情報検索基礎能力試験
情報検索応用能力試験1級・2級

2004年度 解答例


 「東海サーチャー会」が作成した解答例は、会のホームページに掲載して多くの方の参考とさせて頂きました。 しかしながら「東海サーチャー会」は2006年9月末で会を解散することになり、ホームページをクローズすることになりました。

 この解答例は多くの方の参考になっておりますので、「旧東海サーチャー会」のご好意により、INFOSTAのホームページに掲載をさせて頂き、引き続き利用をさせて頂くことになりました。なお、この解答例はINFOSTAの解答ではありませんのでご了承下さい。また、INFOSTAへのお問い合わせはご遠慮ください。

 長年にわたる解答例掲載につきまして、「旧東海サーチャー会」の幹事、解答例作成者および事務局に感謝する次第です。

利用にあたっては、閲覧、プリント等、フリーにご利用下さい。 



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 ◆情報検索基礎能力試験 解答例
 ◆情報検索応用能力試験 2級解答例
 ◆情報検索応用能力試験 1級解答例 
   ・総合  ・ビジネス  ・特許  ・ライフサイエンス  ・化学


<情報検索基礎能力試験 2004年度【解答例】


<共通問題>
問1  (A)3 (B)1 (C)6 (D)8 (E)7

問2  (A)7 (B)6 (C)4 (D)9 (E)2

問3  (A)× (B)○ (C)× (D)× (E)○

【解説】
(A)文章は目録の説明である。
(D)文章はLC MARC(米国議会図書館目録)の説明である。Books in Printは米国で出版販売され在庫のある図書を収録。

問4  (A)5 (B)2 (C)3 (D)7 (E)8

問5  (A)2 (B)4 (C)3 (D)1

問6  (A)3 (B)2 (C)6 (D)5

問7  (A)10 (B)9 (C)1 (D)3 (E)6 (F)8

【解説】上記以外の解答群について補足(ただし上記9、10は略語のフルスペルのみ記載)。
2.ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line) 
 一般の電話回線を利用し、音声で使わない高い周波数帯を使ってデータ通信を行なう。 通信速度は、ダウンロードは最高1.5〜12Mbps、アップロードは0.5〜1Mbps程度と非対称(asymmetric)。使用する周波数帯は信号劣化が激しいため、回線の距離が限られる。

4.Prolog(プロローグ,PROgramming in LOGic) 
 AI(人工知能)に適した言語。フランス、マルセイユ大学のColmerauer らが開発。

5.WAN (ワン,Wide Area Network) 
 「広域ネットワーク」の略。電話回線や専用線を使って、地理的に離れた地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることを言う。 【関連語】LAN

7.モデム(MOdulator-DEModulator)「変復調装置」の略。
 コンピュータのデジタルデータを音声信号に変換して電話回線に接続し、送受信するため の変復調装置。

9.USB=Universal Serial Bus

10.JPEG=Joint Photographic Experts Group

11.PCM=Pulse Code Modulation 音声をデジタルデータに変換する方式の一つ。
 【参考サイト】「IT用語辞典」http://e-words.jp/

問8  (A)5 (B)3 (C)9 (D)6 (E)8

【解説】解答群の解説。
1.Telnet TCP/IPネットワーク用で遠隔操作するためのプロトコル。リモート仮想端末。

2.<BODY> HTMLのタグの1種。(HTMLは大文字/小文字いずれも可)

3.<HEAD> HTMLのタグの1種。(HTMLは大文字/小文字いずれも可)

4.<FORM> HTMLのタグの1種。(HTMLは大文字/小文字いずれも可)

5.FTP(File Transfer Protocol) TCP/IPネットワークのファイル転送用プロトコル。

6.PDF(Portable Document Format) Adobe Systems社が開発したフォーマットで、ドキュ メント作成に適す。

7.ブリッジ(bridge) ネットワーク上で、LANを中継する機器。参考資料:JIS X 0025(用語として解説あり) 

8.ファイアウォール(firewall) 企業等、組織のネットワークへの不正侵入を防ぐシステム。

9.XML(eXtensible Markup Language) 拡張可能なマークアップ言語。XMLはユーザが 独自のタグを指定できる。 
参考資料:JIS X 4159「拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0」

10.BMP(Bit MaP) Windows標準の画像フォーマット。
【参考サイト】「IT用語辞典」http://e-words.jp/
JIS本文は、日本工業標準調査会のサイトhttp://www.jisc.go.jpで閲覧可能。

問9  (A)2 (B)5 (C)4 (D)1

【解説】上記以外の解答群について補足
 (ただし上記2のタイトルと、4の別名のみ補足。)
2.JIS X 0208 タイトル「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」。“漢字集合”の中には、ひらがな、カタカナ、ラテン文字などの非漢字も含む。

3.ISO 2022 文字コードの扱いに関するISO規格。タイトルは以下の通り。
  “Information technology -- Character code structure and extension techniques”

4.EUCコード(Extended UNIX Code)
  【別名】特に日本語のEUCコードを「EUC-JP」「日本語EUC」と呼ぶこともある。

6.ASCIIコード (ASCII=American Standard Code for Information Interchange) 1960年代前半に米国規格協会(ANSI)が制定した情報交換用文字コード。1967年に国際標準化機構(ISO)で定められた情報交換用符号の国際規格「ISO 646」に準拠。
128種類の7ビット文字(ローマ字(大/小文字)、数字、記号、制御コード)で構成される。
 【参考サイト】
 ・ IT用語辞典」http://e-words.jp/
 ・ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/
 ・ JIS本文は、日本工業標準調査会のサイトhttp://www.jisc.go.jp で閲覧可能。

問10 (A)11 (B)7 (C)9 (D)3 (E)5 (F)1 (G)8

問11 (A)× (B)× (C)○ (D)× (E)×

【解説】
(A)デジタルデバイドは、パソコンやインターネットなどの情報技術(IT)を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる待遇や貧富、機会の格差。

(B)e-JAPAN戦略は2000年に掲げられた構想。電子政府を掲げたのは、1999年に策定された「ミレニアムプロジェクト」の一環として。

(D)デファクトスタンダードは、国際機関や標準化団体による公的な標準ではなく、市場の実勢によって事実上の標準とみなされるようになった「業界標準」の規格・製品のこと。

(E)プロバイダ責任法は、インターネットでプライバシーや著作権の侵害があったときに、プロバイダが負う損害賠償責任の範囲や、情報発信者の情報の開示を請求する権利を定めた法律。

問12 (A)1 (B)3 (C)6 (D)7 (E)4


<選択問題:Aコース>

問13 (A)7 (B)3 (C)2 (D)4 (E)1

問14 (A)4 (B)6 (C)5 (D)1 (E)7

問15 (A)○ (B)× (C)× (D)○ (E)× (F)○ (G)×

【解説】
(B)図書目録の形態にはOPAC(オンライン目録)、カード目録、冊子目録がある。冊子目録は冊子体の目録のこと。

(C)文章はNCR(日本目録規則)の説明である。AACR2は英米目録規則第2版。

(E)文章はISBNの説明である。ISSNは国際逐次刊行物番号。

(G)文章はANSI(米国国家規格)の説明である。ISBDは国際標準書誌記述。

問16 (A)2 (B)6 (C)5 (D)9

問17
 (A)○ (B)× (C)○ (D)○

【解説】
(B)件名標目表とシソーラスを入れ替えれば、正しい文章になる。

問18 (A)2 (B)6 (C)3 (D)8 (E)4


<選択問題:Bコース>

問13 (A)5 (B)1 (C)6 (D)9 (E)3

問14
 (A)○ (B)× (C)× (D)× (E)○

【解説】
(B)HTMLでレイアウトを指定できる。

(C)BMPだけでなくJPG,GIFなどの画像形式であれば使用できる。

(D)SMTPではなくFTPである。SMTPは電子メールのプロトコル。

問15 (A)10 (B)1 (C)4 (D)7 (E)9 (F)2

問16
 (A)8 (B)5 (C)1 (D)3 (E)6

問17
 (A)× (B)× (C)× (D)○

【解説】
(A)「10B」ではなく「B10」と表す。

(B)「ROUND関数」ではなく「SUM関数」である。

(C)「レーダーチャート」ではなく「折れ線グラフ」を用いる。

問18 (A)6 (B)2 (C)3 (D)4 (E)8




情報検索応用能力試験 2級 2004年度【解答例】


問1 (A)2 (B)16 (C)17 (D)21 (E)23 (F)9 (G)7 (H)14 (I)なし (J)11

【参考】選択肢「10.MINE」が「10.MIME」の誤記であれば、(I)の解答は10である。
【解説】参考「IT用語辞典」http://e-words.jp/

1.Bluetooth 携帯情報機器向け無線通信技術

.IMAP4 電子メールを保存しているサーバからメールを受信するためのプロトコル

8.Ipsec(Security Architecture for Internet Protocol)インターネットで暗号通信を行なうための規格

13.PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association) 携帯型パソコンに接続するICカードの仕様を策定するため、1989年6月に設立された米国の業界団体

