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OUGライフサイエンス分科会
<<<今までの活動内容>>>

2000年1月〜2000年12月

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第177回(2000年11月16日) 第178回(2000年12月21日)

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第178回 ライフサイエンス分科会

記入者:宮崎佐智子・会津麻美・設楽真理子

開催日時: 2000年12月21日(木)14:00〜18:00
開催場所: 文京シビックセンター 文京区中小企業振興センター研修室A 
配付資料: Ovid Technologies, Inc、(社)化学情報協会、潟Wー・サーチ各社資料
参加人数: 17名

内容:アグリゲーター系電子ジャーナル勉強会

 20世紀最後の分科会は、3社の演者による拡大枠versionでおこないました。まず、前座のOvid社から電子ジャーナルの概要について、選択時のポイント、利用における問題点などを含めた前振りがあり、続いて自社製品のJournals@Ovid, 他出版社サイトへのリンクを提供するOpenLinks、および最近話題のCrossRefについての紹介がありました。さらに、化学情報協会からはWeb 版原報提供サービスChemPort、潟Wー・サーチからはDataStarWebのE−Journal LinksとLondon Online Information 2000で発表されたプライベート・データベース・サービスの説明がありました(詳細は下記を参照ください)。 昨今、話題の内容でもあり、潟Wー・サーチさんの久々の登場ということもあって、多数の出席と活発な質疑応答がおこなわれ、充実した内容になりました。

 ●“STN の ChemPort Connection” presented by 宮崎佐智子 氏 (社) 化学情報協会

  ChemPort は米国化学会 (ACS) と Chemical Abstracts Service (CAS) が共同運営している Web 版原報提供サービスです。2000 年 12 月現在で、111 の科学系雑誌出版社、2 特許庁、1 特許供給機関が提携して、全文データをインターネットから提供しています。閲覧可能な電子ジャーナルの総数は、約 2,100 誌になりましたが、これは今後も増えてゆく予定です。

ChemPort に入ると、出版社や特許庁のホームページへ簡単にアクセスできます。そこで各サイトから全文データを表示することができます。しかし、もっと便利なのは「二次情報データベースで検索した結果の全文を入手」できることです。具体的には、以下の検索システムで検索した結果の全文データを ChemPort を利用して入手することができます。

・ STN on the Web ・ STN Easy ・ STN (STN Express 使用)
・ SciFinder 2000 ・ SciFinder SCHOLAR 2000
・ CA on CD ・ CI on CD ・ CA SELECTS on the web

このサービスを「ChemPort Connection」と呼んでいます。
全文データを入手する際の料金は、場合によってさまざまです。特許などは無料で表示できますが、雑誌論文などは論文単位で購入したり、事前に掲載雑誌の購読契約が必要な場合もあります。いずれにせよ、ボタンをクリックしてゆくと、有料の場合は料金が提示され、最後に注文を確定する、という手順になります。 雑誌を購読契約していなくても、論文単位で購入できる場合がありますので、比較的手軽に全文入手できる、というメリットがありますが、ボタンがたくさん表示されてくるため、選択に戸惑うのでは、という意見もありました。

 ●“DatastarWebのE-Journals Links” presented by 会津 麻美氏 潟Wー・サーチ

  Dialog社が提供するDataStarのWeb製品DataStarWebのE−Journal Links(電子ジャーナルへのフルテキストリンク)機能の概要を紹介しました。主な特徴は、下記のとおりです。

 また、LONDON ONLINE MEETINGのホットな話題ということで、2001年より提供予定のDataStarのプライベート・データベース・サービス(PRIV)の概要も紹介しました。Private File(PRIV)とは、特定の利用者のためだけのデータベースを、スイスのDialog社のデータセンターの置き、検索を行えるようにしたプライベート・データベースです。DataStarでは、従来より特定の顧客向けのプライベート・データベースの提供を行なっていましたが、今回のサービスは、お客様の側でデータベースの構築・メインテナンスが簡単に行えるよう、ユーザー・インターフェースをかなり向上させたサービスとなっています。主な特徴は、下記のとおりです。

 ChemPort, DatastarWebについて、もっと詳しく知りたい方は、リンク集をご参照ください。

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第177回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時: 2000年11月16日(木)14:00〜17:00
開催場所: 株式会社東芝 4階B3会議室
配付資料: ニュースウオッチ・ニュースエッジ各社資料
参加人数: 10名

