2010年1月〜12月
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♪ 第278回(2010年4月) ♪ 第279回(2010年5月) ♪ 第280回 (2010年6月)2010.12.24 更新
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子開催日時: 2010年12月16日(木) 15:15〜17:30
開催場所:東京大学 医学図書館、薬学図書館、総合図書館
配布資料:「東京大学 医学図書館」「薬学図書館利用案内2010」「総合図書館ガイド」
参加人数:11名内容:「東京大学 医学図書館、薬学図書館、総合図書館見学」
東京大学では、学部毎に図書館を備えており、大学全体では40館ほどが存在。これら全体を総称して東京大学付属図書館といい、日本国内の図書館では、国立国会図書館に次ぐ990万冊(2010年12月時点)を所蔵。学部間で重複した資料も多く存在しているが、古い雑誌など学部の図書館に保存しきれなくなったものを柏図書館に移す際に、重複分は整理しているとのことです。膨大な所蔵数ですが、基本的に紙媒体で保存されており、電子媒体で保存する計画は今のところないとのことでした。
図書館間の相互利用については、直接資料を取り寄せる方法もあるが、現在では資料を指定してPDF化したものを閲覧する方法が多く利用される。(PDFは数日間で、自動的に削除)リンクリゾルバSerials Solutions 360を導入しており、資料の検索からフルテキストの入手までを一元管理。
丁寧な解説で案内していただいた東大図書館職員松浦氏、森松氏、鈴木氏には大変感謝しています。
- 医学図書館
分類:医学書はNLMC、非医学書はUDC分類
古くからある学部のためか、明治や大正時代の医学雑誌も保管されていた。
学内の利用者は、電子媒体で取り寄せることが多く、書庫に直接探しにくる人はほとんどいないとのこと。- 薬学図書館
分類:UDC分類がベース
Beilsteinの冊子体など現在では、電子媒体のデータベースとしてしか認識されていないものも数多く所蔵していた。- 総合図書館
分類:古いものは独自分類、開架の資料はNDC分類、DDC分類など
勉強をする場所、博物館的要素の強い図書館となっているらしく、かなりの利用者が訪れるため、古い資料については利用制限が設けられていた。
徳川慶喜や伊藤博文など、歴史の教科書に名を連ねているような人物の自筆の書が飾られている点は、大学の歴史を感じさせるものであった。
Chemical Abstractsなどデータベースのもとになっている雑誌もかなり見つけることができ、有意義な時間を過ごすことができた。
記入者:固武 龍雄、旭化成ファーマ(株)廣谷 映子開催日時: 2010年11月25日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室A(文京シビックセンター4階)
配布資料:「分類の話」など
参加人数:6名内容:「分類を考える」
- 話題提供(固武氏)「分類の話」
分類による検索は大きな網をかけるようなものである。
当ライフサイエンス分科会での検索は殆どキーワード(またはこれに類するもの)での検索であるが、分類が適している検索が あれば、勿論分類も利用すべきである。
JMEDPlusファイルで、キーワードでは得られなかったものが、分類の使用で得られた例を示した。BIOSISでのConcept Code、Biosystematic Codeの例も示した。その他、図書の分類、国際特許分類等についてもふれた。- 参加者からの事例
(1)医薬品・医療産業の分類(2)検索でよく使う識別子、分類について
- 日本標準商品分類:市場において取引される有体的商品を分類。医薬品も含まれる医薬品は87で始まる分類番号が薬効別に分けられて付与されている。
- 日本標準産業分類:産業別統計分類のための統計基準。大分類医療、福祉の下に中分類医療業があり、そのさらに下部には病院があり、病院は一般病院と精神病院に分類されている。
- 医薬品に付与されている番号:「薬価基準収載医薬品コード」「統一商品コード」「JANコード」「承認番号」等
ISSN、CAS Registry Number、
JAPICDOC iyakuSearch JMEDPlus JSTPlusの分類コード (3)図書室の分類について
独自分類、UDC、NDC、日本看護協会看護学図書分類表、NLMCなど (4)EMBASEとMEDLINEのPublicationType検索での違い
@ EMBASEでMetaAnalysisと指定して特定の疾患名・薬剤名を掛け合わせて検索した結果にPMIDを持つレコードがあった。
