2008年1月〜12月
♪ 第254回(2008年1月) ♪ 第255回(2008年2月) ♪ 第256回(2008年3月)
♪ 第257回(2008年4月) ♪ 第258回(2008年5月) ♪ 第259回 (2008年6月)
第264回 ライフサイエンス分科会
記入者:エルゼビア・ジャパン株式会社 鈴木 直子
海附 玄龍
開催日時 2008年12月25日(金) 14:00〜17:00
開催場所:ファイザー(株) 会議室
配布資料:「Reaxys説明ppt」「Reaxysデモンストレーション」「PharmaPendium説明」
参加人数: 20名
内 容: 「エルゼビア社のPharmaBiotech製品のご紹介 Reaxys&Pharmapendium」
記入者 加納 亮一
松前 奏子
開催日時:2008年11月20日(木)14:00〜17:00
開催場所:ファイザー(株) 会議室
配布資料:SLAでの配布資料、SLA参加報告のスライド資料、Thomson Pharmaパンフレットとスライド資料
参加人数:13名
内容: T. 「SLA参加報告」
U. 「T-PharmaとIDdb3の紹介」
I. 「SLA参加報告」
財団法人国際医学情報センター
佐藤 京子 氏
1.SLA2008参加報告
@概要
"2008年6月15,16日にアメリカ・シアトルで開催されたSLA2008への参加報告。"
今年も280以上ものブースが出展され、大会運営も思考を凝らされていた。その中で、SLAから以下2つの新サービスが発表された。
・The SLA Innovation Laboratory
・SLAセカンドライフ(3Dオンラインデジタル世界)
A発表
"Barbara Gilmore-Halliwel, KAI Pharmaceuticalsの発表"
「2008年の医薬品開発に関する問題」
<要点>
・FDAの新薬承認数が減少している
→バイオ企業が大企業に吸収されることで、産業全体が減少する傾向にある
・薬効により承認にかかる時間が異なる
・ブロックバスターからTarget-Therapeuticへの移行傾向
・FDAがより高い安全性・効果を求める傾向にある
・新薬開発費の上昇
→2010年には20億ドルに達する見通し
・USの医薬品売上はオンコロジーとバイオに移ってきている
<各調査データベースの紹介>
市場調査、臨床調査、合併情報、ビジネスニュース等々、様々なデータベースを紹介。
2.シアトル公共図書館見学報告
SLAが行われていたシアトルにて、公共図書館を見学した模様を写真を中心に紹介。奇抜なデザインだけではなく、利用者目線の工夫(ex.棚番を床にも大きく表示し、利用者に現在地を把握させる)がなされていた。
II. Thomson Pharmaの紹介
トムソン・ロイター・グループ トムソンコーポレーション株式会社
清水 英樹 氏
Thomson Pharmaは製薬およびバイオ業界に必要な研究・開発から上市までの情報を統合させたプラットフォームであり、
トムソンサイエンティフィックのみでなく、トムソングループ全体から提供する、世界中の医薬・知的財産(特許)・学術文献・化学・企業・配列・ターゲット情報などへ、ウェブインターフェースよりアクセスが可能である。
Thomson Pharmaは高機能の検索ツールを搭載しており、製薬関連では医薬品の研究・開発・販売など、それぞれの職種のニーズに合わせて利用できる設定が整っている。また、Thomson Pharmaはトムソングループの科学、ヘルスケア、財務といった広範囲にわたる情報データベースから最新情報の配信、受信からエンドユーザーに合わせた検索オプション、データエクスポートなど一括した最高水準の製薬関連コンテンツの検索が可能である。
Thomson Pharmaでの検索は標準化されたコンテンツと、統一された用語の使用により、広範囲におよぶ各種データを横断して、際限なく検索を行うことができる。例として、1製品に対してR&D FocusやPharmaprojectなどの上市データを一度に見ることができる。薬剤に関しては27,700件以上のドラッグプロフィール(約150/月)を収載している。
Thomson Pharmaの特徴として、エンドユーザーの情報ニーズに合わせて設定するインターフェースにより、薬品や疾患領域によるThomson Pharmaトップページのカスタマイズが可能である。また顧客からの完全なテーラーメイド化の要望に応え、外部・内部のデータも統合可能である。
Thomson Pharmaは少ないクリックで良質な情報にアクセスできるよう工夫されており、また、エンドユーザーのための情報の視覚化が特化している。各情報へのリンクが充実しており、検索結果の詳細な分析が可能である。
参加者からは、現時点では日本の治験医薬情報DBは含まれていないが、今後それらをプラットフォームに収載するかについて、また、WEB検索者や検索専門家が同じプラットフォームを使用する際のDBの在り方について活発な意見がなされた。
記入者:固武 龍雄
藤島 嘉幸
堀 恭子
北川 晶子
開催日時:2008年10月18日(木) 14:00〜17:00
開催場所:ファイザー(株) 会議室
配布資料:各自の検索結果の発表資料
参加人数:15名
内容:「検索演習」
演題1. 「中国における口蹄疫の予防に関する文献。(口蹄疫:foot and mouth disease)」
この問題はキーワード中に「and」がある場合に、どうしたらよいか、またシステムやデータベースによってこの処理がどう違うかみるために出題した。日本語で日本のデータベースを検索した場合は平凡な問題となってしまう。
MEDLINEはDialogでは、口蹄疫のMeSHタームであるfoot−and−mouthdisease を用いて(MeSHタームではハイフンが入っている)、foot−and−mouth disease/de とやると、and を論理積と解釈してしまう。ハイフンをなくしてもやはり論理積としてしまう。正しく検索するためには引用符(quotation marks)を付けて:
“foot−and−mouth disease”/de または“foot−and−mouth” disease/de としなければならない。このとき、“foot and mouth disease”/de とハイフンを付けないと、MeSHタームと異なるので0件となってしまう。
予防とか中国を加味すると、結局“FOOT−AND−MOUTH DISEASE”(L)PC AND CHINA となる。
同じMEDLINEでもSTNでは:
FOOT−AND−MOUTH DISEASE/CT としただけで検索できる。引用符を付けなくてもよいが、付けても同じ結果となる。
PubMedではどうか:
この場合はfoot−and−mouth disease でも、またハイフンのないものでも同じ結果となる。ハイフンはスペースと同じに処理される。但し、もし大文字で入力すると(andがANDとなっていると)、このANDは論理積として処理されてしまう(PubMedでは論理演算子は大文字で入力する)。
ところで foot−and−mouth disease/PC china で 50件、“foot and mouth disease”/PC china で58件であり、ハイフンを入れると8件増えている。この8件にはどんなものがあるか見てみると、例えば:
Hand、Foot and Mouth Disease(手足口病)のようなものがノイズとして入っていた。手足口病は口蹄疫(家畜が感染するウイルス性伝染病)と違う、人間の子供が主としてかかるウイルス性感染症である。
