、刷新されたインターフェースを通じて提供されています。

今回は特にIDRACの後継データベースであるCortellis for Regulatory Intelligenceについて、コンテンツの概要および最近の収録強化とCortellisウエブポータルでのご利用方法をご案内させていただきました。

コンテンツ概要と収録強化点:
概要=3種類の文書タイプと各々の付加価値
収録強化点(例)=FDA Approval Packageの収録強化、規制文書英語翻訳対象国拡大

従来製品からの主な機能強化点:
1.検索エンジンの強化によりレスポンスの大幅な向上を実現
2.多くのユーザビリティテストを経たシンプルなインターフェースを採用
3.検索結果の絞り込みフィルターや検索語ハイライト機能などの検索支援機能の搭載
4.データ(文書)の出力機能を強化

※開発過程におけるユーザビリティテストでは、IDRACとの比較で、より目的の文書を探しだしやすいという結果が出ています。



招聘した各ベンダーのサイトは、 「ライフサイエンス リンク集」をご覧ください。

OUGライフサイエンス部会への要望は、 こちらにメールください。


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