「情報の科学と技術」 抄録

Vol. 59 (2009), No.3

特集=「第5回情報プロフェッショナルシンポジウム」

特集 :「第5回情報プロフェッショナルシンポジウム」の編集にあたって

 第5回情報プロフェッショナルシンポジウムが,2008年11月13日と11月14日に日本科学未来館7階の3つの会場を使用して行われた。今回で5回目を数える当シンポジウムは,科学技術情報の生産・流通・提供・処理・利用に関連する種々の活動やサービスに関わる研究成果や事業結果の報告およびこの業界が直面する話題・課題の紹介や論議を行う場として,これまで大きな役割を果たしてきた。  今回のシンポジウムでは,荒井寿光氏(知財評論家)による特別講演「どうなる日本の知財戦略−知識社会化の中で日本が生き残るためにー」,トーク&トーク「どうなるインフォプロ!−人材育成および利用者教育−」,1年間の成果を示す研究・事業結果の報告,情報関連企業の製品・サービスを紹介するプロダクト・レビュー,情報交流会,展示が行われた。このうちプロダクト・レビューは,今回のシンポジウムで新たに加えられた企画である。
 研究・事業結果の報告(一般発表)は,プロダクト・レビューのための時間を割くこともあって23件と昨年よりは3件少なかったが,7つのセッションで行われた。特許情報と情報システムの構築を扱ったセッションがそれぞれ2つ,電子情報資源,情報の組織化・活用,情報サービス・活用のセッションである。
 11月14日(2日目)の午後に行われたプロダクト・レビューでは,医学中央雑誌刊行会,エルゼビアoジャパン梶C化学情報協会,科学技術振興機構,国立情報学研究所,潟Tンメディア,潟Wーoサーチ,トムソン・ロイターサイエンティフィック事業部,プロクエスト日本支社,ユサコ鰍フ合計10の機関・企業からの事業報告・紹介が一般発表セッションと同様の形式でなされた。情報技術の進歩・普及および社会構造の変化を受けて,情報関連製品・サービスに関わる活動や事業には大きな動きがみられる。今回のプロダクト・レビューは,データベースフェアがなくなり,われわれがこうした動き・動向を総合的,相互比較的に知る機会が減少している点を踏まえて企画された。発表者と聴講者からの反応はきわめてよく,好評を博したということができよう。
 特別講演,トーク&トーク,一般発表,プロダクト・レビューはいずれも内容的に充実しており,わが国科学技術分野の情報処理・管理・提供に関わる活動やサービスの特徴や問題点,さらには今後のあり方に大きな示唆を与えるものであった。また,情報交流会や展示コーナーでの情報交換は,情報のプロにとって情報やアイディアを得る機会を提供したと考えられる。
 参加者の総数は420名に達し,聴講者の延人数は特別講演211名,トーク&トーク175名,一般発表セッション(13日:866名,14日: 1,056名),プロダクト・レビュー332名であり,また情報交流会には150名が参加した。きわめて有意義なシンポジウムであったといえよう。
 今回の「情報プロフェッショナルシンポジウム」に関する詳細は,JSTのINFOPRO案内ページhttp: //johokanri.jp/infopro.htmlから入手することができる。このURLに購読者番号とパスワードを入力することによって,一般発表,プロダクト・レビューの全文および発表時のスライドデータの一部にアクセスすることが可能である。興味・関心のある会員諸氏のアクセスをお勧めする。なお過去4回のシンポジウムに関しては,同じURLにアクセスすることによって無料で発表内容を知ることができる(購読者番号とパスワードは必要ない)。
 今回のシンポジウムが成功裏に終了できたのは,ひとえに発表者,講演者,聴講者,会場担当関係者のご協力の賜物である。ここに厚くお礼申し上げると共に,今後のシンポジウムにおいても同様のご協力をお願いする次第である。
情報プロフェッショナルシンポジウム実行委員会
 委員長:細野公男 副委員長:土谷久
 委 員:野坂美恵子,手塚久男,徳野肇,大倉克美,平井邦造,山崎久道,山本昭
 事務局:木村美実子,田寺一暁,田村紀光,鈴木吉之

第5回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO2008)開催報告

特別講演「どうする日本の知財戦略」を聴講して

阪上 晃庸
さかじょう みつのぶ サントリー梶@知的財産部
〒135-8631 東京都港区台場2-3-3
Tel. 03-5579-1135(原稿受領 2009.1.18)

一般発表概要

INFOPRO2008 一般発表を聴講して

川村 剛
かわむら ごう 巨村テクノサーチ
〒166-0015 杉並区成田東4-12-12
Tel. 03-5397-9641(原稿受領 2008.12.25)

トーク&トーク:どうするインフォプロ!
−人材育成および利用者教育−(その1:話題提供の部)

トーク&トーク:どうするインフォプロ!
−問われる次世代への責任−(その2:聴講記事)

岡 紀子
おか のりこ (株)住化技術情報センター 情報技術グループ
〒541-0043 大阪市中央区高麗橋4丁目6番17号
Tel. 06-6220-3364(原稿受領 2009.1.14)

プロダクト・レビューに参加して

連載:オンライン情報検索:先人の足跡をたどる(12)
「オンライン情報検索:先人の足跡をたどる」連載の中休み

時実 象一
ときざね そういち 愛知大学文学部図書館情報学専攻
〒441-8522 愛知県豊橋市町畑町1-1
Tel. 0532-47-4467(原稿受領 2009.1.15)
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