JDreamIIにJSTCHINAという中国文献の無料のデータベースがあり、これを使用してみた人も多かった。だがあまり良いものはでなかった。 このJSTCHINAには中国の文献しか収録されていないと誤解していたが、中国以外の国で発行された文献でも、中国関連記事の多い雑誌の文献や、中国の科学技術政策について述べた記事を収録するそうである。JDreamニュース No.6(2007年2月)を参照されたい。
演題2.「カルボシステインを妊婦に投与した際の安全性(催奇形性、胎児毒性)について網羅的に調査する」
【演題のポイント】
対象薬剤の胎児毒性・催奇形性に関する報告の有無を、文献DBや関連書籍、官公庁のWebサイトなどから網羅的に調査する課題である。
【調査ツール】
@文献DB
・ 医中誌Web、JMEDPlus、iyakuSearch(JAPIC DOC)、MEDLINE、EMBASE、DDFなどの文献DBを使用する。 一般名カルボシステイン(Carbocyteine)を検索する際に、Carboc「i」steinなどの表記揺れや、化学物質名であるカルボキシメチルシステイン(Carboxymethylcycteine)も考慮して検索式を立てるとより網羅的に検索できる。
・ 雑誌名や著者所属機関フィールドに限定して検索できるDBの場合は、同フィールドで「産科」「産婦人科」「婦人科」を検索して妊婦の集合に論理和するとより網羅的に検索できる。
・ NLMのTOXNETは無料で利用できる化合物の毒性関係の文献情報DBであり活用できる。 http://toxnet.nlm.nih.gov/index.html
A国内外の添付文書、医薬品集
・ 日本は医薬品医療機器情報提供HP ・ 米国はPDR ・ その他各国の添付文書集やMartindale などの添付文書集や医薬品集を調査する。
B参考書籍
・ 虎ノ門病院が監修する「妊娠と薬」 ・ 「メイラーの副作用大辞典」 ・ 「Clarke's Analysis of Drugs and Poisons」 などを調査する。
C公的な医薬品の胎児危険度分類
・ オーストラリア豪州医薬品評価委員会(TGA)が作成した薬剤胎児危険度の分類を調査する。 http://www.tga.health.gov.au/docs/pdf/medpreg.pdf ・ FDAの胎児危険度分類(FDA Pregnancy Category)はPDRやAHFS DRUG INFORMATIONに掲載されている。 ・ なお、日本には公的な医薬品の胎児危険度分類は存在しない。
演題3.「フランスのジェネリックシェア急騰の理由について(国内)」
【演題のポイント】
医学分野の文献データベース以外に、どのような情報ソースが有効か知りたい。
【使用データベース・ツール】
・J MEDPlus・JSTPlus・医中誌Web・CiNii・日刊薬業・Factiva・Google
【検索方法】
・ どのデータベース・ツールでも、「フランス」×「ジェネリックおよびその同義語・類義語」で検索を行なった。
【結論】
・ 国内文献データベース(JMEDPlus, JSTPlus, 医中誌Web)はひととおり検索するといい。どのデータベースが最適か事前に予測することは困難であるが、ひととおり検索してみると、いずれかのデータベースで該当文献を見つけられる場合がある。
・ 人文系の文献・資料を調査する場合は、CiNiiも選択肢のひとつとして考慮するといい。
・ フランスのジェネリックシェアが急に拡大した年代(2006年頃)を予備調査することによって、調査対象年代を2006年以降に限定し、より効率的に調査できた。テーマの背景を予備調査する場合、Googleは有効であった。
・ Googleで検索する場合、情報ソースとして信頼性のある機関のURLを指定するといい。例えば、厚労省のサイトに限定したい場合は、site:mhlw.go.jp。医薬協のサイトに限定したい場合は、site:jga.gr.jp。
・ Factivaや日刊薬業など、ニュース記事データベースも情報ソース・ツールとして有効であった。
演題4.「G-CSF製剤の作用機序について述べた文献」
【演題希望の背景】
生体内物質として存在し、製剤として使用するようなものを検索する際に製剤の文献のみに絞るのは難しいと思われる。製剤のみの文献に絞る方法としてより良い手法があれば学びたいとの理由から演題に取り入れた。
【参加者の使用ツール】
医中誌Web、JDream2、iyakuSearch、PubMed、Medline
【検索方法】
・ Dream2では「G-CSF*作用機序」で検索。
・ 医中誌Web、PubMed、Medlineでは「G-CSFのシソーラスを薬理学というサブヘディング で限定」で検索。
※ 薬理学のサブヘディング で限定して結果を出力している方や、さらに作用機序がタイトルにあるものに絞っている方などさまざまであった。
【検索のポイント】
・ テーマが作用機序である為、薬剤のキーワードを薬理学のサブヘディングで絞るという手法がベストであると思われた。
・ 生体内物質を除き製剤の文献のみに絞りたい場合は、薬剤のキーワードを治療的利用、投与のサブヘディングで絞るという手法が良いと思われた。
【結論】
今回のテーマを作用機序にした為、背景に沿った結果は得られなかったが、サブヘディングの上手な活用がHit文献を得るのに重要であるということが改めて分かった。
記入者:戸上 康弘
開催日時: 2008年9月18日(木) 15:30〜17:30
開催場所: 国立情報学研究所(NII) 20階実習室
配布資料: 「NIIの学術コンテンツサービスの概要」、「NII学術コンテンツポータル-GeNii-」、
「GeNii検索課題集と解答」、各種パンフレット
参加人数: 23名
内 容: 「NII学術コンテンツサービスの紹介」
総合進行 国立情報学研究所 佐藤 秀 氏
講演者 国立情報学研究所 細川 聖 氏
1. NIIの学術コンテンツサービス
(1)国立情報学研究所の使命と業務
研究教育機関として情報学研究と大学院教育を行うこと。事業として大学、研究機関と連携し、学術情報の流通のための先端的な学術情報基盤の開発と整備を行なうこと。
(2)最先端学術情報基盤-CSI(Cyber Science Infrastructure)の推進
コンピューター資源、データ共有のための整備を行い、全国の大学・研究機関で学術情報ネットワーク(SINET3)を構築し、その上でコンテンツやデータベース、人材・研究グループを共有する事業を推進している。SINETは2007年4月からの運用開始。
(3)次世代学術コンテンツ基盤の構築への取り組み
NIIの提供する学術コンテンツポータルGeNiiと並んで、学術機関機関レポジトリの構築と連携を支援して、双方のコンテンツを合わせて一大学術コンテンツを形成し、さらにその学術コンテンツを発信して一般利用者が使えるようにしている。
例えば大学図書館との連携で総合目録データベース「NACSIS-CAT」を構築しているが、これで調べれば全国の大学図書館などに現在どのような学術資料が所蔵されているかが分かる。
他に学協会や他機関と連携して様々なコンテンツ事業を進めている。
講演者 阪口 幸治 氏
2.GeNii(NII学術コンテンツ・ポータル)の概要と各検索システム
様々な情報を1パスで容易に検索できるポータルをインターネット上で提供している。http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp
CiNiiで一部有料のサービスがあるがそれ以外は無料で利用できる。
(1)GeNiiの「まとめて検索」 統合検索-
適当なキーワードで4つのデータベースを横断検索。
(2)「CiNii」論文情報検索- 3487誌から収録した309万論文を検索でき、本文へのリンク機能あり。