A 同様の検索式でPubMedを検索すると@のレコードは1件もヒットせず別の結果が得られた。EMBASEを確認するとMetaAnalysisが付与されていなかった。
B @AのレコードについてEMBASEでデータの由来を調査すると、MEDLINE由来でなく先にEMBASEに収録・索引されたものであった。
※(お断り)@でPMIDを持つレコードが全てEMBASE由来ということは会の席で伝えたが、AのレコードもEMBASE由来で統合されたMEDLINEでないことを確認でしたの で、その点を含めた内容に改めた。- その他検索についての話題
エビデンスとうい観点での検索にPubMedではClinical Queriesも有用。 ※会終了後に下記のリンクについて情報共有。
- BroadとNarrowの違いがわかる検索式等の記載あり
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK3827/- Systematic Reviewについて
http://www.nlm.nih.gov/bsd/pubmed_subsets/sysreviews_strategy.html- Yale大のサイトも有用
http://www.med.yale.edu/library/education/guides/page/71
記入者:(株)サンメディア 松下 茂開催日時: 2010年10月21日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室A(文京シビックセンター4階)
配布資料:「データベースとe-journalの著作権」
参加人数:14名内容:「データベースと電子ジャーナルの著作権」
発表者:(株)サンメディア 松下 茂データベースや電子ジャーナルにも著作権があると同時に利用契約時には利用規約、約款、ライセンスアグリーメントなどに同意した上で利用することになっている。
- データベースと著作権
わが国では、データベースは「編集著作物」としてではなく「データベース」そのものとして著作権法の保護の対象となっている。新聞や雑誌などの「編集著作物」との違いは、コンピューターでの可読か否かである。
また、電子ジャーナルもデータベースの著作物として著作権法の保護対象となっている。- データベースの利用と利用規定
- 電子ジャーナルの利用と利用規定
データベースや電子ジャーナルの契約では、ライセンスアグリーメントに同意することが必須となっている。しかし、そのライセンスアグリーメントは全て共通の内容ではなく、個々の出版者やデータベースプロデューサーによって異なっており、網羅的に理解することは難しくなりつつある。
今回の報告では、電子ジャーナルを利用する際に想定される具体的な利用項目について、代表的な出版者の見解が紹介された。- 企業活動と著作権
企業の中ではデータベースや電子ジャーナルの情報を活用する場合が多くあると同時に、著作物の一部や全部を他の著作物に転載利用する場合が多い。その際に引用と転載の区別が必要であるが、そもそも引用とは何かについて確認した。
また、転載許諾を取る際にどのような注意や工夫が必要か、どういった場合に許諾が必要かについても議論した。- 事前質問への回答とセッション
事前に寄せられていた質問への回答とディスカションが行われた。
記入者:廣谷映子、固武龍雄、加藤綾、塚本晶子開催日時: 2010年9月16日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室A(文京シビックセンター4階)
配布資料:「検索演題 解答例
参加人数:13名内 容: 「検索演題」
- 用法用量の変更に伴い、新剤型品が発売された例があるかどうか調査する。(国内、2000年以降)
<検索結果>
医薬品卸が運営する医薬品情報サイトを用いて調査した結果、SAFE-DIとMediceoで目的の情報を探すことができた。
(検索結果の説明)
SAFE-DI:履歴検索(SAFE-DI;前身は「福神DIWeekly」)あり
検索項目「掲載区分」は「新発売」を選択、
検索項目「本文」に検索語「新規格品」と入力、
「掲載年月」2000年以降として検索実施。
(結果)調査実施時点(2009年9月)で88件
(出力)テキストデータ(最大表示:50件ずつ)
Mediceo:効能や用法用量追加情報の一覧ページ(HTML)あり
(結果)掲載は2001年以降。
目視で数えたが300件超の品目の掲載あり。
但し、新規格・新発売の情報は掲載なし。
(出力)機能なし(プリントアウトまたはWebページ保存のみ)
※ClickMI:今回の内容に相応しい検索の切り口は無かった。
(検索結果について)