内容:モニタリング・ツールとしての新聞情報(第1弾)

 今回は、新聞などから必要な最新情報を漏れなく&効率良くひろってくるためのノウハウを勉強するために、株式会社ニューズウォッチの松尾祐二氏、ニューズエッジ株式会社 今井哲夫氏をお招きし、製品説明をしていただきました。潟jューズウオッチの親会社である東芝本社ビルへ会場を手配していただき、いつもと違う環境でいつもと違う話を目新しく聞くことができました。

 まず、潟jューズウオッチは鞄月ナ、潟jュースウエッジ等の合弁により平成8年に設立された会社で、E-mail/Webのみ(EL‘NETと異なりFAXデリバリはしない)による情報提供サービスをおこなっています。主製品のNewsWatch/Brainは3年前にスタートしたPush型サービスで、新聞等91誌(朝日・日経は含まず)を情報源に、テーマ別の情報配信をおこないます。ロボットエンジンと独自のフィルタリングシステムによって抽出された記事のクオリティ(適合度と網羅性)がセールスポイントです。フィルタリングシステムの詳細は紹介されませんでしたが、肯定文・否定文を区別して検索してくることから、かなりの水準にあることがうかがえました。タイトルと冒頭2文までが月〜金の朝e-mailで配信され、埋め込みURLをクリックすれば、全文を見られるという仕組みです。ライフサイエンスに関連するテーマとしては、「製薬企業の動向」「医療用医薬品」「一般用医薬品・医薬流通」「医薬行政・医薬団体」「医療機器」「福祉・介護の動向」「シニアライフ」などがあり、どのようなキーワードを使って各テーマに相当する記事を抽出してくるのかについて、出席者からの質問が殺到しました。2000年9月にリリースされた、NewsWatch/Brain Plusは、NewsWatch/Brainに検索機能やカスタマイズ機能を付加したもので、共同通信・時事通信などのリアルタイムニュースも見られます。ポータルサイトへの情報提供など、インターネットならではのサービス展開が新鮮に感じられました。

 ニュースエッジ鰍ヘ、独自のRefineryにより厳選されたニュースをより多くの人に届けることを使命とし、さまざまなe-Contents Solutionsを提供しています。米国で最も進んだ提供形態は、企業のホームページにニュースサイトとして埋めこまれる形式で、顧客やビジネスパートナーへのサービスとして使われます(eTopics)。イントラネットへ構築されるニュースサイトはiTopicsという製品で、当該Firewall内の全人口を対象としてサービスされます。NewsEdge社のサーバにアクセスするNewsEdge Insightは、Health News Daily、 Market Letterなどを含む600以上の情報源から、顧客毎にカスタマイズされたニュースデータベースを構築します。AIによるMatchingにより各トピックに相当する記事の抽出をおこなっています。Dow Jones, Scrip, FDC-Reports (The Pink Sheet etc)などもこのサービスに含まれており注目されていますが、別料金が設定されているので高額になります。DOE等の政府刊行物や業界誌などもっとも包括的な情報源を有し、Northern Lights社の協力によるArchivesは5,600種におよびます。基本的に英語で提供される新聞・Wire・業界紙をカヴァーし、学術雑誌は収録対象外、特許はニュースとしてのみ取り上げられます。より導入しやすい価格設定のNewsEdge WorkGroupsという製品も紹介されました。

 感想:Information Professionalが最も興味をもつ、データ抽出時の検索方法については、システム的に難しい話らしく、あまり詳しく聞くことができませんでした。契約形態や提供方法などはいままでの馴染の深いデータベース検索システムとは、まったく異なるコンセプトから成立している製品もあり、ユーザー管理・利用統計機能などは、さらに進んでいると思われます。

 ニューズウオッチ梶Eニューズエッジ鰍フ製品について、もっと詳しく知りたい方は、リンク集をご参照ください。

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第176回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時: 2000年10月26日(木)14:00〜17:00
開催場所: ファイザー製薬株式会社 会議室
配付資料: 各人の検索演習資料
参加人数: 9名

内容:検索演習2題

今回は、久しぶりに検索演習をおこないました。2000年1月以来、検索演習をやっておらず、新しいメンバーには初めての経験になりました。2題とも難しい検索テーマでしたが、白熱した意見交換がおこなわれ、たまには検索演習も良いなと感じました。