他の特徴としては、論文の引用情報(引用文献と被引用文献)が調べられる。また2000年4月から「Google scholar」でした結果でCiNiiのデータがヒットするようになった。これによりCiiNiiのアクセス数、登録ユーザー数や参加機関数が大幅に増加した。
有料部分の料金体系は@Pay per View方式
A個人IDログイン方式(登録料+従量制コンテンツ利用料)B機関向けサービス(所属人数による定額料金制)がある。
(3)「Webcat
Plus」図書・雑誌情報:書誌事項などによる「一致検索」と思いつくキーワードや文章を入れるユニークな「連想検索」がある。大学図書館などに所蔵の学術資料を検索する。
(4)「KAKEN」研究課題・成果情報:1965年以降文部科学省科学研究費補助金で採択された課題と成果(研究報告)が検索できる。簡易検索、詳細検索、ディレクトリー検索画面を備えている。
(5)「NII-DBR」専門学術情報:国内の各種専門データベースを横断検索して専門学術情報を探す。
各種データベースには「博士論文書誌情報」などがある。データベースを選択して検索もできる。
3.実習
検索課題集を用意してもらい各自PCで検索実習をした。
例題は、概要であるが次のような例があった。
・ 「統合検索」を利用して作家名でどのような情報があるか検索。
・ 「CiNii」で、文献検索、抄録の確認、引用情報検索。
・ 「Webcat
Plus」で、資料の所蔵情報の確認、「連想検索」であるテーマに関して関連書籍を検索。
・ 「KAKEN」で、研究課題の検索と概要の確認。
・ 「NI-DBR」で、各専門データベースでの情報確認、博士論文の検索。
今回は国立情報学研究所のご協力により同研究所に会場を提供頂き、講演と共にPCで検索実習の機会を
提供いただいた。GiNiiには自由にアクセスできるものの、内容を詳しく知らないデータベースや概要、背景などを説明してもらい各自の理解が深まった。商用データベースなどと共にインフォプロとして重要な情報源であることを確認した。
記入者:石神 祥子
開催日時: 2008年7月17日(木) 14:00〜17:00
開催場所: 社団法人 化学情報協会 会議室
資料: 「STNライフサイエンス系ファイルの強化 2007 年 6 月〜2008 年 7 月分」
参加人数: 11名
内 容: 「STN ライフサイエンス系ファイルの強化」
社団法人 化学情報協会 石神 祥子
1.ライフサイエンス系ファイルの強化
(1)BIOSIS ファイル
リロード
2007 年 6 月にリロードされ、1926〜1968 年の約 180 万件のレコードが追加収録された。遡及追加されたレコードにも現行の索引が付与されているため、同じ索引で検索が可能。
このリロードに伴い、TOXCENTER ファイルの
BIOSIS セグメントもリロードされた。
(2)EMBASE/EMBAL/LEMBASE ファイル
リロード
2007年9月,2008年3月にリロードされ,主に下記の点が強化・変更された。
・ レコード番号形式の統一
・ 著者名 (/AU) と所属機関名 (/CS) の組み合わせ表示
・ 収録源 (/SO) フィールドでの編集者名、会議名と開催日の表示
・ シソーラス構成の変更 (最下位の EMTREE 語の上位語の表示、EMTREE コードの削除)
主題限定検索機能の強化
主題に限定したい統制語の前にアスタリスク (*) を付けることにより、複数の統制語を利用する際に主題となる統制語を指定できるようになった。
(3)MEDLINE ファイル
リロード
2008 年 1 月にAnnual Reloadを完了し、全レコードが 2008 年版 MeSH に対応した。このリロードに伴い、練習用ファイルの LMEDLINE や TOXCENTER ファイルの MEDLINE セグメントもリロードされた。
・ 新規ディスクリプタ 456 個
・ 新しい用語に置き換えられたディスクリプタ 288 個
・ 削除されたディスクリプタ 46 個。
Current List of Medical Literature (CLML) から、1949 年の文献がOLDMEDLINE セグメントのレコードに追加された。また、PA (Pharmacologic Action) と資料種類 (/DT) が追加された。
(4)IMSPRODUCT ファイル
2008 年 2 月にリロードされ、下記の点が強化・変更された。
・ CAS 登録番号が付与された (REGISTRY ファイルとのクロスオーバー検索、表示)
・ 化学物質名フィールドが Trade Name (商品名) と Chemical Name (一般名) に分割された
・ 基本索引 (/BI) で中間一致と後方一致が可能になった
・ ファイルセグメント (/FS) フィールドが削除された
(5)IMSRESEARCH ファイル
2008 年 5 月にリロードされ、下記の点が強化・変更された。
・ 統制語 (/CT) フィールドに医薬品の起源と投与経路の情報が追加された
・ 基本索引 (/BI) で中間一致と後方一致が可能になった
・ 入力日 (/ED) フィールドと更新日 (/UP) フィールドの表示と検索が可能になった。
2.CAS FILES の強化
(1)CAplus/CA ファイル
索引関連の強化
・ 特許実施例中の Prophetic 物質の索引の開始
・ 新規 CAS ロール PRPH の新設
・ 1966 年以前のレコードに CAS 登録番号を遡及付与
・ 1906 年以前のレコードに索引を付与
・ CAplus/CA ファイルで索引対象とする配列情報の収録方針の変更
その他
特許収録範囲が拡大し、CAplus ファイルに伝統薬に関する特許が収録されるようになった。
(2)REGISTRY ファイル
2007 年 9 月より 1H-NMR スペクトルデータの収録を開始した。また、主に核酸・タンパク質のレコードに生化学関連情報の参照文献タグ (ETAG) が追加収録された。
REGISTRY ファイルに収録されている化学物質の数が 9,000 万件を越え、2008 年 1 月より、新規レコードの
CAS 登録番号は 10 桁 (XXXXXXX-XX-X) になった。
3.インターフェースの強化
STN Express
STN Express V8.2 および V8.3 がリリースされ、無料でダウンロード可能になった。これまで報告された不具合の解消や他のインターフェースとの連携が強化された。
STN on the Web
新しい構造検索用 Plug-in、および新しい配列検索用
Plug-in がリリースされた。
2008 年 7 月に STN AnaVist V2.01 との連携が可能になった。
記入者:松前 奏子
開催日時: 2008年6月12日(木) 14:00〜16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
資料: 「MeSH for Searchers」、配布資料:「MeSH for
Searchers リンク集」、 「MeSHサブヘディング 階層リスト」、 「練習問題」
参加人数: 27名
内 容:「「MeSH」「NLM」「米国医学図書館総会」などの紹介」
東京慈恵会医科大学 学術情報センター 阿部 信一 氏
1.「MeSH」について
・Medical Subject Heading[MeSH]とはアメリカの国立医学図書館(NLM)が作成しMEDLINEなどのデータベースでシソーラス(統制語)として利用される。
例として、癌についての論文中でneoplasmやcancerなど用語が統一されていなくても、PubMed索引者は癌のMeSHであるneoplasmsを付与し、PubMed検索者はそのMeSHを用いて検索できる。
・MeSHの基となったのは、索引誌Index