SAFE-DIでは新規格の新発売をかなり網羅的に検索できたが、用法用量変更などのトピックスとの同時新発売でない場合は(Weekly情報の集積版のため)それとの関連性が不明で、そこが難点であった。
Mediceoの一覧は網羅性に欠け、かつ、新規格・新発売の記載が、無く今回の依頼には向かなかったが、全件一覧であり収録情報の全容把握が可能で、SAFE-DIの補完情報とした。
(他の回答例について)
「JMEDPlus」などの文献データベース、「Google」、「New PINS履歴検索」、「iyakuSearchの日本の新薬データベース」(「申請区分」を活用)、「日刊薬業 Web記事検索」を使った例などが紹介されたが、索引や検索項目が不完全なためいずれも包括的な結果を得られなかった。
※(追加情報)
なお、帰社後に「NewPINS履歴検索」と同じ検索を「SAFE-DI」で実施したところ同じ結果が得られた(「NewPINS履歴検索」は「SAFE-DI」の一部を収録するものと思われた)ので、ここに追加情報として記します。
- 口蹄疫を薬剤(除ワクチン)で治療する文献。
英文データベースを使用する。特にワクチンを除くというような処理は不要。
口蹄疫は英語で foot and mouth disease であり、キーワード中に andがあり、この処理をどうするかが問題の1つである。2年前にもやはり口蹄疫について実施したが、そのときはワクチンであった。今回は新聞にも富山化学が開発した治療薬の報道もあり、治療薬について出題した。この分科会を医薬分科会と誤解した人がいて、人間の治療について検索した人がいたが、口蹄疫は人間には伝染しない。当分科会はライフサイエンス分科会であって、医学・薬学のほかに、農薬、動物薬、化粧品、食品、毒性なども範囲に含めている。
foot and mouth disease(MeSHタームはハイフンがあり、foot-and-mouth disease)はDialogのMEDLINEでは語をそのまま入力したのではだめで、quotation marks(“ ”)を付加しなければならないが、STNのMEDLINEではどちらでもよく、PubMedにいたってはそのまま入力した方がよい。
PubMedでは foot-and-mouth disease/dt で検索し、27件を得たが、ノイズが多いようなので、これに更に antiviral agents/tu をかけると3件となり、大分もれてしまうようである。
ところでこれと同じ検索をSTNのMEDLINEで行なうと4件となり、1件増えている。これはSTNの方で antiviral agents の下位に多くの医薬品名を加えている結果である(当日配布資料の1995年と1996年のMeSH比較を参照のこと)。
またこれと同じ検索をDialogのMEDLINE(file 155)でも行なってみると(勿論、Dialog用に検索式をかき直し、antiviral agentsの下位を含めて)、STNと同じ結果となった。
- スルファピリジン(SP)の炎症性腸疾患への抗炎症効果
<ポイント・背景>
- サラゾスルファピリジン、サリチルアゾスルファピリジン等のノイズをいかに除くか?
- サラゾスルファピリジン(サラゾピリン;SASP)は、メサラジン(5-ASA)とスルファピリジン(SP)のアゾ結合体で、
腸内細菌によりアゾ結合が切断、5-ASAが抗炎症作用を発揮し、SPは通常、副作用の原因になっているといわれている。
SPによる副作用に関する文献を除きつつ、抗炎症作用について検討している文献を検索するには?
<使用データベース>
JMEDPlus、医中誌Web、MEDLINE、EMBASE
<検索内容>
- EMBASEでは「antiinflammatory activity」のシソーラスあり。
- JMEDPlusでは、日化辞番号、nota演算子を活用(ex. スルファピリジン(nota)ゾ)。
nota演算子の右辺(除外語)は5文字以内だが、除きたい語句全てが入らなくても有効。
"抗炎症〜"とのかけあわせでは該当がなく(副作用に関するもの)、"副作用""毒性"等の語句を 除いた中より、該当と思われる文献あり(基礎)。- 医中誌ではSASPのノイズが多くなるため、検索難しいと思われた。
- MEDLINEでは「sulfapyridine(MeSH)」(*炎症性腸疾患)*抗炎症〜、「sulfapyridine/pd(MeSH)」で、該当と思われる出力あり。
<意見等>
- SASP、SPは今でも医薬品として販売されているのか? ⇒SASPはファイザーより販売。SPはサルファ系の抗菌薬だが、SPとしての販売はない模様。
- cisplastin腎障害と投与基準について
cisplatin投与3か月以内のCrCLは投与基準(指標)にならないという文献
<ポイント・背景>
- 3ヶ月以内をどう検索するか?