検索テーマ1:遺伝子治療と薬物動態

出題者の意図を十分に汲み取れず、やけに難しい検索テーマになってしまいました。正確には「薬物動態の人種的差異について遺伝的側面から研究している文献」ということが狙いだったようです。「遺伝子治療」という間違ったキーワードにとらわれて彼方へ行ってしまった方、事前にご指摘いただいた方、申し訳ありませんでしたm(。。)m

◆JMEDでは、「人種差」と「薬物代謝」または「薬物動態」の組み合わせで、適当な文献を見つけることができました。そこから「遺伝子多型」「遺伝多型」が有用なキーワードとして浮上しました。「人種差」と「種差」の違い、「ヒト」キーワード付与の網羅性など、毎度問題になる点が論議されました。

◆MEDLINEでは「Ethnic Group」,「 Ethnology」といった検索語が利用できます

◆遺伝的多型に相当する語としては、「Polymorphism」,「Single Nucleotide Polymorphism」が適当と考えられます。SNPについては、ノイズも出るので注意が必要です。

◎今回のテーマからははずれますが…:「Gene Therapy」と「Phamacokinetics」,「 Metabolism」の組合せは、MEDLINE, EMBASEでは索引されていませんが、DDFでは索引されています。PharmacoKinetics,PharmacoGenetics, ADといったサブヘディングと組合せたいならば、「Genetic vector」が適当な検索語です。遺伝子治療に関しては、文献データベースだけではなく特許を情報源とするデータベース(Derwent Biotechnology Abstracts)や開発名鑑データベース(adis R&D Insightなど)も役に立つことがあります。

検索テーマ2:日本の疾病別患者統計を探す

◆厚生省患者調査は3年に一度、特定の日を選んだサンプリングデータであるため、感染症などは統計上出てこない。最新データは平成8年のもの。厚生省のホームページよりも冊子体の方が扱いやすい。社会医療診療行為別調査報告(厚生省大臣官房統計情報部)は、患者調査よりも新しいデータが得られるが、保険請求に基いているため必ずしも網羅的なデータが供給されているわけではない。

◆IMSは、薬剤の市場規模を推定するには向いているが、処方箋数と患者数は、日本の場合は一致してこない。また診断確定後の数字なので、診断時の情報は得られない。

◆当該疾病の関連分野の学会は詳しいデータをもっていることが多いが、そのデータの入手や所在そのものを知ることが難しい。その学会がホームページをもっていると見つけやすい。学会・団体にによっては依頼すれば快く教えてくれる。厚生省の特別研究班報告も、該当する疾病があれば役立つ。厚生省のホームページかJMEDで所在を調べることはできる。

◆難病などは統計にはほとんど出てこないので、文献の方がデータを得やすいことがある。

◆JMEDなどで、適切なデータを検索するためには工夫を凝らした検索式が必要。主要なキーワードとしては、疫学、り患率、発生率、発病率、死亡率、統計、入院患者数、外来患者数、患者統計、入院統計などが挙げられた。

◆疫学を専門とするドクターは限られるので、著者名から文献を検索するという方法もある。

◆新聞などに発表される数値は根拠が不明なので、アテにならない。調査会社に委託して調べることもできるが、計算方法などは明かされない。

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第175回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時: 2000年9月21日(木)14:00〜17:00
開催場所: 文京シビックセンター 3階 障害者会館 会議室C
配付資料: 「Ovid Online 最新情報」 PowerPoint ハンドアウトとパンフレット
参加人数: 10名

内容:Update@Ovid

 今回は、Ovid説明会第2弾として「Upgrade@Ovid」を開催しました。Ovid Onlineは、2000年4月に検索ソフトウエアの大規模な強化が行われ、Version4.1.0になりました。Version-Upの目玉であるMultifile & Deputingをはじめ、さらなるEvidence-Based Medicine情報源、外部電子ジャーナルへのリンクを作るOpen Links等、OvidのめざすPortal Site構想が、デモを交えてじっくりと説明されました。

 まず、はじめにVersion4.1.0の目玉である、Multifile & Deputing機能の詳細が説明されました。Multifile & Deputingは、複数データベースの同時検索と重複除去の機能です。Ovidの長所である統制索引語への誘導機能(Thesaurus Mapping機能)は、現versionではブロックされており、今後のversion up でのリリースが予定されています。 PubMEDに収載されているPre-MEDLINE(MeSHが付与される前のMEDLINE)がホストサーバ上に提供されるようになったので、Multifile & Duputingを使ってMEDLINEと同時に検索と重複を識別除去することができます。Pre-MEDLINEは毎日更新されていますが、PubMedと比較すると一日遅れた状態で提供されています。