Medicus[IM]の前身であるCurrent List of Medical Literatureのために1954年に作られた見出し語集であり、1963年以降毎年用語の追加・削除などの改定がなされ2008年版の収録語数は24,767語に上る。
MeSHは現在分野ごとにアルファベット順のカテゴリーに分かれており、解剖[A]から地理[Z]まで16ある。
・MeSHは階層構造(Tree Structure)になっており、
Digestive System Diseases (消化器疾患)
↓
Gastrointestinal Diseases (胃腸疾患)
↓
Stomach Diseases (胃疾患)
↓
など一般的な広い意味の用語から特定の狭い意味の用語まで最大11階層になっている。
・MeSHでは各用語に共通性の高い80余語を副標目(サブヘディング)とし、MeSH用語(主標目)をより限定するための補助的キーワードとして組み合わせて用いる。サブヘディングは1980年以降有効である。
例えば「心臓疾患に関する治療法」はHeart Disease[MeSH]とサブヘディングである“drug therapy”、“radiotherapy”、“surgery”の組み合わせが可能である。
またMeSH Browser(リンク集参照)のMeSH Descriptor DataでMeSHと組み合わせ可能なサブヘディングを参照できる。
・論文にはその主題にあった最も適切なMeSH用語が索引される。特定の1語がなければ、適当な用語とサブヘディングを組み合わせて索引し、サブヘディングとの組み合わせでは難しければ、複数の用語を組み合わせて索引する。索引の際、組織・部位の用語よりも疾患の用語が優先される。
・チェックタグ(Check Tags)
種、年齢、性別を表すMeSH用語はCheck Tag(チェックタグ)と呼ばれ、論文に記述があればすべて付与される。論文中の人や動物の性別の区別には、"male"と"female"というチェックタグを用いるが、MeSH用語には"Men"と"Women"もありこちらは社会的、文化的、政治的な傾向が強いときに用いられる。
・NLM MeSH BrowserにおいてはHistory
NoteとOnline Noteに注意する。History
NoteにはそのMeSHができた年とその前に用いられていたMeSHが記載され、Online Noteにはその前後の検索で用いるMeSHについて示唆している。古い文献を検索する際には留意されたい。
2.「2008年版MeSH」について
・2008年版MeSHは新設語 456語、変更語 288語、削除語
46語でディスクリプタ数 24,767語である。
本年は変更語の数が多く、組織や細胞関係以外の用語に動きがあった。
変更が多かった分野はカテゴリー[A]心臓血管系、[B]大腸菌関係、[C]白血病関係、[D]アミノ酸・ペプチド系、酵素系、[E]レーザー治療、[I]NIH内の政府機関である。
・Publication Typeについて、2008年はInteractive Tutorial(対話型テュートリアル) とIntroductory
Journal Article(解説記事)が新設された。
従来はランダム化比較試験の論文はRandomized Controlled Trial[Publication
Type]とRandomized Controlled Trials[MeSH]があり、索引者の誤解を招く恐れもあったが、2008年版では論文の主題を表すMeSH用語については”as Topic”を語尾に付けた表現にすべて変更された。これによりPublication
Typeは変わらないがRandomized Controlled Trials as Topic[MeSH]が付与される。
またMeSH改定に伴いEntry Combination(スライド33参照)も変更された。
3.「NLM」「米国医学図書館総会」について
2008年5月16-21日に米国ChicagoにおいてMLA Annual Meeting and Exhibitionが開催された。
Index Sectionの年間事業報告・計画によると2007年度は671,000件の新規データを索引し、49,000件の遺伝子情報へのリンクを作成した。2007年度MEDLINEには423誌が新規収録され、収録誌の12%は電子のみでデータを受領し、現在は約5,200誌が収録されている。
2008年度は700,000件の新規データを索引、72,000件の遺伝子情報へのリンクを作成予定である。
現在、MEDLINE/PubMedを自国語で検索できる米国国立医学図書館(NLM) MEDLINE/PubMed多言語検索プログラム BabelMeSHが進行している。13言語で利用可能である。
開催日時:2008年5月22日(木) 14:00〜16:30
開催場所:慶應義塾大学信濃町メディアセンター(北里記念医学図書館) 第一會議室
配布・説明資料:「信濃町メディアセンターの概要」、「Keio University Media Center Bulletin」その他、「国内の診療ガイドラインとMindsなど」
参加人数:14名
内 容:「慶應義塾大学医学部信濃町メディアセンター訪問」「国内の診療ガイドラインと『Minds』などについて」
T.「慶應義塾大学医学部信濃町メディアセンター(北里記念医学図書館)の紹介と見学」
慶應義塾大学 信濃町メディアセンター 酒井 由紀子 氏
1.信濃町メディアセンターの沿革とサービス概要のご紹介>
信濃町メディアセンターは慶應義塾大学の6つのキャンパスにあるメディアセンターの1つで、キャンパス内には医学部、看護医療学部と各大学院の教育課程機関と大学病院がある。
図書館は1937年に初代医学部長の北里柴三郎博士の功績をたたえて北里記念医学図書館として建築され現在に至っている。蔵書数は約39万冊。雑誌は印刷体で約2000誌、電子雑誌で7000誌を収集。印刷体で一番多い時には4000誌あったが2005年から電子雑誌へのシフトを強化していて印刷体の購読が減少してきた。蔵書や予算は、医学専門図書館の中で、医学分野の外国雑誌センターである西の大阪大学生命科学図書館に並ぶ次ぐ程度の規模。
サービスは、学生、職員、卒業生のみならず医学関係者を対象に広く行なっている。電子雑誌の充実に伴い、相互貸借の貸し出しや複写の件数が減少している。依頼検索の件数も「PubMed」、「JMedEDplus」、「医中誌Web」などを利用者自らが検索できるようになったため1990年代後半から激減した減少している。
利用者教育を重視していて、学生、教職員のオリエンテーリングション、「医学文献情報検索」「EBMとその応用」などのテーマの授業での実施や支援の組み込み、各種セミナーの実施などで内容を充実している。ホームページでも、電子雑誌、データベースなどへのアクセスやお知らせを入れて利用者にサービスを提供。すでに文献複写オーダリングの電子化などは行なっているが、さらにFAQサイトの創設などを計画している。
2.見学
この後実際に、図書館を見学した。多数の学生や医師の方が利用されていた。蔵書は、書籍、雑誌などがたくさんあるのにも驚いたが、新着雑誌のコーナーが電子化の波を受けて昔よりスペースが小さくなってきたということだった。また、利用者用のPCが図書館内にきちんと装備されていて、さらにPCから情報を得るためのノウハウ、例えば、データベースのマニュアル類が印刷でもホームページでもすぐに手の届くところに備えられていた。伝統ある建物の中で、多数の蔵書と最新のIT技術を融合して利用者にサービスを提供されているのに感心した。
Q:エンドユーザー検索が増加しているが、果たしてユーザーは正しい検索方法を行なっているか?