- 特定の論文を想定している依頼にはどのように対応するか。
<使用データベース>
医中誌Web、MEDLINE、EMBASEなど商用データベースのほか、Yahoo!、Google
<検索で判明したこと>
- EMBASE.comとovidspのEMBASEではヒット件数・内容に違いがある。ovidsp2件のヒットに対し、EMBASE.comでは、5件ヒットしており、内容を見るとフレーズ("3 months")での検索結果に、"(5.2-35.3)months"のようなものも含まれていた。
- 特定の文献を想定しているような場合には、Yahoo!やGoogle Scholarなどのインターネットでも検索してみると、情報を得られることがある。
- データベースでは情報に限りがあり全文検索ではないため、数値での検索には限界があるので、今回の問題では「基準」や「指標」などを中心に広く検索してみることも必要。
記入者:(社)化学情報協会 石神 祥子開催日時: 2010年7月15日(木) 14:00〜17:00
開催場所:社団法人 化学情報協会 会議室
配布資料:「STN ライフサイエンス系ファイルの強化 2009年6月〜2010年7月分」
参加人数:10名内 容: 「STN ライフサイエンス系ファイルの強化点」発表者:(社)化学情報協会 石神 祥子
- ライフサイエンス系ファイルの強化
(1) MEDLINEファイル
(2)EMBASE/EMBAL/LEMBASEファイル
- リロード
2010年2月にAnnual Reloadを完了し、全レコードが2010年版MeSHに対応した。このリロードに伴い、練習用ファイルのLMEDLINEやTOXCENTERファイルのMEDLINEセグメントもリロードされた。
- 新規ディスクリプタ 422個
- 新しい用語に置き換えられたディスクリプタ 52個
- 削除されたディスクリプタ 20個
- 1947年のデータを追加
Current List of Medical Literature (CLML)から、1947年の文献がOLDMEDLINEセグメントのレコードに追加された。
- その他の強化
Linking ISSN,新規の資料種類(/DT)および助成機関が追加された。SCAN表示形式が利用可能になった。
- MEDLINEファイル由来のレコードを収録
1948 年以降の MEDLINEファイル由来の(EMBASE と重複しない)レコードが約840万件追加された。索引はMeSHタームではなく、MeSHに対応するEMTREE語が付与されている。ファイルセグメント(/FS)またはSET RANGEを用いてMEDLINE由来のレコードを限定/除外できる。
- EMBASE Classicのデータを遡及追加
1947年から1973年のEMBASEファイルのレコード(EMBASE Classic)が遡及追加された。STNのEMBASE ClassicにはCAS登録番号が収録されている(対象レコードは66万件)。ファイルセグメント(/FS)またはSET RANGEを用いてEMBASE Classicのレコードに限定できる。
- その他の強化
2010 年版 EMTREE シソーラスが利用可能になった。また、SCAN 表示形式が利用可能になった。
- 配列データベースの強化
(1) DGENE/USGENE/PCTGEN ファイル
- ソートオプション IDENT の追加
BLASTホモロジー検索の回答セットに対する新しいソートオプションIDENTが利用可能になった。SORT IDENTコマンドを用いることにより、同一性パーセント(Identities)で並べ替えることができるようになった。短い配列などの場合には、従来のスコア値による並べ替え(SORT SCORE)よりも有用である。
- その他の強化
配列の記載位置 (PSL) が収録された(DGENE/USGENE)。FASTA,FASTA2表示形式が利用可能になった(USGENE/PCTGEN)。完全配列・部分配列検索(RUN GETSEQ)に対するバッチ検索が利用可能になった。
- CAS FILES の強化
(1)CAplus/CA ファイル
- 被引用情報の収録を開始
2009年7月に被引用情報(被引用文献のCAplusファイルのレコード番号)の収録が開始され、CAplus/CAファイルに収録されている全年代を対象に被引用情報の検索が可能になった。
- CAセクション名(SCN)フィールドの追加
CAセクション名(SCN)フィールドが追加され、年代変遷のあるCAセクションについても、全年代の同じような分野をまとめて検索や解析ができるようになった。
- その他の強化
(1)システムの強化
- STNmailファイルの未読メッセージの保管期限の変更
- セッションの自動終了までの時間が40分に延長(従来は20分)
(2)インターフェースs/CA ファイル
- STN Express V8.4.2のリリース
STN Express V8.2のメンテナンス版。ソフトウェア以外にサポートファイルもマニュアルでダウンロード可能になった(無料)。
- STN on the Webの新しい構造検索用Plug-inがリリースされた。
- その他の強化