 コンテンツの強化としては、Cochrane Libraryのアウトプットのひとつで、臨床向きの方法論に重きを置いたレビュー論文、メタアナリシス論文のフルテキストデータベースである、DARE (Database of Abstracts of Reviews of Effectiveness) がEBMRに追加されました。EBMR購読者は無償で利用できます。BMJ Publishing Groupが提供するClinical Evidenceも電子ブックの形態でBooks @ Ovidのインタフェイス上にリリースされました。Clinical Evidenceは、治療の介入の利益・不利益についてQ&A方式でコンパクトにまとめられています。CochraneのSystematic review等を出典としており、時間に追われる臨床家向きの新しいEBM情報源です。看護・診断・医療分野の定評ある教科書・ハンドブックを同一インタフェイスから提供するBooks @Ovidにも、続々と新規タイトルが追加されています。

 Ovidのデータベースから、Journals@Ovid以外の電子ジャーナルへのリンクを設定できるOpen Linksは、常に最新情報へリアルタイムにリンクし、Update作業などを必要としません。現在利用できる出版社や、現在交渉中の出版社の情報については、下記URLが参照できます(http://admin.ovid.com/openlinks/index.html#indev)。

なお、今後の予定とされていたJournals@OvidでのPDF形式出力は、10月6日にリリースされました。同時に、ホストサーバでの検索ソフトウエアはversion4.2.0にあがっています。これらの最新ソフトウエアは現在、ホストサーバでのみ利用可能な状態です。OvidNet やU-GateなどLocal serverでのリリースは2001年初頭になります。

  Ovid Technologies Incの製品について、もっと詳しく知りたい方は、リンク集をご参照ください。

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第174回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時: 2000年7月13日(木)14:00〜17:00
開催場所: ISIジャパン 会議室
配付資料: 講師配布資料
参加人数: 13名+ ISIジャパンスタッフ6名

内容:「文献情報担当者のための特許の話」 presented by 固武龍雄氏

 今回は、ISIジャパン棚橋さんの発案により、ISIジャパン会議室にて、当分科会メンバーのひとりである固武技術士により、特許の専門家でない情報担当者もわきまえておくべき特許の知識について、わかりやすい講義をしていただくことになりました。内容が内容だけに、近頃幽霊と化しているメンバーも出席し総勢20名のにぎやかな会になりました。概要は次のとおりです。

知的所有権のなかの工業所有権

特許要件

先願主義と先発明主義

特許権の属地主義

 工業所有権の保護に関するパリ条約と優先権

 パテントファミリー

 PCT

存続期間

公開制度

 特許請求の範囲

 審査請求

日本の特許制度

 日本の実用新案

米国の特許制度

国際特許分類

意匠

商標

「文献検索をする際に必要な特許の知識」という視点から語られる特許の基礎知識は、特許を専門としない当分科会のメンバーにもわかりやすく、「サーチレポートって何?」「年金ってどういう仕組みで払うの?」といった今さら人には聞けない疑問もすっきり解決。さらに文献検索と特許検索の両方を熟知した講師の語る、細かいポイント(例えば、WPIとCAでのパテントファミリーのつくりかたや収録国の相違、PATOLISと BRANDYに収録される商標の違いetc)は、まさに「他では聞けない内容」でした。特許や情報をめぐる製薬企業の裏話なども興味深く聞くことができました。

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第173回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時: 2000年6月22日(木)14:00〜17:00
開催場所: 文京シビックセンター 5階 研修室A
配付資料: 医学中央雑誌刊行会よりPowerPoint ハンドアウト
参加人数: 18名

内容:医中誌Web説明会

 今回は、2000年4月よりスタートした「医学中央雑誌」のWWWブラウザ対応検索サービス「医中誌WEB」について、全文検索エンジンを用いた検索システムの概要、基本的な検索方法、認証システム、「同義語辞書」を利用した「統制語への案内機能」、現在の問題点と使用改善予定などを、医学中央雑誌刊行会 電子出版課 松田真美氏にデモを交えて説明していただきました。現在、注目のシステムとあって、近来まれに見る出席者数となり、質疑応答も活発におこなわれました。