15.port scan ネットワークを通じてサーバに連続してアクセスし、保安上の弱点(セキュリティホール)を探す行為

18.SET(Secure Electronic Transactions) インターネットを通じて安全にクレジットカード決済を行なうための技術仕様

19.SML(Standard Meta Language)プログラミング言語

20.SMTP(Simple Mail Transfer Protocol )電子メールを送信するためのプロトコル

22.VINE Linuxのディストリビューションの一種

10.MINE MIMEの間違い? (Multipurpose Internet Mail Extension)インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワーク上でやりとりされる電子メールで、各国語や画像、音声、動画などを扱うための規格

問2 (1)A (2)D (3)B (4)C (5)E (6)C (7)A (8)D (9)C (10)D

【解説】A〜Eは以下のように考える。(A)ノイズは多いが漏れは少ない、(B)ノイズも漏れも少ない最適な検索、(C)ノイズが多く漏れも多い最悪な検索、(D)ノイズは少ないが漏れは多い、(E)ノイズも漏れもある検索。

問3 (A)5 (B)8 (C)7 (D)12 (E)13 (F)19 (G)4 (H)14 (I)16 (J)11
    (K)18

問4 (4)(5)(7)

【解説】
(1)日経テレコンのクリップメールは、日経四紙、毎日新聞、週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド、毎日エコノミストが対象紙である。

(2)日経テレコン21には、「新聞記事横断検索」というサービスはなく、「記事検索」の「一括検索」では、日経BP社発行の雑誌記事の検索が可能。

(8)ELNETの自動クリッピングサービスは、FAX送信されます。

問5 (A)4 (B)8 (C)20 (D)25 (E)21 (F)22 (G)6 (H)11 (I)1 (J)14

問6
 (A)3 (B)6 (C)9 (D)8 (E)16 (F)17 (G)24 (H)11 (I)12 (J)22 
    (K)21 (L)18

問7 (3)(4)(9)(10)(11) 

【解説】参考:「著作権Q&A」http://www.cric.or.jp/qa/qa.html
(1)著作権を出版社や学会に委譲されているケースも多い。

(2)人数に限らず許可が必要。

(4)4団体:著作者団体連合/学術著作権協会/出版者著作権協議会/新聞著作権協議会
(http://www.jrrc.or.jp/)

(5)政府刊行物で法令、判例、通達以外の著作物は、著作権がある。

(6)プログラムは特許権によっても保護される。
 (http://www.city.osaka.jp/keizai/kawaraban/data/2105.html)

(7)複製には事前の承諾が必要
  (例として経済産業省 http://www.meti.go.jp/main/mers.html 参照)

問8 (A)8 (B)7 (C)9 (D)11 (E)2 (F)6
【参考】   http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/pub/tojo/archive/Choken/1999/choken7_11.html



問9 (A)8 (B)4 (C)9 (D)1 (E)6 (F)7 (G)5 (H)10 (I)2 (J)3

【全訳】言語は、人のコミュニケーションの主な手段である。誤解を避けるためには、特定の標準の(多くの場合固定した)規則を作ることが必要であった。日本の著者は、英国(またはアメリカ)の著者が当然持つ統一の同じ概念を持たないように思われる。たとえば、日本の著者はふと心に浮かんだ考えにとらわれ、漢字で特定の言葉を書き、次には平仮名で、その後は恐らくカタカナで書き、そのような偶然の選択には何ら理由はない。ローマ字を用いるときも、日本人は自分自身の創作も加えて、ヘボン式と訓令式をしばしば混在させる。混乱する結果が、著者をかき乱すようには見えない。表面上一定の規則のないこの方式は、英語に持ち込むと「和製英語」として混沌とした状態になる。そのようなケースで賢明な行為は、立ち止まり、考え、そして辞書を引くことである。

問10 (A)17 (B)22 (C)3 (D)14 (E)6 (F)20 (G)8 (H)18 (I)25 (J)9 (K)10

【解説】
(A)Set Files(省略形SF)コマンドで2つ以上のファイルを指定する。

(B)Show Filesコマンドは、ファイルリスト中のファイルバナー(ファイル番号とDB名)を表示さる。

(C)Expandコマンドは、100ファイルまでのとき、索引を参照できる。

(D)Rank Filesコマンドで、レコード数の多い順にファイル番号とレコード数を表示させる。

(E)指定した288ファイル中、149ファイルに該当レコードが含まれる。数字は問題文の(D)の上の所を見ればわかる。

(F)SFコマンドは2つ以上のファイルを指定する必要がある。1ファイル指定したためエラーメッセージが出ている。

(G)Executeコマンドでサーチセーブした検索式を実行する。

(H)Set Detail onで、ファイル毎のレコード数を表示させる。

(I)エラーメッセージ「カッコの数が合いません」。

(J)From Eachは、各ファイルから1件ずつ出力させる。

(K)File16から1件目のレコード。

問11 (A)22 (B)19 (C)14 (D)25 (E)27 (F)9 (G)5 (H)4 (I)8 (J)20
     (K)3



<後半>
問12
 Googleはロボット型の検索エンジンで1999年に登場した。シンプルな画面でとにかく速く多くの検索結果が表示される。またPageRankによりリンクが多くあるものが上位に来ており、ページ内の重要度も考慮されている。Googleの検索結果の特徴はキャッシュ表示させた時、検索キーワードが「ハイライト」表示される点で非常に見やすい。またGoogleは「KWIC」方式の紹介文を採用している。KWICは"KeyWord In Context"の略号で、キーワード前後の文脈を一緒に表示する。紹介文のはじめと終わりは「・・・」となっている。「インデント」もGoogleの大きな特徴である。インデント表示されている部分は同じページのさらに奥に位置していることを表している。

問13
(1)データベースの知識を持たないB氏には、データベースの出力例やブルーシートのサンプルレコードの例により著者名フィールド、所属機関名フィールド、収録日のフィールドを見ていただき、検索語の綴りの違いによる漏れが発生すること、検索すべきデータベースに漏れがある場合はそのデータベースに収録されているレコードが検索されないことも説明する。また、検索期間の違いにより漏れが発生することを説明する。更に、B氏からクレームがあった文献に記載されている著者名綴り、所属機関名綴り、発効日と、サーチャーA氏が行った検索手順を比較して、差異を探る。

@著者名や所属機関名により索引された文献データベースの所属機関フィールド(CO)や著者名フィールド(AU)を検索する場合を想定する。依頼者B氏には、英語のデータベースでの著者名検索の際に漏れが発生する原因には、所属機関名と著者名のアルファベット綴りの違いにより漏れが発生することを説明する。また、英語のデータベースでは日本語のレコードが漏れるおそれがある。

 著者名の綴りの違いには、たとえば TANAKA KOICHIとTANAKA KOHICHIの違いがある。所属機関の綴りの違いには、たとえばSHIMAZUSEISAKUSYO、SHIMADUSEISAKUSYO、SIMADUSEISAKUSYO、SIMAZUSEISAKUSYOなどの違いが考えられる。漏れを少なくする検索手順としては、先ず、データベースに入りExpand(用語の参照)コマンドを用いて著者名を確認する。E AU=TANAKA, K で参照し、該当するE番号を足し合わせた検索式をつくる。所属機関についてはE CO=SHIMAZUSEISAKUおよびE CO=SHIMADUSEISAKUにより所属機関を参照し、各該当するE番号を足し合わせた検索式をつくる。また、トランケーションの中間任意一致検索の機能を用い、S SHIMA??USEISAKUSYO/AUとS SIMA??USEISAKUSYO/AUの検索式をつくる。これら各検索式による結果集合のOR集合を作る。

A検索するデータベースの漏れによる文献の漏れを少なくするには。
 どのデータベースに収録されているか不明である場合、インデックスファイル(DIALOGの場合はDIALINDEX、STNの場合はSTNindex)を用いて、@で得られた検索式により検索し、収録データベースを漏れなく探す。文献の重複除去機能を利用したあと、収録されている各データベースを検索する。

B検索期間の漏れには、データベース収録開始時期以前に発表された論文の漏れ、データベース収録対象にならなかった社内の技報や紀要に掲載された論文の漏れが考えられる。または氏の前所属機関時代の文献の漏れも考えられる:「島津製作所の田中耕一氏の文献」という依頼には、田中耕一氏が島津製作所に入社する以前に収録された文献も含んでいるとすると、氏の前所属機関(東北大学)での検索も必要になる。