STN on the WebおよびSTN Easyのアクセス方法の変更。STN Viewer 2010.1のリリース。
(3)STN全般の強化
- 削除されたクラスター: PJSBASES
- サービス中止ファイル: FOREGE,ICONDA,IMSCOSEARCH,NUTRACEUT,PHAR,PHARMAML,PHIN,RSWB
- サービス中止予定ファイル: WPIFV (WPIファイルの速報性向上にともなう中止)
記入者:(財)国際医学情報センター 加納 亮一
(財)国際医学情報センター 朝倉 耕開催日時: 2010年6月17日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室A(文京シビックセンター4階)
配布資料:「SELIMIC Webについてのご紹介」
参加人数:13名内容:「SELIMIC Webについてのご紹介」
「IMIC文献複写Web申込『IMICOrder』について」
- SELIMIC Webについてのご紹介
発表者:(財)国際医学情報センター 加納 亮一氏
4月にリニューアルしたSELIMIC Webを中心に、SELIMIC関連のその他のデータとの関連についての紹介
- SELIMICの概要
- SELIMICとは、IMICが入手している国内680誌の医学雑誌、約4,000学会のプログラム抄録集からスクリーニング作業により収集された医薬品の安全性情報が蓄積されたデータベースである
- 医療用医薬品のほか、OTC医薬品や医薬部外品など幅広く対応
- 2010年4月には採択基準の見直しにより、ICH E2Dや欧州のガイドライン(Volume9A)にも対応可能なグローバルサービスへとリニューアル
- SELIMICから配信されるサービスは、医療用医薬品などを対象としたSELIMIC-Alert、OTC医薬品を対象としたSELIMIC Web Alertがある
- 操作デモンストレーション
- キーワード検索をはじめ、剤形や医薬品区分での検索や商品名・一般名検索、またSELIMIC独自の投与対象区分での検索の実演を行った
- 検索結果一覧画面、記事の詳細画面についてご覧頂いた
- IMIC文献複写Web申込「IMICOrder」について
発表者:(財)国際医学情報センター 朝倉 耕氏
2007年から現在までの機能改修について、各機能(申込機能から利用履歴の確認機能まで)の紹介、また、「SELIMIC-Web」検索結果からの複写オーダー方法についてを紹介
- IMICOrderとは
⇒文献複写オーダーをWeb上で行うシステム
2007年 4月Ver.2としてリニューアル、ご希望のオーダー方法に直接アクセス可能など、発注機能を簡便化、その後、機能改修を行い複写オーダー機能が向上された。
- IMICOrderの機能について
1)複写希望の文献情報によりオーダー方法を選択、ユーザー登録後にアクセスが可能になるよう改修
2)お申込み内容の一次保存機能
- 「文献名を入力して申し込む」
- 「テキストデータを貼り付けて申し込む」
- 「PubMedを検索して申し込む」
3)お申込み履歴を確認機能
4)お知らせメール機能
記入者:(社)化学情報協会 石神 祥子開催日時: 2010年5月20日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室A(文京シビックセンター4階)
配布資料:「無料サイトについて」
参加人数:18名内 容: 「無料サイトについて」発表者:エルゼビア・ジャパン(株) 田中 早苗氏
(社)化学情報協会 石神 祥子氏
最近のPubMedの使い方などを中心に情報を共有する
PubMedは昨年11月にインターフェースが変更され、機能変更された。また、その後も随時新しい機能が追加されている。
最近のPubMedを中心にその他の無料サイトも含めて情報交換を行うとともに、PubMedを日頃使用していて気付いた点や疑問点などについても、ディスカッションを行った。
- 渡辺氏の発表紹介「サーチエンジンでもの足りないときの無料有益サイト−医薬関連−」
本年2月に開催されたサーチャーの会における、渡辺氏の発表内容を紹介した。
- 文献DB(英語: PubMed、日本語: iyakuSearch)
- PubMedの特徴)
- 情報が早い
- 統制語(MeSH)への自動マッピング(Automatic Term Mapping)
- 望まない検索語へのマッピングが含まれることもあるので、Search Detailsで確認、必要に応じて編集する
- 便利な検索補助機能が多い
- PubMedで難しいこと(有料MEDLINEとの違い)
- 近接演算(フレーズ検索は可能。AND演算で代用できるがノイズを含む)
- トランケーション(サブヘディングとの組み合わせも含め600タームまで ← STNでは20,000 ターム)
- 複数形対応
- 1,2文字マスク機能
- 所属機関検索 (切り出しが難しい。Tokyo UnivとUniversity of Tokyoでは異なる結果になる)
簡単な検索や予備検索にはPubMedが活用できる。詳細に検索条件を組み合わせるような場合には、有料のMEDLINEを利用。