 まず、法人向け・個人向けにわかれたサービス概要、トライアルの種類(優待・無料・フリーアクセスデモサーバ)、法人向けの認証システム(IP validationとID/PASSWORD、あるいはその組合せ) などが説明されました。現在提供されているのは、Basic Modeと呼ばれる検索モードであり、さらに高度な検索ができるAdvanced Modeのリリースは10月頃を予定しています。データは1994年まで提供されていますが、2001年には1987年まで遡る予定です。法人向けサービスでは、一時間単位での最大同時アクセス数・ログイン失敗回数などのアクセスログも提供されます。検索システムは、Suffix Arrayというインデックス構造を利用した全文検索エンジンを使用しており、語を切り出ししているCD-ROMよりもHit率は高くなっています。

 Basic Modeでの検索は、シソーラス用語へのガイドやサブヘディングやチェックタグによる絞込みなど、思いのほか高度な検索がおこなえる一方、アルファベットの大文字・小文字を同一視する(alpha, ALPHA, Alphaの3パターンの入力が必要)、スペースはANDと見なされる、フレーズの検索には、スペースの前に¥マークが必要である(Amino\_Acid, _部分はスペース)など、意表を突かれる仕様も見うけられます。出力は表示・ダウンロード・メイル転送(添付ファイル)の3種類で、文献管理ソフトへ取り込むための形式やSort機能もあります。検索式を保存する機能やSDI機能は現在のところ、付与されていません。使用されている同義語辞書は、見出し語(ディスクリプタ)が18,000語、同義語が約12万語の膨大なものであり、臨床系に注力した内容になっています。

 リリースが待たれるAdvanced Modeでは、検索履歴の保持と再利用、検索語一覧の閲覧と利用、下位語を含む検索、検索式の保存と再利用、シソーラス語閲覧(統制語群の文字コード順リストの参照)などができます。フレーズ検索や大文字・小文字入力などの問題点もこの検索モードでは、解決する予定です。医中誌刊行会としては今後CD−ROMよりもWebへ力を入れて行く方向で、入力規則なども整いつつあるそうです。

 出席者からは、検索機能(特に入力)に関する質問やJOISとの相違点、PubMedと比較しての質問などが相次ぎ、活発な例会になりました。代理店のひとつであるユサコ鞄d子メデイアグループの増田豊氏からは、Local Area Network環境での医中誌の利用を含め、さまざまなテクニカル面での補足説明がありました。

 「医中誌WEB」のお申し込み、サービス内容については、リンク集をご参照ください。

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第172回 ライフサイエンス分科会

記入者:梶浦 充男&設楽真理子

開催日時: 2000年5月18日(木)14:00〜17:00
開催場所: 丸善株式会社 日本橋店5階 会議室
配付資料: Knowledge Workerのカタログ一式
参加人数: 11名

 

内容:KNOWLEDGE WORKER説明会

 昨年7月に丸善よりサービス開始されたKnowledge Workerのサービス概要と、特に本年5月より追加された機能であるフルテキストリンクについての説明がありました。

[概要]

KNOWLEDGE WORKERは、書籍の選書/発注/受入/予算管理等の機能により、図書館業務の効率化をサポートし、また、エンドユーザーへの情報収集環境の充実を目的に、世界の学術情報へのナビゲーション機能やリンク機能を搭載したシステムです。

British Libraryが所蔵する世界の主要な学術雑誌2万タイトルのコンテンツ情報を搭載し、各種検索やアラートサービス等の機能を提供する他、発注/納品データの各種フォーマットによるデータ配信や図書館業務のアウトソーシング等の機能を持つ、図書館を取り巻く新しい環境に対応する総合ツールとして活用できます。

構成内容は次の通りです。

・学術雑誌:British Libraryが購読する2万タイトルの学術情報雑誌の論文目次情報を搭載。

さらに本年5月より各出版社が提供する独自のコンテンツ情報(抄録含む。開始時5社程度)も提供。
基本料金のみでコンテンツの検索が自由にでき、自機関の所蔵雑誌情報やOPAC、丸善から購読している電子ジャーナル(開始時5社程度)とリンクが可能。同インターフェース上で論文複写依頼も可能。

・書籍:未刊・近刊を含む洋書・和書の商品情報の検索、発注、発注の状況照会が可能。内容・在庫情報も表示。

・その他:洋書・和書・学術雑誌の横断検索。新刊洋書・論文情報のアラート配信

[電子ジャーナルフルテキストリンク機能]

