2006 年度 情報検索応用能力試験 2 級

試験問題 解答例 [後半] (2007. 3. 16) (情報科学技術協会オンラインユーザ会化学分科会) 連絡先 ougkagakuyahoo.co.jp

当分科会で作成した解答例です。問題は情報科学技術協会ホームページにあります。
作成に際しては最善を尽くしておりましたが、誤り等のために生じた損害等につきましては責任を持ちませんのでご了解ください。またご意見・コメントがございましたら、ぜひ上記分科会アドレスまでお寄せください。

問 11

1 1 調査の目的は? (特定の文献調査、特定の技術動向調査、先行技術調査)
2 どのような資料を探しているか (本、論文、一般記事、特許など)
3 検索結果の評価
2 1 調査目的によっては専門データベースの利用が好ましい
2 資料によっては別のデータベースの利用が好ましい
3 評価によってキーワードが異なってくる

問 12

1 特定性の強いキーワード、たとえば固有名詞や専門用語、最新の用語などを検索した場合、例: パロマガス湯沸器
2 一般的な頻度の高いキーワード、たとえば広汎な概念の語を検索した場合、例: ナノテクノロジー
3 デスクリプタでない自然語を検索した場合、デスクリプタ付与漏れでもヒットしてくる、例: デスクリプタが「入力装置」である場合に「キーボード」を検索
4 デスクリプタのような統制語でかならずしも文献中で頻繁に使われない語で検索した場合、例: デスクリプタが「入力装置」である場合に「入力装置」を検索

問 13-1

1. 確認事項 どのような内容を知りたいのか、技術情報かビジネス情報か、どのくらいの頻度でウォッチするか、予算はどのくらいか。
2. ツール 技術情報であれば、文献・特許のアラート (SDI)。例: JST のユーザ SDI の登録、Dialog 各種データベースのアラート設定、など。
ビジネス情報であれば、新聞記事などの配信。例: 日経テレコン 21 のクリップメール、ELNET、企業の HP などからの RSS 配信の利用、など。

問 13-2

特徴 FI 日本特有の技術分野や日本が先進している技術など、IPCよる分類では多量の特許文献が集中する技術分野において、効率的に検索を行うことが可能となることを目的として作成された、IPCのサブグループを細分化したを索引である。

以下いずれかの形式で構成された分類である。
  1. IPC完全記号と同形式
  2. IPC完全記号+展開記号
  3. IPC完全記号+分冊識別記号
  4. IPC完全記号+展開記号+分冊識別記号
(発明通信社須藤健次郎氏の解答)
F ターム 文献量の増大及び技術の多様化という技術開発の動向に対し、先行技術調査を効率的に行うために開発された分類。IPCが単一の技術的観点を中心に展開されるのに対し、IPC(FI)の所定技術範囲毎において、種々の技術的観点からを再区分または細区分したもの。
テーマコード5桁+観点2桁+数字2桁にて構成され、さらに付加コードと呼ばれる1文字の記号が設定されているものがある。
FI記号を細かく分類したFSタイプ、FI記号とは異なる観点で区分したFMタイプ、両社を複合したハイブリッド・タイプがある。
(発明通信社須藤健次郎氏の解答)
具体例 FI IPCは約68,00個に対して、FI記号は特許出願の多い分野を中心に約19万個に細分類されており、また、Fタームは同様に約34万個に細分類されており、れらは詳細な技術の検索が可能といえる。
「半導体のイオン注入法」に関する検索の場合、IPC H01L21/265 で検索するとかなりヒットが多い (約 13,000 件) が、この IPC は 39 個の FI 記号に展開されている (例: 保護膜を介するイオン注入、絶縁領域・高抵抗領域の形成、ノック・オン、など) ので、これを用いることにより、適正な回答数となる。
(六車技術士事務所六車正道氏の解答)
F ターム 「半導体のイオン注入法」に関する F タームは 79 個あり、対象製品や製造技術などごとに細分されている。たとえば同じ「イオン注入」でも「回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子」の「製造方法・製造装置」の「イオン注入」、あるいは「物理蒸着」の「被覆処理方法」における「イオン注入」などとなっており、IPC、FI 記号と組み合わせて詳細な検索が可能である。
(六車技術士事務所六車正道氏の解答)

問 13-3

ロール CAplus/CA に索引された特定の化学物質 (CAS 登録番号) および化学物質クラスの語に付与される、反応、生成、毒性などを示す語で、その文献におけるその化学物質の役割を表す。これを CAS 登録番号などと近接演算子で結合して検索すると、その化合物の使われ方が正確に漏れなく検索できる。ただし、ロールの種類によっては途中で廃止されたり、途中から新設されたものもある。また過去のロールは索引のテキストからアルゴリズムで生成しているので、厳密でない場合がある。したがって、漏れが心配な場合は上位のロールを使うなど工夫が必要である。
セクション Caplus/CA に収録された文献の属する化学の分野を示す分類。検索結果をある分野に絞る場合に便利である。ただし、サブセクション (小分類) は年代による変更が激しいことと、1 つの文献には 1 つのセクションしか付与されない (関連セクションは複数付与される) ので、検索の漏れが生じる恐れがある。したがって、あくまで補助的に使用することが好ましい。

問 13-4

1 Dialog MEDLINE の Basic Index は単語のみなので、複合語を使うと 0 件となる
2 MEDLINE では Metabolic AND Syndrome と検索されているため
3 DIALOG: S METABOLIC(W)SYNDROME
PubMed: 検索を Title/Abstract に制限する

問 13-5

1 「情報検索」と「インターネット」に関する図書を検索
2 A: amazon が所蔵する新刊書または古書、タイトルおよび商品の説明が一括で検索できる
B: 国立国会図書館が所蔵する図書、タイトルと件名が別々に検索できる
C: 日本の大学図書館が所蔵する図書、フリーワードで検索するとタイトルと件名が一括で検索できる
3 A: 商品の説明も検索範囲としており、また「情報」と「検索」を分割しているので件数が多い
B: 件名だけで検索しているので、ヒット数が少ない
C: タイトルと件名の両方で検索しているので、ヒット数が多い。

問 13-6

S5 刊行中の図書で米国議会図書館の分類 5, 6 のもの
S6 刊行中の図書で米国発行のもの
S7 刊行中の図書で CCC 登録のもの
黒塗り 刊行中の図書で、米国議会図書館分類 5, 6 のもので、米国発行であるが、CCC 未登録のもの