- 全文検索(出版社、アグリゲータのサイト)
- Scirus (http://www.scirus.com/)
- HighWire Press (http://highwire.stanford.edu/)
- CrossRef Search (http://www3.interscience.wiley.com/crossref.html)
- 医薬品名(一般名、慣用名、商品名、開発番号等)
- ChemID plus Lite (http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp)
- Drug Information Portal (http://druginfo.nlm.nih.gov/drugportal/drugportal.jsp)
- PubChem (http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/)
- 日化辞Web (http://nikkajiweb.jst.go.jp/nikkaji_web/pages/top.html)
- iyakuSearch (http://database.japic.or.jp/nw/index)
- ライフサイエンス辞書プロジェクト(WebLSDオンライン辞書) (http://lsd.pharm.kyoto-u.ac.jp/ja/service/weblsd/index.html?c)
- その他の資料
- 臨床試験実施情報(ClinicalTrials Gov、UMIN/臨床試験登録システムなど)
- 申請資料(PMDA、Drugs@FDA、EPARsなど)
- インタビューフォーム(各製薬会社のHP)
- PubMed事例報告、ディスカッション
事例 1: パーキンソン病の検索
- "parkinson disease"と"parkinson's disease"では件数が異なる。
- 検索ボックスに単語を入力
- サーチャーであれば検索式を確認する習慣があるが、エンドユーザーは出てきた結果のみで判断しがちなので、必要な回答が漏れていて、それに気づいていない可能性がある。
事例 2: PubMedで"bisphenal"を検索するケース
- ヒットがある場合、"bisphenol"をsuggestionしてくるのでこれを無視すればよいが、limitなど他の条件を組み合わせてヒットが 0 件になるような場合、自動的に"bisphenol"で検索が実行される。
- 別の検索語を使用した旨は画面に表示されているが、字も小さく見づらいため見落としやすい(特にエンドユーザー)。
- その他有用な情報
- 最近、Springer Protocol(書籍)がPubMedに搭載された(全データの 7-8 割)。
- PubMed×WebLSD: PubMedの検索結果中のMeSHタームをWebLSDで翻訳・表示してくれるサイト(http://pubmed-lsd.symplus.com/)
【その他】
以前のPubMedのインターフェースでは、Limit、Historyなどタブが、検索ボックスの直下に表示されていたが、位置が変更されわかりづらくなったとの意見が多かった。
エンドユーザーの使い方に対する教育に苦慮しているという方も多い様子であった。
記入者:(財)国際医学情報センター 牧之内 有香開催日時: 2010年4月15日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室B(文京シビックセンター4階)
配布資料:「明日の新薬 改訂版 ご紹介」
参加人数:12名内 容: 「『明日の新薬Web』の紹介」発表者:テクノミック(株) 営業部 大塚 洋平氏
- 主な改訂ポイント
2010年1月から大きく変更となったポイントについてご紹介いただいた。
- 画面デザインの全改訂
- データ更新頻度(Weekly→Daily Update)
- 検索機能(詳細検索:全体・海外→グローバル検索)
- 構造検索(システムの前面改良)
- SDI機能(メールアラート機能、検索保存式、薬剤レポート更新情報)
- 薬剤レポート コンテンツ強化(サンエイレポートの追加、BioTodayとのバンドルサービス)
- デモンストレーション
例をあげて実際に検索していただいた。
ライフサイエンス分科会の活動について:
5〜9月までの活動予定を全員で確認した。
5月PubMed、6月未定、7月STN、8月休み、9月検索演題となった。
6月は案として、コクランライブラリーの説明、図書館または研究施設の見学会、SELIMICWebの説明などが希望としてあがった。
記入者:シュプリンガー・ジャパン(株) 田邉 可奈絵氏開催日時: 2010年3月18日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 会議室B(文京シビックセンター4階)
配布資料:「Springer社データベース」その他リーフレット
参加人数:7名内 容: 「シュプリンガー社データベース」発表者:シュプリンガー・ジャパン(株) 田邉 可奈絵氏