(2)JSTPlusファイルを用いた場合の著者名検索で想定される誤りと適正な検索手順。
@検索フィールドを指定ない検索では、著者名フィールド以外のフィールドも検索するので、著者名が田中耕一ではない文献も含まれノイズとなる。Expand機能(E 田中耕一/AU)で著者名を確認して、E番号を網羅した検索を行う。著者名フィールドを指定した検索(S 田中耕一/AU)にする。

AJSTPlusファイルには英語のレコードも含まれる。漢字の著者名で検索すると英語著者名のレコードは漏れる。Expand機能でE 田中耕一/AUのほかに、E TANAKA K/AU も参照し、@の検索式に含める。

B著者名フィールドを指定して検索(S 田中耕一/AU)の結果には同姓同名の著者によるレコードが含まれノイズとなる。適正な検索手順としては著者名と所属機関名のペア検索S “田中耕一(島津製作所“?/AU.Aを実行し、同姓同名著者のノイズを減らす。

【解説】
 英語のデータベースでは、著者名や所属機関は原文献の通り収録されている(標準化されていない)ため、異表記を考慮しないと検索漏れが生じる。また、CAファイルでは第一著者の所属機関のみ収録など、データベースによっては細かい規則もあるが、2級の解答例としては、下記のポイントを記載すればよいと思われる。

@英語のデータベースでは、著者名はフルネーム(TANAKA KOICHI)、または名はイニシャル(TANAKA K)で収録され、どちらかに統一されていないため、もし"TANAKA KOICHI"で検索した場合、"TANAKA K"は検索漏れとなる。また、"KOICHI"の異表記(KOUICH,KOHICI,KO-ICHIなど)も考慮する必要がある。これら考えられる異表記をEXPANDコマンドで確認しなければならない。したがって、これらをすべて含むように"TANAKA K?"とすれば漏れは無いが、ありふれた姓であるためノイズが多い。そこで、所属機関との論理積を取ればノイズを減らすことができるが、所属機関の表記も通常、統一されていないため、SHIMADZU CORPORATION,SHIMADZU CORP.,SHIMAZUSESAKUSYOなどの異表記も考慮する必要がある(同様にEXPANDコマンドで確認する)。

AJSTPlusでは、日本語文献は"田中耕一(島津製作所?"/AU.Aで検索するのが最適であるが、英語文献も考慮して"TANAKA K(SHIMADZU?)"/AU.Aも必要である。英字は原文表記に従うが、姓+スペース+名のイニシャル"TANAKA K"で収録されている。なお、平成17年4月より索引方針が変更され、原文献の英文表記をそのまま著者名として登録されている。

問14−1
情報源、収録対象・年代・内容・所蔵情報 等
Webcatは、国の大学図書館等の所蔵する図書・雑誌の総合目録データベースで、
1998年よりサービスを開始。国立情報学研究所(NII)が提供する目録作成システム
(Nacsis-cat)で作成した目録をwebで検索できる。基本的に所蔵情報は提供されるが、
東京大学附属図書館等、一部提供されないものもある。

検索機能
WebCATは、タイトル、著者名、出版者、出版年、標準番号(ISBN,ISSN)、キーワードで検索できる。Webcat Plusは、Webcatの機能に加えて「連想検索」という新しい検索機能をもち,また検索結果の内容・目次情報を表示できる。

両者の今後の展開
当初Webcat Plusは和図書のみ対象であったが、現在は雑誌や洋図書の情報も収録されている。Webcat Plusは、検索機能・性能を大幅に強化、使い勝手を向上させており「次世代Webcat」として開発された。現在は、両者を並行して運用されているが、2005年度中にWebcatのサービスを終了し、Webcat Plusへ一本化予定。

【参考URL】
 ・両者の比較 http://webcatplus.nii.ac.jp/about/top.html
 ・Webcat http://webcat.nii.ac.jp/webcat.html
 ・Webcat Plus http://webcatplus.nii.ac.jp/
 Webcat Plus収録データ詳細:http://webcatplus.nii.ac.jp/about/data.html

問14−2
 まず、いわゆる「ガングロ」の類似語、同義語をインターネットのウエブを利用して検索する。マスコミに登場するようになった時期を調べるために、それらの検索語がデータベースのレコードに出現しはじめた時期を調べる。キーワードは類似語や同義語を含めたOR検索とするが、ヒット件数が多い場合は検索精度を上げるために検索語を厳選して注意深くAND検索にする。

(1)一般雑誌の記事を調べる場合は、社会・風俗・芸能関連の記事の情報量を網羅的に収録しているG-Searchの「週刊・月刊雑誌タイトル情報」を使う。フリーキーワードで検索し、見出し一覧から発売日または発行日を知る。

(2)新聞記事の全文を検索する場合は、国内の各種新聞を網羅的に収録している日経テレコン21を使う。新聞記事情報を一括検索し、発行日の古い順に並べて出力する。新聞紙名の違いによる重複情報は各自で判断して省く。

(3)あら筋や帯情報を含む書籍を調べる場合は、日外アソシエーツの提供するBOOKPLUSや、図書館流通センター(TRC)の提供するブックポータルのbk1(内容情報だけでなく、表紙画像も収録されている)に登録された書評情報に含まれるキーワードを対象に検索する。その他、各種オンライン書店としてAmazon.comなどの目録も有用である。

【参考】「ガングロ」の類似語、同義語にはマンバ、高底靴、コギャル、浜崎あゆみというような語が出てくる。マスコミに登場するようになった時期はそれぞれ同時期もあるがずれているものもあり、流行の推移を示している。

(1)一般雑誌の記事を調べる場合の、G-Searchの「週刊・月刊雑誌タイトル情報」(プロデューサー 株式会社データム):1987年10月発行分からの一般週刊誌・月刊誌等ポピュラーな雑誌35誌の書誌情報(タイトル含む)を網羅的に収録している。特に社会・風俗・芸能関連の記事の情報量は多い。

(2)新聞記事の全文を検索する場合の、日経テレコン21は国内の各種新聞を網羅的に収録している。新聞記事情報を一括検索し、発行日の古い順に並べて出力できる。

(3)あら筋や帯情報を含む書籍を調べる場合の、BOOKPLUS:日外アソシエーツの提供するデータベースで、日本国内で昭和元年より現在までに出版された書籍の情報190万件以上を収録している。ブックポータルのbk1:図書館流通センター(TRC)の提供するデータベースで、1980年1月以降に日本国内で出版された書籍(約91万件)を検索できる。内容情報だけでなく、表紙画像も豊富に収録されている。

問14−3
 半年間で新聞への掲載が1000件以上である企業はかなりの大企業である。新聞記事からこの企業の半年間の動向を網羅的に検索し、さらに内容の網羅性を維持しつつ件数を絞り込む考え方と方法につき述べる。

@ 使用したツール:この相手企業は本社を日本国内に置き、国内で上場している企業とした場合、使用する最適なツールのひとつとして日経テレコン21をとりあげる。

A ツールを選択した理由:地方紙及び主要業界紙も含めた新聞各紙を網羅的に収録しており、新聞記事の全文検索が可能であり、また検索メニュー指定により最近半年間の絞込み検索がしやすい。また、日経四紙については検索当日の速報情報も収録しているので、訪問当日に新たに加える新情報収集のためにもツールとして適している。

B 具体的な絞り方と注意点:
 一般的には、重複情報は除去し、最近半年に企業経営上の変化を示す記事や企業経営の総説的記事は重視する。
注意点:内容別に分けて代表的な記事を選ぶ。たとえば、財務情報、決算情報、株価推移とその課題と要因、最新の異動・組織・人事、技術開発情報、新商品情報、事業分野別の主要情報、海外展開、その他IR情報。
 訪問するのであるから、相手企業のトップに関する人物情報、話題情報の記事は網羅しておく。たとえば、趣味、ゴルフのハンディ、信条、経歴などの情報があれば、話がしやすくなる。
 相手企業の優れている点に関する情報、自社のトップが特に関心をもっている重要情報については漏らさず再現性の良い情報提供とする。

【参考】
日経の記事分類には、一面、経済、金融、国際、文化、スポーツなどがあり、これらの中からトップ会談にふさわしい分類をいくつかピックアップして、分類ごとに整理する。

問14−4
(1)
@文献の記述が不十分なため、本当に「ランダム化比較試験」であるか論文だけからは判断ができないため。
ALINE中のMeSH(Medical Subject Headings)のRCTとしてのindexingや、Publication Type (PT)も、それほど完全なものではないため。
【参考】MEDLINEでは平均して約77%が検索できるとする報告がある。

(2)
@The Cochrane Database of Systematic Reviews (CDSR)
ランダム化比較試験(RCT)に依拠した文献を中心としてEBMの観点から吟味された論文をレビューとしてまとめられている。