A:実際に確かめることはできないが、利用者教育に力を入れて正しい検索知識と技術の普及に努めている。
Q:印刷版が減っているということだが、重複を排除するのではないのか?
A: 電子ジャーナルのみに積極的に置き換えている。
U.「国内の診療ガイドラインとMINDSなどについて」
(財)国際医学情報センター 鈴木 博道 氏
1.「Minds(Medial Information Network
Distribution Service)」の概要
提供元:日本医療機能評価機構(JCQHC) URL: http://minds.jcqhc.or.jp/index.aspx
開始年:2004年よりWebで公開。(アクセスするのには登録が必要。)
内 容:
検索方法: 器官部位別または領域別のディレクトリーをたどって疾患名を探すか、目次の中から該当のものを探す。
特記事項:ガイドラインは全部ではなく一部のみの収録。原文入手はリンクから見られるものもあるが市販の書籍になっているものはリンクがない。リンクで見られるものには古いガイドラインが混在していて必ずしも最新のものではないので注意する。
Q:最新の診療ガイドラインを探すのには他に方法はあるか?
A:東邦大学医学メディアセンターにガイドラインのホームページがある。
→ http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/guideline/
2.日本の診療ガイドライン策定の経緯や特殊事情
記入者:戸上 康弘
開催日時: 2008年4月17日(木) 14:00〜16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「明日の新薬 新WEB 説明会」、(資料) 「PROUS SCIENCE Integrityパンフレット」、
「IntegrityについてのFAQ一覧」、「Integrity説明用PPT」 (1-1, 1-2, 2, 3, 4-1, 4-2, 5 )
参加人数: 19名
内 容:「明日の新薬Webの紹介」、「Prous Science Integrityの紹介」
T.「明日の新薬Web」
(株)テクノミック 大塚 洋平氏
「明日の新薬」は1982年創刊。開発薬情報ではPharmaprojectsに次いで長い歴史を持つ。最初は国内版のみであったが国際版、国内版、国際版を統合した統合版もので1997年JIP e-infostreamでデータベース提供開始。また現在はWeb版を提供。
1.データの構成と内容:
更 新:毎週(金曜日深夜〜土曜日早朝)。
レコード数:14, 664件。(開発中、中止、中断含む) (2008.4.17現在)
収録開始年、対象: 1980年以降、国内および海外の開発薬剤を収録。新規化合物を対象。
国内開発に関しては、新効能、新投与経路、新剤型の情報も対象としている。
情報源: 学術雑誌、学会抄録、新聞・業界誌、プレスリリース。製薬企業にアンケート調査も実施。
内 容:「薬剤プロフィール」の概要は、薬名情報、特許、薬理・薬効、起源・特徴、開発段階、開発会社、開発国、適応症、剤形、投与経路、開発の経緯、市場情報など。(*「最高ステージ」は、世界で一番進んでいる開発段階を示す。→ 国内や特定の適応症に限定した開発段階ではない。
*特許は網羅的に収録していない。)
特 徴:@海外の開発系データベースと比較して国内開発情報に強い。レコードの記述も日本語。
Aレコードを「全体」、「海外」、「国内」に区別して収録。検索も対象に応じて選択できる。
Bさらに「国内」開発情報では、医薬品分類と適応症ごとに別レコードとして作成。「海外」開発情報では、開発国と適応症ごとに作成。そのため特定の医薬品分類や開発国に限定して検索する場合、精度の高い検索が可能。
C薬剤(国内)ごとに「開発経過一覧」を表形式で表示してファイル出力できる。
2.検索
Webからログイン。
(1)「簡易検索」:「薬名」か「全文検索」で検索対象を選んでから、思いつく検索語を入力して検索。
(2)「項目検索」と「組み合わせ検索」:
「項目検索機能」− @検索対象を「全体」、「国内」、「海外」かを選択して A 「検索項目」(薬名、会社名、ステージ、適応症、薬効87、薬効ATC、剤型など)を指定して、思いつく言葉を入力して「一覧」ボタンをクリック。B 検索語リストが出るので該当のものを選択して、「>>」ボタンをクリックして「条件リスト」に加える。
「組み合わせ検索」機能− C条件を順次リストに加えることができる。各条件は1行ごとに集合番号がついている。D複数の行を「CTRL」キーを押しながら選択して、各行の条件を「AND」「OR」「NOT」で検索を実行する。
(3)「全文検索」:思いつく検索語を入力して、レコード全文を検索する。
(4)「日付検索」:データ登録、データ更新、ステージ更新の年月を指定して検索する。
(5)「構造式検索」:化学構造式の部分構造検索可。Plug-in Soft:ハンプデン社StructureDrawing入力要。
3.出力
(1)検索結果から、薬剤プロフィールの全文表示とWordファイル形式で一括ダウンロードが可能。
(2)化学構造式を含めた一覧表の表示もでき、Excelファイル形式でダウンロードが可能。
表示項目は選択画面から指定でき、デフォールト設定も可能。
4.その他の機能
(1) 「開発経過一覧」薬剤の開発経緯を時系列の表にして、開発のスピードや経緯を確認する。
Excelファイル形式でダウンロードが可能。
(2) アラート(SDI)機能:検索条件を設定してメール配信するサービスはない。「画面トップ」に更新情報をのけンス表示とリンクがあるので毎週確認する。あるいは「日付検索」などを用いて過去に遡って確認する。
5.バージョンアップ計画
検索画面の見直し(現在は「国内」「海外」「全体」に分かれる)、アラート方法などの検討を行なっているが、可能なものは2008年秋以降にリリースする予定。
Q: 開発段階の表示で「中断」の定義は?
