2000年 9月号抄録

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特集「21世紀の情報目標INFOSTAスペシャル」の 編集にあたって

21世紀を迎えるに当って,新鮮な気持で情報関連の諸問題の将来を考えてみることにしました。  この種の企画でよく行われるのは将来予想であります。しかし,予想は面白い反面,仲々当たらないものであり,無責任な所があることも皆様御存知であります。  将来計画というのもありますが,当面の仕事に追われている関係上,十分に練り上げ,明確化したものを持ち合わせない所が多いという事情があります。  そこで,本企画は情報関連分野にかかわる将来目標に重点を置いたものといたしました。  しかし,目標は人により多種多様です。そこでINFOSTAスペシャルとし,INFOSTA現役の方々に執筆をお願いすることになりました。  執筆者の方々の御努力に感謝したいと思います。  INFOSTAは諸先輩の努力のたまもので,今年(2000年),50周年を迎えることになりました。情報専門家は多くの恩恵をINFOSTAから得ているはずです。  21世紀に向けた情報サービスの諸活動を確かな基礎の上に立って,スタートしたいと思います!
(編集担当委員 棚橋佳子,豊田雄司,長谷川正好,山地康志,吉野敬子)


「情報雑感」―情報の根源について―

權藤 卓也  (ごんどう たくや) (社)情報科学技術協会会長  
現在のIT革命時代においては,情報とはデジタル処理されて,人間を離れて客観的に伝達・処理できるようになったものと理解されているが,本来の情報とは,人の活動の記録であり,人間を離れては情報の意義はない。また,情報として取り扱われる内容は,その生産の過程で制限され選択されているので,情報を利用する場合には,生産の目的や状況を考慮して,欠落情報や意図的な偏向に注意する必要がある。
キーワード:情報,情報の生産,情報の利用,


21世紀の協会ビジョン― 21ビジョン事業化委員会の検討報告 ―

三浦 勲 (みうら いさお) 実践女子短期大学  
INFOSTAは,協会の中期ビジョンの策定を21ビジョン事業化委員会に委嘱した。委員会はこのほど検討結果をまとめ,提言として協会に提出することになった。協会は,この提言をうけて新たな活動を展開することになるであろう。
キーワード:情報科学技術協会,INFOSTA,学協会の役割,IT,ビジョン,情報科学技術

産業界から期待される情報専門家の育成を目指して

立花 肇 (たちばな はじめ) 鰹テ南情報サービス  
 INFOSTAは50年の歴史を通して,産業界における情報専門家の育成に大きな力となってきた。しかし最近のリストラとアウトソーシングの波によって,企業内情報専門家の地位が怪しくなってきた。そこでIT革命において企業が生き残りをかける中,経営者の力となりうる新しいタイプの情報専門家を,INFOSTAが育成する必要のあることを強調した。またINFOSTAの目指す情報専門家の育成を,経営者層に理解させる方法についても述べた。
キーワード:INFOSTA,情報専門家,産業界,人材育成,企業,リストラ,アウトソーシング

INFOSTAの目指すべき専門性について

山ア久道 (やまざき ひさみち) 宮城大学  
INFOSTAは,情報への生物学的,工学的,言語・コミュニケーション的アプローチを統合したような形で専門性を築いてゆくことが望ましい。つまり,「行動の指針」,「意思決定の材料」としての情報(の内容)のあり方を考えて行くという立場である。そのためには,システム面から情報を捉えるのでなく,コンテンツの取扱いに主眼を置いて,システムやIT(情報技術)はそのための(有力な)手段と見なす方向で,旗幟を鮮明にすることが求められる。INFOSTAの,過去の研究や事業上の蓄積を活用することによって,他の団体と差別化するドメインを構築することが可能であると考える。
キーワード:INFOSTA,専門性,情報の定義,情報へのアプローチ,コンテンツ

「情報の科学と技術」誌と図書館・情報センターの使命

山地康志 (やまじ やすし) 国立国会図書館  
「情報の科学と技術」誌では,図書館・情報センターの運営に関わる主題を編集の題材としている。雑誌での特集記事を過去5年分にわたり分類し,社会環境,情報理論,経営手法及び図書館業務の4領域に切り分けた。各領域の課題を整理し,今後の情報活動に有益と考えられる指針を提示した。最後に,電子的なドキュメンテーションの必要性を論じた。
キーワード:情報科学技術協会,情報の科学と技術,情報学,図書館経営,蔵書構築,ドキュメンテーション,ナレッジ・マネジメント

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