2000年5月よりKNOWLEDGE WORKERの強化機能としてサービス開始。丸善と契約している電子ジャーナルについては、記事単位で全文にアクセスすることが可能。各出版社毎に同じ検索を繰り返すことがなくなる為、効率的に電子ジャーナルを活用できます。

[問題点]

フルテキストリンク可能な出版社が少ない(2000年5月15日現在Blackwell Science/ Profession Engineering Publishing /Oxford University Press の3社。 順次増やす予定)。和雑誌の情報は搭載されていないので自社で作成の必要がある点。
今後も、使用者の要望によって機能を充実させていきたいとのことでした。

 KNOWLEDGE WORKERについてもっと詳しく知りたい方は、リンク集をご参照ください。

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第171回 ライフサイエンス分科会

記入者:藤井直喜&設楽真理子

開催日時:2000年4月20日(木)14:00〜17:00
開催場所:ファイザー製薬株式会社 24階 会議室
配付資料:Power Point ハンドアウト2種、料金表およびパンフレット
参加人数:10名

内容:Gale Group 製品説明会

 今回は、Gale Group提供製品の概要説明およびビジネス関連データベースの説明という構成になりました。 まず1998年秋Thomson傘下の3社(Gale Research, IAC, Primary Souce Media)の合併により誕生した、レファレンスと定期刊行物を同時に提供できる唯一のベンダーGale Groupの組織背景から始まり、アカデミック機関向けの主力レファレンスデータベース、定期刊行物データベースのデモにて前半を終えました。 Gale Groupのディレクトリを重宝する一般大学図書館には馴染み易い収録誌の特徴ですが、デモの際の回線、PPの不具合も加わりサーチャーの方々にはかなり複雑に聞こえたように思われます。 

 休憩を挟みビジネス系データベースについて、現在キャンペーン中のビジネスデータベースパッケージBusiness InfoSuiteに焦点をあてた説明がありました。この商品は投資レポート関連、ビジネスレファレンス関連、ビジネス定期刊行物関連の各データベースに、Dialog等でも利用可能な主要ビジネスデータベースPromtを加えた割安なパッケージです。サーチャーの方々の興味は、データベースの内容よりも検索機能面に集中しました。特に他ベンダー提供のデータベースも組み合わせることが可能な、InfoTrac Total Access と呼ばれるOptionのMultifile検索機能には価格その他の質問が相次ぎました。

 Gale Groupを含む出版社とこれからのデータ提供システムの展望に関しては、台頭著しかったアグリゲーター(出版社からデータを集め、充実した機能を搭載したインターフェイス上に提供するベンダー)に対して、データを自社内で保有・電子化し、自社サーバーから直接情報を提供する出版社製品の強みが顕著になってきたことが感じられました。ユーザの評価判断の基準としては、一つのインターフェイスからリンクを含めてどれだけ豊富な種類のデータを提供できるかが、鍵になっていくものと思われます。

 Gale Group製品についてもっと詳しくお知りになりたい方はリンク集をご参照ください。

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第170回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子&渡辺麻子

開催日時:2000年3月23日(木) 14:00〜17:00 
開催場所:ISIジャパン 会議室
参加者数:9名
配付資料:Web of Scienceマニュアルとリーフレット3種

内容:Web of Science 勉強会

 今回は、ISIジャパンのCorporate担当の遠山美香子さんと、Academic担当の渡辺麻子さんにWeb of Scienceの説明とデモをおこなっていただきました。話題の商品とあって常連以外の方々も出席され白熱した勉強会になりました。

 まず、ISI社やISI社の雑誌選択基準、各製品の関係が説明され90年代の電子ジャーナルの状況と何故Web of Scienceが有効か、といったことが説明されました。ISIImpact Factorに代表される学術雑誌の選択基準を持っています。ISIのデータベースに共通していえることは、その定評ある選択基準で雑誌を選択しているということです。言い方を変えれば、研究にImpactを与える情報源に厳選してデータベースを作成し提供しているということです。Medlineが「医学情報」という主題に基づいて、情報を包括的に収集しているのに対し、ISIのデータベースは研究に絶対必要な情報という観点から情報を集めています。収録がcover to coverであるというのも、主題としては自然科学あるいは社会科学全般にまたがるというのも、そもそもデータの集め方がMedlineとは、根本的に違うからです。ISIのデータベースによって研究者は優先順位をつけて論文を読むことができるのです。