AThe Cochrane Controlled Trial Register (CENTRAL)
世界中から集められたランダム化比較試験(RCT)、比較臨床試験(CCT)の論文が登録されている。非公開の試験や、MEDLINEには未収載の試験も含む40万件以上の書誌データベース。

BACP Journal Club(旧Best Evidence)
アメリカ内科学会のAnnals of Internal Medicineの付録として1991年発行されており、対象を総合医学雑誌と内科領域に限っているが重要な臨床医学雑誌から、一定の基準を満たした論文を採択し、構造化抄録の形式で1ページにまとめ、さらに専門家のコメントと参考文献を載せている。

(3)
 ハンドサーチを行う。ハンドサーチとはRCTの文献を漏れなく確認するために、雑誌1ページ1ページ人による手作業で計画的に検索すること。コクラン共同計画にしたがって過去の文献をハンドサーチすることによって見いだされたRCTとCCT論文に関しては、それがMEDLINE収録誌に掲載されたものであれば、MEDLINEに登録することが、MEDLINEの母体であるNational Library of Medicine(NLM)とコクラン共同計画の間で合意されている。

問14−5
(1)
・日本出願番号:特願2004-63628,特願平6-503751
・アメリカ出願番号:US884191,US43890

(2)
本出願(特願2004-63628)は、特願平6-503751(以下、日本親出願)の分割出願であり、日本親出願は、アメリカ出願US884191、US43890のパリ優先権主張出願である。

(3)
パテントファミリーの調査を行う(日本において本出願と同様な分割出願が存在するか、また、アメリカ及びその他の外国において、上記アメリカ出願を優先権主張する出願が存在するかを調べる)。
 ・調査方法 A.日本における他の関連出願の調査、B.対応外国特許の調査

<調査方法A>
@商用データベース名 パトリスの特許ファイル及び実用新案ファイル

Aシステム名 パトリス

B検索方法の概要
 本件及び親出願の出願番号を使って、関連出願の有無を検索する。具体的な検索式は、
L FILE=P NO=200463628 及び L FILE=P NO=H06503751として検索を実行する。

<調査方法B>
@商用データベース名 DWPI
Aシステム名 DIALOG

B検索方法の概要
本件の日本公報番号の集合を作成し、MAPコマンドを使用して、パテントファミリーを検索する。その際、完全なパテントファミリーを抽出するために、優先権主張番号及びアクセッションbノて、それぞれMAPコマンドを使って、各々の集合を抽出する。そして、その論理和をとってできた新たな集合に対して、上記と同様、優先権主張番号及びアクセッションbノてそれぞれMAPコマンドをかけ、論理和をとる。その件数が、前回の論理和となるまで繰り返す。
 具体的には、本件の集合をS1としてMAPコマンドを実行する。
    MAP ANPRYY T EXS S1 → S2
    MAP AX T EXS S1    → S3
 得られた集合を論理和し、再度、MAPコマンドを実行する。
    S2 OR S3 → S4
    MAP ANPRYY T EXS S4  → S5
    MAP AX T EXS S4    → S6
 再度得られた集合を論理和し、それが前回の論理和集合の件数と同じになるまで、MAPコマンドを繰り返す。
   S5 OR S6 → S7 ・・・S4の件数と同じ件数かを確認する。

問14−6

【解答例1】
@CHEMLIST、REGISTRY

ACHEMLISTを選択した理由は、AICS、DSL、NDSL、ECL、EINECS、ELINCS、NLP、ENCS、PICCS、SWISS、TSCA、ISRAEL、TAIWAN、米国労働安全衛生局の高度危険物リスト、経済協力開発機構のリスト等、豊富な情報を収録しているから。
  中国現有化学物質の収録に関して、INV フィールドにAICS、ENCS、ECL、PICCS、TAIWANのいずれの表示もなく、FS フィールドとINV フィールドに「ASIA-PAC」とある場合は中国台帳に収載されていると判断できる。
  化審法に総称名で登録されている物質の場合、総称名物質に含まれる相当数の特定化合物が、例示物質として収録され、X付の化審法番号で収録されている。また、同義語や商品名など多くの名称が収録されているので、名称から検索する場合に便利である。
  REGISTRYを選択した理由は、問題の化合物のCAS登録番号や化学名を検索するため。CHEMLISTは、ベンゼンなど一部の化合物の化学物質名フィールドに分子式が収録されている場合があるが、分子式フィールドはなく分子式で検索することはできない。従って、分子式で検索する場合には、REGISTRYからCAS登録番号や、化合物名を調べてクロスオーバー検索する必要がある。

BCHEMLISTには分子式フィールドがないので、分子式で検索する場合は、REGISTRYを分子式で検索し、目的の化合物を見つけ、クロスオーバー検索する。但し、CHEMLISTに収録されているすべての物質にCAS登録番号が付与されているわけではないので、REGISTRYで見つからない場合、CHEMLISTでの名称検索を行う必要がある。

<検索手順>
FIL REG
S c16h10o10s3.3na/MF ・・・a 
→酸の金属塩の分子式は、遊離の酸と金属との二成分物質としてHill方式で記述する。aの結果が少なければ、D BIB より出力料金が安いD SAMで 出力し目的の化合物を探すか、無料のD SCANで出力し、目的の化合物のCA INDEX NAMEを探して、そのCA INDEX NAMEを使って検索する。

S La AND C6-C6-C6-C6/EA    
→aの件数が多い場合は、環データの元素式を使って絞り込む。

S La AND SULFONIC      
→あるいは、官能基名で絞り込む。
 目的の化合物の集合を作る。 ・・・b

FIL CHEMLIST
S Lb             
→bの集合をCHEMLISTでクロスオーバー検索する。件数が0件の場合は、化合物名称、慣用名、総称名等で検索する。

D RN CN RLN INV
→表示する。必要な項目のみ出力した方が安価で表示できる。

【解答例2】
@National Chemical Inventories(NCI)

AAICS、DSL、NDSL、ECL、EINECS、ELINCS、NLP、ENCS、PICCS、SWISS、TSCA、ISRAEL、TAIWAN等の情報、および構造式を収録しているから。
  中国現有化学物質の収録に関して、AICS、ENCS、ECL、PICCS、TAIWANのいずれの表示もなく、「ASIA-PAC」とある場合は中国台帳に収載されていると判断できる。化審法に総称名で登録されている物質の場合、総称名物質に含まれる相当数の特定化合物が、例示物質として収録され、X付の化審法番号で収録されている。 また、同義語や商品名など多くの名称が収録されているので、名称から検索する場合に便利である。分子式、成分分子式、成分CAS登録番号等豊富な検索項目がある。

Bツールバーの「Search」をクリックし、Searchの欄に分子式を入力する。酸の金属塩の分子式は、遊離の酸と金属との二成分物質として、Hill方式で記述するので「c16h10o10s3.3na」と入力。「Search Fields」を「MOL Formula」にして、検索する。結果が少なければ、検索結果のリストをクリックして内容を表示し、目的の化合物を探す。多い場合は、次のSearchの欄で「sulfonic」等のWordで絞り込む。

【解答例3】
@Ariel WebInsightの Global Inventories Database

AAICS、DSL、NDSL、ECL、EINECS、ELINCS、NLP、ENCS、PICCS、SWISS、TSCA、中国現有化学物質、ニュージーランド、一部の安衛法を収録している。化審法の6千の総称名に対して、約8万件のCAS登録番号を収録している。化合物名、分子式、CAS登録番号で検索できる。

BCriteriaの項目を「Molecular Formula」にし、Serch Patternの項目に、元素記号は半角大文字で入力。「Na」の「a」は小文字で入力。酸の金属塩の分子式は、遊離の酸と金属との二成分物質として、Hill方式で記述するので「C16H10O10S3.3Na」と入力する。GOをクリック。検索結果の名称とCAS登録番号のリストから該当する化合物を探す。分子式検索の結果を名称で絞りこむといった異なる項目間の検索はできない。同じCAS登録番号が複数リストアップされるが、どれか一つをクリックして内容を表示する。

【解説】
設問の「法規制情報を検索する」という部分を、「各国のインベントリーに載っているかどうかを検索する」と解釈して、@CHEMLIST、ANational Chemical Inventories(NCI)、BAriel WebInsightのGlobal Inventories Databaseについて解答例を作成した。3つのツールの比較は以下の通り。