A: 3年間を基準として開発の動きがないものを「中断」としている。
U.「Prouse Science Integrity」
プロウスサイエンスジャパン(株) 椚 則夫氏
会社概要:ProusはスペインValceronaに本拠を持ち、昨年よりThomsonの傘下に入った。また4/17ThomsonはReutersを吸収して新会社ThomsonReutersが発足したことをプレスリリースした。
定期刊行物は現在「Drugs of the Future」を刊行。「Integirity」は開発品情報のみならず7つの知識分野を持つ統合型のデータベースで、製薬企業、省庁、教育機関、病院など世界的に提供している。
1.データの構成と内容:
更 新:毎日
レコード数: 生理活性物質 279,541、 薬理データ 693,875、PKデータ 357,870、特許ファミリー 106,237、文献データ 823,289、標的データ 2,056 、ゲノムデータ 7,719 (2008.4.11現在)
情報源: 特許、学術雑誌1500誌、学会情報、プレスリリース。製薬企業や研究機関の動向調査も実施。
内 容:「薬剤レコード」の項目は、同義語、化学構造式、薬理・薬効、開発会社、製品概要、開発段階、適応症など
特 徴:@開発品情報だけでなく、7つの「Knowledge Areas」(知識分野)を自由に渡って検索と情報の取出しができる統合型のデータベース。
A検索結果から「Filters by Statistics」をクリックすることで傾向分析して表に可視化。注目する部分をクリックすると具体的に該当の情報が確認できる便利なリンクシステムが整備されている。
B特許の全文PDF、FDAやEMEAの新薬承認申請書全文へのリンク、契約電子ジャーナルへのリンクを備えている。
C毎日更新で収載までのタイムラグが少ない。
初期画面: 大きく縦に3分割。左側が「Knowledge Areas」選択ボタン、中央部「Today’s Highlight」(本日のハイライト記事)と「Conferences」(学会情報)、右側が「Weekly Highlight」(今週のハイライト記事)
検 索:
(1)「Knowledge Area」の選択から検索項目を指定しIndexの中から検索語を選んで検索する。
1)「生理活性物質」、「標的薬理」、「ゲノム」、「バイオマーカー」、「合成」、「薬理」、「薬物動態」、「臨床試験」「疾病」「会社、研究機関」「文献」「特許」の12分野から選択。
2)「Select Value」で検索語の対象項目を選定(「薬名」「薬効」「適応症」「薬理」など)
3)「Index」ボタンをクリックするとディレクトリー形式で検索語のリストが出てくるので該当のものを選択
4)2)〜3)の要領で複数の検索語を選んで各行を「AND」「OR」「NOT」を指定して掛け合わせ検索可。
5)「Under active development」指定で18ヶ月以内で開発の動きがあったものに限定して検索ができる。
(2)化学構造式検索−Knowledge Areasの「Organic Synthesis」(合成)で検索できる。部分構造検索、完全一致検索、相似検索ができる。描画ソフトのインストールが必要。(MDL® Draw 、MDL® ISIS/Draw 、
ChemAxon Marvin Applet、CambridgeSoft CS ChemDraw™ Plugin)
(3)初期画面からのフリーワード検索、その他の検索。
初期画面の中央部に「Quick Search」(フリーワード検索)、「Drug Name Search」(薬名)、「Gateways to Development Status」(開発段階)の検索語ボックスがあるのでこれに入力またはIndexから対象を選択して検索。
3.出力
フルレコード、一覧表は全て印刷可能。ファイル出力も「Export Center」から出力項目、フォーマットを指定して4つのファイル形式に出力できる。(word,excel,Bizint,SDFile)。化学構造式もファイル出力可。
4.その他の機能
(1) 「Targets & Pathology」分野での検索結果から、該当の標的と他の標的との相関図が見られる。
(2) 「Genomics」分野での検索で、実際の塩基配列を使って検索できる。
(3) 「Images & Pathways」のリンクがあるものは、動画情報(音声付)で病態やメカニズムを確認できる。
(4) 「Pharmacokinetics/Metabolism」分野でオプションから「Calculate Mean/Median Values」を選んでAUCやCmaxなどの数値を計算できる。
(5)「Patents」(特許)は本文PDFを用意してリンクで取り出せる。
(6) アラート機能:
検索事例の紹介:各知識分野での事例をpptで説明いただく.
Q: 「Literature」で文献検索結果から一次情報へのリンクは?