SpringerProtocols, SpringerImages, SpringerMaterials及びシュプリンガーの無料ツールについて紹介を行った。
- SpringerProtocols (シュプリンガー・プロトコル)
- SpringerProtocolsとは
生物学・分子医学・バイオテクノロジー分野の実験プロトコルを2万件以上収録したオンライン・データベースSpringerProtocolsウェブサイト:http://www.springerprotocols.com
- ヒューマナプレス社のブックシリーズ、Methods in Molecular Biology, Methods in Molecular Medicineなどから、プロトコルを15分野に分けて提供
- コメントのアップロードなど、Web 2.0の機能も含む
- 契約が無くても抄録までは無料で閲覧可能
分野からのブラウジング、キーワード検索、自作プロトコルのアップロード機能などをデモ
SpringerImages (シュプリンガー・イメージ)
- SpringerImagesとは
200万件以上の画像を検索できるオンライン・データベースSpringerImages ウェブサイト: http://www.springerimages.com
- 図表の中まで検索することにより、研究者が探している情報をよりはやく、簡単に見つけることを可能にする
- 全分野を網羅。うち60%は医学・ライフサイエンス分野
- 画像はパワーポイントやPDFに簡単にエクスポートでき、講義、プレゼンテーション、研究など、個人利用を目的に利用可能
キーワード検索、絞込み、検索結果、画像詳細画面、論文本文へのリンク機能などをデモ
SpringerMaterials (シュプリンガー・マテリアルズ)
- SpringerMaterialsとは
ランドルト・ベルンシュタインのオンライン・データベース。 1883年から続くブックシリーズであるランドルト・ベルンシュタインを元に、物理学・工学、化学分野において、厳しい評価を経て選択された体系的かつ包括的なファクトデータを提供する世界最大のプラットフォームSpringerMaterials ウェブサイト: http://www.springermaterials.com
- 全世界1,000人以上の科学者が8,000誌以上のJournalから信頼性のあるデータのみ抽出
- 1961年開始のNew Series(約400巻)を全て収録
- 新素材の研究開発、最適材料の選択や実験データの評価・検証が可能
キーワード検索、詳細検索画面での物質、化学式、CAS番号からの検索及び周期表からの検索をデモ
シュプリンガーの無料ツール
- AuthorMapper (オーサーマッパー)
論文の著者情報を元に、著者が所属する組織を地図上に表示するサービスAuthorMapper ウェブサイト:http://www.authormapper.com
- 国別、年別に、研究分野のトレンドも表示
- 契約があれば論文本文まで閲覧可能
- Exemplar (エグゼンプラー)
用語が学術論文の中でどのように表現されているか表示するサービスExemplar ウェブサイト:http://www.springerexemplar.com
- シュプリンガーの1,900誌のJournalから、検索した用語を含むセンテンスを表示
- 英語を母国語としない研究者の英語での論文執筆を支援
- 契約があれば論文本文まで閲覧可能
記入者:(財)国際医学情報センター 塚本 晶子開催日時: 2010年2月18日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階会議室A
配布資料:「医薬品と対応疾患名データベースについて」「医薬品情報ナビ」その他リーフレット
参加人数:11名内 容: 「医薬品と対応疾患名データベースについて」「医薬品情報ナビ」発表者:(財)日本医療情報センター 宇賀神 正代氏
蓼沼 宏昭氏
- 医薬品と対応疾患名データベース
病名から医薬品を選択する際の支援、カルテの電子化支援、統計処理の精度向上・迅速化、レセプト請求時の病名と医薬品の確認などに利用できる検索システムについてご紹介いただいた。
- データ作成作業フロー
- バージョンの変遷
- Web版、LAN版サービス開始について
- Web版の使用方法
- データベースの特徴
- 今後の展開について
- 医薬品情報ナビ
財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)のホームページ上にある、医療用医薬品の医薬品名(商品名)からその製造・販売または発売会社のホームページの参照、JAPIC提供の医薬文献データベース「iyakuSearch」の検索・結果参照、添付文書PDFの参照ができるリンク集について、ご紹介いただいた。
現在、無料で利用可能である。
ライフサイエンス分科会の活動について:
「情報の科学と技術」への掲載用論文について、最終校正を参加メンバー全員で行った。
記入者:記入者:固武技術士事務所 固武 龍雄
大正製薬(株) 藤島 嘉幸
(財)国際医学情報センター 牧之内 有香開催日時:2010年1月21日(木) 14:00〜17:00