<収録情報>  
・共通の収録情報 AICS、DSL、NDSL、ECL、EINECS、ELINCS、NLP、ENCS、PICCS、SWISS、TSCA

・上記以外に各々以下の情報を収録している。

@CHELIST:ISRAEL、TAIWAN、米国労働安全衛生局の高度危険物リスト、経済協力開発機構のリスト等

ANCI:ISRAEL、TAIWAN、構造式あり

BAriel:中国現有化学物質、ニュージーランド、一部の安衛法

<化合物の検索において使用できる検索項目>
@CHEMLIST:化合物名、CAS登録番号、規制リスト番号、REGISTRYからクロスオーバー検索可能

ANCI:化合物名、CAS登録番号、規制リスト番号、分子式、成分CAS登録番号、成分分子式(成分数の限定はできない。)

BAriel:化合物名、CAS登録番号、規制リスト番号、分子式、成分分子式(成分数の限定はできない)。Global Inventories Databaseは、検索項目を一つしか選べない。 
分子式と化合物名のかけあわせができない。

問題の化合物を調べる場合において、3つの解答例に共通する注意点として以下の事項がある。
・インベントリーには、化審法やECL(韓国)のように、総称名で登録されている場合もあるので、分子式、特定の化合物名称で見つからない場合は、総称名で検索してみる。

・例示物質や、CAS登録番号の収録について、使用するデータベースによって異なる場合があるので併用することが望ましい。
 
Ariel WebInsightの Golbal Inventories Databaseを分子式で検索すると、 一つのレコード(6358-69-6)に3つの化審法番号が記載されている。(4)-1305は、JETOC KASHIN、中央労働災害防止協会 安全衛生情報センターのホームページ、日本化学物質辞書Webによると「6424-59-5 10-ヒドロキシ-3,5,8-ピレントリスルホン酸三ナトリウム塩」となっている。また、

(5)-2392は、Solvent Green 7ではなくCAS登録番号、分子式なし、ディスパーズ エロー−165となっている。Solvent Green 7は、(9)-2392である。

<Ariel WebInsightの Golbal Inventories Databaseの出力結果の一部>
CAS RN: 6358-69-6
Name: 1,3,6-Pyrenetrisulfonic acid, 8-hydroxy-, trisodium salt
Japanese ENCS Number: (4)-1305
CAS RN: 6358-69-6
Name: 1,3,6-Pyrenetrisulfonic acid, 8-hydroxy-, trisodium salt
Japanese ENCS Number: (9)-2392
CAS RN: 6358-69-6
Name: C.I. 59040
Japanese ENCS Number: (9)-2392
CAS RN: 6358-69-6
Name: C.I. Solvent Green 7* (C.I. 59040*)
Japanese ENCS Number: (4)-1305
CAS RN: 6358-69-6
Name: C.I. Solvent Green 7* (C.I. 59040*)
Japanese ENCS Number: (5)-2392


情報検索応用能力試験 1級 2004年度【解答例】

<共通問題>
問1
・PCユーザーが最も多いWindows PCについて、マイクロソフトは1)ファイアウォールを利用、2)Windows Updateの使用、3)最新のウィルス対策ソフトウェアの使用、の3点を推奨している。
 ファイアウォールは外からの攻撃を防ぐもので、外部との境界を流れるデータを監視し、不正なアクセスを検出・遮断する。Windowsでは、XP SP2から標準でファイアウォール機能を装備した。ファイアォールは個々のPCのソフトウェアで防ぐ方法と、ハードウェア(ルーター等)で防ぐ方法がある。
 Windows等OSや各種ソフトには随時セキュリティホールが見つかるため、現在マイクロソフトは1ヶ月に1回は重要なWindows Updateを実施するよう推奨している。また、Windowsは98からWindows Updateを行うことができるので、Windows Update用のソフトをダウンロードし自動更新設定をしておくと良い。
 ウィルスは日々新しいものが作成され流通しているため、ウィルス対策ソフトのウィルス定義ファイルは必ず最新のものを使う必要がある。毎朝PC起動時にウィルス対策ソフトの更新設定をしておくのが望ましい。

・ウィルス/ワームではなく、PCの破壊やウィルスの感染など直接被害を拡大するものではないため軽視しがちなものに、スパイウェアがある。これは、ユーザーの行動や個人情報を収集したり計算を行ったりし、そのデータはマーケティング会社など作成元に送られる。また、スパイウェアの多くは、他のソフトとセットでインストールされることもある。特に、広告を表示させるタイプの無料ソフトに入っていることが多い。最近ではスパイウェア対策も加わったセキュリティソフトもあるが、まだ一般的ではないため、別途スパイウェア対策ソフトを用い、時々スキャンする必要がある。

・本人以外の者でPCを使用不可にするセキュリティ対策に、指紋認証がある。USB接続指紋リーダーで使用者の指紋を登録し、使用者以外ではWindowsログインできないようにする指紋認証キット等が販売されている。
・パスワードを設定する際は、類推されにくい数字と文字の組み合わせが望ましい。また、時々パスワードを変更すのも有効である。ID、パスワードは人の目に触れる所に置いてはならず、管理者以外の者がアクセスできない所に置く。ファイルで保存する時は、暗号化して保存するなどが望ましい。

・電子メールの添付ファイルはウィルスを運んでくる場合が多いため、開く際に必ずウィルス対策ソフトでスキャンする必要がある。知らない相手や知っている者からでも、不審な題名や添付ファイルは開かず破棄するのが望ましい。また、メールソフトの設定でhtmlメールを表示させない、メール本文を直接表示させない、添付ファイルを直接開かせない等の設定が有効である。

問2
 鳥を例にあげると「ムクドリ」などの鳥に関する文献を捜したい場合「ムクドリ」という語句をそのまま用いて検索できる。しかし「ムクドリ」をチーム名に含むスポーツチームがあれば、鳥とは関係ないそのスポーツに関する文献もヒットしてしまう。そこでチーム名の一部やスポーツ名をNOT条件にして除去することもできるが、検索の目的は鳥についての文献なのでまずは「鳥」or「鳥類学」といった語句をAND条件で加える方が良い。それでも尚ノイズが気になる時はスポーツ名などをNOT条件として加えれば、そのスポーツに関する文献を除去できる。


<専門問題:総合>
問3
(1)調査の手順
再現性の良い検索語を決めて、効率的な検索戦略を立てるために、クライアントに対しプレサーチインタビューを行う。次に主要な社会科学関連分野の雑誌を収録し、引用Citingおよび被引用Citedの引用検索が可能なデータベースファイルであるSocial SciSearchに入る。検索主題に基づく検索を実行し、検索結果の書誌的事項、抄録、引用文献を出力する。更に検索結果文献の被引用文献を検索する。文献ごとに引用件数を所定期間(2年間、5年間など)にわたり計数し、インパクトファクターの計算方法に基づき雑誌の引用率を計算する。

(2)調査方法
プレサーチインタビューで確認すべき事柄:
@外国語論文の検索であるので、「産業革命」および「児童労働」に対応する検索語、同義語、類似語をクライアントから聞いて確認する。
A出力する抄録は英語でよいか?
B検索対象とする資料の種類のうち不要なものはないか?
C必要な出力内容(出力形式)は?
D抄録の存在しないレコードは必要か?
E検索期間はSocial SciSearchの収録期間内で十分か?
F「外国語」とは日本語以外ということか? 英語、日本語以外の言語は必要か?
G引用率の計算で自己引用分はどのように扱えばよいのか?
Hクラアントが許容できる納期と費用限度額は?
I希望するリストの様式は?
J引用率、インパクトファクターの計算方式は?  過去何年分(2年、5年、他)の掲載件数を対象にするのか、を確認する。さらに、自己引用率なのか、自己引用を除去した引用率なのかも確認する。

<検索方法>
@ DIALOGからSocial SciSearchに入る。あらかじめクライアントが指定する検索料金限度額を設定しておく。

A EXPANDを使って検索語を参照・確認する。DIALOGの場合、同一フィールド内の近接演算子(F)を用いて2つの検索主題に対応する検索語を使ってTI(タイトル),AB(抄録),DE(著者キーワード),RF(リサーチフロント)、ID(キーワード)のフィールドを検索する(S1)。外国語論文に絞るために、S LA=JAPAN?の結果集合とのNOT集合をつくる(S2)。書誌事項、抄録、引用文献を含む出力形式、たとえばフルレコード形式で出力する。その論文が引用している引用文献はCRフィールドにリスト表示されている。

B 次に、その論文を引用している雑誌の検索に入る。EXPANDを用いて集合S2のレコードの引用文献を参照する(例 E CR=著者名、引用文献発行年)。該当する引用文献のE番号で引用文献を指定し検索する(S3)。S3を出力する。Cited Referencesにその文献が含まれていることを確認する。