A: 施設でサイトライセンスのある雑誌論文はリンクが出るので本文にアクセスできる。
第256回 ライフサイエンス分科会
日本オンライン情報検索ユーザー会分科会 開催報告記録
第256回 ライフサイエンス分科会
記入者:戸上 康弘
開催日時:2008年3月13日(木) 14:00〜16:30
開催場所:ファイザー(株) 会議室
配布資料:「Pharamaprojects Version 5.2 Webの案内」(ハンドアウト)、
「Wolters Kluwer Health|Adis Company Profile」、「AdisInsightのご紹介」( 資料1、サンプル 1、
2、
3、
4、
5、
6 )
参加人数:17名
内 容: 「Pharmaprojects誌の紹介」、「AdisInsight(R&D
Insight とCliniacal Trial Insight)の紹介」
T.Pharmaprojects
(株)資料研究所
平田 敏一郎氏
長尾 明彦氏
会社概要:「Pharmaprojects」は、英国informa healthcare社作成によるもので、(株)資料研究所が日本での販売総代理店である。世界の医薬品業界、規制情報ニュースの「SCRIP」などを提供している。
Pharmaprojectsの経緯:1980年創刊。1990年データベース提供開始。現在40000薬のレコードを収載。
提供媒体は、Web版、CD-ROM版、Print版。(ただしCDは継続契約のみを対象)。
1.データの構成と内容:
更 新:Web版は日本時間で毎週日曜日。
レコード数:40,300件。(開発中 約9000、中止約28,700、上市済約2,600)
内 容:製品名、開発会社、開発段階、開発国、薬理・薬効、適応症、投与経路、作用機序、薬物動態、特許、国別開発段階、新規性、詳細情報(臨床情報、市場情報)。
特 徴: @SCRIP(ニュース)、Citeline(臨床試験情報)、ERA
News・RAJ・GCP Journal(規制、GCP情報)などの豊富な情報源を最大限に活用してレコードを更新。
A細分化した薬効・薬理の分類、および適応症や投与経路の厳密な索引で、精度の高い検索が可能。
B特許情報も収録。ただし特許は網羅的に収集していない。ライセンシング情報も充実。
2.検索
Webからログイン。(専用ソフトのインストール要。)
(1)「Drug Profile Search」:「薬名」、「薬効」、「対象疾患・領域」、「企業名」、「国」、「開発段階」などがディレクトリー形式で検索候補語が出るので該当のものを選択して検索実行。複数の検索語を選択し、「AND」「OR」「NOT」の演算子や「括弧()」を指定して掛け合わせ検索もできる。
(2)構造式検索:CASDrawを使用。MDL ISIS/DrawやChemDrawで作成した構造式の読み込み検索可。
(3)「Standard Search」:「会社名」「薬効分類」「最新更新情報に限定」「新規登録された薬」の検索対象を限定して、出てくる候補語を指定して検索する。
(4)「Quick Search」テキスト検索。思いついた言葉を入力して全文検索をする。
3.出力
DrugProfileの全文表示、「Report Table」検索結果の一覧表表示、結果のグラフ表示が可能。
一覧表やグラフ(棒、円、折れ線表示)はファイル出力もできる。
4.その他の機能
(1)「Company Profile Search」(会社概要検索)
(2)データ分析とグラフ出力機能を活用してプレゼン資料に活用できる。
(3)アラート(SDI)機能:検索条件を設定してメール配信するサービスはない。「Standard Search」の中に更新情報を確認する「Alert」ボタンがあるので毎週確認あるいは過去に遡って確認ができる。
Q: 特許は何を基準に収録しているか?
A: 説明で伝えたように網羅的に収載していないが、米国Orange Bookに収録している特許は最低収載するようにしていることとinfarma社提携の特許データベースを情報源として収録している。なおPharmaprojects中の特許のリンクは特許データベース「Micaropatent」(契約要)のデータにリンクしているので詳細情報が確認できる。
Q: Web版、CD-ROM版の料金は?
A: Web版は1ユーザーあたり約150万円/年(消費税込み2008年3月時点)。CD-ROM版は継続希望のユーザーのみに提供。(新規契約はしていない。)
U.「ADIS Insights(R&D Insight とCliniacal Trial
Insight)」
エイディスインターナショナル 大久保雅幸氏
会社概要:「ADIS International」はWalters KluwerHealthグループの1つの会社で、新薬の総説で定評の「Drugs」誌の出版、リプリントの販売、ADIS Insightsなどのデータベースの提供などを行なっている。「ADIS Insights」は「ADIS R&D Insight(RDI)」(開発品情報)と「Clinical Trials Insight(CTI)」(臨床試験情報)の2つのデータベースからなる。
R&D Insight
1.「R&D Insights」のデータ構成
更 新:毎週月曜日。
レコード数:2007年末、23273件収録(うち開発の動きがあるもの43.8%、ないもの56.2%)。
内 容:データは、薬物ごとのレコードで、薬名と同義語、起源・開発会社、開発段階、開発状況(各国、適応症)、開発経緯が盛り込まれている。
特 徴:「ADIS Evaluation」の項目で臨床試験デザイン(100点満点)と試験の新規性(3段階)で評価をしている。また、副作用や臨床の内容はリンクになっていて出典が分かる。特に臨床試験内容は「CTI」のレコードにリンクして、試験デザインや試験結果などを一覧表で見られる。
2.検索
(1)基本検索:Webでログイン。検索画面で、まず検索したい検索語を入力してブラウジング機能を利用して候補語の中から検索語を選択する。さらに選択した検索語を「AND」「OR」「NOT」の演算子でつないで検索を実行する。
検索項目は、「Organization」(組織名)、「Development」(適応症、開発段階、国名)などがある。
(2)全文検索:検索項目で「Full Text」を選択すると、直接、検索語を入力して検索できる。
(3)化学構造式検索:対応していない。
3.出力
(1)モノグラフは、印刷、HTMLファイル出力可能。
(2)検索結果一覧の作表機能(「BizInt WebChart」のインストールが必要。)
EXL,Word、HTML、CSV、txt形式で出力可。@化学構造式の読み込み可。A薬名から本文レコードへのリンク設定が可能でリンクを契約団体内で自由に活用できる。B出力項目はカスタマイズできる。
4.その他の機能
(1)「Company Profiles」:200社以上の製薬企業の会社概要が見られる。
(2)「Push Mail」:毎週月曜日に更新情報をE-Mailで配信。今年から複数の配信先指定が可能になった。
Clinical Trials Insight
1.データの概要と構成
情報源:雑誌で公表された臨床試験論文、学会、メディアリリース
領 域:全26領域。(
Oncologyなど広範囲なものから、Anxiety Disorderなど狭い範囲のものなど様々)別個に契約が必要。
内 容:薬名と対象疾患(試験名があれば併記)をタイトルとしてレコードがまとめられている。試験目的、試験デザイン、フェーズ、参加施設の国名、エンドポイント、被験者 情報、試験結果、副作用、関連文献など
特 徴:投与量、期間、経路などは表で可視化。試験デザインと新規性をADISで独自に評価して表示。関連文献は、「Best Evidence」「Supporting Evidence」「citation」「Ongoing Trial」に分類。
2.検索
検索語の分類から対象の分類を選んでから、思いつく言葉を入れてBrowseボタン候補語を選び候補語を指定して検索実行。複数の検索語の選択と掛け合わせは「R&D Insight」と同様。
分類は、薬名、薬効名、対象疾患、情報源、薬物動態、全文、非薬物療法、被験者、試験、評価の10種の大分類になっている。
3.結果の表示
臨床試験のサマリー表示と検索結果一覧の作表が可能。ファイル保存も可能。
記入者:山田 知弘
開催日時: 2008年2月21日(木) 14:00〜16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「シソーラス改訂について」、「シソーラス改訂に伴う登録式移行と3月のユーザSDI配信」、「JDreamUのメンテナンスについて 1) 、2) 」
参加人数: 25名
内 容: JSTシソーラスの改訂について
山田 知弘氏
JSTシソーラスとは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が作成している約40,000語にのぼる科学技術分野の検索用語集です。 このシソーラスの用語の中からJDreamUに搭載されているJSTPlusやJMEDPlusの各記事に原文献の主題を表す言葉を「シソーラス用語」として付与しています。 シソーラス用語は階層構造を持っており、その用語の下位概念の用語も含めて検索しますので、ノイズを抑えながら網羅性の高めた検索が可能です。
前回の改訂が1999年にありましたが、時代の変遷により階層構造の変更や用語の言い換え等が発生し、更には科学技術の進歩により新たな概念が生まれている事から、2008年に9年ぶりとなる改訂をおこなう事になりました。
今回は、旧シソーラスから新シソーラスへの移行をスムーズに行って頂く為に改訂の概要と作業及びスケジュールについての紹介をしました。(最後に新サービスも簡単に紹介しました。)
<概要>
1.改訂の概要
改訂の必要性、基本方針から用語及び階層の変更点等を説明しました。詳細は、「シソーラス改訂について」を参照下さい。 以下、主な質問と回答です。
(質問)
標題や抄録中の用語も変更になるのか?