 ISISciに代表される3種の引用文献データベースは、Webの技術によって従来のメディアに比べて検索機能が大きく飛躍しました。そこでSci on Webではなく、Web of Science というまったく新しい製品名にして、リリースしました。Web of Scienceは、Science Citation Index Expanded, Social Science Citation Index, Arts &Humanities Citation Indexのデータを収録するエンドユーザー向けのWeb製品です。複数年を同時検索できる、全ての著者とその所属が検索できる、引用著者についても全著者が検索できる、ある文献が引用している文献(Cited)だけでなく、その文献を引用している文献(Citing)とその件数も調べられる、共通の文献を引用しているRelated Recordを調べられる、などの他にはない特徴があります。ISIの製品であるChemistry ServerDerwent Innovations IndexISI以外の電子ジャーナルサイトへもリンクしています。

 Web of Science を使う利点としては、引用の流れを追うことによって研究の流れを追うことができる、Related Recordを調べることにより主題検索等からは見逃された文献も見つけ出せる、ある文献のImpact(誰に引用されたか、何回引用されたか等)がわかる、ある分野における最多被引用文献がわかる、等があります。新しい研究を始める際の先行技術調査やデータ集めなどに特に有効です。Web of Scienceはエンドユーザーを指向しているため、サーチャーの視点からは検索機能的に物足りない部分もあり、エンドユーザー向けとしては親切さに欠ける部分もないわけではないですが、1945年までの遡及は、他の追随を許しませんし、学際領域を含む包括的な収録対象(約8,000誌)も魅力です。

 参加者からは、実際にエンドユーザーにどのように使わせるか、どういう時に使えば役に立つのかを中心に活発な質疑がおこなわれ、棚橋マネージャーも含めた討論に発展しました。JCR Webとのリンク、BIOSISとのリンクなど、今後のさらなる展開も期待できそうです。

 ISI製品についてもっと詳しくお知りになりたい方はリンク集をご参照ください。

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第169回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時:2000年2月24日(木) 14:00〜17:00 
開催場所:ファイザー製薬株式会社 会議室F
参加者数:10名
配付資料:Adis Internationalからの資料とリーフレット

内容:Adis International製品説明会‐Conference Insightを中心に

 今回の演者、Adis Internationalの岡田さん、松村さん、武田さんには遠路、大阪からお越しいただきました。新会場のファイザー製薬渇議室は、眺めも良く新鮮な例会になりました。 説明の要約は下記の通りです。

 Adis International Ltdは、1971年に創刊された“Drugs”をはじめとする医薬関係のレビュー誌(Clinical Pharmacokinetics, CNS Drugs, Drug Safety, Drugs & Aging, BioDrugs, Sports Medicine, Disease Management & HealthOutcomes, PharmacoEconomics, Paediatric Drugsなど)を出版しています(記入者注:これらのレビュー誌は、同じWolter Kluwer の傘下にある、Ovid Technologies 社のJournalsOvid上でも2000年以降、購読できます)。

 また、約2000の国際的な学術雑誌を査読し、論文の内容、臨床試験のデザインや結果を評価したものを、26の領域別にまとめ、LMS Alert(新名称Clinical Insight)として月刊冊子体、CD、オンライン、Webなどで供給しており、原著論文にあたる必要のない詳細なSummaryAdis独自の評点は高い評価をうけています。各国の医薬開発品のプロフィールを収録した、Adis R&D Insightと連携可能になっており、5年分の遡及データをもつCDROMでは作表機能もあります。

 3つ目のInsightとして追加されたのが、Adis Conference Insight1999年リリース)です。2000年度は46の医薬関連の国際学会を直接取材し、その日のうちにOvernight Report, 7日後には主要トピックスの概略、14日後には個々の演題のサマリーをインターネット上に提供します。Anti-infectives, Allergy & Immunology, Cardiovascular medicine , OncologyNeuropsychotherapeutics の5分野から必要な領域のみを年間購読可能です。学会開催前にも、注目すべき演題などに関する情報をPre-Conference Analysisとして告知しており、Meeting Diary等の情報を提供している学会は、1700以上あります(20003月現在)。2000年に直接取材している学会のリストもいただいたので、ご入用の方は副主査までご連絡ください。