C 雑誌の引用率の調査:5年分インパクトファクターの場合、
(過去5年に掲載され、最新年に引用された文献数)/(過去5年に掲載された文献総数)で計算する。自己引用率を除外する場合は自己の文献数を除外して計算する。
【参考】
 ISI Web of ScienceからJCR(ISI Journal Citation Report)にリンクして、検索結果をExcel(登録商標)にインポートしてリスト出力し、またインパクトファクターを計算できる(JCRのホームページを参照)。
【解説】
 社会科学に関する引用文献の調査であるので、SOCIAL SCISEARCH(DIALOG7)を用いる。引用文献を含むレコードに限定するには、/CRを用いる。プレサーチインタビューでは、「産業革命(The Industrial Revolution)」と「児童労働(Child labor)」に関連する検索語、「外国語」の範囲(英語以外も必要か)、網羅性(論文は多数存在すると思われるが、どれくらい必要か)などを確認する。引用率の調査は、Journal Citation Reports (JCR) を用いて、インパクトファクタを調べる。

問4
@成立背景
 SPARC(The Scholary Publishing and Academic Re-sources Coalition)は、欧米の大手商業出版社主導による学術論文の独占化・価格高騰に歯止めをかけ、研究者主導の新たなビジネスモデル創出のために、北米研究図書館協会(ARL:Association of Reseach Libraries)のプロジェクトとして1998年に発足した(欧州でのSPARC/Europeの発足は2002年)。

A活動内容
 代替誌、学協会支援団体、先端的プロジェクトがSPARCのパートナーとなっている。投稿者・利用者にも利便性のある電子ジャーナルの健全な発展をめざして、適正な価格でのサイトライセンス契約や、オープン・アクセス運動(著者の投稿料によって掲載論文を無償で公開)、セルフ・アーカイブ(論文を大学図書館などが運営するサーバに蓄積し無償で公開)などの活動が行われている。SPARC誌の一例として、米国化学会のOrganic Lettersは、Elsevier社のTetrahedron Letters(TL)に対抗する雑誌として刊行されており、インパクトファクターの点でも、TL誌をはるかに凌ぐほどに成長している。また、先端的なプロジェクトとしてSPARCが支援している生物医学系出版社BioMed Centralが取り扱う55以上のピアレビュー誌は、無料でアクセスでき、アーカイブも保証されている。

B日本における動き
 日本では、 国立情報学研究所(NII)が推進する「国際学術情報流通基盤整備事業」(通称 SPARC/JAPAN)が活動している(http://www.nii.ac.jp/sparc/)。日本の学協会が刊行する学術雑誌の電子化・国際化を促進し、科学技術・学術研究成果の一層の普及を図ることを目的としている。


<専門問題:ビジネス>
問3
 サーチャーにはコンペティターが何をしようとしているかという情報が求められる。たとえば、どんな特許を申請しているか、どんな会社を買収・合併・提携しているか、研究開発費の増減はどのていどか、設備や工場の拡張縮小はあるか、新製品情報とその製品の自社との競合関係はどうか、など経営の様々な側面から調査したいという重要部門のニーズに応えたい。
 コンペティターの全ての経営機能についての新しい収録情報、更新情報を検索する検索式を立てて、データベースシステム毎に頻度を指定してSDIサービスをかけておく。提供方法は、重要部門のニーズを予め調査して、提供の頻度と仕方をそのニーズにあわせる。提出タイミングは、重要情報は直ぐに提供する。毎朝の新聞閲覧より少しでも早めの提供を心がける。前回と重複する情報は出さない。オンラインデータベースでは入手できない公開された冊子体情報も入手する。
 下記の表のように情報の種類ごとにカテゴリー分けして提供の仕方を変える。筆頭コンペティターを把握するには、自社の経営指標と比較対比して提供したり、背景情報も追加できるとクライアントは情報を分析しやすくなる。検索頻度が毎日である日経テレコン21では、すべての媒体を選択して、企業名で一括検索するSDIをかけておく。ヒットして届けられたレコードを下記のように分類して提供する。
 提供方法は、イントラネットを使って素早く自動配信する。

公開情報の種類 媒体 検索ツール 収集手段、スケジュール、検索頻度 提供方法
経営戦略 新聞、雑誌

日経テレコン21、
企業概要データベース、企業財務データベース


SDI,毎日
オンラインデータベースのSDIサービスを使えば毎朝の新聞閲覧より少しでも早めに情報提供ができる。


源情報に客観的な分析を加えて提供したほうがクライアントはまとめやすい。
・公表情報の背景にある要因情報を抽出して提供できるとよい。・自社との比較をして提供するとよい。
・自社の経営への影響情報の提供ができるとよい。
株価推移 新聞、証券会社資料
M&A関連 新聞、証券会社情報
経営上の重要情報 新聞
異動・人事・組織変更 新聞、ホームページ
役員に関する情報 新聞
関連会社の動き 新聞
事業分野別情報、市場シェア、成長率 新聞、業界紙
技術開発発表 新聞
企業決算
四半期決算
新聞
日経テレコン21、
東京商工リサーチ、企業財務情報データベース
四半期発表日翌日
バランスシートと貸借対照表公表値と実績との比較をして、その差異要因情報があれば添える。
半期決算 新聞 半期発表日翌日
決算情報
会社四季報
新聞、有価証券報告書、東洋経済新報社のPDFレコード 決算発表日翌日、決算期以降
株主総会前後の動き 新聞 総会前後1月間毎日 加工せずに報告する。
マーケッテイング 新聞、調査リポート
日経テレコン21、DIALOGやジサーチの収録のマーケッテイング関連の専門データベース
SDI,毎日
外国語の情報は趣旨を翻訳して提供する。
新たな売上げ増加要因情報、シェア情報。
自社重要商品分野については取り上げ方を優先する。
新商品発売と影響 新聞、雑誌
販売戦略 新聞、雑誌
物流 新聞、雑誌
価格戦略 新聞、雑誌
海外での事業展開 国内外の新聞 DIALOGの各種DB SDI,毎日
信用情報、与信情報 帝国データバンク 帝国データバンク企業情報 不安要素がなければ年2回 財務、会計に関する変化の大きい情報とその要因を明示する。
工業所有権公開 公開特許公報
各種特許データベース

SDI毎日

新たな出願分野の有無、包袋情報の変化は重視する。
包袋 特許庁データベース
IR情報、ニューズレター ホームページ インターネット検索 毎日
ホームページ更新情報 ホームページ インターネット検索 毎日
技報 冊子体 図書館、インターネット検索 月1回 関心事や要点を解説する。
社内報 冊子体 経団連資料室 月1回

問4
 イギリスに支社または子会社の拠点を持つ米国の大企業A社について、イギリスの全拠点の企業概要を検索する。プレサーチインタビューにより、まず、A社の本社所在地、社名の正式な綴りを確認する。調査情報はデータベースに収録された最新情報でよいのか、過去の情報なのかも確認する。

<使用するツール>インターネットからA社のホームページを検索し、プレサーチインタビュー内容を確認するとともに内容を補完する。欧米の企業グループの構成を調べるファイルとしては、Corporate Affiliations、D&B-Who Owns Whomが適している。Corporate Affiliationsは米国と米国外の会社を網羅しており、株式非公開会社も含まれている。親会社と関連会社・部門・子会社の情報が収録されている。D&B-Who Owns Whomには、D&B社が保有する企業ファミリー関係情報が収録されており、DUNS番号を用いて効率的で再現性のよい検索が可能である。

<具体的な調査方法例>DIALOGのシステムからD&B-Who Owns Whomファイルに入る(B 522)。EXPANDコマンドでデータベースに収録されているA社の会社名を参照する(E CO=A CO)。該当するE番号の和集合で検索する(S1)。A社は最上位親会社(Head Q)であるので、特殊事項指定サフィックス SFをultimateに絞り込む(S S1 and sf=ultimate)。フルレコードを出力し、CORPORATE FAMILY HIERARCHY のフィールドから、英国にあるBranchのDUNS NUMBER を抽出する。抽出したDUNS番号を用いて各企業を検索し(S DN=94-332-65788)企業概要のレコードを得る。

【参考】
 DUNS番号を使用する別の方法もある。D&B INTERNATIONAL DUN'S MARKET IDENTIFIERSTM(DIALOG518)を用いて、A社のDUNS番号を確認する。次いで、D&B EUROPEAN DUN'S MARKET IDENTIFIERSTM(DIALOG521)で本社DUNS番号(DH)あるいは国際最終親会社DUNS番号(DC)で検索し、国名を英国に限定する(CN=UNITED KINGDOM)。
 プレサーチインタビューでは、孫会社も必要か(さらにその子会社も必要か)、A社は最上位親会社であるか(関連会社をどこまで含めるか)、A社はM&Aによる社名変更があるか(あれば元の会社の子会社も必要か)なども確認する。