(JST回答)
今回の改訂対象は、索引部分のみになりますので変更ありません。
2.改訂の作業及びスケジュール
登録式の移行、変換ロジック、移行後登録式の検証方法等について説明しました。 詳細は、「シソーラス改訂に伴う登録式移行と3月のユーザSDI配信、JDreamUのメンテナンスについて(別紙1、2)」を参照下さい。
以下、主な質問と回答です。
(質問)
ED(データアップデートの日付)の代替策は?
(JST回答) 完全に一致するわけではありませんが、RG(レンジ)を使って期間を特定することは可能です。
ただし、レンジは書誌のみの文献には付かないので注意が必要です。
(質問)
EDがリセットされてしまうという注意事項の連絡は?
(JST回答)
EDについては、研修会で集合保存の代替として紹介している事もある為、何らかの対応が必要と考えております。
対応方法の見通しが立った段階でJDreamUトップページの「お知らせ」よりお客様へ連絡したいと思います。
(質問)
ユーザSDI配信が検証用環境と本番環境で配信されると、どちらかわからなくなるがタイトルなどで区別できるようになるのか?
(JST回答) タイトルで区別できるようにします。
(質問)
ユーザSDI(月次)ユーザが28日の配信を見て、検索式の確認修正ができないが代替策は?
(JST回答)
件数の評価はできませんが、ユーザSDIの検索式を使って、99シソーラス・08シソーラスの研修ファイルで検索をしていただければ、
おおよその傾向は見ることができます。
(質問)
研修ファイルは、最新のデータが入っていない等の内容の偏りがあると、ヒットしなくなってしまうが、研修ファイルはいつ頃のデータが入っているのか?
(JST回答)
研修ファイルは検証環境・本番環境ともに、1992年〜2002年及び2006年のデータから満遍なく抜き出されています。
(質問)
ユーザSDI(月次)ユーザの検索式の確認・修正方法は?
(JST回答) 以下の対応方法にて対応いただきたいと考えています。(併用も可能)
@ 3/31以降に本番環境で修正
ユーザSDI3/28配信分の結果(本番環境・検証用環境)を確認の上、3/31以降に本番環境ユーザSDI検索式の修正をお願いします。
4/25までに修正いただければ、確実に次回4/27の配信に反映させることが可能です。
なお、3/30には、最終更新日付に応じて本番環境・検証用環境いずれかの検索式が削除されてしまうので、
念のため両検索式を3/27までにお手元のテキストエディタ等への保存をお願いします。
A 検証用環境のみ検索頻度を隔週・毎週等に変更する
検証用環境のユーザSDI配信の検索頻度を隔週・毎週等に変更することで、検証用のユーザSDI配信のみの配信頻度の変更が可能。
必要に応じて検索頻度を変更し、ユーザSDI配信結果の確認を行ってください。
B営業による検索代行
@、Aの方法では対応が不可能な場合や、不明点等ありましたら、JST営業担当が直接お客様と相談の上代行検索など必要に応じて対応いたします。
3.新サービスの紹介
2008年版シソーラス冊子体、文献情報可視化サービスAnVi seers、研究者マトリックスの紹介をしました。詳細は、http://pr.jst.go.jp/index.html を参照下さい。
記入者:田中 早苗
開催日時: 2008年1月24日(木) 14:00〜16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「Dialog UPDATE 2007」テキスト、各データベースの特徴のまとめ
参加人数: 12名
内 容:Dialog Update2007
「オンライン情報源での学会要旨&ポスター発表の検索−バイオメディカルサーチャーにとって重要な情報源の調査−」
田中 早苗氏
2007年10月開催Dialog UPDATEセミナーでのB. Snowさんの講演を日本語でご紹介しました。
学会発表は、しばしば研究調査結果や臨床診療の新しい成果に関する詳細データの、最初の公式発表となります。
一般的にこのような重要な情報が、医学系の査読雑誌として出版されるまでには、2-3年の期間を要します。
また残念ながら、その公表率は残念ながらあまり高いものではありません。
そのような状況故、学会発表やポスタープレゼンテーションの情報は、オンライン調査における課題として注目されています。
しかし残念ながらこの問題についての結論を得ることは困難です。
実際にはどのデータベースが個々の学会発表について、最もタイムリーで実用的な情報を収録しているでしょうか?
このセッションでは、「Dialog/Datastar」で利用可能な情報源を比較するとともに、Web上から得られる補完的な情報源にもハイライトしてご紹介しました。
<概要>
1.背景
このセミナーでは背景として、何故そのような状況が生じているかといった要因について説明しました。
主な要因としては以下のような項目が挙げられます。
・著者の時間的制約・異動
・研究結果がポジティブなものであるか否か etc.
また、学会発表内容がオンラインデータベースに収録されにくい原因として、以下のような事項があります。
・出版に関する因子:学会発表内容の有用性、コスト的問題、著作権による制約 etc.
・産業的因子:企業の競争力弱体化、法的脆弱性、規制による制限、知的財産保護 etc.
2.主要なバイオメディカルデータベースにおける学会情報の収録状況と検索方法
MEDLINE、EMBASE、BIOSISなどのデータベースについてご紹介しました。詳細は「各データベースの特徴まとめ」を参照ください。
3.最新の学会発表情報のモニタリングに適した情報源
最新情報はニュースレター、プレスリリースなどの媒体で公表されます。そのような情報を収録する情報源として以下の3種のデータベースをご紹介しました。
・Prous Daily Essentials
・Adis Clinical Trials Insight
・PROMT
各データベースの収録の特徴、速報性、検索方法については配付資料「各データベースの特徴のまとめ」を参照ください。
その他に学会情報を提供している、無料のWebサイトを数箇所ご紹介しました。
招聘した各ベンダーのサイトは、 「ライフサイエンス リンク集」をご覧ください。
OUGライフサイエンス部会への要望は、 こちらにメールください。
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