 参加者からは、Adis Internationalの雑誌を評価する基準や、Adis評点のつけ方、Conference Insight上のデータをエビデンスとして利用できるか、などの活発な質問がありました。

 adis International製品についてもっと詳しくお知りになりたい方はリンク集をご参照ください。

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第168回 ライフサイエンス分科会

記入者:設楽真理子

開催日時:2000年1月20日(木) 14:00〜17:00 
開催場所:情報科学技術協会 会議室
参加者数:6名
配付資料:
1.協会から「第37回 OUG研究会 開催案内」
2.各人資料

内容1:検索演習「インフルエンザウイルスに関する考察」

Q:今シーズン流行のインフルエンザウイルスのタイプは? 新型はあるでしょうか?
→G−Searchの新聞情報(産経・毎日・読売横断検索)では、昨シーズンの情報(A香港型、B型およびA-H5N1)は見つかったが今シーズンの情報は見つからなかった。
→JMEDでは、インフルエンザウイルス感染症をその場で診断できる「迅速診断キット」の情報が見つかった。A型にしか効かないとはいえ、従来2-3日かかっていた診断が15分程度でできる為、実際の治療には有効と思われる。

Q:インフルエンザの予防接種が、実際に有効であることを示す文献はあるか?
→OvidのEBMRを使うとInfluenzaに関するThe Cochrane Databases of Systematic Reviewsは4件見つかる。うち喘息患者への予防接種については、有効であると言いきれない、健康な大人に対しては、公衆衛生の観点からひろく接種を薦めるには到らないという結論になっている。残り2件は薬剤を扱っており、Neuraminidase Inhibitors は健常人には予防・治療ともに有効、Amatntadine,Rimantadineは有効とはしているものの、副作用への言及も多い、という状態。
→新聞報道などで「有効」の根拠とされる文献やデータは、ランダム化比較試験がきちんと行われていないなど、統計的には優位差がない場合が多く、注意が必要という意見をメーリングリストで発見。

Q:インフルエンザウイルスに直接作用すると言われている新薬「ザナミビル:Zanamvir (商品名:Relenza)」の作用機序をしめす文献は?
→医薬ジャーナル、Nikkei Medical、Medical Tribuneなどの医薬系マガジンには、特集記事(限りなく広告タイアップに近い形であるが)が組まれており、おおよその情報を入手できる。また、発売元のGlaxoWellcom社のHomePageにも詳細な情報が出ている。
→Knowledge Workerを使うと、前出のThe Cochrane Databases of Systematic ReviewsでReviewされている原著論文等は見つけられるが、検索機能&使い勝手はかならずしも良いとは言えない。

内容2: ライフサイエンス分科会の今後の活動方針

昨年夏以降、まわりもちで主査を担当するという新しい試みをしてきましたが、「とりあえずの担当」を決めておいた半年が経過しました。今後どのように運営していくかについて、1月例会および新年会出席者の間で話し会い、次のような案ができました。ご意見・ご要望などお気軽にお寄せください。また、活動内容については引き続きアイデアを募集しますので、よろしくお願いいたします。

◆主査について:

期の換わる6月以降、ファイザー製薬株式会社の佐藤京子さんが主査を引き受けてくださることになりました。また、設楽は引き続き、副主査としてサポートを担当します。

◆活動方針:

昨今、データベースシステムや出版社のWeb製品などの変化が著しくなっています。今までも、講師を招聘した勉強会をIdDB, Dialog, STN International, JAPICとおこなってきましたが、しばらく集中してやってみようということになりました。現在、候補にあがっているのは2月のadis International LTDのほか、医学中央雑誌刊行会、Gale、IMIC、Prousなどです。ご希望の機関やコーディネート可能な機関がありましたら是非、情報をお寄せください。

◆向こう半年の開催日について:

外部イベント・主査都合などを勘案し、次のように予定をたててみました。ご自分の予定表に早目に組みこんでくださるよう、お願いいたします。また、開催場所は随時かわる可能性があるため、開催案内にご注意ください。

2月24日(第4木曜日)場所:ファイザー製薬梶@内容:adis International LTD製品
3月23日(第4木曜日)場所&内容:未定
4月20日(第3木曜日)場所&内容:未定
5月18日(第3木曜日)場所&内容:未定
6月22日(第4木曜日)場所&内容:未定
7月 …お休み
8月 …お休み

招聘した各ベンダーのサイトは、「ライフサイエンス リンク集」をご覧ください。

OUGライフサイエンス部会への要望は、メールください

 

2001.4.20更新

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