<専門問題:特許>
問3
(1)
@無料で提供のデータベース
・IPDL  提供元 NCIPI(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)
・eap@cenet  提供元 EPO(ヨーロッパ特許庁)

A有料で提供のデータベース
・パトリス  提供元 株式会社パトリス
・DWPI   提供元 THOMSON

(2)
@無料データベース
<長所>
・検索、公報出力費用が無料である。 
・比較的、検索になじみのない研究者でも手軽に検索できる。
・公報全文や審査経過情報を入手できる。
<短所>
・公報の表示に手間がかかる(例 1ページ単位)。
・アクセスが不安定なときがある(サーバーが混んでいる為、接続できない)。
・複雑な検索(近接、隣接演算)や、多様な出力様式を備えていない。
・統計処理等の高度な解析機能を有していない。

A有料データベース
<長所>
・各種コマンドによる複雑な論理演算や検索履歴表示が可能であり、検索を効率的に行える。
・多様な出力形式によるレコード出力が可能である。
・ランキング等の統計処理機能を有している。
・ヘルプデスクが充実している。
・独自の分類(例 パトリス・・広域分類、固定キーワード、DWPI・・ダウエントクラス)での検索が可能。
・出願人名やキーワードが、ある程度、統制されている。
<短所>
・有料のため、エンドユーザーへの開放には注意を要する。
・初心者には、特殊なコマンド等を駆使した検索が難しい。
・料金が高い。

問4
(1)US2001963141の一部継続出願(CIP)がUS2003449554である。米国は当初の出願書類に記載されていない事項は、新規事項として一切追加できないため、説明やデータを補充する場合、CIPが利用される。

(2)Derwent社は発明単位で1レコードを作成しており、優先権が2つ以上ある場合、すべての優先権情報に注目しているため。(補足:パテントファミリーが複数のレコードに分かれている場合があるため、網羅的な調査のためにMAPコマンドを用いる必要がある)

(3)
・データベース名 WPI
・システム名 DIALOG
・検索方法
 WPIレコードから、タイトル、タイトル用語、索引語/付加語、国際特許分類、米国特許分類、Derwent分類を参考にして、対象技術分野を絞り、集合を作成する。本件では、electrophotographic imaging apparatusに使用するorganic photoreceptorの集合を作成する。次に特許公報の特許請求の範囲に記載された具体的な化合物名を検索し、前記集合との論理積を取る。化合物名はセグメント処理されているので、近接演算子(W)を用いる。
 なお、Derwent会員であれば、マニュアルコード、ケミカルフラグメントコード、Derwent化合物番号などの専用コードも使用できる。
・無効にできるポイントと理由付け
 本特許の特許請求の範囲に含まれる化合物が、同一の用途で使用されていることが記載され、かつ本特許の出願前に公知になっていれば、新規性がないとして無効になる。


<専門問題:ライフサイエンス>
問3
(1)米国立衛生研究所のホームページ
 米国立衛生研究所の発表なので、新聞記事の元となったプレスリリースを入手できる可能性が高い。
 米国立衛生研究所(NIH)のホームページhttp://www.nih.gov/にアクセスし、News Release Archivesを見る。年代別に分かれているので2002年7月のところを調べる。News Releaseで見つからない場合は米国立衛生研究所(NIH)のホームページのサイト内検索を利用する。
(2)
・臨床試験の種類
 新聞記事では臨床試験となっているが、文献ではランダム化比較試験(randomized. controlled trial)と書かれているので、Publication Typeをrandomized. controlled trialに限定することができる。
・投与した女性ホルモンの種類
 新聞記事では女性ホルモンとだけ書かれているが、文献ではestrogen、progestinの2つの女性ホルモンを併用投与したことがわかる。
(3)
・米国国立医学図書館(NLM)が管理する臨床試験登録簿http://clinicaltrials.gov/
・米国保険政策研究局(Agency for Healthcare Research and Quality,AHRQ)による、各学会が作った診療ガイドライン集http://www.guideline.gov/
・医療技術評価総合研究医療情報サービス事業(通称Minds)。日本医療機能評価機構による、学会等が作成した診療ガイドライン集。厚生労働科学研究費補助金により試験公開中http://minds.jcqhc.or.jp/to/index.aspx
【参考】
 医薬情報の分野でもインターネットによる情報収集は重要な手段で、特に、ニュース性の高い安全性情報の収集や検索に強力なツールです。目的の情報を得るために、どのような情報源をインターネットから利用できるのか、という知識が問われた問題だと思います。

問4
(1)実際に行われている診療の現状を把握し、疑問点(Research Question)を明確にする。
文献のエビデンス・レベルと研究デザインの確認。
最終的な絞込みの条件(動物実験を含めるか否か、総説を含めるか否か、検索の対象とする期間、最低限の症例数(n)など)の確認。
(2)MEDLINEやEMBASE、医学中央雑誌:医薬に関する文献を幅広く収録し件数が多いため。The Cochrane Libraryなどの二次的情報源も有用である。研究デザインに応じて、使い分けるのが望ましい。
(3)研究デザインや年代などの要素を加味した様々なパターンで検索し、糖尿病ガイドラインのテーマに関連する文献の概数を把握する。評価の高い診療ガイドラインが既に作成されている場合には、その診療ガイドラインを参考にするとともに、それ以降に報告された文献を検索することとしてもよい。予備調査の結果を踏まえて検索式を見直し、必要であればキーワードやデータベースの追加・変更を行い、ガイドライン更新時や他者が検索する場合の再現性を考慮して各種データベースを用い系統的に、また重要文献が漏れないよう網羅的に検索する。
 システマティック・レビューやランダム化比較試験(RCT)のようなエビデンスレベルの高い研究デザインを調査する場合は、データベースの索引付けは必ずしも完全ではないため注意が必要である。特定のResearch Questionに該当する文献が少ない場合は、クエスチョン主体に再検索したり、既存の評価の高いガイドラインの引用文献等から採択文献候補を探す。いずれにせよ検索条件や対象範囲を明確にし、記録を残す。
 ガイドラインを使用する者や将来ガイドラインを改訂する者が検索を再現できるよう、用いた検索式、検索対象フィールド、検索対象期間などをデータベース毎に明記する。出版バイアスが入るのを避けるため、可能な限り、出版されていない研究についても調査する。
【参考】診療ガイドラインの作成の手順 ver. 4.3、あいみっく 25,17(2004)


<専門問題:化学>
問3
(1)
@REGISTRY

A文献検索を想定した場合の化学物質データベースには、STNのREGISTRY(1907年〜)、 DIALOGのCHEMNAME(1967年〜)、CHEMSEARCH(1957年〜)、およびJOISのJCHEMなどがあげられる。化学物質が採録される文献データベースの収録年代が広く、収録している化合物件数が多く、構造式も収録されているということが、REGISTRYを選択した理由である。

BELF(元素式)フィールドを、ガリウムと窒素で検索する。ELFは、単成分物質または多成分物質の一成分内のすべての元素を検索するフィールドであるので、多成分物質を除くために、NC(成分数)フィールドを1で限定する。GAN/MFで検索すると、元素比が1:1のものしか検索できない。化学量論的な組成比をもたない物質まで、網羅的に検索する場合は、元素比が整数でないものや、範囲で表されているものも検索する必要がある。従って、ELFフィールドで検索する。
FILE REGISTRY
S GA N/ELF AND 1/NC

(2)
@HCAPlus、REGSTRY、ZCAPlus
AREGSTRY・・・・HCAPlusで化合物を網羅的に検索するため。
HCAPlus・・・・
化学・化学工学分野の文献および特許の代表的なデータベースであり、Chemical Abstractsの全情報に加えて、主要雑誌の全記事の情報が収録されている。1907年以降の情報を収録し、速報性にも優れている。抄録中の図が表示できる。引用情報を収録している。CASロールなど、検索フィールドが多用で、精度の高い検索ができる。HCAPlusは、接続料金が高めであるが、検索語料のかからないデータベースなので、CAの索引名、同義語、商品名等多数の検索語で検索する場合に、CAPlus、ZCAPlusに比べて安く検索できる。

ZCAPlus・・・・
検索語料が高めに設定されているが、接続時間料がかからない。CA Lexiconで統制語を調べるために使用する。

BFIL REG  
←REGISTRYファイルの回答セットを使った検索を行う。

S GA N/ELF AND 1/NC  
元素式フィールドをガリウムと窒素で検索し、一成分に限定。

SEL CHEM
←レコード中の倒置された名称を除く化学物質名およびCAS登録番号を抽出し、/BIを付与する。SEL NAMEは倒置された名称を除く化学物質名を抽出し/BIを付与、SEL CNはすべての化学物質の名称を抽出し/CNを付与する。ノイズは含まれるが網羅的に、あるいは古い年代まで検索したい時は、基本索引で検索する必要があるので、SEL CHEMを使用。
(E番号が得られる)・・・・a