開催場所:文京シビックセンター 5階会議室A
配布資料:「検索演習各自の解答」
参加人数:11名内 容:「検索演習」演題1:カプトプリルの副作用を認めなかった事例について精度の高い検索をしたい
(単に副作用の記載がないというのではなく、なかったという記載のあるもの)。
この問題は1999年のサーチャー試験1級の問題である
(但し、カッコ内の記載は無く、これは今回の出題者の加筆したもの)。
一般論で言えば、抄録中に副作用がなかったという記述、即ち、英文データベースなら:
(NO+“NOT”)(4N)(adverse(W)effect?+side(W)effect?) のような検索式、
日本語のデータベースなら:副作用なし、副作用はなかった、副作用は認められなかった
などがあるかという検索をすることになるだろう。
しかし、医薬品関係データベースの中味をもっと良く知っていれば,更に次のようなことが
頭に浮かんでくる筈である。
Derwent Drug File(DDF)には、Side−Effect−Absent というディスクリプタが
設けられている(これは1988年以降のものに付けられている)。かつDDFの特徴である
LINK(ANDではなく)を用いれば、同じ文献中の他の薬剤でのノイズも防げて、精度の高い
検索結果となる。これだと先にあげた検索式では得られない no adverse events
のような文献も得られた。
日本語のデータベースではJAPICDOC(iyakuSearchも含む)には
「副作用なし」というキーワードが設けられているので、これを用いると良い。しかし
JAPICDOCではLINKは使えず、ANDの使用となるので、他の薬剤とのノイズ
を防ぐことはできない。
当日の出席者の検索例を見ると、大部分は副作用がないという記述のある文献を求めて
いるが、DDFでside−effect−absentを用いた人と、JAPICDOC(実際には
iyakuSearchを使用)の「副作用なし」を用いた人、各1名がいた。
演題2:新型インフルエンザ(A/H1N1)の米国内でのタミフル耐性化状況の文献
【演題のポイント】
- 新型インフルエンザとは何か。概念を明確にする。
- 新型インフルエンザの流行が始まったのは2009年の春先なので、文献の発行年は2009年以降に限定する。
- 米国に限定する方法。
【使用データベース】
- MEDLINEを利用する。
【検索方法】
- ここでいう新型インフルエンザとは、インフルエンザウイルスA型H1N1亜型のうち、2009年4月に「豚インフルエンザ」としてメキシコで発生が確認されたインフルエンザウイルスを指す。比較的新しい概念であるため、正確に概念を表現するMESH用語はないので、フリーワード検索することも検討する必要がある。 フリーワード検索の例:(swine or novel or new or pandemic or outbreak) and (flu or influenza) and H1N1
- 本ウイルスの発生が確認された時期を考慮すると、発行年月が2009年4月以前の文献は除外してよい。
- 米国を表現する統制語はそれぞれのDBにあるが(MESHの場合は「United States」)、インデクシングが不十分であるため、タイトルや著者所属機関名に「USA」「United States」「U.S.」「america」などがあるものを論理和する。
【結果】
- 上記の文献検索の結果、該当文献は2報見つかった(North Carolinaの2例の報告、Washingtonの2例の報告)。
- 米国内での感染症の疫学情報なので、CDCのホームページで現状を把握してから、文献調査する方法も有効であると思われた。
演題3:抗癌剤における経口投与とポンプを使った静脈内投与との比較で、ポンプを使った静脈内投与の方が優れているという文献
<ポイント>
- ポンプ静注と経口の比較
- 静注の優位
- 抗癌剤の投与方法
<使用データベース>
- JMEDPlus、医中誌Web、iyakuSearchPlus、Ovid MEDLINE(R)、Ovid EMBASE
<検索内容>
- iyakuSearchPlus、Ovid EMBASEでは投与経路の一覧やサブへディングを使用して検索。
- Ovid MEDLINE(R)では臨床試験と比較試験で絞り込み。
- ポンプの検索ではノイズあり。(プロトンポンプ、PPIなど)
- 抗癌剤ではヒットが少ないため癌領域に広げて検索してみたが結果は同じ。
- 抗癌剤ではない比較でヒットあり。
- 国内外でそれぞれ2件ほど絞り込まれたが、ポイントを全て含む結果とは言い切れなかった。
<意見>
- ポンプを使った静注とはどんなものか。
- 経口と静注の両方を選択できる上で、あえて静注を選ぶ文献がほしかった。
- 医療機器メーカーからの依頼のため、試験を行っているデータがないのではないか。
- 薬剤のレジメで投与方法を示しているものもある(静注のFOLFOXなど)が、ここまで調べて検索をするのは大変。
- 難しい。
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