FIL HCAPlus
S E○-E○・・・・b  
←aで得られたE番号で検索し、窒化ガリウムの集合をつくる。CASロールで窒化ガリウムを工業材料用途等で限定すると、CASロールの付与されていない古い年代の情報が検索できないので、CASロールは使わない。

FIL ZCAPlus 
←「発光ダイオード」の統制語を調べるため時間課金のないファイルへ切り替える。

E LIGHT-EMITTING DIODES/CT 
←STN Express v7.0を使用すれば、日本語から入力した語に対応する英語を見ることができる。

E E○+ALL  
←入力した語句のATの欄が0以上であれば、これらの関係語を見る。USEの欄にある語が統制語である。統制語が見つかれば、その統制語のE番号を使ってすべての関係語を見る。

FIL HCAPlus 
←検索語料のかからないHCAPlusへ切り替える。

S E○-E○・・・・c 
←ZCAplusで表示させた関係語の中のから必要な関係語のE番号で検索

S E○-E○/BI・・・・d 
←cは統制語フィールドを検索するが、もっと検索の範囲を広げる場合は基本索引から検索する。

S LED・・・・e 
←その他考えられる用語、略語で検索する。 

S Lc OR Ld OR Le・・・・f 
←発光ダイオードの集合をつくる。

S Lb AND Lf 
←窒化ガリウムの集合と発光ダイオードの集合をAND検索。

(3)
@HCAPlus、ZCAPlus
AHCAPlus・・・・
著者名フィールドで統計解析をしたり、抽出することができるから。  
(2)で得られた集合を使用する場合は、同じファイルを使用する必要がある。
CAPlus、ZCAPlusは使えない。

 ZCAPlus・・・・
著者名で統計解析した結果を表示するため。HCAPlusでは時間課金されるが、ZCAPlusは接続料金は無料である。

B<中村修二氏の文献を網羅的に検索する場合の検索上の注意点>
HCAPlusファイルで、(2)で得られた集合に対して、著者名をAND検索する。「中村修二」の著者名表記に関して、考えられる表記をEXPANDで確認して検索を行う。同姓同名の人の文献がノイズとして含まれないように、中村修二氏の所属機関で限定するには、中村修二氏の略歴をきちんと把握しておく必要がある。また第一著者の所属機関しか収録されないので、第一著者でない文献情報がもれてしまう。従って網羅的に検索する場合は、所属機関での限定は避けた方がよい。ノイズをチェックしやすいように、出力結果を所属機関でソートしておくとよい。
E NAKAMURA S/AU
E NAKAMURA SYUJI/AU
E NAKAMURA SYUZI/AU
E NAKAMURA SHUJI/AU
E NAKAMURA SHUZI/AU

<中村修二氏の他、窒化ガリウム化合物の発光ダイオード分野の研究者、技術者を検索>
(2)で得られた集合に対し、ANALYZEコマンドか、SELECTコマンドを実行する。選択のポイントは、

・ANALYZEは処理件数には関係なく、コマンド実行料金がかかる。SELECTは抽出するタームの数に対して料金がかかる。従って、処理する件数が少ない場合は、SELECTの方が安価ですむことになる。しかし著者名をSELECTする場合は、1つの文献に複数の著者名が存在する場合があり、抽出されるターム数と対象となる集合の件数よりも多くなることが多く、予測がつきにくい。ANALYZEを使用した方が無難である。

・SELECTはアルファベット順にしか表示できない。ANALYZEは、アルファベット順や、レコード数の多い順に表示できる。

・ANALYZEした結果は、同一発明者で表記の異なるものを、EDITでマージすることができる。

FIL HCAPlus
ANA L(2) 1- AU・・・・g
←中村修二氏の共同研究者も含めて調べるため、(2)で作成した集合を著者名で統計解析する。

FIL ZCAPlus     
←接続時間料無料のファイルに入って、統計解析の結果を表示。

D Lg 1- AU ALP 
←同一発明者で表記の異なるものがあれば、EDITコマンドでマージする。わかりやすいようにアルファベット順で出力。

EDIT COM Lg  
←システムからの指示にしたがい優先して残したいターム、マージしたいタームを指定し実行する。

D 1- AU ALP
←再度表示する。

D 1- AU OCC
←文献数の多い順に表示することもできる。

問4
(1)国内特許を検索できるデータベース、且つ統計解析機能があるデータベースを使う。CA、WPI、INPADOC、PATOLISの特許ファイル等があるが、化合物の索引が最も充実しているCAを使用する。CAは日本特許をすべて収録しているわけではないが、化学分野の特許はカバーされている。また日本特許の収録期間が最も長い。

手順としては、
@化学物質構造・辞書データベースであるREGISTRYで化合物のCAS登録番号、CA索引名、同義語を調べる。

ACAファイルで、@で調べた名称、CAS登録番号を使って、日本特許を検索する。検索語が多いので、検索語料のかからないHCAPlusファイルを使用する。

B最多利用分野を特定するために、IPCの主分類で統計解析を行い、最も出現頻度の多いIPCを見つける。但し主分類で統計解析すると、1967年以降のレコードに限定されるので、1966年以前の特許も考慮にいれる場合は、主分類、副分類で統計解析を行う。

CBで見つかったIPCとAの検索集合をAND検索し、出願人で統計解析を行う。Bの統計解析結果をさらに統計解析する場合は、新たな統計解析料はかからない。

FIL REGISTRY
S C10H30O5Si5/MF・・・・a 
←構造式からHill方式の分子式がわかる。/MFフィールド(分子式)で検索する。aの結果が少なければ、D BIBより出力料金が安いD SAMで出力して目的の化合物を探すか、無料のD SCANで出力し、目的の化合物のCA INDEX NAMEを探して、そのCA INDEX NAMEを使って検索する。

S La AND O5Si5/EA  
←aの件数が多い場合は、環データの元素式(環系)を使って絞り込む。

S La AND DECAMETHYL あるいは、官能基名で絞り込む 。得られた結果をチェックして目的の化合物を探す。

SEL CHEM 
←目的の化合物の集合(L番号)を作成し、レコード中の倒置された名称を除く化学物質名およびCAS登録番号を抽出し、/BIを付与する。SEL NAMEは倒置された名称を除く化学物質名を抽出し/BIを付与、SEL CNはすべての化学物質の名称を抽出し/CNを付与する。ノイズは含まれるが網羅的に、あるいは古い年代まで検索したい時は、基本索引で検索する必要があるので、SEL CHEMを使用する。

FILE HCAPlus
←検索語料のかからないファイルにはいる。

S E○-E○・・・・b
←SELECTして得られたE番号で検索する。

S Lb AND JP/PC・・・・c
←日本特許に限定する。

ANA Lc 1- ICM LENGTH 4
←最多利用分野を特定するということであれは、IPC主分類のサブクラスを統計解析すればよいと思われる。IPCをサブクラスまで指定するために、LENを4とする。

FILE STNGUIDE  
←ANALYZEした結果を表示するため、接続料金が無料のファイルに切り替える。

D ICM  
←上位10のIPCを表示し、最多利用IPCを確認する。この化合物の合成方法のIPCが上位にあがってくることが予想される。そのIPCは考慮にいれない。

FIL HCAPlus
S Lc AND ○/IC・・・・d 
←得られたIPCと集合cをAND検索する。

ANA Ld 1- CO・・・・・e
←出願人で統計解析する。CA/CAPlusファイルで出願人を解析する場合、出願人フィールド(PA)よりも、会社名(CO)フィールドを使う。一部の会社名が統制されているため、解析後の編集作業がやりやすい。

FILE STNGUIDE 
←ANALYZEした結果を表示するため、接続料金が無料のファイルに切り替える。

D 1- ALP 
←同一出願人で表記の異なるものはEDITコマンドでマージする。わかりやすいようにアルファベット順で出力する。

EDIT COM Le
←システムからの指示にしたがい優先して残したいターム、マージしたいタームを指定し実行する。

D DOC 1-3 
←出願件数の多い順に3社表示する。

(2)
・化学結合の主骨格がシロキサン結合(Si-O-Si)であることから、耐熱性、耐候性、電気特性が優れている。

・撥水性、消泡性、離型性などの界面特性を有する。
・環状シリコーンは、直鎖状に比べて他の物質との相溶性が高い。
・無臭
・表面張力が低いので、薄く、均一な皮膜を形成する。
・揮発性があり、揮発時の蒸発線熱が低い。

などの理由から、化粧品分野において、環状シリコーンの5量体が多用されはじめた。
【注釈】化学の知識を問う問題と解釈し、シロキサン結合を持つ化合物の特徴を列記し、解答とした。


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